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☆この本への「かけはし」での優れた書評。部落解放運動への評価も含めて
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 戸田 E-MAILWEB  - 08/2/16(土) 11:25 -
  
  かけはし2008.2.4号 http://www.jrcl.net/web/frame080204e.html
書評:『荊冠の志操』 西岡智著
☆差別と闘う原点に立ち返って。  著者が語る部落解放運動私記

◎特措法期限切れと危機的状況

 二〇〇二年三月に「地域改善対策特別事業に係わる国の財政上の特別措置に関する法
律」の期限が切れた。
 それから四年半が過ぎ、二〇〇六年十月末に大阪市は同和対策事業の「全面的廃止」を決定した。大阪市からは財政危機と行政改革を巡る模索のなかでの決断だったと説明されている。

 しかし、法期限切れと市の方針決定との四年半の間に「一部であるが大阪市と解放同盟幹部との利権構造」「同和対策事業の不適正な執行」を巡る報道と出版が相次いだ。
 大阪市をして解放同盟との協議には時間と人数を制限し、かつ内容はすべて公表する」とまで言わしめた。
 「解放同盟に強要されて同和対策事業を行ってきた」と言わんばかりの対応で、多くの市民に解放同盟への不信・不満を煽り、「部落差別は特別対策をする必要がない。もうなくなっている」とまで信じ込ませる施政方針の転換が実行されている。

 国や行政の施政転換が「差別を金に代える運動」と解放運動をねじ曲げ、「解放同盟の差別との闘いに対する不信・不満」にまで拡げられた。

 この事態に立ち至って「部落解放運動の現状は文字通り戦後最大の危機的状況にある」と捉える多くの活動家に再度解放運動の歴史に沿って問題の本質を捉え直し、部落解放同盟の基本文書である「水平社宣言」が世界初の人権宣言であると言われている精神を学び直す機会と歴史の真実を提供することは極めて重要なことだと考える。

◎同和対策事業と差別糾弾の闘い

 今、狭山差別裁判糾弾闘争を部落解放同盟狭山中央闘争本部事務局長として、狭山全国大行進や日比谷公園での十一万人集会や全国一斉同盟休校を部落の児童・生徒九万人の参加で組織し、国家権力と真正面から闘い続けてきた西岡智さんが、差別と闘い続けてきた自らの体験を語り、著作にまとめ上げた。

 西岡さんの闘いは部落解放同盟が組織される前年の一九五四年から始まっている。
 当初から狭山差別裁判糾弾闘争やあの有名な矢田教育差別糾弾闘争に代表される差別糾弾闘争だけを担っていたわけではない。

 「硫酸事件」という結婚差別事件がきっかけで、部落解放運動に参画し、地元矢田地区で解放同盟の支部を創設し、車友会(自動車免許取得運動)を組織し、生業資金闘争、住宅闘争、そして教育闘争(越境反対闘争、教科書無償の闘い、給食費闘争など)を闘い続け、今日まで多くの小規模事業を営んできた部落大衆の自立と経営健全化の柱を担って来つつも、今、「同和対策事業の悪の象徴」と断罪される「大阪国税との七項目確認」にも当事者として関わっている。
 いわば同和対策事業創設に深く関わってきた。

 「部落解放運動の中にも同じ部落民であるのに、資本家と貧困層がいるわけです。そういう階層的なものを分裂じゃなしに、統一していかなくてはならない」。

  「同対審答申運動は金になる運動でしょ。ところが狭山事件は金を出す運動や。自腹切る運動。これをセットにしないと物取り運動になる。

 日本のこえ派は『同対審答申を武器にして』と言うたんや。朝善のおっさんは『それは間違うとる。武器にするのは同盟の綱領、水平社思想に基づく綱領、運動方針だ』と。綱領武器論と同対審答申武器論と二つに分かれる。

 日共の『毒まんじゅう論』でもだめで、運動の力で毒まんじゅうにならないようにする。
 私は折衷論派で、いいとこ取り派。思想は水平社宣言で同盟の綱領、実践は同対審答申で、思想は『狭山』の『万人は一人のため、一人は万人のため』。
 二者選択ではなく、統一的に捉える」。

 狭山闘争には結集するが、同対審(特措法)闘争には結集できない労働者の姿が七〇年代にもある。
 その疑問を狭山共闘を積極的に担っている労働組合の活動家にぶつけてみた。
 労組の活動家は「同対審答申完全実現の闘いは組合員に対して具体的な行動提起がしにくい。しかし、狭山は公判闘争や中央や地域の集会や署名など取り組みへの動員がかけやすい」と答えてくれた。

 「何故労働組合は同対申運動に積極的に関われないのだろうか」という疑問に対して「同対審(特措法)闘争はお金を取る運動。狭山闘争はお金を払う(自分で金を出す手弁当の)運動」だからと著者は看破した。
 労働運動の福利厚生闘争と同一視され、他組織の人間には関われない運動との評価をもたれてしまったのではないか。

 一方狭山闘争は反政府闘争の一環、とした位置づけで闘おうとするからではないのかと思い至った。部落大衆にとっては生きるための二つの闘いだが、労働組合と組合員にとっては別次元の二つの闘いに分離されていたことに気がつく。

 そうだからこそ、最近の不祥事に驚き、解放同盟と解放運動から身を遠ざけようとする労働組合や活動家の姿が多く見られるようになった。

 「最近の不祥事の基本的性格は『暴力団、銀行、行政の三位一体的犯罪』に運動が負け、流されてきたということである」、
 「(行政や企業の)コトナカレ主義は多くの場合、解放同盟=部落はコワイという差別意識からだ」、
「同和事業をめぐる不祥事については、早くから同盟内およびその周辺の多くの人に知られ、問題にされてきた。一九八一年〜八二年の『西岡・駒井両中執意見書問題』の時に解放同盟がそれに向き合い、総点検を開始する機会があった」。

 「不祥事とそれをもたらしたものを厳しく総括すると同時に、解放運動と同和対策事業の一切を否定するような暴論に対しても明確に反対しなければならない。そういう暴論は歴史を偽造し、クソとミソをごっちゃにして、腐敗をかえって増大させるものだからである」。

◎公共的役割を担う解放運動

 厚生労働省の薬害問題で問われているのは、薬害を出したこと以上に薬害が判明したのにそれを放置し、患者と家族にすら知らせず使用させ続け被害を拡大し続けたことである。
 解放同盟一部幹部によるエセ同和行為も同じことが言える。
 解放同盟自身による総括が一番重要になっている。

 「危機こそ最大のチャンス」と現状を捉える著者は、「水平社時代にもエセ同和行為はあったという。それを克服したのは高松差別裁判糾弾闘争であった。
 七〇年代の高揚期でも、『同対審完全実施』だけでなら物取り主義になりかねないところを、『狭山完全勝利』とセットにして闘った。『狭山』が利権主義の歯止めになった」と総括し、

「同和対策事業にはとかく金が動く。……すぐれた大衆感覚を持ち、個人的には欲張りというわけでもない人もその構造にはまりこむという例もあったと思う」。

 「解放同盟のリーダーは公務員ではないが、公共的役割を担っている。その期待の意味を自覚すべきである」。今こそ「『エセ同和』の徹底的な克服を実行しよう」と呼びかけている。

 エセ同和を解放運動から一掃するために「解放同盟が一般施策をも改善してきた行政闘争で培った経験(教科書無償の共同闘争など)を生かし、差別されてきたものが差別してきたものと手を組んで、差別させてきたものと闘う」と共同闘争を強調している。

 また、見えなくなってきている差別との闘いについて、「麻生太郎や山崎拓の差別発言を糾弾すべきで、反差別統一戦線の再結集の可能性があり、全国大行進も組織できるはずだ。

『大衆は闘わないのではない。闘う方法を知らないからだ』(レーニン)」と具体的な問題提起も行っている。

 本書は著者自身の半生を振り返る自伝だけでなく、狭山闘争や矢田教育差別事件、同和対策事業についての簡潔明瞭な解説が付けられている。解放運動に共闘する各界の著名人について著者との関わりと思い出が綴られてもいる。

 その意味で部落解放運動を知るための入門書としても優れているばかりか、部落解放同盟をめぐるさまざまな疑問にも当事者でしか語り得ないエピソードが不断に盛り込まれ著者の見解が述べられている。
 部落解放運動に関わる者だけでなく、多くの活動家に読み継がれるべき著作だと思う。(星野春信)
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引用なし
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