「自由・論争」 掲示板

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地上戦が始まったガザからアブデルワーヘド教授の緊急メール 考える葦 09/1/4(日) 22:45

●1/18のブログ記事から:夜間空爆の恐怖。心がどんどん惨めになっていく。・・・ 戸田 09/1/19(月) 8:28

●1/18のブログ記事から:夜間空爆の恐怖。心がどんどん惨めになっていく。・・・
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 戸田 E-MAILWEB  - 09/1/19(月) 8:28 -
  
■地球のステージ ブログ■  2009.01.18 Sunday 
     http://blog.e-stageone.org/?day=20090118
ER、三日目
今日は患者さんが多かった〜
 毎日アラビア語を勉強しつつ、通訳のアベッドに助けられながら、それでも20人は診察したでしょうか。
 空爆がひどいと、人々は動けないので患者さんが来ません。暇になります。でも一度空爆が静かになるとどっと来ます。その波に巻き込まれて、今日は忙しい一日でした。

 そんな中で、イスラエル軍の機銃掃射で撃たれた青年、近くに被弾してケガした少女を診ましたが青年は着いた時点で亡くなっていました。少女は一命をとりとめましたが、肝臓に達する破片があるため、手術室に送りました。ERはあくまで救急処置のみです。
 あとでちゃんと破片が取り除けて、少女は助かったと聞きました。よかった。
 
 午後になって額を切った少年、オマール君が一人でやってきました。聞けば兄にたたかれたといいます。
 空爆以降、子どもたちは落ち着きません。不安、恐怖、怒り、さまざまな感情が渦巻いて、ちょっとしたことでもいらいらしています。そんなとばっちりが、オマールにいってしまったわけです。
 「一針縫うだけだから麻酔しないよ。その方が傷が少なくてすむからね」
 「わかった」
 じっと痛みに耐えて、写真に納まってくれました。
 そんなERの一日が過ぎていきました。

 さて、ここからは、昨日の夜中に書いたものを転記します。内容としてはショックなものかもしれませんが、これが「空爆」なんだと思います。
 どうか受け止めて頂きたく思います。
 でも、あまり心配しないで下さいね。元気にやっていますから。

夜間空爆の恐怖
 今日の夜間空爆は午前0時きっかりに始まった。
 まずジェット戦闘機の鋭く風を切る音が近づいてくる。やがてそれにジェットエンジンの音が混じってきて、
「近づいてきた」
 という事実がどんどん身に迫ってくる。
 一瞬の閃光が光り、約2秒ほどおいて、
ズズ〜ン
 鈍い着弾の音と地響きが襲ってくる。部屋の棚が揺れ、ドアが開く。
 「近いぞ」
 近くないかもしれないけど、自分でそんなふうに声にしないと正気が保てない。
 一旦遠のいたジェット戦闘機の音は、ものの5秒もしないでひるがえり、再び近づいてくる音に変わる。ターンが速いのがよくわかる。

 再びジェットエンジン音が近づいてくるが、今度はかなり低空を飛んでいる感じが伝わってくる。全身がセンサーのようになっていて、その音と自分の距離を測ろうとしているのだ。
 今度は着弾音なく、爆音が去っていく。
 気持ちが緩むのがわかるが、またすぐにターンして戦闘機が戻ってくる。
 間髪入れず、
 ズド〜ン
 着弾して地響きが広がる。

 やがてその戦闘機の爆音が去っていく音に入れ替わる形で軍用ヘリの音が近づいてくる。これは民家の屋根すれすれを飛んでどんどん市の中心地に近づいてきた。
 シュバ!
 閃光と共にミサイルの発射音がする。こちらにはなぜが着弾音はない。また再び、
 シュバ!
 動きのあるものを狙っているのだろう。小形のミサイルを近くで撃ち込んでいる。街に一瞬火の手が上がった。
 その軍用ヘリが去っていくとと同時にまたしてもジェット戦闘機の爆音が近づいてくる。間髪入れず襲ってくるのが、空爆の特徴だ。

 ズズ〜ン
 再び近くに着弾だ。
 「一体何がしたいんだ。これが一般市民への無差別攻撃じゃなかったら、何だって言うんだ!」
 そう言葉にしないと、またしても頭がおかしくなりそうだ。

 2分もすると、戦闘機の飛来がなくなり、静寂が戻ってくる。そして同時に救急車のサイレン、どこかの家から電話が鳴る音が聞こえてくる。誰かがケガをし、誰かが何かを求めているのだ。市立病院の夜間当直シフトの仲間たちが手当てをしているだろう。
 救急車のベテラン運転手のアブ・オマルも低空飛行のヘリが狙う中を駆け回っているだろう。
 自分のシフト勤務は朝の7時30分からだから、
 「ごめん、オレは何もできん」
 と心の中で言い訳して寝ようとする。

 夜の闇の静寂があたりを包んでいて、ほっとする。
 「この空爆で死ななくてすんだ」
 という思いが込み上げてくるが、ふと
 「これっておかしい」
 と気付く。

 自分で危険な山に登り、無事に下山した時、
 「よかった登り終えた、遭難して死なずにすんだ」
 とほっとするだろうけど、それとはちがう。

 なぜならこれは圧倒的で一方的な爆撃の暴力の前に自分という人間が引きずり出されて、曝され、それでも何もなく無事にいられただけの話で、そんなことになぜ自分がほっとしなければいけないのか、その理不尽さにすぐに気付く。
 そして惨めな気持ちになる。

 これが戦争だ。
 心がどんどん惨めになっていく。
 「お前なんか死んでもいい」
 と空を飛ぶ戦闘機のパイロットに思われて、爆弾を落とされることがどんなに人間として惨めか、気付かされる瞬間なのだ。
 
 今日の夕方、友人のマジディの家族が訪ねてきてくれた。18歳を頭に6人もの子どもを持つマジディ夫妻。みんなにあの緑色の医師の制服を着て見せておどけるとやんやの喝采を受けた。
 しかしふとマジディが相談してきた。
 「うちの下から2番目のヘバが全身にできものができて苦しんでいる。ここにも、ここにも、ほらこんなところにも妙なできものができているんだ。空爆が始まってこれが出てきた。夜間の空爆があるたびにヘバは泣き叫ぶ。それと関係あるだろうか」

 もちろん、子どもたちの心に大きな衝撃と影を落としているこの夜間空爆。
 大人の自分でさえも耐えられず、身を固くして、
「どうか自分のところには落ちてこないで」
 と必至で願っているくらいなのだから6歳のヘバが背負っている恐怖は計り知れないものがあるだろう。

 その「できもの」をみると、いくつかは自分の手で押した「アザ」だった。
 空爆の恐怖から知らず知らずに自傷行為が出ているのだ。空爆が子どもたちに与えているストレスは限界を超えている。

 また夜の闇と静寂が戻ってきた。しかし眠れない。身体がこわばり、眠るための「余裕」というものがなくなっているのだ。
 たまらずこの夜間空爆の恐怖を書き残そうとパソコンに向かう。しかしふと、
「このパソコンの画面の明かりが外に漏れて、近接戦闘ヘリのターゲットになったらまずい」
 と思い、毛布をかぶって書き始めた。

 でもふと、嫌な気持ちになった。こんなふうに毛布にくるまって卑屈になり、やりたいこともやらなくなってしまう自分に気付かされる。戦争は、そうやって一人一人の人間の心をむしばんでいくのだ。

 「やめとこう」「避けたほうがいい」「きっとこうなってしまうにちがいない」
 すべてが後ろ向きの気持ちにつながってしまい、人間としてのやる気や積極性を奪い取られてしまうのだ。

 また戦闘機のエンジン音が近づいてきた。
 「今度も死なないかな」
 そう思いながら、瓦礫の中に転がる自分の死に様を想像してしまう。
 身が固くなり、気持ちが細る。
 これが空爆の恐怖。
 圧倒的な暴力の前に、ただただおびえる弱いひとりの人間のはかない存在。

桑山紀彦  2009年1月17日 深夜2時  ガザ地区、ラファ市

| ドクトルK | - | 02:41 | comments(30) | - |
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引用なし
<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows 98; .NET CLR 1.1.4322)@i58-94-93-72.s04.a027.ap.plala.or.jp>

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