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どんな質問がなされるのか、実際に見てもらった方がいいだろう。
小学6年 http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/18/12/06122103/002.pdf
中学3年 http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/18/12/06122103/003.pdf
こんな質問に素直に答えたら、プライバシーがまる裸になってしまう。この有用なデータをNTTとベネッセががっちり活用するであろうことは容易に想像できる。また、漏洩や売買が起
きる可能性もある。欲しがるやつは多い。これらのデータの取り扱いについて文科省はこう言
っている。
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/031/toushin/06042601/all.pdf
その他の諸課題について
(1)得られた調査データの取扱い
○ 全国的な学力調査により得られた調査データについては,非公表としたデータが情報公開
請求によりすべて公開されることとなると,学校間の序列化や過度な競争が生じるおそれ
があることや正確な情報が得られなくなる可能性があることなど,調査の適正な遂行に支
障を及ぼすおそれがあると考えられるため,「行政機関の保有する情報の公開に関する法
律」第五条第六号イ又はハの規定を根拠として,同法における不開示情報として取り扱う
ことが適当であると考えられる。
○ 全国的な学力調査により得られた調査データについては,個人情報の適切かつ確実な保護
はもとより,外部への漏えい,不適切な使用,改ざんなどにつながらないよう十分に配慮す
る必要がある。
このような不正行為があった場合には,適切な法的措置を講じることが必要である。
○ これらの調査データを研究機関や大学の研究者などに提供することについては,調査結果
を活用して様々な視点から分析を深めることができるなど学術的な意義が高いと考えられ
る。
ただし,適切なデータ管理などの観点を考慮しつつ,提供することが適当な調査データの
内容などについて検討が必要である。
もし本当に個人情報に配慮するのならば、無記名にすればいい(中学生向けの解答用紙には
記名を明記していないが、クラスと出席番号を書かせれば個人の特定は可能である)。
個人名がないデータなら漏洩した際のダメージは減るだろう。
しかしあえて記名させると云うのである。
このテスト、調査が生徒のためではなく、国家のために行われると云うことでがここではっ
きり分かる。
この調査そのものが個人情報、家庭情報の収集であり、不当なものである。
小中学生の皆さんは、こんなテストをまじめに受けなくてもよい。少なくとも、調査に協力
する必要はない。
無記名で提出するとか、全部(1)に丸をつけるとか、方法はいくつもある。
学校を休んでしまうと云う手もある。積極的に拒否してほしい。さもないと、学力や家庭生
活まで国家に握られてしまうのだ。
国公立学校は99パーセント以上参加。私立学校も61.88パーセント参加。数だけで言えば、全
国のほとんどの学校がこのテストに参加するようである。
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/19/02/07021903.htm
最後にベネッセのサイトを紹介しよう。
渡辺敦司なる人物がこんなことを書いている。国が何を考えているのか、無邪気に紹介して
いて分かりやすい。
http://benesse.jp/blog/20060523/p2.html
「全国学力テスト」は何のため? その目的とは? 子どもよりも学校側の問題を探る
来年4月から始まる「全国的な学力調査」(全国学力テスト)は、いったい何を目的に行われるのでしょうか。
その具体的方法を提言した文部科学省の専門家検討会議の報告書をみると、
(1)義務教育の機会均等や一定以上の教育水準が確保されているかを把握し、教育の成果
と課題などの結果を検証する
(2)教育委員会及び学校が広い視野で教育指導等の改善を図る機会を提供することなどに
より、一定以上の教育水準を確保する――
となっています。
面倒な言い回しですが、どうやら子どもの問題ではなく、学校側の教育を問題にしているよ
うです。
私たちはテストというと、どうしても良い点をとらなければならないと思いますし、点数
がとれないのは子どものせいだと考えてしまいがちです。しかし、この全国学力テストはそ
うではありません。
義務教育である小・中学校で、効果的な授業が行われているのか。不十分だったとしたら、
その原因は何か。そのうえで、学力を上げるためにはどこを直す必要があるのか。そうした
問題点を探るのが、テストの第一目的のようです。
また調査では、ペーパーテストとともに「質問紙調査」というアンケートも行うことにして
います。
子どもに対しては勉強の好き嫌いや意欲、一日の勉強時間やテレビゲームの時間などの生活
状況を、学校に対しては授業の工夫状況はもとより、図書やコンピューターの整備状況、地域
の人との連携の状況なども聞くとしています。子どもや学校の現状が、学力にどう影響してい
るかを詳しく調べようというものです。
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http://dir.biglobe.ne.jp/col/children/hsexam/closeup/CU20070307A/index.htm
「全国学力テスト」では、学校や家での勉強や生活の様子について尋ねる「児童・生徒質問
紙」と「学校質問紙」という学習状況の調査も行われます。
■学習状況調査の主な内容
・朝食を食べているかどうか
・学習意欲
・起床・就寝時間
・テレビを見る時間
・家庭での勉強の時間
・本を読む量
・塾や習い事の経験
・携帯電話やインターネットの利用状況
・家族が芸術鑑賞や旅行をする頻度
・学校生活について
・自然体験やボランティア体験
このように、生活、学習態度、家庭での様子など、21ページにも及ぶたくさんの内容が盛り
込まれています。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2007-03-02/2007030202_01_0.html
個人情報を国と大企業が握る
http://plaza.rakuten.co.jp/bluestone998/diary/200703070000/
文部科学省が実施しようとしている全国学力テストについて、名古屋大学大学院教授で犬山
市教育委員も務める中嶋哲彦氏は、3日の朝日新聞に寄稿して、重大な問題を指摘しています;
文科省は昨年末、全国学力テストの国語と算数・数学のテスト問題の一部と、児童生徒およ
び学校に対する質問紙をウェブサイトで公開した。これらは昨年秋の予備調査で使われたもの
で、今年4月に予定されている本調査でも同様のものが使われるだろう。
全国学力テストは通称で、正式には全国学力・学習状況調査という。小6・中3の児童生徒
を対象に、市町村教育委員会などの協力を得て、文科省が実施する行政調査である。外見上は
区別しにくいが、学校の定期テストや入学試験とはまったく性格が異なる。全国学力テストに
は教育制度上の問題も多々あるが、ここでは個人情報保護の観点から疑問を提示したい。
たいへん気になるのは、児童生徒への質問紙で私生活の有り様、保護者との関係、白分白身
への評価を具体的に尋ね、さらに家庭の文化的階層を調べるための質問にも答えさせようとし
ていることだ。「家の人から大切にされているか」「物事を最後までやり遂げうれしかったこ
とがあるか」「家に本が何冊あるか」「親と一緒に美術館や劇場で芸術鑑賞するか」といった
具合に、児童生徒と保護者のプライバシーに踏み込む情報を大胆に収集しようとしているのだ。
しかも、回答紙に出席番号を、小6では氏名をも記入させるために、誰の回答か簡単に特定
できる。
従って、テストの点数や学習状況調査への回答はすべて個人情報に該当する。そのため、
学力テストの実施主体である文科省は、それらの収集・利用・保管に関して、行政機関個人
情報保護法を遵守(じゅんしゅ)しなければならない。
そこで問題となるのは、文科省にはこのような個人情報を収集・利用・保管する権限がある
のか、ということだ。
行政機関個人情報保護法では行政機関は所掌事務遂行の範囲でのみ個人情報の収集などを認
められているが、文科省の所掌事務の遂行にこのような個人情報が必要とは考えられない。
児童生徒を直接指導する立場にある学校でさえ、児童生徒の私生括や家庭的背景に関する
情報の収集は、個人情報保護条例などに基づいて慎重に行われなければならないのだ。
文科省が説明する通り教育・教育施策の改善が調査の目的なら、個人を特定する必要もない
し、数万人を抽出して調査すれば足りるはずだ。
さらに、同法には、個人情報の収集に先立って利用目的を明示し本人の同意を得なければな
らないと定められている。
つまり、仮に個人情報の収集が文科省に許されるとしても、保護者に収集目的を説明し同意
を得ることなく、児童生徒を全国学力テストに参加させ回答させれば、同法違反となる可能性
があるのだ。
学校が行う定期テストなどは児童生徒の指導・評価の資料を得るという目的が明確であるため、上記のような手続きは必要ない。
しかし、文科省の行政調査である学力テストは話が違う。児童生徒を学カテストに参加させ
ることを決めた市町村教委の判断の是非も問われる。文科省は早急に、個人情報保護法制を遵
守する態勢を整え、学力テストのあり方を見直すべきではないだろうか。
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