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所要24分、格調高い戸田の高裁意見陳述を全文紹介(3)
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 戸田 E-MAILWEB  - 06/4/20(木) 6:11 -
  
(4)最後に、一審判決の「憲法理解」、と言うより「憲法無理解」の問題です。
 一審の裁判官達が言っているのは、要するに、憲法は単なる建前的理念だから現実の政治を律するものではないという、実に浅はかでさもしい捉え方です。
 これが仮にも裁判官の職にある人々の言うことか、と怒りに耐えません。

 伊藤真さんという方が週刊「金曜日」という雑誌の1月27日号で述べていることに私も大変同意できるので、それに従って説明させてもらいますと、近代国家に於ける憲法とは、政治権力のしてはならないこと、しなければならないこと、努めなければならないことの根幹を定めたものであることは言うまでもありませんが、それはまた同時に、たとえその国民の多数意見であったとしても多数決でやってはいけないこと、多数決で奪ってはならない価値を列挙したものでもあります。

 憲法はこの立憲主義の思想に基づいて、人権と平和はたとえ国民の多数決であっても、いわんや時の政府の行為によっては無論のこと、奪ってはならないと宣言しているのです。
 日本国憲法前文を読めば、この憲法制定の目的が「自由のもたらす恵沢を確保」し、「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないように」することであることが分かります。

 しからばその論理的必然として、他国政府が戦争の惨禍を引き起こすことに日本国政府が加担・協力することも明確に禁止されているのであり、ましてやその戦争が、とてつもなく強大な国家がとんでもない嘘の口実をデッチ上げて他国を一方的に攻撃、侵略し、占領するものであれば、それへの加担協力はなおのこと許されるはずがありません。

 前文ではさらに、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して」と言っています。
 ここでは他の国家・政府を信頼しろ、とは一言も言っていません。どのような国でも平和を愛する人々がいるはずだ、その人々を信頼して平和を実現する、と言っているのです。

 日本国憲法のめざす平和主義は、積極的に世界に出かけていって、その国の人々のために必死になって非暴力の貢献をする。そのことによって信頼を勝ち得て、他から攻められない国をつくり、かつ国際貢献ができるのだ、という力強い信念に基づいています。

 だからこそ日本の憲法であるにも拘わらず、「『全世界の国民』が恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」と宣言しているのです。
 世界の人間安全保障の潮流を先取りする画期的な規定です。

 アメリカのイラク侵略戦争と占領への加担・協力たる自衛隊のイラク派兵は、こういう素晴らしい憲法を軍靴で踏みにじり、泥を塗り、非暴力による国際貢献の途を実際に圧殺しているものに他なりません。
 それ故に私たちは精神的にも深く傷つけられ、強い憤りを感じているのです。

 そしてまた私達は、「憲法の番人」であるはずなのに、この憲法の重要性、先駆性、政府への規定性に何ら想いを馳せることなく、単なる建前的な理念規定として取り扱った一審判決にも強い憤りを感じるのです。

 憲法前文はその最後に、「日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓う。」と述べています。
 理想と現実がくい違うからこそ、理想や志を高く持って現実を前に進めるための憲法が必要なのです。憲法は「理念」であるからこそ存在意義があるし、同時にその「理念」は「現実」が「理念」と食い違っている場合はその「現実」を改めていくためにこそ規定されているものなのです。

 以上述べたように、一審判決は憲法の理解においても全く誤ったものでありますから、高裁での審理にあっては憲法の正しい理解にもとづいた適切な判断を出していただきたく望みます。

 この問題は、この秋頃には陸上自衛隊がサマワから撤退するからもういいじゃないかと言うことでは全くありません。
 私が拘置所で原稿を書いていた2月の時は「5月に撤退」ということが政府から流されていたものの、イラクが内戦状況に入ってしまう中で撤退のメドが先延ばしされたわけですが、陸上自衛隊のサマワ撤退話の一方で、航空自衛隊は従来クウェートの空軍基地を拠点としてイラク南部バスラとサマワ近郊のタリル空港にだけ人員・物資を空輸していたのに、米軍の要請を受けて今後はイラク全土へ空輸を拡大しようとしています。

 これはイラク武装勢力のゲリラ戦によって米軍の陸上輸送がますます困難になっていることへの対応であり、イラク国内での戦闘の攻防の焦点である航空輸送に日本の自衛隊が大きく乗り出していく、ということです。

 また陸上自衛隊にしても、今年になっての第9次・第10次派兵をもって全ての方面隊が戦場体験を持つことになり、しかもアメリカから「地方復興チーム」(PRT)なる地方政府単位での治安や行政力向上を狙った占領地運営機構への参加を求められています。
 これはつまり占領行政の一角を占めてイラク民衆と向き合うことを意味します。

 総じて日本の自衛隊は、イラクでのアメリカ・多国籍軍の戦闘・民衆虐殺・(傀儡政府を使った)占領行政に、より質的に深くコミットメントする方向に向かってしまっているのです。

 だからこそ、ここでその誤った方向を糺さなくてはなりません。
 今の政府による止めどもないアメリカ追従の侵略・占領加担に強く釘を刺し、ストップさせるための判決を、この大阪高裁13民事部の裁判官の皆さん方に強く求めて、私の意見陳述を終わります。

 ご清聴ありがとうございました。
                        了。  

引用なし
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4/20本日は朝から夕方までイラク派兵反対訴訟行動:高裁・地裁で裁判と宣伝ほか 戸田 06/4/20(木) 6:04
所要24分、格調高い戸田の高裁意見陳述を全文紹介(1) 戸田 06/4/20(木) 6:07
所要24分、格調高い戸田の高裁意見陳述を全文紹介(2) 戸田 06/4/20(木) 6:09
所要24分、格調高い戸田の高裁意見陳述を全文紹介(3) 戸田 06/4/20(木) 6:11
●大谷裁判長らの、意見陳述も言わせぬ突如「結審」逃亡を糾弾する! 戸田 06/4/21(金) 8:21

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