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Re:Reためにする批判と経済学
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 徳永基二 E-MAIL  - 08/7/20(日) 17:02 -
  
>『マルクス遺稿物語』をよみ、
>資本論草稿(1861−1863年草稿)についてご存知の人が、
>>外部の人間
>というのには驚きですね・・・・

あなたは1922年のゲセルとその思想を現代のマルクス学まで動員しながら復活を計っている私とをごっちゃにしています。


『状況』の1994年3月4日号の「戦後思想を読むに」次のような
宇野弘蔵批判があります。
「実践運動との接触がはたす役割が『資本論』としての科学的経済学が成立する
ことの関係でしか理解されないという問題がある。(中略)一旦、社会主義運動
からの刺激を通じて『資本論』体系が成立したからといって、それが問題しえな
かったこと、あるいはそれが論理的に採用した前提条件などが、実践運動からの
展開の中で再考を促されるということはなにのだろうか?そうしたことがあると
すれば科学として成立した枠組みすらも相対化し、パラダイムシフトにさらす
ために、常に実践運動からの刺激を確保することは、むしろ経済学研究にとって
重要な要素になる筈である。」

「唯物史観を半ば自明視するこうした宇野の態度は、現代の新しい経済現象を
捉えるためのパラダイムチェンジを難しくさせる。例えば高度大衆消費社会の
特徴である文化的価値の生産・刷新を機軸とした資本蓄積構造。これを捉えるには
経済的諸関係に対応してイデオロギー的文化価値が形成されるという捉え方から、
メディアの力に支えられた文化的価値の生産・刷新が経済的過程を駆動するという枠組みへシフトする必要がある。」

「あるいはまた、労働価値説に対する宇野の態度についても、同様なことが言える。
価値実体論や労働生産過程との論理的序列や、労働の平均化メカニズムとの論理的関連など、確かに宇野は、マルクスの価値論に異議を唱えている。しかし、それは主に方法や論理展開の面での批判であり、結論としての抽象的人間労働による価値規定については、むしろ宇野は強固にそれを擁護した。それは『価値論」でのいささか田と場的とも思える、徹底したベーム・バウェルク批判にも垣間見ることが出来る。」

なお、資本論の価値転形論といえば森嶋シートン方程式というヤツが有名だが70年代の論争でこの方程式は非常に限られた前提の下でしか成立しないことが判明している。
http://www.ier.hit-u.ac.jp/~yosihara/marukusuhasakusyurironsaikensyoua.pdf

「しかし、宇野の理解とは違って、実際には、マルクスの労働価値説には論証されざる方法的前提がある。すなわち、事実上その対象が恒常的に再生産できる商品に限定されていることにも明らかなように、そこには、商品の原料・素材、そして生産物そのものが希少性の問題を発生させることなく調達・再生産できるという暗黙の前提がある。(中略)こうしたマルクスの労働価値説の暗黙の条件設定は、現代の資源・エネルギー問題や環境問題を経済論理的に捉えにくくさせる」
   『「分をわきまえた科学主義」と秘めれたイデオロギー性--宇野弘蔵』
                    浅見克彦著


野口真氏のマルクス経済学叢書6「現代資本主義と有効需要の理論」社会評論社 にはこう書いてあります。

「もっともマルクスの著作にセーの法則批判まがいの指摘を見出すことは困難ではない。貨幣を流通から引き上げる行為が販売と購買の分離をもたらす結果、「貨幣の需要」を意味する商品の販売が「貨幣の供給」を生み出す商品の購買を上回る「一方的な売り」が生ずる。これを貨幣の超過需要=退蔵と解釈しようとする試みは、比較的にマルクス体系に馴染みやすく見えるであろう。また、現実資本の運動から相対的に自立化した貨幣資本の運動を景気循環過程として説こうとするマルクスの関心は、貨幣ヴェール観を越える視点を確かに含んでいる。しかしマルクスは、一方で資本主義経済の無政府性を強調する立場から個々の需給の不一致を当然のこと前提しながらも、他面、資本主義を自立的なシステムとしてその全体において把握するときには、投資と消費からなる総需要が蓄積過程の基本的制約になるとは結局考えなかった。蓄積過程の桎梏は生産それ自体による生産の制約あるとするのが、マルクス的な蓄積論の基本を為すとみてよい。蓄積を緩みなく飲み込んでゆく自己増殖運動として資本を捉えるマルクスの方法はそのことを端的に示しているといえるだろう。

こうして有効需要の論理をマルクス経済学の原理論体系の中に取り込もうとしても、それは体系の均整を損なうだけのように著者には思われた。マルクスの言説のあれこれにセーの法則批判を結びつけるいかなる試みにも本書が組しえなったのは、そのためである。」

で、野口氏は宇野理論を参照しつつ、有効需要の論理を原理論と現状分析の中間段階の理論として歴史的なある段階の議論と見做すわけですけれど、利子生み資本の廃絶=プルードン・ゲセル主義経済の最終的到達点と見做す自分の立場にとって、それが受け入れられる筈がない。なにせ、自分たちは利子生み資本の説明を古代ローマ共和国の帝政化や、神聖ローマの解体・領邦国家化にさせ適用するぐらい汎歴史的な現象と見做して敵対してきたわけですから。

因みに自分がレギュラシオン理論に対する批判をするときも野口理論と同じような構造を持っているから。自分からみるとマルクスの理論的前提、賃金搾取論こそ単なる歴史的に限られた段階の話を汎用化したものにすぎない。少なくともマルクスの労働価値説が当てはまりそうにもない民俗学的社会はいくらでも名指し可能だし、資本は労働の助けがなくても勝手に自己増殖できる方法をいくらでも探し当てるだろうと思う。大体、これまでの議論を読めば判るように自分が最終的に目指しているのは労働者の解体ですから。

引用なし
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<Mozilla/5.0 (Windows; U; Windows NT 5.1; ja; rv:1.9.0.1) Gecko/2008070208 Fire...@i219-167-42-192.s02.a027.ap.plala.or.jp>

Re:世間一般並びに左翼系団体内へゲセル主義のプロバカンダ(金融不安について) ねこかぶり 08/6/30(月) 23:15
Re:世間一般並びに左翼系団体内へゲセル主義のプロバカンダ(金融不安について) 徳永基二 08/7/2(水) 6:56
良くわからないのは新資本主義理論 ねこかぶり 08/7/2(水) 23:15
Re:イングランド銀行 杉本 一平 08/7/5(土) 23:51
貧困と投資信託について(サプライムローンから考える) 徳永基二 08/7/6(日) 22:04
貧困が受け継がれるのは防がねばならない ねこかぶり 08/7/7(月) 0:48
Re:重商主義――イギリス商業革命そして、英仏百年戦争 杉本 一平 08/7/8(火) 5:05
時代背景について 徳永基二 08/7/8(火) 8:58
Reグレシャムの法則 杉本 一平 08/7/14(月) 4:03
Re:マルクスとゲセル 徳永基二 08/7/14(月) 8:56
朝は若干、つっけんどな書き方をしてしまって申し訳ありません。 徳永基二 08/7/14(月) 23:44
Re:気にしないで下さい 杉本 一平 08/7/15(火) 10:31
Re:問題は単に翻訳上の問題に過ぎないと思いますよ 徳永基二 08/7/16(水) 0:28
Re:問題は世界貨幣 杉本 一平 08/7/16(水) 6:43
Re:問題は世界貨幣 徳永基二 08/7/16(水) 23:26
いわゆる帝国主義戦争について 徳永基二 08/7/17(木) 0:06
Re:みすぼらしいマルキスト――本当に? 杉本 一平 08/7/17(木) 3:02
マルクスの遺稿の整理状況を第三者が知れという傲慢 徳永基二 08/7/17(木) 8:44
マルクスの残した遺産 ねこかぶり 08/7/18(金) 0:43
ついでながら、ゲセルとケィンズについて 徳永基二 08/7/18(金) 20:55
労働全収益について 徳永基二 08/7/18(金) 21:44
ケインスについて ねこかぶり 08/7/19(土) 23:38
スタグフレーションとインフレについて 徳永基二 08/7/20(日) 0:39
Re:投機マネー 杉本 一平 08/7/20(日) 5:28
Reためにする批判と経済学 杉本 一平 08/7/20(日) 7:14
Re:Reためにする批判と経済学 徳永基二 08/7/20(日) 17:02
世界貨幣は幻想 ねこかぶり 08/7/18(金) 1:00
Re:世界貨幣と銀行券の違い 杉本 一平 08/7/18(金) 6:06
国際通貨同盟(バンコール案)について 徳永基二 08/7/18(金) 20:09

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