「自由・論争」 掲示板

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左翼本:必見!重信房子氏の「日本赤軍私史」。500ページの分厚さ、新公表事実もあり 戸田 09/9/29(火) 23:36
・・・以前に紹介した「婦人公論・重信房子ルポ」、和光晴生氏の「赤い春」はこちら 戸田 09/9/29(火) 23:38
■ネット全文公表の画期的季刊誌「g2」発刊号に<奥平剛士の「愛と革命」リッダ!> 戸田 09/9/30(水) 1:42
☆その内容の一部を戸田の恣意で抜粋紹介すると・・・ 戸田 09/9/30(水) 8:46

左翼本:必見!重信房子氏の「日本赤軍私史」。500ページの分厚さ、新公表事実もあり
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 戸田 E-MAILWEB  - 09/9/29(火) 23:36 -
  
 ちょっと紹介が遅れたが、凄い本が出ている。少なくとも左翼関係者と観察者には必見
の本だと思う。戸田ももちろん購読した。
 重信さんが救援会のニュースに連載した「日本赤軍のあゆみ」を基礎に、いくつかの加筆をしてまとめたもので、初公開の事実もいろいろ記述されている。
 戸田としてはそこの部分が大変興味深かった。
 
 以下にネットでの紹介のひとつを紹介する。(紀伊國屋書店BookWeb)
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4309244661.html
<日本赤軍私史―パレスチナと共に>
   重信 房子【著】
   河出書房新社 (2009/07/30 出版) 511p / 19cm / B6判
   価格: ¥3,360 (税込)

 詳細
数々の作戦行動で世界を震撼させた日本赤軍―そのリーダーがパレスチナへの熱い
  思いをこめつつ、創生から解散までの全軌跡を痛みとともにはじめてあきらかにした  渾身の力編。

・日本赤軍の前史として―日本赤軍が生まれた時代(60年代‐70年)
・パレスチナ アラブの戦場で(71年)
・連合赤軍に対する態度(72年)
・リッダ闘争(72年)
・ドバイ闘争と第4次中東戦争(73年)
・日本赤軍の誕生をめざして(74年)

・日本赤軍としての闘い(75年)
・77年5・30声明による転換―自己批判(76‐77年)
・国際主義のとらえ返しとさらなる変革へ(78‐80年)
・70年代総括から日本へ(80‐82年・イスラエルのベイルート侵略以前)
・ベイルートは戦場―80年代の闘い
・インティファーダとパレスチナ国家独立宣言―80年代のパレスチナ解放闘争

・東欧・ソ連崩壊と私たち―人民革命党結成へ
・世界史の転換期―グローバリズムの90年代
・日本赤軍の解散
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 戸田が読んで面白かった本について、こういう形で取りあえず簡単に紹介していくことにする。なお、左翼・革命関係はひとつのジャンルとしてまとめておこうと思う。
引用なし
<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1)@i58-94-111-23.s04.a027.ap.plala.or.jp>

・・・以前に紹介した「婦人公論・重信房子ルポ」、和光晴生氏の「赤い春」はこちら
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 戸田 E-MAILWEB  - 09/9/29(火) 23:38 -
  
 以前に紹介したスレッドを挙げておく。

◎「婦人公論・時代を創る女たち」の重信房子ルポは出色の出来、見逃すな!
         戸田 - 07/12/7(金) 12:37 -
   http://www.hige-toda.com/x/c-board/c-board.cgi?cmd=one;no=2519;id=01#2519
★独立コマンド和光晴生氏の「赤い春:私はパレスチナ・コマンドだった」もお勧め!
戸田 - 07/12/7(金) 18:20 -
  http://www.hige-toda.com/x/c-board/c-board.cgi?cmd=one;no=2520;id=01#2520
引用なし
<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1)@i58-94-111-23.s04.a027.ap.plala.or.jp>

■ネット全文公表の画期的季刊誌「g2」発刊号に<奥平剛士の「愛と革命」リッダ!>
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 戸田 E-MAILWEB  - 09/9/30(水) 1:42 -
  
 ネットで全文を公表するという講談社の画期的季刊誌「g2」(ジーツー)が「月刊現代」後継として9月に発刊されたが、その第1号にノンフィクション作家のケ格孤Г砲茲襦祓ネ森篁里痢岼Δ罰很拭廛螢奪澄溪「オ悩椶気譴討い襦」
 
 「リッダ闘争3戦士」のひとりとして有名な奥平剛士氏の軌跡を初めて本格的に掘り下げた力作だ。

 詳しくはG2のHP http://g2.kodansha.co.jp/ にて

参考:G2とは? http://g2.kodansha.co.jp/?page_id=426

G2(ジーツー)は雑誌・単行本・ネットが三位一体となったノンフィクション新機軸メディアを目指します。
このサイトでは、G2本誌で掲載している全文を順次無料公開します。
 
「月刊現代」後継G2(ジーツー)ノンフィクションメディア 講談社
vol01 定価(税別):1333円
 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<奥平剛士の「愛と革命」リッダ!> (ケ格孤А|淪

第1部

1:http://g2.kodansha.co.jp/?p=169
2:http://g2.kodansha.co.jp/?p=169&page=2
3:http://g2.kodansha.co.jp/?p=169&page=3
4:http://g2.kodansha.co.jp/?p=169&page=4
5:http://g2.kodansha.co.jp/?p=169&page=5
6:http://g2.kodansha.co.jp/?p=169&page=6
7:http://g2.kodansha.co.jp/?p=169&page=7
8:http://g2.kodansha.co.jp/?p=169&page=8
9:http://g2.kodansha.co.jp/?p=169&page=9

第2部  ベイルート二〇〇九

1:http://g2.kodansha.co.jp/?p=340
2:http://g2.kodansha.co.jp/?p=340&page=2
3:http://g2.kodansha.co.jp/?p=340&page=3
4:http://g2.kodansha.co.jp/?p=340&page=4
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6:http://g2.kodansha.co.jp/?p=340&page=6
7:http://g2.kodansha.co.jp/?p=340&page=7
8:http://g2.kodansha.co.jp/?p=340&page=8
   
第3部 難民キャンプと京都の路地

1:http://g2.kodansha.co.jp/?p=342
2:http://g2.kodansha.co.jp/?p=342&page=2
3:http://g2.kodansha.co.jp/?p=342&page=3
4:http://g2.kodansha.co.jp/?p=342&page=4
5: http://g2.kodansha.co.jp/?p=342&page=5
6:http://g2.kodansha.co.jp/?p=342&page=6

7:http://g2.kodansha.co.jp/?p=342&page=7
8:http://g2.kodansha.co.jp/?p=342&page=8
9:http://g2.kodansha.co.jp/?p=342&page=9
10:http://g2.kodansha.co.jp/?p=342&page=10
11:http://g2.kodansha.co.jp/?p=342&page=11
12:http://g2.kodansha.co.jp/?p=342&page=12

第4部 第四部 最後の地・ネゲブ砂漠

1:http://g2.kodansha.co.jp/?p=346
2:http://g2.kodansha.co.jp/?p=346&page=2
3:http://g2.kodansha.co.jp/?p=346&page=3
4:http://g2.kodansha.co.jp/?p=346&page=4
引用なし
<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1)@i58-94-111-23.s04.a027.ap.plala.or.jp>

☆その内容の一部を戸田の恣意で抜粋紹介すると・・・
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 戸田 E-MAILWEB  - 09/9/30(水) 8:46 -
  
<奥平剛士の「愛と革命」リッダ!> (・格孤А|・ヒ
第1部
1:http://g2.kodansha.co.jp/?p=169
2:http://g2.kodansha.co.jp/?p=169&page=2
   奥平剛士
   これが俺の名だ
   まだ何もしていない
   何もせずに 生きるために
   多くの代価を支払った
   思想的な健全さのために
   別な健全さを浪費しつつあるのだ
   時間との競争にきわどい差をつけつつ
   生にしがみついている
     天よ 我に仕事を与えよ
    ・・・・・・・・・・・・
3:http://g2.kodansha.co.jp/?p=169&page=3
4:http://g2.kodansha.co.jp/?p=169&page=4
5:http://g2.kodansha.co.jp/?p=169&page=5
6:http://g2.kodansha.co.jp/?p=169&page=6
  テルアビブ空港襲撃の直後、逮捕された岡本公三は取り調べにたいして「自分たちは レッド・スター・アーミー(赤星軍)だ」と名乗り、「これはイデオロギーにもとづい て敢行した闘争である」と犯行を全面的に認めたが、自分の名前や出身国、ほかの同志 たちについての情報はいっさい喋ろうとしなかった。

  ところが仲間ふたりの死体を確認させられたとたん大声をあげて泣きだして、それか らしばらくのあいだ泣きやまず、なにを訊いても「いますぐ殺してくれ」と訴えたとい う。
  同志の死を悲しむというより、自分ひとりが生き残ってしまったことを恥じ、悔いて いるのだった。
   ・・・・・・・・・
  おそらく安田は手榴弾のピンを抜いて壁に投げつけたあと、床にころがるそれに向か って両手を差し伸ばし、ヘッドスライディングをするように身を投げ出して手榴弾をつ かむと、顔面に引き寄せて爆発を待ったのだ。

  いずれにしても安田は、自分が何者であるかを特定されないために、顔と指紋を消そ うとしてこのような方法で自爆死をとげたのだった。
  それは三人のあいだで事前にとり決められた最期の迎え方であった。
  事件後の軍事法廷で明らかにされた岡本の冒頭陳述では、「作戦が終了したときに  は、顔の識別が不可能になるような状態で自爆するよう指示された」とある。

  彼ら三人は、できればイスラエルの戦闘員だけを狙いたかった。しかしほぼ間違いな く非戦闘員を巻き込まざるをえない事態におちいるだろう、この罪は自己の死をもって 償わなくてはならない、と決めていたのである。
7:http://g2.kodansha.co.jp/?p=169&page=7
  だが奥平は、自爆死をとげられなかった。
 彼の全身には十数発もの銃弾が撃ち込まれていたという。
  これは軍事法廷が終了し終身刑の身となった岡本に日本から面会に訪れた松尾翼弁護 士の調査による。
  事実なら奥平は蜂の巣のようにされて、手榴弾のピンを抜くまえに絶命したのであ  る。当然顔にも銃弾は命中し、ふた目と見られぬ状態であっただろう。
  だが不思議なことに軍事法廷では、イスラエル側からの応戦があったかどうかについ ては、いっさい触れられなかった。彼らは一発も撃っていないことになっているのであ る。
  つまりすべての人びとを殺傷したのは日本人三人、ということになっているのだ。
  ・・・・・・・・・ 
  三人は語りあってきたのだ。
  日本人とわかる程度でいい、無名の日本の青年たちがはるばる数千キロの海を越えて パレスチナ解放のために武器をとり、いのちをかけて闘ったのだと、ずっとあとになっ てわかってもらえればいい、と。
8:http://g2.kodansha.co.jp/?p=169&page=8
  ・・・ついに孝養のこの字もさせていただくひまがありませんでしたが、もしも任務 が許す ならば、いつも第一にそれをしたいと思い続けていた事は、わかって下さい。
  我々兵士 にとって死はごく当然の日常事ですが、ただお二人が嘆かれるだろうこ  と、それだけが今僕の心を悲しませます。
 ベトナムで今死んでいく数千の若い兵士、こちらで、又世界の至る所で、革命のために 死のうとしている若い兵士たち、僕らもその一人だし、あなたがたも彼らのために泣い ている何千何万の父や母の一人であること、こうした我々の血と涙だけが何か価値のあ る物を、作り出すであろう事をいつもおぼえていて下さい。
  ローマの空は明るく、風は甘いです。町は光にあふれています。少年時よみふけっ  た、プリュータークの思い出が町の至る所で、僕を熱くさせます。
  仕事がすみしだいお二人のもとに帰ります。
  ではお元気で。さようなら    剛士
9:http://g2.kodansha.co.jp/?p=169&page=9

第2部  ベイルート二〇〇九
1:http://g2.kodansha.co.jp/?p=340
2:http://g2.kodansha.co.jp/?p=340&page=2
3:http://g2.kodansha.co.jp/?p=340&page=3
  ・・・・「リッダ闘争について、どう思う?」
  ・・・・「作戦で死んだ大半は、イスラエルの高官や兵隊たちだぞ。そこに五人の原 子力科学 者が含まれていたということは、ものすごく大きな意味をもってるよ。
  犠牲者には一般人もいたかもしれない。だけども、ことパレスチナ問題については、 イスラエルの一般人にも罪がある。なぜなら彼らは、人を殺して土地を奪うことに賛成 しているからだ。その土地に入植して子供を育てることに賛成しているだろう。
  これは正しいことじゃない」 ・・・・・
4:http://g2.kodansha.co.jp/?p=340&page=4
5:http://g2.kodansha.co.jp/?p=340&page=5
6:http://g2.kodansha.co.jp/?p=340&page=6
 ・・・・イスラエルから拷問はうけなかったそうだが、十三年間のうち四年間、両手両 足をベッドの四隅の脚につながれたまま過ごしたということは、立派な拷問のひとつで あろう。うしろ手に縛られて、犬のように皿の飯を食わされたこともある、と支援者か ら聞いていた。
  ながく彼の身辺を守ってきたPFLPの幹部が、はじめに言っておきたいことがあ  る、と私を見た。そして彼の話を聞き終えたとき、私は全身の力が抜けた。
  岡本公三へのインタビューはできない、彼の写真も撮るな、と言う。
  ・・・・
  親米派与党が選挙で勝利をおさめ、政治に混乱が生じているいま、反米派の 象徴の ひとりである岡本がインタビューにこたえることは、それだけで与党側を刺激し、岡本
 の立場を危うくしかねないというのだろう。

  私は日本政府が逮捕状を出しつづけていることに、疑問を懐いてきた。
  岡本は戦争捕虜として捕虜交換の条件を明記したジュネーブ条約にもとづいて国際赤 十字の仲介により十三年間の獄中生活を終え、イスラエルを出されたのだ。
  ということは、彼の生存権は国際的に認められているはずであり、日本の警察が彼を
 逮捕、起訴し極刑をあたえようとすることは、国際法違反にあたるのではないか。
 ・・・・・・・・
7:http://g2.kodansha.co.jp/?p=340&page=7
8:http://g2.kodansha.co.jp/?p=340&page=8
   
第3部 難民キャンプと京都の路地
1:http://g2.kodansha.co.jp/?p=342
  ・・・PFLPとの協力関係はまたたく間に承認されて、ふたりのアラブ名が決めら れた。
  奥平は「バーシム」、重信は「サミーラ」と。
2:http://g2.kodansha.co.jp/?p=342&page=2
3:http://g2.kodansha.co.jp/?p=342&page=3
  ・・・奥平は独自にメンバーを呼び寄せた。それが安田安之、檜森孝雄、山田修の
 三人であった。彼らは京都パルチザンの仲間だった。
  三人がそろって日本を発ったのは九月三十日。彼らは奥平からの指令をうけて、テル アビブにいったん渡り、空港内部の写真を撮ったり歩測によって広さを割り出したりし て、ほぼ正確な見取り図を作成した。
  とはいえ、あくまでもこの時点で想定されていたのは管制塔占拠であった。
  手荷物ロビーでうまく武器を手にすることができたとしても、そこから管制塔までの
 ルートについては調査のしようもなくて、大きな課題を残したままベイルートに着いた
 のだ。
  三人はすぐにベカー高原の北部にあるPFLPの軍事訓練キャンプに行き、すでに戦
 士として成長していた奥平と合流して三ヵ月間近く訓練に明け暮れた。

4:http://g2.kodansha.co.jp/?p=342&page=4
5: http://g2.kodansha.co.jp/?p=342&page=5
  ・・・五月初め、訓練を終えて帰って来た彼に、奥平ははじめてリッダ作戦について 打ち明け、参加を呼びかけた。しかし丸岡は、はっきりと断わった。
  そんな話は聞いていない、自分はここで訓練をうけて、日本に帰るつもりで来たの  だ、革命のために死ぬのは厭わないが、どうしてもやるというなら一度日本に帰って家 族と別れをすませてからにしてくれ、一年後なら参加できる、と。

6:http://g2.kodansha.co.jp/?p=342&page=6
  ・・・「PFLPのやつが、丸岡は射撃がうまいから滑走路に伏せて警備の連中をひ とりずつ撃ってくれればいいんだがなあ、と言ってたんや」と言った。
  滑走路に伏せて――ということは、手荷物ロビーで武器をとったあと屋外に出、射撃 をするということだ。
  このときもまだ奥平は、管制塔占拠か最悪でも航空機爆破を考えていたのであろう。  事件当日、岡本が手榴弾を航空機に向かって投げつけたのは、丸岡の役割を引き継い だということだろう。

  奥平はそれからマットレスが敷きっぱなしにしてある部屋に岡本を呼んで話をした。 作戦には最低三人が必要なのだが、丸岡に断わられてしまった、自決覚悟の作戦になる かもしれないが、どうだおまえ一緒にリッダに行かないか、と。
  「僕が要るんでしょう?」と岡本はこたえた。
   ・・・・・
7:http://g2.kodansha.co.jp/?p=342&page=7
 ・・・・彼ら日本人は統率が行き届いていた。行軍訓練のさいは羊飼いに迷惑をかけぬ よう彼らが通らぬルートを行くようにし、ケシや小麦が栽培されている畑をアラブゲリ ラたちは平気で踏んで訓練をするのに、日本人部隊はそこを避けた場所で訓練に励ん  だ。
  射撃のときもアラブゲリラたちはお構いなしに何発も連射するのだったが、彼らは  二、三発ずつ短く撃って効率化をはかった。アラブゲリラたちは、そうしたことを見習 うようになった。
 ・・・・オールド・コマンドの顔が晴れやかに和んだ。
  そして私は彼の隣りを見て、おどろいたのだった。あんなに緩んでいた岡本の顔が別 人のように引き締まり、顎をひいて、なにかに昂然と挑むようだった。
  ああ、この男はオールド・コマンドを古くから知っているのだ。かつての指導者のひ とりとして崇めているのだ。
  岡本の顔は、戦士のそれであった。

8:http://g2.kodansha.co.jp/?p=342&page=8
9:http://g2.kodansha.co.jp/?p=342&page=9
  ・・・・「以来ずっと奥平の兄貴と自分のかかわりについては、だれにも話さずに  来たんですよ。あれから三十七年か。いまはじめて話してる」

10:http://g2.kodansha.co.jp/?p=342&page=10
  ・・・いったん取り組みだしたことは、なんとしてもやりとげようとするつよい精  神、くそまじめな性格、折れないこころ。そしてそこらの活動家と違って、土木作業で 体を鍛えながら棟梁として仲間を率いている。戦士としてはこれ以上ない理想的な条件 を兼ね備えた青年は他にいなかっただろう。
  その意味で、重信房子が一度しか会ったことのない彼にパレスチナ行きをもちかけた のは、なかなかの慧眼であった。

11:http://g2.kodansha.co.jp/?p=342&page=11
 ・・・「おまえは捕虜になっても生きろ」と、銃撃を開始する寸前に奥平が岡本に告げ たという話がある。それをいま岡本に確かめるすべはないが、しかし私は信じてみたい ような気がするのだった。・・・
  ・・・
  青春が無傷でいられるはずがない。現実として岡本は生きて逮捕された。そして彼  は、ふたりの同志の遺体を見せられたのち、自供をはじめた。
  そのとき丸岡修の実名を 出して、レバノンにもうひとり日本人同志がいる、いまご ろは帰国の途に就いているかもしれないと語り、その男はリッダにつづく闘争をPFL Pと連携してやりとげようとしている、と話した。
  丸岡は帰国できなくなり、アラブの地に残らざるを得なくなってしまった。
12:http://g2.kodansha.co.jp/?p=342&page=12

第4部 第四部 最後の地・ネゲブ砂漠
1:http://g2.kodansha.co.jp/?p=346
2:http://g2.kodansha.co.jp/?p=346&page=2
  ・・・一通の手紙が、ローマから送られてきた。奥平はそれにこう書いていた。
  「ベストコンディションで、この手紙を出す頃には、地獄に走り続ける。いま、ロー マの街角に坐っていると、日射しが静かにふりそそいで、まわりは、まったく平和を装 っている。とにかくここにいるとタイムということばを思い出します。地獄で、もう一 度革命をやるために、先に行って待っている。君もきっと、必ず来いよ」

  彼は、彼ら三人は、死ぬ覚悟でなにかに挑もうとしているのだ、と重信ははじめてす べてを理解した、と書いている。
  ・・・・タクシーに乗ってレオナルド・ダ・ヴィンチ空港に向かった三人は、武器を 仕舞ったトランクをチェックイン・カウンターにあずけると、なんの問題もなくそれは 運ばれていった。手荷物をあずけるところに金属探知機などはまだおかれていない時代 で、ノーチェックの状態であった。
  ハイジャック事件はあいついでいたが、まさかあずけた手荷物に武器をしのばせて、 イミグレーションを通過したところで銃を撃ちまくるといった狂気の沙汰など、だれに も考えられなかったのだ。

3:http://g2.kodansha.co.jp/?p=346&page=3
 ・・・岡本、奥平、安田の順にトイレに行き、パスポートの写真のページを引き破り、 流した。彼らはなにも言わずトランクをあけてVz58に弾倉を装着した。手榴弾ふたつ を、ズボンの両側のポケットにそれぞれひとつずついれた。
  見渡してみると、武装した警備兵の姿がひとりもないのだった。彼らはしかし、計画 を中止するわけにはいかなかった。

  「行くぞ」と言ったり、握手を交わすといったことはしなかった。Vz58の安全装置 を外し、引き金に指をかけた安田が、このように言っただけである。
 「それじゃあ、おれ、行ってくるわ」
  安田はイミグレーション方向に走り、撃ちはじめた。・・・・・

4:http://g2.kodansha.co.jp/?p=346&page=4
  私は奥平と安田の遺体が埋められた砂漠へ行ってみたくてここまで来たのだが、もと よりどこに埋められているのか、探すつもりはなかった。探し出せるわけがないから
 だ。・・・・
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引用なし
<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1)@i60-35-89-209.s04.a027.ap.plala.or.jp>

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