「議員はボランティアでやれ!」と騒ぐ輩のデタラメさを斬る!重要な新スレッドを開始
戸田 - 11/2/24(木) 14:32 -


 「本当の意味の議会改革」を解明解説する論考の一環として、この新スレッドを開始します。
 直接には
  ●「議員専業がけしからん!」とする竹原・河村らの主張はこの点で愚論暴論だ!
    http://www.hige-toda.com/x/c-board/c-board.cgi?cmd=one;no=6061;id=#6061
を含む大スレッドの継続・発展です。
 また、◎総特集!市民が知らない「ホントの議会改革」。
      http://www.hige-toda.com/_mado04/gikaikaikaku_sp/index.htm
の一環ですので、それらも合わせて読んで下さい。
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 だいたい、「他人に自己犠牲を説くヤツはまがい物」と見ておいて間違いないですが、調べてみると「やっぱり」の連中ばかり。
 そういう「主導者」達は、予想通りに「金持ち・経営者・献金長者」達ばかり。

 その扇動に「政治不信と閉塞感」をもっている「庶民」が煽られ追随している、という
まさに「絵に描いたような構図」です。
 そしてそういう「河村信者」のような「庶民達」は、実は「議会の機能を向上させよう」なんて事は全く考えていない(人が圧倒的多数。以下同様)

●国会や県議会(本会議だけだが)はネット中継でも見れるのに、地元の議会で何を審議
 内容は2〜3ヶ月後に議事録が公開されるまで市民には分からない所が多いが、そんな
 事には全く関心を持たない!
●その議事録を見たところで、各議員の賛否行動は全く書かれておらず、市民に隠されて
 いる=「市民は議員への判断材料を不当に奪われている」事に何も関心を向けない!
●市HP(時期遅れにせよ)議事録が読めるのに、それは全く読まず、どの議員が頑張っ
 ているか、どういう追及をしているか等を知ろうともせず、関心も持たず、「議員は
みなロクなヤツじゃない」という思い込みで嫌悪している!

・・・「怒れる庶民」の実状は、こんな場合がほとんどです。

・生活費だけの「会社員給料」と「議員の収入」の異質性も考えない、
・投票する有権者が多いからこそ当選=就任する議員と、辞令一本で登用解職出来る会社
  役員との異質性も考えない。、
・有権者への情報提供と意識向上によって低劣議員を本当に淘汰する道筋も、行政を本当
  に良くしていく道筋も考えない。
・門真市例では一般会計予算の0.47%に過ぎない議員人件費で何百億円もの市行政全体と
  その将来の浪費をかろうじてチェックする「監査機能」を大切に育てようという見地
  もない。
・ただただ「コスト削減こそ正義だ!」、「議員が庶民より多い金をもらうのは許せん!」という憤懣的熱狂に駆られている。

というのがほとんどの「怒れる庶民」の状況です。

 彼らが鵜呑みにして思考停止に陥ってしまう宣伝文句は、以下のようなものです。

▲地方議員はボランティアでやるべし!
 議員報酬を廃止して保護司や民生委員らと同じく無給とすべし!
▲議員活動のためには必要経費は、自分で寄付金で集めるべきし!

▲日本の民主主義が成熟しない根本原因は、議員が税金で身分保障されているからだ!
▲「政治の職業化」が住民の行政への参画の意欲や機会を阻んでいる!

▲中小企業の人の平均年収と同じくらいのサラリーでいいという人が議員をやれば、
 「あんな給料でこれだけやってくれるなら」と、議員への寄付も集まるようになる。

▲議員をボランティア化すれば、個人献金はおのずから集まる。
▲報酬を減額されれば、議員も遊んでいられず働くようになり、税金の効率的な使い方に
  目を向けるようになる。

▲日本で個人献金が根づかないのは、国民が既に税金で払っちゃっているから。
(議員の給料も、政党交付金も税金)個人献金まですれば、二重払い、三重払いにな
  ってしまうから。
  外国では議員が商売として政治をやってるのじゃないと知っているから献金する。
▲日本の議員の給料は世界一高い
                 ・・・・等々。
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 この冒頭投稿の最後に、かつて「庶民がナチスに熱狂した」ことについて触れておきます。
http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-1115.html
     ↓↓↓
   ■既得権益者へのルサンチマンを利用する危険な河村たかし

   ・・・・ナチスをもっとも熱狂的に支持した層とされるのが下層中産階級の人々で
   すが、ナチスは巧みに彼らのもつ「既得権益者」へのルサンチマンをあおったので
   す。
    産業構造の変化で富や社会的地位を得たユダヤ人や組合を組織し団結して権利を
   主張できる労働者が彼らの憎悪の対象となったことはよく知られています。
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●河村たかし:社長の息子で政党からも企業役員からも資金豊富な国会議員→市長だもの
戸田 - 11/2/25(金) 11:00 -


 戸田は河村たかし氏について、つい最近まで「少し勘違いな所があるけれども気のいい情熱政治家」と思ってきた。その存在を知ったのは、03年に国会議員の河村氏を信奉する
名古屋市議の「のりたけ勅仁(くにひと)」氏が、出席手当受け取り拒否の件で、戸田事務所に相談に来たことからだった。
   ↓↓↓
 参考:門真から全国に飛び火!議員の出席手当廃止運動 
     http://www.hige-toda.com/_mado04/teate-haisi/index_teate-haisi.htm
  ↓↓↓
   ★名古屋市議会「のりたけ勅仁市議が費用弁償受け取り拒否」 ★
     http://www.hige-toda.com/_mado04/housyuu/03.5.5sinbun.htm

 その後、のりたけさんの縁で一ニ度ちらっと会った事があって、「議員はボランティア」論には賛同しないが、それ以外の部分では好感を持ってきた。
 それが、名古屋市長になって「議員の報酬半減」ごり押しのために異様な執念を燃やし、議会解散の市民扇動に走るあたりから、その運動を「橋下と同類の地域ファシズム」と規定したが、人間性は橋下と全然違って善良な人だと思っていた。

 しかし、今回河村氏の事を(遅まきながら)詳しく調べた結果、「自分の間違った情熱実現のためにはウソも平気」、「自分の野望実現のためにデマゴギーで『敵』を設定して庶民を扇動し熱狂させる」、「自分が著名人にのし上がって金も権力も手に入れた事を自分の努力のたまものと一面化し、そうなっていない人々を、他の条件を無視して努力不足・自己責任と決めつけて踏みにじって平気」、という点で橋下と人間性的にも同類の権力志向人間である事が分かった。
 (好感を持っていた分、しっかり分析するのが遅かった事を反省する)

 戸田がそう判断するにいたった材料を以下に列挙した上で、結論を述べるが、冒頭に端的に示しておくと、河村たかしという人間は、

▲「社長の息子」で、族で会社を経営している経営者一族で、金持ちである。
▲ずっと「政党」に属し、不当な「政党特権」の故に活動資金を入手してきたが、そうい
  う自覚は全く持っていない。
▲議員への挑戦は「いきなり県議」であり、それに落選後は「いきなり国会議員」に挑戦
  して2回目で当選。以来連続当選を重ねて次は「いきなり市長」になった。
▲だから「自治体議員として奮闘した」事は一度もない。「天下人」の体験と感覚しかな い。
▲最初から中小企業の経営者・役員を主軸とするしっかりした資金基盤を持っており、
  この面でも「金持ち政治家」である。

 では、河村たかしを判断する材料を列挙する。↓↓↓

<経済基盤と政党特権に恵まれてきた、その経歴>

1:父親が戦後、古紙回収業・卸売業の「河村商事株式会社」を起こし初代社長。
2:1972年、一橋大学商学部卒業後すぐに「河村商事」(当時社員5名)に入社して「専
 務」になる。営業もトラック運転手も行なう。
  
3:業者のギルド的体質に反発を持ち、検察官への転身を志して夜学に通って10年間、司
 法試験を目指すも失敗。やがて政治を志すようになる。

4:「河村商事」の役員をしながら県議(1983年)、国会議員選挙に出馬し、1990年は
 落選したが、1993年に初当選。以来当選を重ねた。

5:民主党国会議員だった2002年、「河村商事」を退き、長男を社長にした。妻は河村商
 事株式会社取締役。

6:河村は、1972年入社即専務になって以降、「家業からは2002年に退き長男が継ぐ」
 ということ(ウキペデイア)だが、河村自身が社長をやっていた時期があるかどうかは
 記述がないので、戸田には不明。
 ◆ただ、河村を支持して議会解散運動に参加した人のツイッターに「河村たかし名古屋
  市長の事務所は、河村氏が経営する河村商事のビルの中。河村さんは、ほんとに中小
  企業の社長しながら安月給で孤軍奮闘している。」との記述があるので、
    http://twitter.com/kayokofujimori/status/24560974556
  河村たかしが実質的には「河村商事」のオーナー社長だと考えてもよいと思う。
   (河村商事株式会社は、2009年現在従業員50名の中小企業)

7:政治家としての経歴は以下の通り。
 ・1983年に愛知県議会議員選挙に立候補するも落選。
 ・1990年、衆院選挙に保守系無所属・宏池会新人候補として立候補するも落選。
 ・1993年、衆院選挙に日本新党公認で旧愛知1区から立候補し初当選。
 ・1996年、衆院選挙では、新進党公認で出馬し再選。
 ・1998年、新進党が分党して結成された自由党に参加したが4月に離党。いったん院内
    会派「無所属の会」となったが12月、民主党に参加。
 ・2000年、衆院選挙で民主党公認で3選。
 ・2003年、衆院選挙で民主党公認で4選。
 ・2005年、衆院選挙で民主党公認で5選。
 ・2009年4月、(国会議員を辞職し)民主党推薦で名古屋市長選に出馬し当選。
 ・2009年10月30日 総務省顧問(地域主権関係)に就任。
 ・2010年10月5日 菅改造内閣発足に伴い総務省顧問退任。
 ・2010年末に市長辞職願いを出し、2011年1月に辞職。
      2月の市長選に再出馬して再当選

8:政党の変遷をまとめると、
  ・日本新党(1993年衆院選)ー新進党(996年衆院選)ー自由党(1998年)−民主党
  (1998年12月〜)となる。
  ・2010年4月に地域政党「減税日本」を立ち上げ、自分が代表になった。
   これによって、民主党とは実質的には切れたものと思われる。 
    (民主党から除名された、とか民主党を離党したとか詳しくは知らないが)
   ※国会議員を持たない「減税日本」は、法的には「無所属」にしかならないので、
    「政党」所属議員候補者が持つ資金的特権は無い。

<「議員はボランティアでやるべき論」についての持論や発言>

9:◆地方議員はボランティアであるべきとし、議員報酬を廃止し、保護司や民生委員ら
  と同じく無給とすべきと主張。

10:◆「議員活動のためには経費は当然必要だ。ただ、それは自分で寄付金で集めるべき
  だ」としている。

11:国会議員時代は、文書通信交通滞在費全額を民主党支部と自らの資金管理団体に寄付
 して、政治活動経費として使い、自らの財布に入れないとした。
  また、文書通信交通滞在費を「第二給料」と糾弾している。
  赤坂の議員宿舎には入居せず、地下鉄千代田線沿線の自身で賃貸契約したマンション
 に“自腹”で入居

12:2009年11月の議会に出した「市政改革ナゴヤ基本条例」の中で、
 ■第2条:政治の職業化が住民の行政への参画の意欲や機会を阻んでいる状況から、
     自発性・無償性に基づく政治改革を行い、・・・・
 ■第6条:議員の政治ボランティア化のため次の改革に取り組む。
   (1) 議員定数を現行の半減を目途に減員する
   (3) 議員報酬は現行の半減を目途とし減額する
   (4) 政務調査費を支給しない制度に改める   (!!)  
 を書き込んで、議会に承認を迫った。(

13:(インタビューで、「なんで日本では個人献金が根づかないのか」、について)
  「それは、みなさんすでに税金で払っちゃっているからですよ。議員の給料はもちろ
 ん、政党に支給される政党交付金も税金。欧米の場合、議員も政党もボランティア同然
 なんです。税金でもらう分は人件費とか、実費ぐらいにしかならない。
  議員が商売として政治をやっているわけじゃないと知っているから、外国では献金す
 るんです」

  「オバマさんが640億円も集めたっていいますが、みなさんは政党交付金だけで毎
 年300億円も税金で払っている。しかも、大統領選は4年に1回で、こっちはその4
 年間で計1200億円。日本人のほうがよっぽど政治にお金を払っているんですよ」

14:「月刊日本」2010年10月号の対談で、
   http://www.asyura2.com/10/senkyo97/msg/212.html
 河村:日本の議員に対して寄付金が集まりにくいのは、議員という身分が如何に特権階
   級であるか国民全員がわかっているからだ。高級な議員宿舎然り、JRの無料パス然
   りだ。
     しかし、少ない歳費で自己の財産をも切り盛りして政治を行えば、政治家は尊
    敬され、自ずと寄付金も集まるようになるだろう。
     また、例えばアメリカのロサンゼルス市の人口は390万人で、市議会の議員定
    数は15。それに対して、名古屋市の人口は220万人で、議員定数は75。
     如何に名古屋市の議員定数が多いかわかるだろう。

<河村の政治資金、献金にまつわる話について>

15:■ずっと政党に所属してきたという事は、候補者段階から政党を通じて実質的には団
 体企業からの献金も自由に受けれるし、日頃の政治活動への現金寄付も受けられ、政党
 交付金も受けられる、という「政党特権」を教授してきた、ということ。

16:1980年代の県議挑戦時代から一貫して自分の家族も含めて、企業経営者役員らかの献
  金を大きな柱にしてきた事は間違いない。
  ちなみに、2010年に河村事務所は、「議員の父親から昨年2月に100万円、10月に50
 万円を献金したが、個人献金の上限額である年間150万円を超える献金は行っていな
 い」と説明している。

17:◆「河村市長の金銭面支援 中小企業経営者ら“第二”の団体設立」↓
  ・会員1人1人が、市長の資金管理団体「河村たかし政策研究会」に個人献金する形
   をとる
  ・河村市長の応援団としては衆院議員時代の支援者や中小企業経営者らによる「年会
   費12万円」の団体や、後援会員らが呼びかけ人の「年会費5000円」の団体が
   すでに立ち上がっている。

18:◆市長になってから献金が倍になっており、800万の市長給与で足りない部分は中小
  企業経営者から個人献金を集めている。
  
19:2004年から政党支部では、企業献金を断っているとしているが、「個人献金」と言っ
 ても、実質は企業献金の形を変えたものである場合も多い。
  また、◆「個人献金」は節税になるので、この方面で献金側にメリットもある。

20:(河村発言)「寄付金型議員」で世襲するならば全く問題ない。どれだけ寄付金を集められるかは本人の努力次第だ。

21:◆「一般職の公務員に認められない政治活動もできる政務秘書が市政のため絶対に必
  要だ。」とし、2009年名古屋市会6月議会、9月議会で特別職の名古屋市長の政務秘書
  設置条例の提案を行っているが、いずれも否決されている。

22:河村自ら削減した名古屋市長の800万の給与では私設秘書が雇えないが、一旦辞任後
 の市長再選挙活動に私設秘書が必要なため、大西副市長の給与で秘書を雇用するように
 河村市長の婦人が依頼した。しかし大西副市長は、違法性が高いということで断った、
  そのために大西副市長は1期めで解任された。・・・・という事が報道された。
    http://ameblo.jp/kooks-chelica/entry-10776514800.html
       ↓↓↓
 ・恋のから騒ぎ研究室:
  週刊文春に河村たかし名古屋市長が秘書給与を副市長に肩代わりさせようとしていた
 という記事が載った。
  1月11日の河村市長の定例会見で大西副市長の辞職が発表された。
  理由は最初から一期限りと決めていたからということらしいが、実際は違ったらし  い。

  河村市長は2009年に名古屋市長に当選したが、この時公約に市長の給与2500万円を
 800万円に減額するというものがあった。
  だから、市長に就任したら、その公約を実行してしまった訳だが、実はこれが後先考
 えていないとんでもないことになるらしい。・・・・

  が河村市長には選挙運動のために私設秘書が二人必要なんだが、年収800万円ならこ
 の秘書給与は払えない。二人分の秘書給与が年間800万円かかるのである。
  困った河村市長は大西副市長に私設秘書の給与を肩代わりと大西さんの車を河村市長
 に提供するように言ったらしい。副市長の給与は2100万円のままなのである。

  が、河村市長は諦めずに河村婦人を通じて、大西さんが政治団体を立ち上げて、秘書
 を雇用する形にすればいいと言い出した。
  大西さんは断ったが、河村さんが引き下がらないので、大西さんのトヨタ自動車時代
 の先輩Aさんがイイと言えばいいと返答し、河村夫人がAさんに問い合わせたら、Aさ
 んは激怒したそうだ。
   形を変えても不正な贈与に変わりはないですからね。

  それでも諦めない河村ささんは秘書課の職員に大西さんを説得するよう頼んだが、大
 西さんはそれならば自分の給与を800万円未満に下げると言って来た。
  これに河村さんは何も答えなかったという。
  困った河村さんは支援企業に頼った。

  河村市長がリコール運動で乗っていた車は、さる不動産会社が所有していた車をそこ
 の元社員、平野氏の名義にし、その平野氏がネットワーク河村市長の広報担当を勤めて、
河村さんの運転手を勤めている形になる。
  要は支援企業が献金の代わりに人間と車を提供しているということらしい。
  平野氏は文春の取材に会社で、「乗っていた車を自分が買い取って、会社は退社したが、その会社と顧問契約を結んでいて、顧問料をもらっている」という。
  「車はボランティアとして河村市長に提供している」そうだ。

  これって、その会社が賄賂渡しているのと同じじゃないの?・・・・
 ・・・・この話は全て文春の捏造なのか?
  文春が河村市長に大西副市長に秘書給与の肩代わりを頼んだかどうかを尋ねたところ、知らないといった。
  が、河村夫人は自分の一存で大谷副市長にお願いしたことを告白した.つまり事実だったらしい。
                (字数限度になったので、残りは次の投稿で)


▲河村(2)名古屋独裁市長の身勝手・ウソ・忠誠議員づくりのための議会粛正・税金浪費
戸田 - 11/2/26(土) 11:17 -


 (上で書ききれなかったことの継続です)

 河村市長が着手した事が全部悪いと言うわけではない。
 地域住民議会的な「地域委員会」の試みは(邪心無くやれば)先進的試みだと思うし、
市長報酬を2400万円から800万円に大削減した事も良いと思う。
 (市の行政機構全てを動かせる市長の場合、議員と違って活動調査費は要らないのだか
  ら報酬は「それなりの生活が出来る金」だけでよい。議員年金のような高額な天引き
  もないし)

 しかし、その目玉政策と根幹において、非常に邪(よこしま)で有害なものだと判断せざるを得ない。以下に列記する。

22:◆河村市長の報酬は年間800万だが、秘書5名・運転手1名の人件費5160万円、車の
 リース・ガソリン代36万円、出張費113万円、広報費5億円、交際費120万円など様々
 な経費を市が持っており、河村市長本人がボランティアで政治活動を行っているとは言
 えない状況にある。

23:そもそも「政治(議員)はボランティアでやるべし」と言うのなら、なぜ率先して
  「市長報酬ゼロ」でやろうといないのか? 全額廃止が仮に法的に無理でも年間100万
  円とかなら容認されるはず。
  それを全く言わないのは、「(資金的に豊かな自分でも)全く無償では政治は出来な
 い」という常識を「自分には適用している」からに他ならない。(2枚舌)

24:しかも「自分に共鳴しているから任命したはずの副市長」については、全く削減を言
 わず(その人は生活的には800万でも困らないはずなのに)、2100万円のままにした。
  これには裏があって、河村人脈で元愛知トヨタ取締役の大西氏を「初の民間人登用副
 市長」として打ち出したが、上記に書いたように、その報酬から自分の私設秘書給与を
 出させようとした。

25:■河村は市長と議員の報酬削減は世間にアピールしたが、市長任命(議会承認)の特
 別職である副市長や教育長(以上は退職金も高額)・教育委員や監査委員の報酬問題に
 は全く触れない。
  この事実を見ると、河村に「市民が違和感を覚える高額報酬・退職金を削ろう」、
 という問題意識が本当にあったとは思えない。河村にとっては、議員だけが問題であ
 った。

26:◆公務員批判を繰り返して市長に当選したが、就任後は公務員批判を行なうことはほ
  とんどなくなり、議員批判に終始している。

27:実際には河村市長本人が行政改革を先頭に立って行うことはなく、名古屋市役所の役
 人に丸投げを行ったため、予算編成の段階では、既存の事業について無駄な予算のカッ
 トではなく、福祉に関する予算も含め一律の予算カットが進んだ。


28:(「減税政治」のまやかし)
 ◆減税条例によって2010年に実施された名古屋市の減税では全体の0.2%にあたる高額納
  税の企業が44%の減税額を受け取っており、庶民革命というスローガンとは裏腹にほ
  とんど庶民に恩恵がない。
   また、名古屋市民225万人の52%は扶養家族や非課税のため減税の対象外。

29:■年間納める市県民税は年収300万円の人=7万円、400万円の人=11万円、4000万
 円の人=350万円程なので、その10%は、それぞれ7000円、1.1万円、40万円。
  ■金持ちにとって40万円減税は嬉しいだろうが、低所得者にとって「福祉子育て関連
 で負担増と抱き合わせの7000円減税」は損害が大きいではないか!
     ↑↑↑
  ▲これで喜ぶ庶民は、「朝三暮四」の猿の例えと同じである!
  「所得に関係無く一律10%減税」では、実質は金持ち優遇の愚策。本来応分の高負担
 すべき富裕層が免税になり、財政を圧迫し市政・市民サービスの低下に繋がる愚策。

30:河村市長は「減税により企業誘致と移住者誘致に資する」と主張するが、法人市民税
 の減税だけで企業が本社機能を名古屋に移転してくるはずがない。
  移住者誘致については、名古屋市の依頼のコンサル調査によると、
「減税により増加する移住者は年間2000人程度見込まれるが、減税による減収分を補う効果がない」としている。
・・・「減税による移住者2000人」という推定自体、疑わしいが。

31:(身勝手)
 ◆河村たかしは「一般職の公務員に認められない政治活動もできる政務秘書が市政のた
  め絶対に必要だ」とし、2009年名古屋市会6月議会、9月議会で特別職の名古屋市長の
  政務秘書設置条例の提案を行っているが、いずれも否決されている。

29:(ウソで行なう政治)・予算案の基礎に「名古屋市の生活保護受給者が減少する」と
 いう見込みを出すなど明らかに誤った試算も行っており、減税を肯定するために意図的
 に誤った試算を行ったのではないかと市議会で問題になった。
  (とんでもない見込み!)

30:(意図的ウソで議会叩き)
 ◆50万部配布の無料紙にデタラメ発言:「議員の退職金4220万円」
    http://www.jcp-aichi.jp/minpou/100418-153831.html
  市内各戸に配布されている週刊無料新聞『リビング名古屋』4月10日付に掲載され
 た河村たかし名古屋市長にインタビューした記事の中で、議員の収入について「2700万
 円。しかも4年ごとに4220万円の退職金がもらえる」という同市長の発言を紹介して
 います。

  事実、は議員には退職金制度はなく、4220万円の退職金は市長の制度。同市長は昨年
 11月の市議会本会議で「議員報酬に政務調査費および費用弁償を加えて年額2350万円」
 と発言していました。
  今年の2月市議会で費用弁償が廃止され、減額しているのに「2700万円」に増えてい
 ます。市長発言は明らかに事実に反しています。

  『リビング』紙は事前にインタビュー記事を「市長室に見てもらった」と言っていま
 す。同紙は県内50万部が発行されています。

31:■(ウソで行なう政治)市長選出馬にあたって民主党の名古屋市議団と合意した公約
 にあったのは「議員報酬の1割削減だった。
  それが市長になってから急に「議員報酬半額!」と騒いて議会攻撃を始めた。

32:◆市議会で再可決された議員提案の「名古屋版事業仕分け条例」を市長は公布せず、
 一方で独自に事業仕分けを実施する方針を決めた。
  ◆市長の拒否によって議会が可決した条例が効力を持たないのは議会制民主主義の
   否定に等しい。(阿久根市の竹原市長並)

33:(忠誠議員づくりのための議会粛正:本来不要な対立を意図的に仕掛ける)
  ■河村市長の強硬な攻撃と「世論の支援」の前に、議員達も弱気になって、とうとう
   公明党も、共産党すらも、報酬半減案を容認する方針への転換を示してきた。
   議員報酬問題に決着がつきそうになってきた。

  ■ところが!「忠誠議員による過半数制覇で翼賛議会づくり」を狙う河村は、
  「ここで決着してはまずい」との判断で、「まともな議員、普通の議員」(河村追随
   議員以外の、政治信条を問わず、全ての議員)には絶対に承諾できない条件を、
   突如として出してきたのだ。

  それが、◆「政務調査費の廃止」までも決定し、
         ※こんな主張をするとは、河村が「議員に自分の行政をチェックされ
          る事」を如何に嫌がっているか、如何に議員の責務を分かっていな
          いかが良く分かる。絶対に許せない!
      ◆議員定数の半減を決め、
      ◆「住民の行政への参画の意欲や機会を阻んでいるのは『政治の職業化』の
        せいだ」、というデマゴギーの承諾をも全議員に強制する、
  「市政改革ナゴヤ基本条例」だった。(2009年11月議会に提出)
    http://www.news.janjan.jp/area/0912/0912084152/1.php

 「住民分権を確立するための市政改革ナゴヤ基本条例」

  第1条:住民が主体となった市政の実現を図る改革実施の基本事項を定める。
  第2条:政治の職業化が住民の行政への参画の意欲や機会を阻んでいる状況から
    自発性・無償性に基づく政治改革を行い、真の住民自治による市政を確立する。
  第3条:市長として率先して市政改革ナゴヤの実施に取り組む  
  第4条:選任された市民が地域の施策を企画・決定し、必要予算の策定に参画できる
     「地域委員会制度」を創設する。
  第5条:地域経済の活性化と発展のため「市民税の減税」を実施する。

 ◆第6条:議員の政治ボランティア化のため次の改革に取り組む。 
  (1) 議員定数を現行の半減を目途に減員する
  (2) 議員は連続3期を越えて在勤しないよう努める
  (3) 議員報酬は現行の半減を目途とし減額する
  (4) 政務調査費を支給しない制度に改める
  (5) 議員の費用弁償は実費支給の制度に改める
  (6) 本会議で市民が意見表明できる機会を創設する
  (7) 議員の自由な意思に基づく議会活動を実現する
  (8) 議員年金制度は廃止に向けて活動する 

  第7条:市長は連続3期を越えて在職しないよう努める。
  第8条:市政改革ナゴヤは平成21年度末までに制度化を図る。

34:(議員報酬額面800万円になるとどんな状態になるか)
 ◆実際に議員の年収を市長の主張する800万円とした場合、名古屋市議の藤田和秀の場
  合、月495,000円(賞与をのぞく)のうち、年金掛金8万円、所得税8,000円、住民
  税72,600円、議員互助会45,000円、党費・勉強会など82,950円、事務所費120,000
  円となり、最終的に手元に残る額は86,450円となり、職業としては議員の仕事は成立
  せず、実質ボランティアで議員活動を行うことになる。

 ・このようにボランティア的に賄うとすると、政治には様々なお金がかかるため実質高
  所得者でなければ議員になれなくなる。ましてや選挙費用まで考えると全く無理!

35:(河村作戦による税金浪費と予算議会混乱)
  2011年2/6に知事選、市長選、市議会リコール住民投票のトリプル投票、ダブル選挙
  が行われ、河村再選、市議会解散が決まったため、3月に市議選が行なわれる。
 ◆市議会は本来は統一地方選の一環で2011年4月に任期満了選挙になるが、河村は費用
  をかけて「3月選挙」に持ち込んだ。
 ◆本来なら11月議会を経ての2月(3月?)議会は新年度予算を審議する重大課題を抱
  えているのに、河村のケンカ作戦で議会審議をしっかりやる事は無理になった。

36:(河村作戦による税金浪費)
 ◆通常の愛知県知事選、県会議員選挙を行った場合の費用は12億円だが、議会解散リコ
  ールが成立した場合に、県知事選と市長選、市議会選で21億5000万円かかる試算。
 ◆河村市長は市議会解散リコール請求ですでに8000万円の費用をかけており、任期を2
  年を残しての河村市長の辞任による市長選を行うことにより、さらに2億円追加的な
  費用が発生する。

37:(ブレインの離反。河村の実像を見た人による批判)
       離反したブレイン
  ・河村市政開始後、河村サポーターズ代表であった柳川喜郎元御嵩町町長、
  ・経営アドバイザーであったNPO・サードセクターなどの研究で知られる行政学・政
    治学者の後房雄名古屋大学教授
  ・市民フォーラム21・NPOセンター代表理事
  ・市民活動家の藤岡喜美子市民フォーラム21・NPOセンター事務局長
  などが2009年に次々と辞任した。

  ◆同じくブレーンを離脱した後房雄名古屋大学教授は、
河村市長について「「庶民」を煽ることだけうまいというポピュリスト」、「真面目な関心などなく、毎晩焼酎
   を飲みながら選挙と陰謀のことばかり考えている人」と痛罵。
    中日新聞の寄稿の中で「・・・マニフェストにある政策を実行していく行政経営
    者としての資質は著しく低い」と述べている。

  ◆2011年2月には、河村市長の強い要請で戦後初めての民間副市長に就任していた大
   西副市長が辞任。
    大西は「河村市長は、減税、地域委員会、議会改革の3つしか言わず、その他の
   問題についてはほとんど何もやらなかった、幹部会でも、議会との対抗のことばか
   り話していた」、
    「行政の通常の仕事は自動操縦のように動くので、市長はそれに乗っているだけ
   で勤まっているように見える」と語っている。


■「地方議員は献金でやれ」論のウソ:献金を生活費や議員活動費に充てたら違法だぞ!
戸田 - 11/2/28(月) 10:42 -

河村たかしは、「地方議員は議員報酬を廃止し、保護司や民生委員らと同じく無給とすべき」だとか、
「議員活動のために必要な経費は寄付金で集めるべき」などと吹聴しているが、そのイカサマぶりには心底怒りを覚える。

■この河村主張は「違法行為を実行せよ」というものに他ならないのだ!
 その理由を以下に述べる。(ここで言う「議員」には「予定候補者」も含みます)
    ↓↓↓
1:■議員に対して「生活費支援のための献金」は禁止されている。
   議員は献金を生活費に充てる事は出来ない!

2:政党議員が政党から現金寄付を受ける場合は、「政治活動に対する現金寄付」が認め
 られているが、それ以外の場合は、「政治活動への寄付は物品限定」であり、現金寄付
 (献金)は禁止されている。※この「政治活動」には「議員活動」も当然含まれる。
  つまり、
  ■無所属議員は「活動費」への献金を受ける事が禁止されている!
  ▲政党議員であっても、自分の政党以外からは(個人・団体全て)「活動費」への
    献金を受ける事が禁止されている!
  ◆地方議員の場合は、政党議員であっても、日頃の活動費に対して政党から金が降り
    る事はほとんどない。逆に政党へ党費などの金を上げている。
    政党から地方議員に金が来るのは選挙の運動費ぐらいで、政党交付金の恩恵もほ
    とんどないらしい。 

3:■国民が議員に寄付する場合、政治活動(議員活動)に対する献金は禁止されている! 
  現金寄付(献金)が出来るのは「選挙運動」に対してのみ。
   「政治活動」に対してできるのは物品寄付のみ。

4:国民がふつう、「議員への献金」と思ってしているのは、
「議員を支援する政治団体」(法的には「その他の政治団体」=いわゆる後援会や「資金管理団体」)への献金
 であり、これならば、その団体の政治活動に対しても現金寄付が許されている。
  議員個人に献金が出来るのは、選挙運動に関してのみ。

5:■しかし、後援会(資金管理団体も含めて。以下同じ)であっても、議員に生活費を
 渡す事や給料を払う事は禁止されているし、活動費を渡すことすら禁止されている!
  (活動費支援は物品寄付のみ。物品としてのインクとか紙とか)
 ▲議員個人の活動に関しては、ガソリン代も交通費も印刷代も事務所費も、後援会から
  出す事は禁止されている!

 ※大阪府選管に確認した例では、「議員が研修会などに参加するための交通費もチケッ
  ト現物」も、「議員名義の車のガソリン代や維持費」も(議員活動で使った場合で
  も)、後援会が負担するのは違法だ、とされている。

6:ただ「後援会の活動」として、集めた献金を使って事務所を設置したり、通信を発行
 したり、事務員やスタッフを雇ったり、車を所有して議員に貸したりして、議員を支援
 する活動は出来る。
  「献金で議員の活動を支援する」、という事の実態はこういうことで、「議員(個
 人)の活動」のように見える事でも、後援会という「団体の活動」としての正当性を
 備えていれば、献金を使うことが許される、ということだが、両者の線引きは微妙な
 部分もある。
  
7:■政党が所属議員や候補者に「活動費を支給する」などの名目で、活動費だけでなく
 生活費も面倒見る事は、実際的には容認されている。
  特に国会議員の候補者に対しては、そういう形で生活丸ごと支援する場合がある。
   (候補者としての活動に専念するには、他の仕事で稼ぐ労力は払えないのが普通)
 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
↑↑↑
 以上に上げた事実から、(今の法律では)
●A:議員が献金によって生計を立てる事も、生計の補助とする事も違法である!
●B:議員が行なう活動を献金で賄うことも違法である!
    献金で賄えるのは、議員の後援団体の「団体としての活動」のみ。
▲C:唯一の例外は、政党議員・候補が政党から現金寄付を受ける場合だけだが、無所属
  は全く無縁だし、地方議員の場合は政党所属であってもほとんど恩恵を受けていな
  い。

という事が判明する。

■従って、河村たかしが言うような、「地方議員はボランティアでやるべし」論は、
地方議員・候補者に違法行為をやれと強制するに等しく、そもそも全く実行不可能な話なの
 だ!
  こういうヨタ話をさも正論であるかのように吹聴して、自分を引き立てるところに河
 村のペテン師性が如実に現れている。

■河村が求めているような、「議員への生活費も活動費も廃止」をしたら、議員を続けられるのは、
全てを自分で賄える資産家や「議員をしていても他で高給を得られる特殊な
 階層」、一口で言えば「金持ち」しかいない。
  「普通の市民あがりの議員を消滅させる」、「普通の市民が議員になることを封鎖す
 る」のが、「議員ボランティア論」の実体であり、真の目的とさえ言える!

▲仮に「生計費だけは公費負担する」としても、議員活動・政治活動に要する費用を賄え
 るのは、「金持ち」か多額の献金を集めやすい「著名人」しかいない。
  いったい、家族も含めた生活費の他に年額100万、200万、300万とかそれ以上の金を
 自分で賄える人間がどれだけいるのか?
  (年100万円=月々8.3万円の支出で何ほどの活動が出来るのか?インフラ支出も含
   めて・・・。 また、わずか3000人に通信郵送を1回するだけで中身・封筒・切手
   代含めて物品費だけで30万円はかかるだろう・・)

  「金持ち」なら全額自分で賄える。
  「著名人」なら、多くの献金を集めて(個人でも後援会としても)賄える。

★ただし、後援会として献金が豊富であったとしても、それを種々の議員活動(政治活
 動)全てに支出できるわけではなく、「後援会という団体の活動」の範囲内で支出でき
 るだけで、議員個人には物品寄付しかできない。

▲地方議員の場合、政党議員であっても、よほどの有力な資金基盤を持つ有名議員でない
 と十分な献金は集められない。
  また、そういう議員であっても、現状の議員報酬や政務調査費があるからこそ、なん
 とかやれているに過ぎない場合が大半。
 「頑張っている事で評判の高い市民派議員」でも、選挙のない平年は10数万円からせ
 いぜい数十万円程度だろうと思う。活動費の一部を充填できている程度である。

■議員が生計費のために個人資産をつぎ込まねばならず、政治活動費は個人資産か献金で
 (後援会活動という形式を整えて)賄わねばならず、次の選挙の資金は個人資産か献金
  で賄わねばならないとしたら、集まった献金を使う優先順位はどうなるか?
  最優先されるのは「次の選挙資金としての積み立て」であり、政治活動・議員活動へ
 の使用は後回しにされるのが「必然」である。

  よほど潤沢に献金を集められる議員ならまだしも、そうでない圧倒的多数の自治体議
 員とって、「議員としての存続」のために、「まず選挙資金」、
「その次に選挙に有利になるような宣伝活動資金」が優先されるのであって、
「限りある資金」の中では、
 「議員としての調査研究の費用」や「議員の資質を高めるための研修費用」などは後回
 しにせざるを得ない。

■このように、「議員ボランティア論」は、「普通の市民あがりの議員を消滅させる」
 だけでなく、「議員活動に金をかけられない議員=質の低い議員」を今よりずっと増加
 させてしまう愚論であって、絶対に許してはおけない! 
 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

※「政党特権」と無所属への非道さについては、旧スレッドの
 ▲無所属への献金で説明不足の部分を補足。また、谷口さんの新質問については別途、
         戸田 - 11/2/11(金) 11
  http://www.hige-toda.com/x/c-board/c-board.cgi?cmd=one;no=6073;id=#6073
 を参照して下さい。


●名古屋の市民オンブズ:不誠実議員への怒りが高じて河村万歳・政務調査費否定に歪む
戸田 - 11/2/28(月) 14:38 -

今回、河村問題を調べてみて、名古屋の市民オンブズ運動が大きく歪んでしまっている事を知って、驚き呆れた。
 (名古屋の市民オンブズ運動「全部」が、ということではないだろうが、その「大半・
  主流」がそのようなので、この文ではそれを一口で「名古屋の市民オンブズ」と表現
  させてもらう事にする。)

 戸田が名古屋の市民オンブズの人達と初めて出会ったのは、
03年に名古屋市議の「則武(のりたけ)勅仁(くにひと)」氏が、
出席手当受け取り拒否の件で、戸田事務所に相談に来たことを契機に、
名古屋市での議員出席手当廃止や政務調査費の公正化・透明化の集会に参加したためだった。
(たしか2回程、名古屋での集会に参加している)
   ↓↓↓
 参考:門真から全国に飛び火!議員の出席手当廃止運動 
     http://www.hige-toda.com/_mado04/teate-haisi/index_teate-haisi.htm
  ↓↓↓
   ★名古屋市議会「のりたけ勅仁市議が費用弁償受け取り拒否」 ★
     http://www.hige-toda.com/_mado04/housyuu/03.5.5sinbun.htm

 その市民オンブズの運動には、当時民主党市議だった則武さんも、
  則武くにひとHP http://www.noritake.ne.jp/
無所属市議だった車椅子の斉藤まことさんも、(HP http://www.saitomakoto.com/
一緒に活動し、たしか共産党の議員も好意的に関わっていた。

 たしかに他の名古屋市議の対応は酷く、則武さんは民主党の議員団の中で吊し上げされ、
会派離脱を余儀なくされたと記憶する。
 また、議員出席手当の廃止が決まったのは、
ようやく河村市長当選後の2010年2月議会(実施は同年4月から)だったし、
政務調査費の公正化・透明化についても他の議員達の不誠実で傲慢な対応が続いたようで、
オンブズの人達がそういった「議員ども」に怒り心頭になる気持ちはよく分かる。

 しかし、ともに運動している則武議員や斉藤議員の活動を知れば、
まじめに行政チェックをする「真剣議員」の経済状態を知っただろうし、
例え報酬や政務調査費の金額が、それでも多すぎると思ったとしても、「政務調査費は廃止しろ!」とはなるはずがない。
 自分達自身、政務調査費の存在意義を認めた上で、
その公正さと透明化を求めていたのだし、市民の声を行政や議会に反映させるためにも、
議員の調査研究費や広報宣伝費が必要である事は分かっていたはずだ。
 
 ところが、「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」の例えの通り、不誠実議員への怒りの余り、
「議員に報酬をやるな!政務調査費もやるな!」という「ヤツ当たり」をしていく方向に走ってしまった。

 この心理は、初当選で議員の視察や政務調査費の不正を発見し糾弾した阿久根市の竹原市議(当時)が、
「程度の低い」他の議員達から「多数決の暴力」で猛烈な攻撃を受けた
事に反発して、自分が市長になって自分に逆らう議員達への復讐と兵糧責めとして
「議員日当制」を専決処分で決めたのと同様のものがある。

 彼らに彼女らにとっては、傲慢議員どもをやっつける河村市長は、
積年の恨みを晴らしてくれる「正義の味方・救いの神」と写ったのだろう。
 下に紹介する「政務調査費の情報公開を求める名古屋市民の会」宮永氏の文章を見ても
、「ざまあみやがれ!」という感情がむき出しになっている。

 議会の本当の改革は「良質な議員」を維持拡大していく事を通してしか、
有権者がそのような投票行動を行なうように情報開示と啓発をしていく事を通してしか実現出来ないのに、
短絡的な怒りに走って、却って「良質な議員」が存続できない・当選出来ない悪条件を作る方向にのめり込んでしまっている。
 ああ愚かなり!名古屋の市民オンブズよ。

 このような異常な方向に走ったためと思うが、上記の良質2議員のうち、
斉藤まこと市議はこのオンブズの運動とはたもとを分かったようである。
今は民主党市議団に入っているという。
 一方、則武(のりたけ)市議の方は、残念ながら河村与党に純化して、
オンブズと完全に歩調を合わせて「政務調査費の廃止」にも賛成しているようだ。
とても残念な事である。

■名古屋という人口221万人の巨大都市の行政をチェックし市民に問題提起もしていくべ
 き市議について、政務調査費無し・報酬手取り推定480万円ほどで24時間365日責任持
 って今までと同等(以上の)仕事しろ、という事が如何に無理があるか。
  そんな事も理性的に判断できないオンブズでは、いつまでたっても税金浪費の低減は
 出来るはずがない。
  その非合理性は、「大和魂があれば英米に勝てる!」
と呼号して国民を無謀に戦争に駆り立てた旧帝国軍の精神主義と同様である。

  自分らは市議選を勝ち抜いて議員になって闘うという苦難も背負わず(政令指定都市
 は各区ごとの少人数当選:2〜7人・5人前後が多い:だから、普通の市民の当選は非
 常に困難)、まさに安全地帯から、自分の都合がつく時だけの活動だけで、
「自分らが議員達よりずっと行政チェックをしている」という、大きな勘違いをしているとしか思
 えない。
  (既存議員が気づかない・無視する面をチェックする貴重な存在である事は確かだ
   が、それと全体のチェックとは別物なのに)

■「既存議員への積年の怒り(それ自体は正当な怒り)の余りに理性を失った」のは、
オンブズの原点たる「税金浪費の阻止」という面でも顕著である。
  市議会解散をリコール住民投票で導くために、意図的に「政務調査費廃止」まで含め
 た、普通の議員なら絶対飲めない条例を出して議会を混乱させ、強引に市議会リコール
 実施に持ち込み、任期途中で市長を勝手に辞職して市長選を実施させる・・・、といっ
 ごり押し方策で推定10億円規模の税金浪費を強制した事について、オンブズはこれを抑
 制抑止するどころか「両手をあげて賛成」したのである。

・・・戸田が名古屋で何回か会ったオンブズの人達が、ここまでおかしな方向にのめり込むとは、大変残念である。
「権力者をチェックする」という意味においては、はっきり言ってこれは、オンブズの腐敗堕落である。
 「河村親衛隊としてのオンブズ」になるとはね・・・・・。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
参照:「政務調査費の情報公開を求める名古屋市民の会」
宮永正義2009/12/08   http://www.news.janjan.jp/area/0912/0912084152/1.php

 筆者が広報を務める「政務調査費の情報公開を求める名古屋市民の会」は98年以来、
名古屋市議団に対し政調費領収書の全面公開と費用弁償(議会・委員会への出席手当)
の廃止を訴えてきた。
 しかし相乗り与党3会派(自民・公明・民社)は最初の選挙で、費用弁償を1万5千円から1万円に、
次の選挙で政調費を1人月額55万円から50万円に減額しただけで誤魔化し続け「非課税で領収書の添付義務がない」政調費を好き放題に使ってきた。
 ・・・・・・・・・・・
 11月20日定例会初日に、河村市長がこの「ごくつぶし」機能不全議会にまさに
「革命」といえる市長提出案件「平成21年第195議案」を突き付けた。
 その要旨を以下に記すと:

 「住民分権を確立するための市政改革ナゴヤ基本条例」 と題する案は8条からなり

第1条:住民が主体となった市政の実現を図る改革実施の基本事項を定める。
第2条:政治の職業化が住民の行政への参画の意欲や機会を阻んでいる状況から
    自発性・無償性に基づく政治改革を行い、真の住民自治による市政を確立する。
第3条:市長として率先して市政改革ナゴヤの実施に取り組む  

                    と宣言し、続いて条例の中枢部分に至り、

第4条:選任された市民が地域の施策を企画・決定し、必要予算の策定に参画できる
    「地域委員会制度」を創設する。
第5条:地域経済の活性化と発展のため「市民税の減税」を実施する。

       そして議会紛糾の最大の原因となった、

第6条:議員の政治ボランティア化のため次の改革に取り組む。として
(1) 議員定数を現行の半減を目途に減員する
(2) 議員は連続3期を越えて在勤しないよう努める
(3) 議員報酬は現行の半減を目途とし減額する
(4) 政務調査費を支給しない制度に改める  !!!
(5) 議員の費用弁償は実費支給の制度に改める
(6) 本会議で市民が意見表明できる機会を創設する
(7) 議員の自由な意思に基づく議会活動を実現する
(8) 議員年金制度は廃止に向けて活動する 

 そして
第7条:市長は連続3期を越えて在職しないよう努める。
第8条:市政改革ナゴヤは平成21年度末までに制度化を図る。

  という、本来は「すべて議会が提案すべき」と思える内容だった。 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
  戸田注;まったく呆れた感覚だ。「政務調査費の廃止」も「すべて議会が提案すべ
       き内容だった」だって?


◆則武議員:河村追随のボランティア論だが、それって実は「オレさえ良けりゃ」論だよ
戸田 - 11/3/1(火) 1:11 -

名古屋市議の「則武(のりたけ)勅仁(くにひと)」さんhttp://www.noritake.ne.jp/
(2003年初当選)とは、上記に書いているように、2003年当選直後からの友人です。
 則武さんは、「政令指定都市議員で初めて出席手当を拒否した」先進的議員であり、
まじめで明るく人柄も良い好男子であり、その上、中部地区で唯一の「連帯ユニオン議員ネット」会員の同志です。
 参考:門真から全国に飛び火!議員の出席手当廃止運動 
     http://www.hige-toda.com/_mado04/teate-haisi/index_teate-haisi.htm
  ↓↓↓
   ★名古屋市議会「のりたけ勅仁市議が費用弁償受け取り拒否」 ★
     http://www.hige-toda.com/_mado04/housyuu/03.5.5sinbun.htm

 その則武さんを、戸田は今回、いきなりネットで公開的に批判する。
 これは友人として、たしかに礼を失する事であり、本来ならば則武さんの話を聞き、議論をし合うという手順を踏んでから行なうべきものです。
 この点での非礼の叱責は受けなければなりませんが、今その手順を踏む余裕がどうしても無いので、このような形でネットで名指し批判をする次第です。

 則武さんは、3/4告示・13日投開票名古屋市議選の直前、(しかも前回市議選の立候補
者総数より52人も多い 150人もが出馬し、定数75に対し2倍という大激戦!)戸田も
4/17門真市議選告示まで1ヶ月半という多忙です。
 それに今さら電話で少々話をしてどうなるものでもなし。

 2009年の河村市長誕生以降、名古屋の事は気にはなりましたが、「則武さんは板挟みになって苦労してるだろうなぁ」と思いつつも直に話をするまではしませんでした。
 ただ、よもや則武さん(および市民オンブズの主流も)が、議員定数半減・報酬半減・
政務調査費廃止、「議員はボランティアでやれ」などという馬鹿げた事に賛同しているとは夢にも思わなかったのです。
 それが今回、ネット検索で、そうではない事を生々しく知ったので驚いたのです。

 まず、則武さんの主張が非常に明白に出されたネット記事があったので、紹介した後、戸田からの批判点を示していきます。
 そしてこの批判文などを、則武さんにメールかFAXで送信して、3月4月の選挙が一段落した後に、戸田の一連の「真の議会改革」文書を基にして論議をしてみたいと考えます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
◆則武さんの「議員のボランティア化が絶対に必要」論:
  http://www.news.janjan.jp/area/0912/0912084152/1.php 宮永正義2009/12/08
       ↓↓↓ 
則竹議員:議員のボランティア化が絶対に必要です。
    皆さんのことをやるから政治はタイヘンで「ワシは3期で辞めさせてもらう」と
    いうほどきつい仕事のはずが、税金で身分を保障された、従業員300人以下の
    民間企業の給与の上限をはるかに上回る待遇(筆者注*年収約2300万円)を
    踏まえて、おいしい仕事だから息子や孫にやらせたくなる。

     だから一般の名古屋市内の中小企業の人の平均年収と同じくらいのサラリーで、それでもいいという人にやってもらえばいい。
     そうすればあんな給料でこれだけやってくれるならと議員への「寄付」も集ま
    るようになる。

則竹議員:企業献金はいわば「みかじめ料」であり、すべての悪の根源です。
    寄付は個人献金に限るべきでボランティア化すればおのずから集まります。
     それから議会の開催は夜間、ないしは土・日・祝日にやればいい。
     そうすればまさにボランティアになる。

     効果として市役所など地方公務員の給料も下がる。
     地方議員の報酬が下げられた瞬間から、おれたちが下がったんだからと、地方
    公務員の給与も下げるよう地方議員が動くはず。
 
     減額されれば、当然、減収した議員も遊んでいられず働くようになり、税金の
    効率的な使い方に目を向けるようになる。一石十鳥くらいの効果がある。

   もちろんまともな議員も少数だがいるが、とんでもない議員が多いのは事実です。
  ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

●則竹勅仁(のりたけくにひと)経歴●
   http://www.noritake.ne.jp/profile.htm
昭和40年 7月 20日:名古屋市中区生まれ(45才)
・私立麗澤瑞浪高等学校(岐阜県瑞浪市)全寮制の定時制高校卒業
・名城大学商学部II部卒業 学費を自分で働いて納める
・平成 元年 4月:大阪船場の繊維問屋へ経営修行に出る。
・平成 3年 9月:家業である繊維問屋則竹株式会社入社
・平成11年 1月:広く社会に貢献する夢を抱き、秘書として衆議院議員河村たかしに
          師事する
・平成11年 4月:愛知県議会議員選挙(中区選挙区)に民主党推薦で立候補、
              惜敗4,474票
・平成12年 7月:名古屋市会議員補欠選挙(中区選挙区)に民主党公認で立候補、
              惜敗4,268票
・平成15年 4月:名古屋市会議員選挙(中区選挙区)に民主党公認で立候補初。
              当選。3,980票。
・平成19年4月 :名古屋市会議員選挙(中区選挙区)に民主党公認で立候補 2期目
              当選。6,079票
・現在:名古屋市会議員(「減税ナゴヤ」所属)
   ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


    ◆戸田から則武さんへの批判◆

1:則武さんは、そもそも一般市民よりもずっと厚い資金基盤を持っていた「社長の息子」
の出身である。「家業」が「繊維問屋」の「則竹株式会社」なので。
  そしてその会社で8年勤めた後、1999年1月に衆院議員河村たかしの秘書となって民
 主党推薦でいきなり県議に挑戦し、落選するも翌2000年には名古屋市議補欠選挙に民主
 党公認で出馬。
  また落選するも、2003年の市議選で民主党公認で出馬し、見事当選。

 ■繊維問屋の社長の息子で、国会議員秘書で、民主党で、・・・則武さん個人の努力は
 もちろん認めるが、「普通の労働者市民あがりの、政党を選択しない人」に較べて遙か
 に分厚い資金基盤が用意されてきた人である事は間違いない。
  「政党特権」による資金提供も受けてきた人だ。
  だからこそ、1999年から2003年にかけて連続して県議選・市議補選・市議選に出馬し
  て闘えた。
   そんな「恵まれた人」が一般市民に対して「議員のボランティア化が絶対に必要」
  などと言わないで欲しい。

2:■則武さんが2期目再選されたのは、従来の制度(定数・報酬・政務調査費)があっ
 たからこそ、みっちり市政調査をし宣伝物発行をして、市民に市政の問題点を伝え、自
 分の活動ぶりを伝達できたはずである。

3:そうやって頑張ってきた市議が2期8年満了ともなれば、なるほど従来のように資金
 投入しなくても、従来の支給金(報酬+務調査費)が大幅に減っても、「現職の強み」
 で乗り切っていける面があるだろう。
  民主党を離党して無所属(減税日本に加入)しても、河村側近議員としての人気で献
 金基盤を強化して、後援会からの「現物寄付」をうまく工夫する事によって、活動費に
 困窮しないようになっただろう。

 ■しかしそれは、「議員実績のあるオレは大丈夫」という事に過ぎず、「普通の市民で
  も一念発起すれば議員になって活動できる」、という民主主義本来の理念からすれば
  状況を逆行させるものでしかない。
    
   則武さんの言い分は、「議員になっても中小企業労働者の平均年収くらいの額面報
  酬しかなく=国保年金等の天引きが大きいので手取りは中小企業労働者のよりずっ
  と少ない金で生計を維持して、議員の活動費は自腹か後援会の物品寄付で賄える人が
  議員になればいい」というのが実質であり、普通の市民上がりの人には議員に挑戦す
  る気さえ起こらない・挑戦して当選してもまともな議員活動は維持できない事を強制
  するものだ。

 ■そういう経済条件の違いを、「オレはクリアしてるんだから、他の人もクリア出来る
  はず。出来ないのはその人にやる気がないから」と決めつけるものだから、「オレさ
  え良けりゃ」論だ、と戸田は批判するのだ。 

4:◆「頑張っている議員にはおのずと寄付も集まる」、というのも話のすり替え!
  実際には「頑張っている姿を市民に強く何度も知らせるビラ宣伝・HP宣伝・街頭宣
  伝無しには市民には何も伝わらない」のであって、そのためには多額の費用を必要と
  するのだ。
   
  ◆人口13万人の門真の戸田でも市内に2〜3万枚の各戸配布と2000通ほどの通信郵
   送を年に何回か行なってきた。ましてや巨大都市名古屋で区ごとの小定数激戦なら、
票を固めるためには、最低でも1回3〜5万枚のビラ各戸入れと3000〜5000通の
  郵送が必要のはずである。 
    封筒1通の中身・封筒・郵便代・作業費合計が100円として郵送だけで1回30
  万円から50万円の出費になる。年3回なら郵送分だけで年90万円〜150万円だ。

  ◆他にもHP作業代、ビラ配布作業費など、活動宣伝だけでもこんな多額な出費が必
   要だが、それが「多額の献金」に直結するわけでは全然ない。
   そんな単純に「議員の努力が献金に反映する」ものでない事は、議員をした者な
   ら誰でも知っている日本の現実である。

  ●則武さんが「献金を集められる」のは、河村秘書・民主党候補・中小企業経営者ら
   の長年の支援体制が基盤にあってこその話であって、ここでも「オレが出来てるん
   だから、他の人も出来るはず」論は失当である。

5:■「議員がおいしい仕事だから息子や孫にやらせたくなる」のは、単に高報酬だから
  ではなく、「各議員の仕事ぶりが市民に公開されていないから」であり、
「怠け議員と真剣議員との区別出来る情報が市民に提供されていないから」である。

   各議員の仕事の実態、議会での発言の有無やその内容、賛否行動の全てが素早く市
  民に公開され、政務調査内容も公開されて、常に市民の検証批判に晒されて他の議員
  とも較べられるならば、これは非常にキツイ仕事であって、単に「高報酬だから息子
  や孫にやらせたくなる」事は絶対に起こらない。
  
  ◆「息子や孫にやらせたくなる」のは、「議員としての仕事をしなくても、議員であ
   る事によって得られる利権」があるからであり、その利権は議員報酬を削ったとこ
   ろで影響されるものではない。
    そういう「外部の利権獲得のために議員の座にある議員」を淘汰するのも、やは
   り「各議員の仕事ぶりを市民に公開する」事によって、一般有権者の良識に委ねる
   事しかない。

    そしてそういった「利権議員」を炙り出し、追及していくためには、真剣議員が
   そう出来るように、議員の報酬と政務調査費をしっかり保障することである。
  ◆こういった論点を欠落した則武さんの論じ方は、論理的に不誠実だと言わねばな
   ない。    

6:■「ボランティア」という言葉をあやふやに使う事で話を混乱させている!
   日本語で普通「ボランティア」と言えば「無償の、対価を払わない奉仕活動」を指
  す。安価でも対価を払う場合は「有償ボランティア」と言うべきだ。

   則武さんが信奉する河村の持論は、明確に「議員報酬を廃止し、保護司や民生委員
  らと同じく無給とすべき」だというもので、これは「活動費はもちろん生活費も別に
  稼げ」という事であり、「政治献金は生活費に使ったら違法」という規制がある以
  上、独自に十分な収入源を持っている者以外は議員になるな」=「議員は資産家・金
  持ち限定」という暴論に他ならない。

  ◆一方、則武さんは「議員への支払いは中小企業労働者と同等の生計費報酬だけにす
   べし」という「低額有償ボランティア論」であり、1870年代以来左翼の古典的信条
   となった「パリコミューン原則」に期せずして則ったものである。(笑)
    則武さんが論理的に誠実であるためには、まず「河村市長の持論との違い」を明
   言し、自分は「自治体議員=低額有償ボランティア論である」と明言してから話を
   進めるべきである。
   ・・・現代日本において、議員への「パリコミ原則の適用」は全く適切でない事は
   戸田が   
    ■結語:「議員には部課長級の生活費報酬+一定の調査広報費」を原則に現実対
        処すべき
    http://www.hige-toda.com/x/c-board/c-board.cgi?cmd=one;no=6116#6116
     の補足8:、補足9:、で論じているが、
    要点抜粋すれば、以下の通り。
        ↓↓↓
     現代日本社会において、「議員の報酬が一般労働者の平均賃金と同じ」であれ
   ば、その議員が出来るのは一般労働者が個人的に購読消費するのと同額程度の資料
   代だけ支出するのが精一杯で、あとは行政からあてがい扶持の資料で調査研究する
   しかない。
    せいぜい頑張っても、「意識の高い市民」が仕事の合間にやっている社会運動と
   同じ程度の金銭労力の支出範囲でしか、「議員活動」が出来ない。
    次々に新しくなっていく行政関連情報を理解するための多様な資料購読や研修会
   合の費用も賄えないし、住民に情報を掘り下げて伝える通信の発行発送をする事も
   出来ない。

    また「議員の活動費は(生活費も)カンパで集めろ」=「必要な献金を集められ
   ない程度の支援しかない者は議員をするな」という論・・・では、資産家・本業持
   ち・タニマチ持ちしか議員になれず、「普通の市民が議員になる」・・・という民主主義の基本原則を破壊するものである事は、多くの人が指摘するところだ。

    さらに別の角度から言うと、この論は、市民から吸い上げた税金によって議会制
   度を作って置きながら、一般市民が自分らの代表者代弁者を議員にしようとすれば
   さらに「自己負担で金を出せ」、と多額の2重負担を強制する不条理である。
   ・・・・・ 
    また議員として活動しようとする者にすれば、献金集めに多大な労力を取られ、
   献金者の意向によって自分の死活を握られてしまい、献金するゆとりのない大多数
   の人々の意向や、社会全体の公益は軽視していく傾向に不断に晒されることにな
   る。

7:■「議会は夜間、ないしは土・日・祝日にやればいい。そうすればまさにボランティ
  アになる。」という主張の前半には、「議会の一部はそのように開催する」という意
  味ならば賛成できるが、全部そうせよいうのなら賛成できない。
   また後半は、要するに「議員は片手間仕事のコメンティターでいい」と言っている
  に等しく、全く賛同できない。

  ◆則武さんは、行政チェックをする議会が、ましてや名古屋のような巨大都市の行政
   チェックが、今の行政実態や議案審議形態のままで、「土・日・祝日、夜間だけの
   議会開催」で出来ると本当に思っているのか?
  ●全議会が「土・日・祝日、夜間開催」となれば、議会出席職員への休日出勤・超過
   勤務手当が絶対に法的に必要になるから、その費用はかなり多額になるが、それは
   どう考えるのか?
    「民主主義の必要経費」としてちゃんと位置づけているのか?

  ●特に「夜間開催」の場合は、傍聴市民の事を考えるならば、審議時間を長く取るこ
   とが出来ず、「拙速審議」、「質問時間の短縮強要」につながりかねないが、それ
   はどう考えるのか?「じっくり審議」の保障をどう考えているのか?

  ●また「夜間開催」が増えた場合、幼児を持つ議員や職員の保育問題も起こるが、そ
   れはどう対処するのか? 公費での延長保育が当然必要だが、議会終了が夜9時、
   10時になると、それだけでは対処できないが、それはどう考えているのか?

8:■「議員報酬引き下げは地方公務員の給料引き下げにも効果があって良い」との主張
  は、「労賃デフレ」を自治体が拡大していくという事で、経済のますますの縮小、民
  間賃金のますますの低下・非正規化の拡大を進める愚策愚論でしかない!

9:◆「議員報酬が減額されれば、議員も遊んでいられず働くようになり、税金の効率的
  な使い方に目を向けるようになる」というのは、全くのペテンだ!

  ■誰が考えても分かるように、「議員の働きと関係なく報酬は(低額で)一定」なの
   であり、「活動すればするほど自腹を切らねばならない」のだから、「元々の不真
   面目議員は一層働こうとしなくなる」だけでなく、「真面目議員でも経済基盤が弱
   ければ、活動したくても活動する余裕が無くなる」のであり、さらに「どの議員も
   次の選挙の費用の積み立てを自己資金の中で最優先せざるを得ない」のだから、
  ●全ての面から見て、議員全体が「働けなくなる」し、「働きにくくなる」ではない
   か! これは余りに酷いペテン論でしかない。

10:則武さんは「まともな議員も少数だがいるが、とんでもない議員が多いのは事実で
 す」と言う。
 ■本来その事実から導き出さねばならないのは、「少数のまともな議員」を維持拡大
  し、「多くのとんでもない議員」を議会から退場させるためにはどうしたらいいか、
  「多くのとんでもない議員」に投票して当選させてきた有権者の意識行動を改善する
  にはどうしたらいいか、という事だが、則武さんの論にはそれを真剣に検討した形跡
  が全くない。議員として極めて無責任と言わねばならない。

 以上で、河村追随議員の典型例としての則武さんへの批判を完了する。


●元阿久根市長の竹原信一氏:武人社長市議の正義感・低劣議員への報復心が炸裂し歪む
戸田 - 11/3/1(火) 1:48 -


実を言えば、戸田は08年に「HPの選挙活用は合法!」論の諸野脇先生からの連絡で、
竹原氏が市長選挙でブログ活用して問題視されている事を知り、支援のメッセージを送った記憶があります。

 その時は「大いに結構」と好意を持ったのですが、その後強権的な職員クビ切りをして、
裁判で解雇無効・復職命令出ても従わないという、およそ「憲法擁護義務を負う」
公務員・行政トップとして許されない逸脱を重ねた事や、専決処分の乱発、地域内での
不毛な公務員バッシングなどから、竹原氏を橋下・河村と同列の(よりえげつない)
「地域ファシズムの推進者」と判断して、厳しく反対する立場に変化しました。

 端的に言えば、防衛大卒で航空自衛隊で5年間幹部を勤めた「武人」で会社社長の竹原氏が、
阿久根市議になって議員達のけしからん実態を公開追及した事で愚劣な猛バッシングを受け、
それへの怒りが強くて市議をわずか3年で辞めて市長になって復讐に転じた
ところから、竹原氏一流の「議員論」が発生しているように思えます。 
 
 正義感と自立心の強い竹原氏の市議時代の奮闘苦闘が、彼の判断を狭く偏ったものにし
てしまったのでしょう。「苦労が人を歪めてしまった」、ある意味痛ましい例だと思います。
 ここは、

  ●「議員専業がけしからん!」とする竹原・河村らの主張はこの点で愚論暴論だ!
   http://www.hige-toda.com/x/c-board/c-board.cgi?cmd=one;no=6061;id=#6061
の竹原氏の部分を再録して、竹原氏批判とします。
   ↓↓↓
A:まず、「日本の地方議会議員こそ『世界の超特権階級』だ!」と非難してやまない
 元阿久根市長の竹原信一氏の主張について。

  彼は上に紹介したブログ記事
◎日本の地方議員は世界の超特権階級(阿久根市長 竹原信一のブログ)
  http://www5.diary.ne.jp/user/521727/
 で各国の状況を紹介した後に、

  地方議会議員は議会においてどのような採決をしても個人責任を問われることなど
 一切なく(現実、行政の実際に無知で無責任極まる者が大多数)、極めて僅かな働きしかない。
  にもかかわらず、有権者を上手に騙して票を入れさせたという能力だけを理由に、
 高い報酬と年金制度を享受している。
  日本の地方議会議員こそ「世界の超特権階級」と言うべきだ。
  ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
と言っている。

 そう断じる竹原氏は、2005年に阿久根市議になった後、たった3年間市議をやっただけで市議を辞めた人だ。

 防衛大学校を卒業し、航空自衛隊に幹部候補生として入隊して5年間務めて2等空尉で
1988年で退官、帰郷して親の経営する建設会社に就職し、
一時期、同社代表取締役を務めた経歴を持つ竹原氏からすれば、
他の議員達はぬるま湯に使った税金泥棒に見えたとしてもおかしくない。

 市議時代に何か不正追及して熱心にビラまき宣伝をしたりはしたようだが
、議会・行政の改革を息長く進めるのではなく、「こんな馬鹿な議員共、
職員どもと一緒にやってられるか!オレが市長になって一挙に変えてやる!」との短兵急な路線に走った。
 
 防衛代卒で上意下達・命令絶対服従の自衛隊の幹部で5年、親の会社で社長もやって
7年という経歴の中では、「命令即実行」こそ望ましく、話し合いだの協議だのはまだろっこしく、
また実際他の議員や職員がアホウに見えて仕方なかったのだろうと思う。

 ついでに言えば、竹原氏は市議当時の自公自公政権による
格差拡大・地方困窮化政治への批判観点は持っていないようで、
だからこそ阿久根市の財政問題を「公務員賃金が高いから財政難になる」という
歪んだ狭い観点からしか認識できないのだろう。

 竹原氏は「無知で無責任極まる者が議員の大多数」という現実をどう変えてていくのか 、
という課題に対して、一定数の議員が市民の多様な意識を反映するために必要であることや、
議員が選挙で選ばれている事の重さ、無能議員を当選させる有権者の意識の変革も
図らねばならに事などの「連立方程式」を全くすっ飛ばして、短絡的な考えと行動で対処しようとした。

 それが市長になってから自身のブログで「最も辞めてもらいたい議員」の投票を募ったり、
「程度の低い人が何十人いてもダメ。質の高い人が10人以下でないと議論にならない」とか
「職業議員が結託して、公務員と議員のための政治をしている」、
「議員報酬は今の半分でも高すぎる」という言動につながっている。

 また、2010年6月の専決処分で議員報酬を日当制にする条例改正までもやっている。
「今の議員は報酬に見合った仕事をしていないから報酬は日当制で十分だ」というわけだ。

 たしかに阿久根市議会の実態が相当に酷く、竹原氏バッシングを執拗違法にやったり、
職員組合の行政議会への影響力が強すぎるようだ、という面はあっただろう。
 そこいらへんは市議時代のブログ記事から伺える。竹原氏が怒り心頭になったのも無理はない部分はある。
  ↓↓↓
http://www5.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=521727&start=21&log=200609&maxcount=32
http://www5.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=521727&start=11&log=200704&maxcount=30

■「懲罰・問責・辞職勧告・怪文書の嵐の中で闘ってきた」戸田から言わせれば、
しかし、だからといってたった3年でケツをまくって市議を辞め、今度は自分が独裁者にな
 って何をやってもいい、という事にはならない。

  市長になって自分に服従しない職員の懲戒免職で裁判の判決に反して地位回復を長ら
 くさせなかったりの法違反は「憲法擁護義務を持つ公職者」として許されない事だし、
 「市が補助金出してるのだから市長を体育協会の会長にしろ」と強要したりは、とんで
 もない事である。
  
  また、2005年以降の、彼の市議時代・市長時代には「市長の高額な退職金はおかしい」
という批判がなされるようになって、先進的な所では市長退職金が全廃や半減され
 ているが(門真市でも05年市長当選の園部市長が自分について全廃を実行)、竹原氏は
 「改革」を言う割りにはこれに関心が向かないようで、2009年不信任失職の時も2010年
 12月のリコール失職の時も、旧来の規定通りに退職金を受けている。
  自分が市長の時に旧来の市長退職金条例には全く手を付けなかった、という事だ。

■竹原氏の市議時代のブログをざっと読んでみたが、
 (http://www5.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=521727 の2006年〜2008年の分)
 議会や行政の腐敗、政務調査費や視察問題は熱心に書いているが、種々の議案や国が降
 ろしてくる種々の制度への説明や批判、自分がそれら議案にどう対応したかの報告はほ
 とんどない事に気づいた。

  という事は、後期高齢者医療制度だとか何だとかの、戸田が説明批判し、行政に突っ
 込み反対してきた山ほどの議案に対して、竹原氏はほとんど批判対応をしていないとい
 うことなのだろうと思うほかない。
  議会でのいろんな攻撃と闘いながらも山ほどの議案を説明批判してきた戸田と、その
 点がだいぶ違う。
 
●・・・という事は、竹原氏が興味関心を持って調べ、研究して行なった行政チェックと
 市民啓発は、戸田に較べてかなり狭い範囲の事なのではないか、と推測される。
  そして、「自分が社長をやった事もある親の会社」をバックに持つ竹原氏は、議員報
 酬がなくても生活していけるくらいの経済基盤があるのではないか?

  だからこそ、「議員は日当制でもいい」とか「議員報酬は今の半額でも多すぎる」と
 かの発言が簡単に出てくるのではないか?
  
  竹原氏の市議時代の議会での発言を点検してみれば、彼が様々な社会問題や制度政策
 に対してどの程度の知識や見識を持って議員をやっていたのかが、はっきりするだろう
 。

●九州にも「真剣議員」はそこそこいるのだが、竹原氏はそのような議員と出会わなかっ
 たのだろう。(戸田も「08年市長選でのブログ活用事件」で人から教えられるまで竹原
 氏の存在を知らなかった)
  そして阿久根市や周辺の「野党議員」と言えば共産党議員だけで、
これが竹原氏からすれば「職員労組の回し者でしかなく、議員としての見識がない」と
思える状況だったのだろう。

  ここらへんが竹原氏の「不幸」かもしれない。正義感の強い竹原氏の阿久根市議時代
 の奮闘苦闘が、彼の判断を狭く偏ったものにしてしまったように思える。
 「苦労が人を歪めてしまった」例ではないだろうか。



◆飯島英規氏:兼業市議で挫折し天職見つけ、片手間議員を理想に市議再挑戦って変だよ
戸田 - 11/3/2(水) 10:58 -

群馬県桐生市の市議を1993年から2001年まで2期8年体験した飯島英規という人がい
て、自分のブログで「地方議員はボランティアでやるのが世界の常識」という事を盛んに宣伝しています。
    「ボランティアは世界の常識」: 飯島英規(いいじま ひでき)
      http://www.office-iijima.com/gaiyou.php
 戸田は全然知らなかった人ですが、「元市議会議員が、諸外国の例を出しながら地方議員ボランティア論を説いている」ということで、
影響力があるかもしれないので、この人の主張を分析して批判していきます。

 書かれているものをいろいろ読んで、最初は真面目な人だと思っていたのですが、
よく考えてみるともの凄くおかしいのです。端的に言うならば、

●1:保険屋さん兼業で市議をやって議会行政の改善が出来ず、議員に挫折して8年で引
  退した人が、その後「司法書士」を自分の天職として見いだして仕事しているのに、
  なぜか司法書士も保険屋も続けながらの「片手間市議」になりたくなって 、 「地方議員は兼業ボランティアでやるもの」という主張で合理化しながら、今年4月の市議選
  挙で市議になろうとしている。

●2:司法書士で十分に充実している彼が、なぜ、今の仕事を続けながら市議になりたく
  なったのか、合理的な動機が不明。

●3:「議員を天職と考えて専業で全力投入しよう」と考えている人々を踏みにじって、
 「本業で稼ぎ、議員は片手間でやる」ことを前提にして「議員報酬ダンピング主張」
 (=議員ボランティア論)を売り物にして市議の座を獲得しようとしている。
                                   
●4:自分を正当化するために、竹下譲先生の本を歪曲して紹介している。
   竹下先生は「自治体議員は専業で議員職に専念すべきだ」と論じ、「イギリスの地
  方議員が名誉職で無償・低報酬というのは20年前の話で、その後は有償高額化してい
  ることをちゃんと知るべし」と強調しているのに、その肝心な部分を全く紹介せず
  に、「地方議員はボランティアでやるのが世界の常識」というデマ主張を宣伝してい
  る。
 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 飯島氏の主張は、
■A:働き盛りの現役サラリーマンが議員を兼業できるようにすべき。
   (この階層が税金を主に負担し、かつ現実の社会を支えているので)
■B:そのためには、議会を夜間や休日開催にしないといけない。
■C:議員報酬は、欧州のようにボランティアにする。(または時給制や日当制)
    ◆無報酬で働く姿は市民の敬意と理解を広げ、議会の権限強化にもなる。

■D:議会改革のポイントは「住民参加」と「議員同士の自由討議」。
    議会を議員、町長、住民などが自由に交流し討論する場と位置づける。
    (欧米のように。竹下譲氏が説くように。北海道栗山町議会のように)

◆E:河村名古屋市長を尊敬する。橋本知事も、自ら政党を興して複数の人で議会に戦い
   を挑むという意味で支持する。
   が、竹原市長(元)は、議会制度を無視して専決処分を繰り返す独善なので不支持
◆F:議会の自己改革が期待できないので、河村・橋下流も已むを得ない。
   ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 その人の主張を分析するのに欠かせないのが、その人の経歴や体験、経済事情などとの関係の分析。これをしっかりやるのが唯物論的社会学の常識です。

   ◆まずは、飯島さんの経歴から◆
     ・飯島英規の政治活動ホームページ http://iijima-hideki.com/
     ・「ボランティアは世界の常識」http://www.office-iijima.com/gaiyou.php
  代表者プロフィール:飯島英規(いいじま ひでき)

   昭和35年1960年: 群馬県桐生市に生まれる
   昭和54年1979年:県立桐生高等学校卒業
   昭和58年1983年:新潟大学法文学部(法学科)卒業
             ・社会党の衆院議員:永徹代議士の公設第一秘書
   平成5年:1993年 :生命保険募集・個人代理店開業(33歳)
            ★桐生市議会議員に当選。
        2001年:▲市議会議員を引退(2期8年)
   平成15年:2003年:司法書士試験合格(43歳)
     以降、生命保険代理店と司法書士を兼業。
   ★今年4月の桐生市市議選に再挑戦し、議員復活を狙って活動中!
    http://www.office-iijima.com/archives/2011/01/15024217.php
 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 飯島氏の特色について記します。

1:★市議引退後に「司法書士」という仕事を自らの「天職」と考えて、「弱者の味方に
 立つ良心的な人」である事は、間違いないと思う。
   ◆額が少ない為弁護士が相手にしない小さい訴訟を影で支える「司法書士」を生涯
    の仕事として選択し、「理不尽が許せない!」という気持ちから、多重債務者の
    援護活動を重ねてきた。
     「ぐんまクレジットサラ金問題対策協議会」にも参加してきた。

2:市議を2期で引退したのは、桐生市議会が愚劣議員の巣窟みたいな所で嫌気がさして
 いた事に加え、尊敬してきた先輩議員が議長の時に不倫と母娘セクハラで訴えられて事
 実認定され、本人の事実無根主張を信じてかばってきたのに裏切られたショックなどか
 らだった。
  事件が加害者議員イニシャルで大きく報道された時に、たまたま同じイニシャルだっ
 た自分が市民から疑われて、それで自分への市民評価はそんなものかと愕然とした、と
 いう精神的打撃もあったらしい。
  真面目で繊細な心の持ち主故に、市議を続ける気が失せたと言えるだろう。

◆そういった評価をした上で、しかし批判は批判できちんとしておかなければいけない。

3:■飯島氏の市議時代は、「保険屋さんと兼業の片手間議員」だったと言わねばならな
 い。
  「議員の副業としての保険屋さん」、「もしくは保険屋さんをしながら議員もや
 る」、というのは時々あるパターンで、それは「個人での保険代理店」と議員の二つの
 職業が、業務時間や労力配分において両立させやすい事と、「顧客と獲得」=「支持者
 作り」としやすいためである。
  実は、戸田も他市の議員に勧められて、「損害保険の代理店」をやろうとして資格を
 取った事がある!
  しかし、戸田の場合は議員活動が多忙で、保険業との兼務を結局断念した。

 ◆しかし飯島氏は、保険代理店と議員をしっかり兼業させたのであり、それはつまり
  「その分、議員活動にかけた労力は少なかった」という事である。
  キツイ言葉で言えば、「兼業の片手間議員」だった、ということだ。

4:市議としての飯島氏について、戸田からみたら「大したことないなあ」と思う理由が
 ある。例えば飯島氏は議会質問に関して、ブログで、 
   「質問の中身をお役所にあらかじめ報告して、議員が報告の通りにお役所(行政)
    に一方的に質問(朗読)し、お役所が答える」だけで、議会は「儀式の会」だ。
 と書いている。  (ブログ:一度議員をやめた人間がなぜ語るのか?…)

  ■これを読んで、戸田は、「飯島氏は議員としての腕前が弱く、議会質問を活用して
   行政を改善していく事が出来なかったんだなぁ」と判別できた。
  ■戸田に較べれば、飯島氏は当局者への攻め方が全然分かっていない。「原稿の読み
   合わせ」をこちらが活用して当局を改善させていく醍醐味が全然分かっていない。

5:2007年初当選の庭山由紀さんは、議会の問題をいろいろ指摘したために問責だの懲罰
 だのと酷い攻撃を受けている。(それへの怒りの余り、「竹原市長支持!」という間違った方向に走ってしまったが・・・)
  飯島氏の市議時代は、他の議員の愚劣さ横暴さは、さらに酷かったはずだが、飯島氏
 は問責や懲罰などの攻撃は受けていないようだ。

  ◆つまり、飯島氏は「良心的だがおとなしい議員」であって、議会改革のために体を
   張った闘いはしてこなかった、という事である!

   飯島氏はこうも書いている。
   「議会は言論の府。正論が通るはずだが、それ以外の理屈で動くことが多かった。
   ・・・・ものすごくフラストレーションがたまり、ストレスも感じた」。
   「定数26のうちの一人にしかすぎないと悩み、"1分の1"でできる仕事へと思いが
    強くなった。」
       ("1分の1"に充実感 市議2期を務め司法書士の道へ)
       http://iijima-hideki.com/press.html
  ◆つまり飯島氏は、市議会議員という仕事にやりがいを感じられず、燃焼できなかっ
    たのだ。
  ■きつく言えば、飯島氏は「たった1人であっても断固闘って議会を改善してや
   る!」という情熱気概と戦闘力に欠けていたのであり、優しく言えば「(桐生市議
   会では)議員に向いていなかった」のである。

6:■飯島氏は「議員を天職と考えて全力投入する」タイプの議員では全然なかった。
  だから「先輩議員を信じていたのに裏切られた。こんな汚れた議会に身を置きたくな
  い」、という理由で2期8年で引退したのである。
   彼が引退の件でいろいろ書いている事、議会で述べた事は、かなり自分を美化して
  いると思う。

7:議員引退後は、生命保険代理店は継続しながら、今度は「司法書士」という仕事を
 「非常にやりがいのある仕事」として見いだして全力投球している飯島氏だが、いった
 いなぜ、保険屋と司法書士を続けながら桐生市議に復活したくなったのか、さっぱり分
 からない。

8:■飯島氏が今度やろうとしているのは、最初の市議時代よりもずっと「片手間度合」
  いが強い、つまり行政チェックにかける労力がもっと少ない議員パターンである。

9:■現代の自治体の行政チェックをする業務がどれほど広範囲で大変な事かは、まとも
  な議員体験者であれば知っているはずなのに、それを「片手間仕事」でよしとするの
  は、不誠実以外の何ものでもない!

10:「現役会社員層の存在が議会に反映されていない」のはたしかで、それを反映させる
 必要がある事もたしかだが、
  ★それは、「会社員が身分保障されて休職して選挙に出れる・議員になって落選・引
   退したら会社の元の地位に復職できる」制度の確立としてすべき事であって、会社
   員が会社の仕事を抱えたまま議員をやる事ではない!

  ◆だいたい、日本の会社員が夜6時や7時にちゃんと議会に出席出来るのか?
   休日議会出席でその人や家族の休日を大幅に削っていいのか?
   会社の業務とつき合いと各種研修、そして家族個人の生活以外に、行政資料を読み
   こなし、考え、調べる時間や体力がどれほど残っているというのか?!

  ■「現役会社員で議員をやるべし」という主張は、まさに実行不可能な空論であり、
   「議員を単なるコメンテイターに落とす」ための愚論でしかない。

11:飯島氏が復帰しようとしている桐生市議会は、かつて飯島氏が挫折させられただけで
  なく、今なお愚劣議員の巣窟で、「まともな議論が通じない」所であることが明白
  だ。 (飯島ブログ:会派政治に異論 庭山市議の問責決議〜や、桐生市の新人女性
  市議・庭山さんの「由紀日記」http://www5.diary.ne.jp/user/542857/ など)

  ■そんな酷い議員達が牛耳っている議会・そこと癒着している行政の世界に「前回以
   上の片手間仕事議員」が復帰しても、何も改善できるはずがないだろう!
   しっかり全力で「議員業務一本で」闘わないと改善できるはずがない。
 
  ◆飯島氏は、竹下先生の本を引用したり、北海道栗山町の議会基本条例を引用したり
   して、「住民も参加する議会」だとか「議員どうしが討論する議会」だとかをある
   べき議会として描いている。
  (ブログ:現役サラリーマンを議場に 他県に学ぶ議会基本条例
       http://iijima-hideki.com/press.html  )

  ■しかし、そんな桐生市議会の現実は、そんな話は問題外だろう。まずは議員職一本
   で改革に全力投球する「真剣議員」の闘いで「普通にまともな議会」にしていく事
   が現実課題ではないのか!?
   ロクに闘えるはずもない「片手間議員」として市議復帰を狙いながら理想議会を語
   るのでは、まさに机上の空論でしかない。
    飯島氏が語るべき事は、低劣な桐生市議会を改善させるために自分が実行する具
   体方策であるはずだが、それは何もないようだ。
  
 ※一度挫折して桐生市議会を去ったのだから、よほどの戦闘力が無いと「負け犬を
  またいたぶってやれ」と舐められるだけである。挫折のハンデは小さくないはず。
   
12:飯島氏は竹下先生の本を詳細に読んでいる。ブログでも「フランスの市町村議会議員
  の総数は、およそ51万にものぼり、人口120あたり一名の割合となっている」
  とも書いている。 http://www.office-iijima.com/archives/2010/12/08042916.php
  ◆普通、それを知ったら人口12.8万人の桐生市なら議員が1066人(!)という事実
   に当然気づいて、「そんなに議員数が多かったら公費負担は無理だよなあ」と思うだろう。(イギリスの例でも同様に)

  ■ところが飯島氏はそういう「当然考えるべき事」にはいっさい触れずに、「フラン
   スでは地方議員は無償だ」、「イギリスでは無償化低報酬だ」、とだけ宣伝する。
   これは、歪曲宣伝であり、ペテン論法だ!

13:竹下先生は、
   こういう議員の職務は、たとえ能力があっても、片手間に出来ることではない。
  それこそはフルタイムで議員の職務に没頭することが必要である。
  また、議員が「住民の代表」としての任務を果たすためには、世の中の動きにも通じ
  ていなければならない。・・・
   (地方議会 その現実と「改革」の方向:はじめに:5〜6ページ)>

  イギリスについては、
   ・・・その他の地方議会でも、ある程度の金額の報酬が出るようになっている。
    しかも、それが、年々、引き上げられているという状況にある。
   ・・・イギリスの地方議会が議員報酬を出すようになったのは、こういう事態の解
    決策でもあった。
   ・・・
      「兼業議員」を主張するマスコミや論者は、こうしたことを考えたことがあ
    るだろうか?
      安易に、イギリスの事例を、しかも過去の事例を引っぱり出すのは、住民
    に誤解を招く危険性が高いというべきである。
         (地方議会 その現実と「改革」の方向:98〜101ページ)
   と強調している!

   ■ところが飯島氏は、竹下先生らの本をいろいろ読んでいながら、こういう重大な
    部分を隠ぺいして「ボランティアは世界の常識」と謳って「諸外国の例」を歪曲
    紹介し続けている! まさにペテン論法だ!

14:飯島氏が桐生市議の座を求める理由は、最も好意的に考えても「現役会社員も議員を
  やる事例を増やすため」としか考えられない。(他の欲望を除外したら)
  ◆しかし、自分で仕事段取りを調整できる司法書士と上司の命令で働く会社員では、
    事情が全く違う!現役会社員のまま議員になっても議員業務などは出来ない。

  ■会社員よりは動きやすいとは言え、保険屋・司法書士を本業として顧客に責任を負
   う立場での「片手間議員」が桐生市議会に混ざっても、議会改革には何の役にも立
   たない! 桐生市議会を改革するのはそんな甘いもんではない。
  ◆飯島氏の出馬自体が、議員一本で全力で改革しようとする人材の妨害物になる!  

<結語>
  以上見たように、飯島氏の主張や行動は、ナンセンスな空理空論であり、かつ有害な
 ものだと言わねばならない。氏は司法書士として人助けする事に専心すべきである。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
参考:飯島氏の記述:
◎河村さん、橋下さんと竹原さんの違い。独善的という言葉。(平成23年1月19日)
   http://www.office-iijima.com/archives/2011/01/19044258.php
◎地方政治改革の処方箋:議会ボランティア論 http://iijima-hideki.com/press.html
◎−政治との決別宣言(不出馬宣言)−http://iijima-hideki.com/press.html
◎"1分の1"に充実感 市議2期を務め司法書士の道へ
◎多重債務の被害者を救う ぐんまクレジットサラ金問題対策協会
◎夜間議会の提案 (3本とも http://iijima-hideki.com/press.html )

 


■結語:議員ボランティア論を吹くのは、やはり資産家・事業者・片手間議員達でした!
戸田 - 11/3/2(水) 12:50 -


 以上見てきたように、「(自治体)議員はボランティアでやるべし!」論、もしくは「低報酬でやるべし」論を吹いているのは、いずれも
 ・資産家、
 ・事業経営者
 ・本業を別に持っている「片手間議員」
 ・「政党特権」を享受する政党人

達である事が判明しました。
 彼らはいずれも、自分が自由に使えるお金と時間を余分に持っている人間達です。

■このような連中が吹聴する「議員ボランティア論」は、「普通の市民が議員になって活動する」という民主主義の基本原則を破壊するものであり、「普通の市民あがりの議員
 を消滅させる」ものであって、絶対に許す事はできません。

(今の法律では)
●A:議員が献金によって生計を立てる事も、生計の補助とする事も違法、
●B:議員が行なう活動を献金で賄うことも違法。
    (献金で賄えるのは、議員の後援団体の「団体としての活動」のみ)

なのですから。

 また、「議員ボランティア論」は「議員活動に金をかけられない議員=質の低い議員」を今よりずっと増加させてしまう事にもご注意下さい。
    ↓↓↓
■「地方議員は献金でやれ」論のウソ:献金を生活費や議員活動費に充てたら違法だぞ!
   http://www.hige-toda.com/x/c-board/c-board.cgi?cmd=one;no=6125;id=#6125

 さらに、「日本の地方議員の報酬は異様に高すぎる!」論については、諸外国で
 ・自治体規模が非常に小さい
 ・自治体議員の人数が日本とは桁違いに多い
 ・自治体議会のあり方が全然違う。
 ・住民自身の行政チェックへの関わり方が日本よりずっと高い。
     議案書を住民にも事前配布・住民も審議に参加する
    (一般住民と議員との違いが日本より少ない) 
 ・議員がチェックする範囲や性質が違う。
 ・従来地方議員が「名誉職」扱いだった国でも、近年有給専門職化してきている
 ・会社員や公務員の身分を保持したまま(退職せずに)議員になれて、議員を辞めたら
   元の地位に戻れる制度の国もある。

などの条件がある事を無視した歪曲論議でした。

★このツリーの8本の戸田投稿と、
  ◎「諸外国の地方議員は低報酬・ボランティア」という「事実」についての考察1
    (序論)
 http://www.hige-toda.com/x/c-board/c-board.cgi?cmd=one;no=6060;id=#6060
のツリーの25本の戸田投稿をもって、懸案だった自治体議員の「人数が多すぎるから削れ」論・「報酬が高すぎる」論への実証的な反論を完遂して、「真の議会改革の道」を示せたと思います。
 これは、日本で最高レベルの実証的かつ実践的な論究だと自負します。

・・・・この問題についての論究はこれで締めにして、遅れに遅れまくっている「他の重要な作業」に移らなければ!