<1;問題告発の要点>
@;門真市が1999年8月に国に提出した「待機児童解消計画」(以下「当初計画」と称する)
では、待機児童について「1999年4/1で7人、2000年4/1でマイナス29人・・」としていた
が、実際には「1999年4/1で158人、2000年4/1で90人」となり「計画破綻」と言うべき状
況になった。
A;人口14万人・面積わずか12平方キロの門真市が5億3960万円もの少子化対策交付金
を受けながら、こういう「計画破綻」をきたしたのは、全然不可抗力によるものではなく、
ひとえに保育行政の意識の低さ、実情把握すらしない・できない無能無責任、行政情報
の隠ぺいや虚偽報告などにより責任の所在を隠し事態の改善を妨げる悪しき行政体質
によるものである。
B;「計画破綻」の責任に口を拭いながら門真市は、「定員弾力化と2003年度の民間保育園
新設によって2002年4/1で待機児童9人、2003年4/1で待機児童マイナス50人」、という修
正計画を今年3月末に府・国に提出しているが(以下これを「修正計画」と呼ぶ)、上記の
行政体質が改善されない限り、これも机上の空論に終わり、待機児童解消が進まないこ
とが十二分に予測される。
C;当初「2001年4/1までに待機児童解消すること」として少子化対策交付金を交付し、自治
体に「解消計画」を提出させたのに、その実効ある使い方に対する国の指導監督が不
十分であったために、計画未達成の自治体が輩出し、さらにその現実に妥協する形で
「2003年10/1までの計画達成」に指導を後退させたことが問題であるが、現段階で国が
厳正な実情把握と指導監督をしなければ、門真市のような「質の悪い保育行政」が継続
している自治体では、「2年半の猶予をもらった」ことにつけ込み、真に行なうべき行政努
力を果たさず、現実の待機児童発生動向を無視して安直な彌縫策のみ立て、その数字
合わせのための「待機児童予測」を行なって事足れり、とするであろうことは火を見るよ
り明らかである。
D;門真市の状況は、そういう信頼できない話で「2003年に解消する」のを待つような悠長な
ことは言っていられない深刻さを持っている。(入所できない「申込者」600余名)一方で
学校には「空き教室」が多数あるし、民間幼稚園経営者には「保育所分野も手がけた
い」という強い要望もある。「幼保一元化」の研究を早急に進め、大きく定員割れしている
公私の幼稚園を活用することや、「公設民営」など工夫して中小規模の保育園を作るこ
とは、行政にやる気さえあればいくらでも出来るはずである。
また、既存の保育園を改造して定員拡大を意欲的に図ることもすぐに出来ることであ
る。本来「2001年4/1までに『マイナス29人』の余裕を持って解消されるはずの待機児童
が解消されないために、不当に負担を強いられている市民とその児童に対して、一刻も
早い救済がなされなければならない。
E;当初計画より(―29と90で)119人も多くの待機児童を自らの無為無策によって発生させ
ておきながら、ことさらに「入所の方法が措置制度から選択制に変更されたこと」を重大
要因であるかのように描き上げ、自らの責任回避を図っている。しかしこのことは、当然
折り込み済みでなければならない変化に適合できない門真市行政の無能力さを一層浮
き彫りにするものである。
さらに許し難いのは「選択制によって(「保育に欠け」なくても)入園した60人」と「待機児
童90人」の問題を意図的に混同させて、「90人のうち60人は待機児童ではない」、「差し
引き約30人の待機でしかない」、「これも預かり保育等を利用すればほぼ解消できる」
などという驚くべきすり替え・暴言を行なっている。
(・・・2001年3月議会での市長や中東保健福祉部長の答弁記録など)
F;中東保健福祉部長に至っては、「総量的には、十分達している」、「幼稚園によるあずか
り保育35名も含めると逆にマイナスになるのではないか」、などという大ウソとスリカエを
平然と述べている。 (・・・2001年3月議会での中東保健福祉部長の答弁記録)
待機児童解消計画提出と国からの交付金に関連して責任を追及されれば、常々議会
で「少子化対策交付金は待機児童解消だけが目的ではない」との居直り答弁を続けて
いる事実とも合わせて、こういう事実認識では待機児童解消にマジメに取り組むはずが
ない、ということが明白である。
G;よって国は、通り一遍なヒアリングで安易に門真市の「修正計画」を了承するのではなく
◎この告発を参照しながら「人口14万人の狭い地域で5億3960万円もの交付金受けなが
ら」大幅に計画未達成でここまできた責任を門真市に厳しく問いただして、厳正に実態
把握と実効ある改善指導をされたい。
◎特に「預かり保育による待機児童35人解消」は全くの虚偽報告なので厳正に対処され
たい。
◎今年度中に大幅な待機児童解消ができる計画立案を門真市に要求して、計画の再修
正を指導されたい。
◎「数量的には待機児童解消できている」とかの妄言や、「選択制による入所児童」と待
機児童の意図的な混同とすり替えによる「待機児童数の過小評価」は強く是正を求め
られたい。
<2;待機児童解消しない行政の原因>
1;2005年まで在任確実の東市長が保育所建設に非常に否定的であること。
東市長は1985年当選以来4期16年を務め、今年6月の市長選挙にも出馬決定しており、共産党陣営以外の対抗馬がなく当選が確実であるが、同市長は16年間でひとつも公立保育園を作らず、同じ人口規模の隣の守口市の「公立20園・私立3園=合計23園」に比べて「公立7園・私立7園=合計14園」という(他近隣市と比べても)、保育所の著しい未整備状態を長らく放置してきた。
このたびやっと2001年に民間保育所が1つ開設されて合計15園になるものの、「修正計画」に初めて書かれた「2003年度の民間保育所新設」以外には、純民間・公設民営・第3セクター方式など含めて何ら保育所の増設も検討もしない姿勢を明確にしている。
従って、この東市長への啓発や意識改善の働きかけ・動機付けが極めて重要になる。
2;保育所問題を所管する保健福祉部長・児童課長ら行政幹部の職務能力と意識が非常に
低く、不誠実であること。
この間この職にある中東保健福祉部長、中川児童課長の驚くべき職務実態については、次の項目で列記していくが、これに加えてこの問題を議会で追求した私に対する公明党ら与党会派の不当な懲罰攻撃(公務についての事実に基づく追求を「誹謗中傷」「職員の人権侵害」と決めつけて、何と出席停止合計10日!)や、市長が議会答弁でこの幹部らを事実認識抜きでかばうやり方に示されるように、議会与党や市長らによるなれ合い・かばい合いの癒着構造・批判者への口封じ攻撃体質などが、本来公務員としてあるまじき不誠実行政を助長してきた側面も大きいと言わなければならない。 (・・・別紙資料参照)
また情報公開請求結果や部長課長らの言い分として、門真市では、国や府に報告する4/1と10/1段階以外は(たとえ入園申込者の審査をしている1〜3月段階でも)「待機児童の現状人数が判らない・把握していない」し、「新年度の各園の入園予定者数(法定定員+弾力化分)が判る文書も、入園内定者数の判る文書も作成しない」し、「入園者決定の事務手続きが判る文書も作成していない」、というのだから、これでは適宜実状把握をしながら待機児童解消を的確に進められる訳がない。まともな事務執行が行なわれているかすら疑わしいと言わなければならない。
<3;驚くべき不誠実行政の具体的事実を列挙する>
(以下は全て情報公開請求結果や議事録などの公文書、中東保健福祉部長・中川児童課長への聞き取り調査などの事実に裏付けられたもの)
[2000年1月から2001年3月までの全期間を通じて]
◆この全期間を通じて「庁内で待機児童解消計画に関わって作成した計画案・会議記録・
集計表・起案書・要望書・メモなどの全て」を請求したところ、(国や府への提出文書以
外は)なんと「文書を作成していない」との回答!
つまりこれだけ待機児童解消が火急の要件となっているのに、門真市では会議録のみ
ならずメモていどのものすら、対応した痕跡がない、それだけ軽い扱いをずっとしてきたと
いうことである。
また、国や府に文書を提出するにあたっても、庁内ではなんの文書記録も残らない口頭
の打ち合わせ程度で軽く作成してきたということである。 (・・・別紙資料参照)
◆「定員弾力化」が門真市では「主要な解消策」になっているというのに、各保育園にそれ
を文書で要望したことは一度もなく、口頭での要望すら交付金を渡すなどした2000年1月
あたりにお願いした以外には、(「当初計画」の破綻が明白になった4/1以降も一度も行っ
ていない。(!)(2001年3/5中川児童課長証言)
普通、市が各園に弾力化を要請し、各園の実状を聞きながらいつからどの程度の弾力
化ができるか、どういう援助措置が必要か、などを把握して「弾力化」による待機児童解
消の算定をしていくものと思うが、門真市ではそういうことを一切やっていない、と児童課
長が明言しているのである。 (・・・別紙資料参照)
◆「市が定員弾力化を推進していることを示す文書」を請求して出てきたのは、各年度の入
園者数(法定定員と実際の入所者数が分かる=弾力化実態)の表のみだった。
それ以外には「弾力化推進を示す文書が一切ない」のが実状。
[2000年1月から3月末までの段階]
◎この時期は4/1からの新年度において、「解消計画」の「待機児童7人」が達成できるかど
うか、状況把握をしながら計画達成に全力を挙げるべき時期である。
現実には多数の保育所申込者の資格審査を1月から進めていく中で、「当初計画」をはる
かに上回る100数十人の待機児童発生が早い時期から明白になったはずであるにも関わ
らず、両名は自らの「見通し」破綻に何ら責任も感じず、計画の練り直しも考えることなか
ったことが歴然としている。
◎交付金1800万円をつぎ込んで「大阪東大阪幼稚園に預かり保育の部屋を作って35名の
待機児童解消」することについては、両名はその実施状況を2000年10月に戸田から追求
され、11月に問い合わせして回答を得るまで、驚くべきことに全く把握しようとすることがな
かったし(・・・別紙資料)、この35人の預かり保育新設を広報でも窓口対応でも一切市民
に知らせることを考えもせず(「幼稚園のことは教育委員会の管轄なので児童課は関与し
ない」などの詭弁をその後も続けて・・・別紙資料参照)無為に時を過ごしたのである。
このため(11月8日問い合わせ以降の回答でやっと分かったのだが)、大阪東大阪幼稚
園での待機児童解消はわずか7名に止まっていた。(これすら厳密に「待機児童」かどうか
を判定すればもっと低い人数かもしれない)
◎「この預かり保育での解消35人」の計画に対して、通常範囲での行政努力を両名が行な
っておれば、ここの幼稚園であと20人以上程度の待機解消が実現していたはずである。
(解消実態7人)
もし、通常もしくはそれ以上の行政的な努力を払っても35人という枠に近づけることはム
リだった、と言うのならば、それはこの幼稚園での待機解消が、もともと実現が期待できな
い「机上の空論」であることを自認することであり、意図的な交付金浪費だったということに
なってしまい、さらに大問題だと言わなければならない。
◎他の事実も合わせると、もともと門真市の「当初計画」の数字自体が、単なる辻褄合わせ
であって、真剣に待機児童解消を考えていなかったのではないか、と疑うのに十分な理由
がある。
[2000年4月から8月末までの段階]
◎いよいよ、「当初計画」の破綻が公然のものになり、入園させられなかった3名の保護者
から「不服申し立て」を起こされるという事態すら起こったのに(・・別紙「4/23門真民報」
参照)両名は何ら当初計画見直しの対応策を採らず、その検討すら全くしなかった。
◎しかも5月10日に府〜国に提出した「待機児童解消状況報告」において、「交付金事業に
よる待機児童解消効果」の<2;その他の事業>の中で、「私立幼稚園における預かり保
育を拡大するための施設整備事業を行なうー解消される待機児童数35人」と明記してお
り、これは前述の「大阪東大阪幼稚園での預かり保育で35人解消」のことに他ならない
が、現実には上記のように全く実情把握をなかったし、しかも私からつつかれて11月にや
っと調べて待機児童解消7人と判明したことであるのだから、この記載は「虚偽報告」であ
ったことは明白である。!!
今年4/10に当職が大阪府児童課グループを訪ねて、この件を聞きただしてみると、同グ
ループの担当者らも「これ以外の事情を説明する文書も口頭での補足説明も受けていな
いのは間違いない」、「こういう報告文書が出ている以上、そのように解消されたものと思
っていた」、と認め「まさか交付金の実施状況を把握もせずに報告文書を上げるとは・・・」
と驚き絶句していたものである。
その上で府は、「交付金に関しては国と門真市を取り次ぐだけで、報告の実態まで深く精
査するものではないので、虚偽記載の件は国に申し立てて欲しい」という態度だった。
★★従って4/19ヒアリングでこの虚偽記載事件を国が厳しく問いただし、厳正な措置を取
るべきである。
(・・・そもそも国はこの2000年5月の門真市報告をどのように理解していたのか?)
★★2001年3/29に府〜国に提出した「待機児童解消状況報告」においても同様に、「交付
金事業による待機児童解消効果」の(2)その他の事業:平成11年度分として「私立幼
稚園整備事業―私立幼稚園預かり保育のための施設整備―解消される待機児童
数35人」と記載されているが、これも虚偽報告である。
★★昨年来戸田からこの問題を厳しく追求されてきたにもかかわらず、こういう公文書虚
偽記載を堂々と続けている事実が、門真市保育行政の異常さを何よりも雄弁に物語
っている。
[2000年9月から12月末までの段階]
◎9月26日に門真市が国に対して、「平成15年10/1には待機児童解消をする」という趣旨の
新たな「解消計画」(「第 1次修正計画」と便宜的に呼ばせてもらう)を提出したが、これは
「新たな保育園を全く作らず、定員弾力化のみで対処できる」、という考えで作成されたも
のであり、ここに上げられている待機児童発生の予測は、単なる辻褄合わせの数字にす
ぎないもので、何ら社会状況を真面目に捉えたものではないと断言することができる。
(国としては、ぜひこれら予測数字の根拠を問いただしてもらいたい)
★なお、この修正計画の中の平成13年度(案)・平成14年度(案)の「その他」で「施設1」「定
員造35」とはどういう意味なのか、これも疑問であるので問いただしてもらいたい。
◎9月議会9/20民生常任委で、市側は以下のような答弁をするのみで、共産党議員の「門
真市の待機児童解消計画を見直ししてきちんと解消できるようにするべきだ」という追求
にまともに応えようとしなかった。
中川児童課長;「(当初計画と現実の待機児童の大きな開きについて)原因につきまして
は、待機解消計画における施策の効果が若干ずれていること、また計
画時点での予測以上に申込者が増加した、その2点でございます。」
中東保健福祉部長;「待機児童解消といたしましては、今ご指摘いただきました公立保育
園の増設については考えておりません。」
(・・・別紙資料参照)
◎10月冒頭の決算特別委答弁でも同様の姿勢に終始したが、初めて「新設も含めて」解消
に努力するという言葉を使った。しかし、9/26に「第1次修正計画」を国に提出していること
には全く触れず、「門真市の解消計画見直しはしない」という欺瞞的姿勢を維持して、議員
に対して実状をごまかしているものである。 (・・・別紙資料参照)
◎決算委のすぐあとに「民間幼稚園での預かり保育で35人解消」について、戸田が調べた
ら驚くべき職務怠慢事実が判明した。 (・・・・前述の事実。詳しくは別紙資料参照)
◎12月議会質問を焦点として、「このままでは来春待機児童解消は絶望的であり、交付金
詐欺まがい行政だ!」と、当職が鋭く保育行政の怠慢と市長の政治責任を追求しながら
待機児童解消推進を訴えたが、市当局者は何ら誠実な対処をしなかった。
待機児童解消計画の本当の意味での練り直しもしないし、目前に2001年4/1が見えて
いるのに対策会議のひとつもしないし、弾力化の要請もしないし、第1、4/1でどれほど待
機児童が発生するかのおよその見通しを立てる努力すらしなかった。
(・・・・12月議会の戸田質問と答弁、他資料参照)
[2001年1月から3月末までの段階、及び4月以降]
◎この時期は当初の「待機児童解消の達成期限」とされた4/1を目前に控えた時期であり、
新年度予算案など重要案件を審議する3月議会も抱えているが、中東保健福祉部長・中
川児童課長らは事態の改善に知恵を絞り汗をかくよりは、詭弁と情報隠ぺいによって、お
そまつな保育行政の実態をごまかすことに汲々とすることに力を注いだと言わざるを得な
い。 (・・・別紙資料参照)
◎部下の確認破って中東部長が情報隠ぺい・回答拒否を戸田に通告した事件2/16
2/14児童課にてT係長と次の資料提出を確認(2/16までに)。 @2/8段階での保育所
入園申込者数 A2/8段階でのその中の待機児童数 B2/9段階での新年度4/1入
園受け入れ予定者数(=弾力化部分を含んだ定員数)(総数と年令別・保育園別の表)
C2/9での入園内定児童総数ところが、中東部長が「資料出さない」と確認破棄を連絡し
てきた! (・・・別紙資料参照)
◎他市では電話で教えてくれる行政情報すら、議員たる戸田にも言おうとしない異常な対
応。質問項目は、「待機児童と認定する基準」と「最近の待機児童の人数」「今年4/1段
階での待機児童数のおよその見込み」など。
中東部長見解;「待機児童(=保育園入園の有資格者数)は、この数字自体が『行政の
意志決定』に関わることであり、現在作業中なので作業が終わるまでは言えない」。「市の
施策として打ち出す以上、当然市長の決裁が終わってからでないと公表できない」・・・・
実に驚くべき話である。これでは議員ですら行政の実情把握ができない。
(・・・別紙資料参照)
◎当然あるべき文書資料を作成していない、という異常さ。 (・・・別紙資料参照)
各保育園の新年度の(弾力化分含んだ)定員や、新年度の保育所園の入所予定児童数
の中でのる待機児童の人数や、2月当初段階での待機児童数を示す文書が全く作成され
ていない、という驚くべき行政の実態。 (・・別紙資料)
◎3月議会答弁での不誠実で居直りに満ちた答弁の数々。「総量的には、十分達してい
る」、「幼稚園によるあずかり保育35名も含めると逆にマイナスになるのではないか」、
等々。 (・・・別紙資料「3月議会答弁」参照)01/4/22up
◎3/29提出の報告書(「修正計画」)に大きな問題点有り。基本姿勢・虚偽記載・・
(・・・別紙資料参照)
以上。