第4;不適正行政へのチェックを意図的に妨害する4会派の行状と本件懲罰及び公益との関係

1;先の本年6月議会で質問封殺の憂き目にあった「錯乱暗黒行政事件」とは、門真守口合併推進要望を出した門真市38団体のうち、市が役員名簿を持っている24団体(市が補助金や経費を支出しているものは22団体)に関して、たまたま議員が団長を務めている消防団以外の23団体の代表者氏名と24団体全ての役員氏名を非公開にすると  いう、トンデモないことが突如発生した事件のことを指す。

閣議決定で役員名簿の公開が義務づけられている公益たる「社会福祉協議会」や、非常勤の地方公務員たる団員によって構成され、副団長・正副分団長は市の旅費規程で部長級・課長代理級に扱われる「消防団」、住民を最も広汎に2重3重に網羅した官民共同の巨大組織たる「人権啓発推進協議会」、その他自治連合会や体育協会など全ての団体の会長や役員氏名が、いったん「公開決定通知」が出されていたにも拘わらず、公開日当日になって違法にも決定が変更され、「個人情報だから不開示」とされた事件は更に迷走を重ねている。(甲第79号証@〜D)
 この問題は、およそ行政の基底を破壊するものであり、「個人情報保護」に名を借りた悪質な情報隠しと情報公開妨害事件として、情報公開制度での不服申し立てだけでなく、公務員の違法行為による損害賠償を求める「国家賠償請求」を近日中に起こして腐敗一掃闘争を展開してゆかねばならないと、控訴人は考えて準備を始めているところである。

2;ふつうの議会であれば、このような暗黒行政事件が起これば与野党を問わず、議会総体が憤り、市当局への追及の火の手を上げるであろう。条例に書いてあることを好き勝手に破り、税金の支出先団体の責任者氏名を議員に対してさえ明らかにしないなどということは、議会の権能剥奪と侮辱でもあることは明白であるからだ。
 ところが、既に見たように門真市議会では4会派議員が結託して、問題質問を潰してしまうのである。

 議会レベルが飛び抜けて高いわけではない隣の守口市の共産党議員の駅前演説を6月末に聞く機会があったが、その共産党議員が言っていたのは、保育園の統合問題でかつての市の答弁に違反するやり方があって、常任委員会でシドロモドロになった市を夕方まで追及したが、最後に与党が多数決で押し切ったのがケシカラン、というようなことだった。
 それを聞いて控訴人が思ったのは、「守口市では最後は多数決で押し切るとしても夕方くらいまでは審議を続けるのに、門真市では30分も揉めたら質問しない議員達のわがまま勝手によって簡単に質疑打ち切りがされてしまう。なんと情けないことか」、ということであった。
 最後は多数決で押し切られるとしても、夕方まで審議で揉めるなんて門真市では夢のまた夢の話である。自分の気に入らない質問―答弁には30分もつき合ったら座っているのが苦痛になって騒ぎ出すという、学級崩壊の子ども達以下の堪え性しかないのが門真市議会4会派議員の実態である。

 実際6月議会で質問封殺された文教常任委での質疑応答は、正味の問題部分で30分程度、総務水道常任委員会に至ってはわずか13分程度のものでしかなかった。門真市当局はたったこれだけの時間、誤魔化し答弁を続ければ与党議員が「質問打ち切り」で救出してくれるのだから、これほど楽なことはない。
 このことは、門真市行政に本来必要な緊張感がなくなり、与党議員と馴れ合ってさえいればよいという腐敗堕落につながるものである。
 門真市議会の審議時間の短さは、1審「第2準備書面」(2002(平成14)年1月9日)の<第7;門真市議会4会派の非常識ぶりは世間周知の事実である>の3;に、


 門真市議会は・・・近隣他市と比べても議会の審議時間が短いことが歴然としている。
ちなみに寝屋川市と比べた場合(2000年度)、本会議の年間「実会議時間」は寝屋川市が59時間21分で門真市は30時間17分と約半分。委員会審議の場合、年間「実会議時間」は、寝屋川市の(門真と同性格の)委員会審議時間が年間104時間22分で、門真市がわずか40時間09分とわずか4割でしかない。(甲第57号証)
 ところがこういう実態を反省して改善しようとするのではなくて、質問時間の削減や多数決による質問封殺をして恥じないのが4会派議員達なのである。


 と記した通りである。

3;何度も述べてきたように、地方議会・議員の最大の任務は行政が適正に行なわれているかをチェックすることであるが、今の門真市議会の実状では、心ある少数の議員がいくらがんばろうとしても、4会派議員の多数の横暴によってその機能が大幅に削減されており、有権者の付託に反し公益の実現が大きく阻害されていることは明白である。
 1審第1準備書面17ページで説明したように、3月議会以外は常任委員会が終了してから本会議での一般質問が行なわれるから、常任委員会で質疑打ち切りや発言禁止に強く反発して強く食い下がったり強烈な突っ込みをすれば、本会議の場で懲罰動議が出されて出席停止懲罰を受けて本会議での議決や質問ができなくされる危険性が、門真市議会のように常に存在しているということは、質問・追及しようとする議員にとって非常に大きな威圧になって、議会言論への萎縮効果もたらすことは疑いがない事実である。

 本会議にしても、質問したいこと、討論(意見表明)したいことが多数あるのだから、途中で発言禁止とか懲罰とかに引っかけられないようにしたり、引っかけられたとして被害を最小限に押さえるためにはどうしたらいいか、どういう順序で質問するのがよいか等々、自由な議会言論が保障されている議会であれば考えなくてよい様々な事に悩み、膨大な労力を振り向けなければいけないのが、門真市議会でまじめに行政に批判的な質問をしようとする議員の置かれている実態である。

 実際控訴人の6月議会対策の場合、4会派からの攻撃が一番ありそうだがゆるがせにできない問題として「諸団体による合併推進要望の非民主的な内実」の問題を認識していたが、実際にこれに絡んで呆れるような情報隠し=「錯乱暗黒行政事件」が勃発するほどの不気味な動きが始まった。しかしまた、有事法制問題、住基ネット問題、シルバー人材センター問題も大事だし、それぞれの配分と内容に多大な神経を使わざるを得なかった。(甲第75号証D)
 例えば質問通告では、4会派議員の目にも触れる公式の通告書の他に担当部署との「すり合わせ」用の通告書と中身を一部変えて作成したりもしたし、6/20本会議に臨むにあたっては、猛烈な忙しさの中で質問・発言原稿を作成する中でも、「懲罰攻撃がされたら無期限ハンストで闘う」ことをアピールして4会派への牽制と大衆的宣伝を行ない、実際にハンスト闘争現場の飾り付けまで用意しているのである。(甲第75号証E)

 これらの労力は、門真市議会で理不尽非常識な4会派の横暴支配・不当懲罰攻撃がなければ、本来不必要なものであり、裁判所が冤罪懲罰をまともに司法審査するようになっておれば、不当懲罰攻撃は大いに抑制されるのだから、控訴人は安心して本来の議会活動に専念できているはずなのである。そうなればどれほど今よりも公益の実現に適うことか、裁判官諸氏はこのことをぜひお考えいただきたい。

  あえて不遜を承知で言わせていただけば、1審の第1準備書面から始まってこれほど膨大な裁判資料を弁護士なしで次々と作成しつつ、1審の第1準備書面9・10ページや第2準備書面30ページに挙げたような成果を達成できるほどの、能力と熱意を持つ控訴人のような議員が、理不尽な懲罰攻撃の危険性から解放されて行政チェックと政策提言に全精力を振り向けられたらどれほど公益に適うことか、また1960年のおかしな最高裁大法廷判決体制が続いているために、全国の有能な議員の力と意欲がどれほど削がれて公益が害されてきたことか、裁判官諸氏にはぜひこのことをお考えいただいて、本件懲罰事件の事実審理と証人尋問を行なっていただきたいと思います。社会正義実現のためにはそれしかありません。