第8;被控訴人へ答弁要求と証人尋問申請をします

[1];控訴人は、被控訴人に対して、以下の質問に明確に応えるよう要求するものである。

1;控訴人に科した懲罰処分は、控訴人の議会発言が地方自治法や門真市議会規則のどの部分に違反したとするものであるのか、「3月14日提出の懲罰動議」による処分(第1の処分)、「3月16日提出の懲罰動議」による処分(第2の処分)のそれぞれについて、明確に答えられたい。

2;被控訴人は、「相手の感情を反発することがあっても軽々しく言論抑制すべきでない」という地方自治法132条の先例解説(当方8/8準備書面34ページ)、即ち、「もともと議会においては、何にもまして、自由闊達な雰囲気の中で活気ある言論が期待されるものであり、特に議会は執行機関を監視し、牽制する諸々の手続きを与えられており、その一環として、執行機関に対して、その事務に関して証明を求め、意見を述べることができるものであって、かかる場合、議員が質問し、意見を発表するのに、その言辞が勢い痛烈となるのはむしろ好ましく、これがため相手方の感情を反発することがあっても軽々しくその言論を抑制するべきではない」

 に対して当然これを承伏するべきだし、現に承伏しているしているものと思うが、承伏しているか否か、明確に答えられたい。

3;被控訴人は、全国町村議会議長会の発行する「議員必携」(甲第45号証)の「第二篇 議会の運営 第五章 発言」の『発言自由の原則』を中心とした部分、すなわち、 「議会は,『言論の府』といわれるように,議員活動の基本は言論であって,問題は,すべて言論によって決定されるのが建前である。
 このため,議会においては,特に言論を尊重し,その自由を保障している。会議原則の第一に『発言自由の原則』が挙げられるのもそのためである。国会については,憲法において『議員は,議院で行った演説,討論又は表決について,院外で責任を問われない』{憲法51}と定め,特別にそのことを明文で保障している。これを免責特権という。  これは,戦時中軍部の言論抑圧によって国会が全く機能を失った苦々しい体験から見ても,厳守されるべき当然の規定である。地方議会議員に免責特権はないが,その趣旨や地方議会においても同様であって,もしも言論の自由がなくなれば,議員は,その職責を果たすことは,とうてい不可能である。」

に対して当然これを承伏するべきだし、現に承伏しているしているものと思うが、承伏しているか否か、明確に答えられたい。

4;被控訴人は、「無礼の言葉を解するのに社交の儀礼を標準としてはならない」、という札幌高裁判決1950年(昭和25年)12月15日判決(8/8準備書面34・35ページと本準備書面)の中の議会言論の自由の重要性や「無礼の言葉」に関わる部分、即ち、「とりわけ普通公共団体の議員はその住民の代表として選挙せられ議会において言論   することをその重要な職務とするものであって、その言論については、他人の私生活にわたるものを除き、十分にその意を蓋し民意を反映せしめなければならない。
 ゆえに、その発言を無礼の言葉であるとして議員に懲罰を科するには慎重の考慮を要するのであって、若しかようの懲罰権が濫用されるのなら、議員の言論の自由はやがて自由を失い、かえって議会の使命の達成を阻む結果を招来するのである。

 さらに同条の適用について、なお注意を加えると、同条はもっぱら議員の議会における発言のみに依拠して、それが無礼の言葉であるかどうかを判断すべきものであって、その議員の議会外における行動は、その発言の意味を正確につかむためにこれを考慮に入れるのは格別、その行動自体を斟酌してこれを決することは同条の趣旨に反するものである。
 なお、同条にいう無礼の言葉を解するのに社交の儀礼を標準としてはならない。かようの儀礼に反する言葉をすべて無礼の言葉というならば、議員の言論の自由は著しく制約せられてしまうであろう。
  議員の発言が無礼の言葉であると言われるには、議員が附議された事項についての意見や批判の発表に必要な限度を超えて議員その他の関係者の正常な感情を反発する言葉であり、附議された事項について自己の意見を述べ又は他の議員等の意見等を批判するについて必要な発言である限り、たとえ、その措辞が痛烈であって、これがために他の議員等の正常な感情を反発しても、それは議員に許された言論によって生ずるやむを得ない結果であって、これを以って議員が同条にいう無礼の言葉を用いたものと解することはできないのである。」(下線は控訴人)

に対してこれを承伏しているか否か、明確に答えられたい。

5;被控訴人は「市の幹部職員の指名肩書きを特定してその公務執行実態について事実に基づいた批判や質問を議会ですること」が「職員の人権侵害である」、と考えるものなのか、明確に答えられたい。

6;本件懲罰事件で問題とされた控訴人の発言の中に、「事実に反するもの」があったのかどうか、明確に答えられたい。

7;被控訴人は「誹謗中傷」という言葉をどのように定義しているのか? 事実に基づいた批判や質問であっても自分の感情を害したら「誹謗中傷」だと考えているのか、「誹謗中傷」の定義について明確に答えられたい。

8;被控訴人は、「選挙である候補に投票した有権者は、その候補の議員となった以降の全ての活動に白紙委任を与えることに同意している」、と考えるものであるのかどうか、明確に答えられたい。

9;被控訴人が、1999年4月の市議選において4会派議員に投票した有権者は即ち、2001年3月議会での本件懲罰処分について賛同したのである、と考える根拠は何か、明確に答えられたい。

10:被控訴人が「本件出席停止処分は、圧倒的多数の門真市民の声を誠実に反映した結果なのである。」と主張する根拠を明確に述べられたい。
 根拠も無しにこのような主張をしているのならば、裁判所に対して虚偽の主張をしていることになる。

(以上)

[2];控訴人は、別紙の通り証人申請を行います。

 別紙「証人申請書」(1)の通りに、本件懲罰当時の議長(大本郁夫)3月14日提出懲罰動議の提案理由説明者(吉水丈晴)、3月16日提出懲罰動議の提案理由説明者(鳥谷信夫)、の3名を証人として申請する。