門真市議会だより・門真市ホームページによる
人権侵害事件申し立ての補充書面

 門真市人権擁護委員のみなさまへ

2001年3月14日   門真市議会議員 戸田ひさよし


1;本事件の眼目は、身に覚えのないことで警察による捜索・押収を受けた者に対して、一部
 の行きすぎたマスコミですら実名報道までは控えたというのに、門真市と議会という公機関
 が、捜索押収事件後2ヶ月もたった段階で、あえてその実名を大きな見出しにまで出して一
 方的・断片的に報道する記事を、議会だよりに掲載して全戸配布し、市のホームページにも
 掲載することで不当にさらしものにしたことであります。

2;警察のやることにしばしば間違いや行きすぎがあることは、社会的事実でありますし、警察
 が捜索したことをもって直ちにその相手が本当に不法行為を為しているかのような処断をし
 てはならないことは、人権を考えるにあたっての基本のひとつでもあります。
  今回私の身に降りかかった12/2捜索事件について言えば、私が抗議声明を発したり準抗
 告にも訴えるなど、警察の行為の不当性を訴え続ける中で、警察は事情聴取もしなければ
 何もできず、かえって準抗告裁判を回避するためか、押収品の「自主返還」を行なうことを
 余儀なくされるなど、捜索押収の根拠の薄弱さが透けて見えるようになっている、という事実
 が存在しています。

3;また近畿地区の一般紙で「門真市議宅など捜索」と私の肩書きを報道したのは読売新聞
 だけであり、他紙は「府内の現職市議」と毎日新聞が報道しただけで、朝日やサンケイはそ
 のようには報道していません。また一番扇情的な見出しを付けた読売新聞にしても、実名ま
 では出さずに「不当捜索である」という私のコメントは紹介してくれています。
 一部マスコミですら、捜索を受けたといいうだけで実名まで出して報道するのははばかって
 いる、という事実が分かります。 (別紙資料の12/2新聞各紙夕刊記事参照)

4;そもそもの問題は門真市議会での取り上げ方です。別紙資料で分かる通りに、私は不当
 捜索の翌日すぐ12/3に抗議声明を発表するとともに、12/4にはこれを転載した「見解」を大
 本議長に当てて議会事務局に提出しております。しかし、不思議なことに大本議長はこれ
 に対して受け取り拒否をして突き返し、当事者から事情を聞く途を自ら閉ざしました。
  その後私が準抗告を起こし、警察が押収品返還するなどの経過は私のホームページ記事
 などから周知の事実であったにも関わらず、そういうことは一顧だにしようとせず、突如12月
 議会最終日の12/20本会議終了間際になって、公明党山本議員の「質問」を受ける形を取
 って、事実調査もせず、当事者の説明をあえて発言禁止にしてまで、「家宅捜索を受けた議
 員は戸田議員である」という記録づくりのためだけとしか思えない議会運営を行ないました。
  その理不尽さと危険性を、私は翌12/21に「大本議長の不公正な発言規制に厳重抗議す
 る」という文書を議長に提出して警鐘を鳴らしましたが、事態の進展はまさに私が予測した
 ように議会だよりを利用しての意図的な人権侵害の方向に進んだわけであります。
  (別紙資料の中の12/2捜索以降年末までの一連の文書や議会議事録を参照)

5;日本赤軍の犯罪容疑を理由とした、昨年末の全国各地での捜索押収については、様々な
 批判や疑問が法律家・市民運動家・議員・有識者各位から出されているところであります。
 犯罪容疑とは無関係である人々が不当に捜索を受けた可能性が少なからずあることは否
 定できないだろうと思います。 (別紙資料中の市民団体声明や作家の評論など参照)

6;世の中には「ウソではないが著しく不公正な記述」というものが存在します。私への捜索事
 件に関わる議会だよりの記事が、まさにそれであります。
  私が警察の捜索を受けたこと、それが議会で確認されて議長が遺憾の意を表したこと」自
 体は事実ではありますが、それのみを記述し、上に述べたような極めて重要な「他の事実」
 を削り取って発表した時に生ずるのは、警察の捜索が誰からも疑問に思われていないかの
 ように正当なものであり、従って私は犯罪容疑に関係しているからこそ捜索を受けたのだ、
 という強い印象と、そういう人物評価です。これは私の議員としての名誉を一方的に著しく
 傷つける社会的リンチに他なりません。

7;「議会で確認したこと」だからとか、「議会だよりに載ったこと」だからと称して、人権侵害
 事件への判断放棄が行なわれてはならないと思います。みなさんの賢明なるご判断をお
 願いします。