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▲戸田の2011年10月書簡(2):いろんな意味で「目からウロコ」の「国民救援会」体験
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 戸田 E-MAILWEB  - 14/6/27(金) 16:59 -
  
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<3>40年の「棲み分け」の中での「救援センター」と「国民救援会」。
   「国民救援会」での「共産党からの自立化」(連携はすれども従属せず)。
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 「救援センター」は非共産党系の広範な団体個人や一般刑事犯に頼られるものとなって定着しました。
 その機関紙「救援」の紙面では日本赤軍メンバーから匿名刑事犯まで、各地の刑務所・拘置所からの報告や告発が載り、各地の弾圧状況の報告と分析がかなり専門的で高度なものも含めて載ります。 治安管理政策の先端情報も載るし、○○法反対運動やその解説も載ります。

 誰でも、逮捕された時に「救援センターの指定する弁護士を選任する」と言えば弁護士を付けてもらえるし、獄中の誰でも希望すれば無料で「救援」を差し入れてもらえます。
 従って、「救援センター」は獄中者全般にとっても拘置所刑務所当局者全般にとっても、非常に知名度が高い組織です。

 しかし「救援センター」は、会組織としては弱体で、東京に10人前後の事務局スタッフ(団体活動家との兼任の人も含んで)がいて大阪に若干名の兼職スタッフがいる程度のはずです。(正確な所は把握してないので戸田の見当ですが)
 「会員」は救援購読者やカンパ提供者や弁護士有志などですが、「会員自身の組織」はありません。

 救援センターは、独自の部隊を持たない「情報センター」であって、弁護士の派遣仲介や若干名の現場派遣(接見や集会など)は出来ても、「国民救援会」のように会員部隊で宣伝活動したり、冤罪事件を審査認定して支援する会を作って活動したりする力はありません。

 被弾圧者の支援については、「○○さんを支援する会」などの独自団体がまずあって、「救援」紙面でその紹介をしたり支援を呼びかけたりする、というパターンです。
 
 一方「国民救援会」は、「あそこは共産党の直系団体だ」ということで、「共産党以外の左派勢力」が入り込む事もなく、政治的には安定無風状態が続きました。
    (共産党内政局による影響は何かあったかもしれませんが)

 そうした中で、どういう契機が重なったのか戸田には分かりませんが、「戦前の共産党弾圧、治安維持方弾圧への救援を源初とする」という点で共産党と根っこを同じくする点は堅持しつつも、活動と組織の内容においては、「共産党から自立した広範な大衆団体、人権ボランティア団体」として、変容を遂げていったようです。

 「共産党系大衆団体の共産党からの自立化」というと、大概は「右傾化・親資本主義化」してしまうものですが
  (生協の「共産党離れ」は「生協原則からの営利主義的・親資本主義的脱落」を露呈
   するものだったように)、
「国民救援会」の場合はそうはならず、逆に権力弾圧被害者に対する人権ボランティア団体として、とりわけ冤罪被害者の広範な発見認定と支援の面において素晴らしい発展を遂げたように思います。

 また、「政党から自立した大衆団体」を標榜していても、実際には共産党ベッタリとか共産党が独善的に牛耳っている団体とか、共産党の引き回しによって当該団体がズタズタにされてしまう場合も山ほどあります。

 そういう日本の状況の中にあって「国民救援会」の場合は、共産党にとっても大衆団体にとっても、「連携と自立化」において希有な理想的モデルになったと言ってもよいのではないか、と戸田は感じました。

 戸田の勝手な見当では、「国民救援会」の会員の6割程度は共産党の後援会員か支持者、その6割の半分程度(全体の3割程度)は共産党員、役員の場合はその割合がずっと高い、と推測しますが、それらの人々が「国民救援会」の活動の中では共産党の宣伝啓発をする事に非常に禁欲的である事が凄いと感じ入ります。

 共産党の名前をチラリとも出さない、集会では共産党のビラを1枚も入れない場合が多い、という徹底ぶりは凄い「意志の力」だと思います。

 逆に戸田の方が、少しくらいは共産党の頑張りを宣伝してもいいじゃないか、と思ってしまう程です。

 まあ、共産党の側がそれだけ禁欲してるのだから、戸田なんかも「国民救援会」の会員になった以上は、自分の左翼心情の披瀝は少しは控えるべきだ、と言えるかもしれませんが。(・・・・ウーン、それは戸田にはちょっと無理!)

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<4>組織力ある「国民救援会」の今後の展望と非共産党左翼との関係を考えてみる
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 「ガッチリ組織された、日本で最大の規模と実績の冤罪救援団体」、と「国民救援会」をみなしてよいと思います。

 先日参加した兵庫県本部大会では組織拡大への情熱と工夫、システムに感心したし、
その支部活動の熱心さは共産党本体の一般的な支部活動よりはるかにレベルが高いだろう、とさえ思えた程です。
 戸田が知っている全ての労組や政治団体、市民団体よりもずっと凄いと思いました。

 足利事件、布川事件での無罪獲得とマスコミでの大々的報道(マスコミ自身の犯罪性には無反省ですが)が、「国民救援会」の活動に追い風になってます。
 各地でコツコツと何年何十年も支援活動を続けてきた人達に、どれほど元気を与えたか図り知れません。
 (権力・司法自体は、総体として「1歩改善3歩改悪」状況ですが) 

 「国民救援会」の人々にとって「やるべき事」と「やりがい」は増えていくし、「国民救援会」を頼ってくる人も社会的認知度も増大する一方でしょう。
 それに伴って、「国民救援会」の組織と個々の会員に蓄積されるノウハウも増え、問題解決能力もさらに向上していくでしょう。

 「無実の人の救援」という一定限られた範囲であれ、日本の支配システム(警察検察・裁判所と監獄機構と民衆の無知的服従姿勢)に風穴を開けていく力は大きい。
 少なくともこの分野では、「国民救援会」は他の追随を許さない実績と権威を持っていくでしょうし、それに伴って若い世代を初めとした人材吸収も進んでいくと思われます。

 60年代や70年代のあれこれは「遠い昔の、今とは関係ない話」になっていき、「国民救援会」勢力と「救援センター」勢力は、それぞれ自分の得意分野で活動を進めながら「平和共存」的に棲み分けをして、時々何かの課題で共闘したり相互乗り入れしたりする関係になっていくでしょう。

 全く偶然の出会いからではありましたが、井筒救援運動は、その走りになっているのかもしれません。(「国民救援会」に領導してもらう形ですが)

 ほとんど全ての共産党系大衆団体においては、「政治信条に関わりなくみな対等な会員です」と標榜しながらも、いざ非共産党系の左派活動家については、
  ・何だかんだと理由を付けて入れようとしない。
  ・加入させても、異分子には会議の日程場所を知らせない、連絡を回さない
    などの実質排除策動を行なう。
  ・会議でまともな提起をしても一切取り上げない。

などの場合がほとんどですが(革新統一懇や一部の九条の会など)、戸田も門真で何度も体験しました。

 それは共産党活動家側に実績や運動的妥当性が少ないので、「異質分子」の話を「会員」達に聞かせるとそちらに影響されて自分らの思い通りにならなくなる、という自信の無さ(+人間的狭さ)が生み出してしまうものですが、「国民救援会」の場合は全く違います。

 なぜなら冤罪救援に関しては(ほか公選法問題、選挙違反問題なども)「国民救援会」の方が、それ以外の団体人士よりも実績もノウハウも豊富で、その土台に裏打ちされて出てくる活動方針や行動提起もまた、どこよりも妥当性が高いし、実際に会員も役員も「体を動かして頑張る」からです。

 しかも「民主的に討議して納得ずくで方針を決めていく」作風がしっかりしています。
 その中には「政治的背景や差別が絡むと思われる事件でも、そこには重点を置かずに(触れずに)起訴容疑が事実であるか否かに重点を置いて取り組む」という「冤罪を広範に訴えて勝利を得るための捌き方の智恵」も含まれているように思います。
 (「国民救援会」が取り組む事件についての明確な認定基準の設置)

 共産党との関係で言えば、共産党の退潮傾向は今後も続いて回復しない(消滅もしない)と私は考えますが、「国民救援会」はそれに引きずられる事無く(自立した財政と会員組織を持っているので)発展を続けるだろうと予測します。
 (冤罪が全く発生しないようになり、これまでに起こった冤罪事件が無罪解決されるま  で、日本では今後かなりの年数がかかり、「国民救援会」が必要とされるので)

 そしてこと「無辜の市民に対する冤罪救援」について言えば、「国民救援会」が不動の主軸になって、そこに共産党も含めたいろんな左派や人権団体やが賛同協力していく、若干の公的機関もかなり協力していく、という形になっていくだろうと予測します。

・・・以上、メールとしてはかなり長文になってしまいました。ご精読に感謝します。感想や意見がありましたら、戸田までお寄せ下さい。
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引用なし
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話題の冤罪映画「約束」が6/25ルミエール上映!国民救援会門真支部準備会に感謝する 戸田 14/6/27(金) 16:27
◎戸田の2011年10月書簡(1):いろんな意味で「目からウロコ」の「国民救援会」体験 戸田 14/6/27(金) 16:56
▲戸田の2011年10月書簡(2):いろんな意味で「目からウロコ」の「国民救援会」体験 戸田 14/6/27(金) 16:59
私も目からウロコ なかやましげる 14/6/29(日) 1:57

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