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被災地瓦礫の広域処理について bong 12/2/20(月) 22:00

◎がれき受け入れについて医師の立場からの意見書(上) 戸田 12/2/21(火) 18:46

◎がれき受け入れについて医師の立場からの意見書(上)
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 戸田 E-MAILWEB  - 12/2/21(火) 18:46 -
  
 被災地ガレキ問題を考えるにあたって格好の題材があったので、上下に2分割して紹介します。
  ―――――――――――――――――――――――――――――――――――
      がれき受け入れについて医師の立場からの意見書

大阪府知事 松井一郎殿
大阪市長 橋下徹殿
            平成23 年12 月21 日
                    整形外科医:コロンビア大学留学中 中山憲
                    内科医: 小杉中央クリニック院長 布施純朗
                    小児科医: 橋本百合香
                    放射能防御プロジェクト医師ネットワーク
                    放射能防御プロジェクト
【その1】
はじめに
 今回の東北の震災における多数の犠牲者に追悼の意を込めるとともに、今なお被災地において苦しむ多くの方々、避難を余儀なくされている方々の救済を切に願い、以下に述べる意見書を記させていただきます。
 この意見書は医師として、人の命を救うことを第一に考えた結論であります。

A)がれき受け入れには反対です。
まとめ
 内部被曝を考えると、政府が問題なしと判断する汚染濃度であっても、総量では大阪府民全員あるいは関西圏全体に多大な健康被害を起こす汚染となる。がれきを広域に拡散することは国土を放射能汚染させることとなり、福島県民、東日本の人たち、全国民に悪影響を与える行為である。
 以下にその根拠を述べます。

1) 内部被曝の危険性について
(結論) 少なくとも食べ物が10Bq/kg 以下にすべく対策を講じるべきである。
    内部被曝はセシウムだけでなくα 線、β 線核種の危険の方が大きい。
    統計学的データを待つべきではない。

2)内部被曝の現状(Cs に関して)
(結論) 土壌汚染から東京もすでに危険域になっている。
    それに比して、大阪の土壌の汚染は非常に低い。

3)二次被曝と内部被曝
(結論) がれきは、国の規制内の汚染濃度でも、莫大な汚染、二次被曝を招く。

4)内部被曝の治療法、対策について
(結論) 現在、医療機関において、低線量の内部被曝による障害の診断、有効な治療の
    提供は不可能である。
     放射線防護においては、まずは極力吸入と経口摂取を防ぐことが大前提であ
    り、汚染の無い食品と国土の確保が必須である。
     環境の汚染が高い場合は、特に乳幼児や妊産婦の疎開も勧めるべきである。

5)その他の危険な核種の存在
(結論) セシウム以外の危険な核種もがれきを汚染している。プルトニウム、
   テルル129m、ストロンチウムはセシウムを凌ぐ危険性を持っている。
    がれき受入れはそれらの核種の拡散をも招く。

根拠の説明

1) 内部被曝の危険性について
(結論) 少なくとも食べ物が10Bq/kg 以下にすべく対策を講じるべきである。
    内部被曝はセシウムだけでなくα 線、β 線核種の危険の方が大きい。
    統計学的データを待つべきではない。
(理由)
  外部被曝と内部被曝の違いを是非とも理解してください。
  我々医師が最も恐れているのは内部被曝です。そしてそれによって引き起こされるさ
 まざまな疾患群です。
  白血病や甲状腺癌、その他のガンにのみ注目していますが、非ガン性疾患も実に多く
 の方々を苦しめます。
  自然被曝と比較される方もおられますが、自然被曝と今回の原発事故の被曝で決定的
 に違うのはこの内部被曝です。自然被曝では放射性物質は体内に取り込まれません。

  原発事故の被曝では、放射性物質は体内に取り込まれ、吸収され、内部から被曝を起
 こします。

 参考資料1・Y・バンダシェフスキー教授の発表をご一読ください。
  バンダシェフスキー教授は豊富な実験データを提示し、「セシウム137 が人体に与え
  る影響の特徴は、生命維持に重要な臓器や臓器系統の細胞内の代謝プロセスの抑制だ
  とみられる」とまとめています。
   さらには「セシウム137 により人間や動物の体内に引き起こされる病理的変異を
  すべてまとめて“長寿命放射性物質包有症候群”(SLIR)と名付けることもできそう
  である。」といい、その症候群は心臓血管系、神経系、内分泌系、免疫系、生殖系、
  消化器系、尿排泄系、肝臓系における組織的・機能的変異によって規定される代謝障
  害という形で表れると書かれています。

   SLIR を誘発する放射性セシウムの量は年齢、性別、その臓器の機能的状態により
  異なることを明記したうえで、
   「子どもの臓器と臓器系統では、50Bq/kg 以上の取りこみによって相当の病的変化
    が起きている。
     しかし、10Bq/kg 程度の蓄積でも様々な身体系統、特に心筋における代謝異常
    が起きることが報告されている。」
  という指摘を行っています。

  ここで注目すべきは10Bq/kg 程度の蓄積でも問題が起こるということです。
  内部被曝を回避するためには、この値を越えない最大限の努力を払うべきであると
 ご認識ください。

  予防の観点からは実際に影響が出る100分の1にすべきであり、この10Bq/kg も
 本来は十分ではないと思われます。
  またより影響を受けやすい妊婦や小児には、それ以上の回避が求められるものと思わ
 れます。

  内部被曝は食料、土壌の粉塵からの吸引等が挙げられますが、ただ内部被曝を考える
 場合、セシウムだけで評価するのは極めて不十分であり、危険です。
  資料2として矢ヶ崎克馬・琉球大名誉教授の内部被曝の考察を添付します。
  α線核種(プルトニウムがその代表)を例に挙げますと、4.5cm程度と極めて短
  い距離しか飛程しませんが、極めて強いエネルギーを集中的に放射し、臓器が受ける
  損傷はγ線の1億倍とも試算されています。

(図1-1〜3)図に示すようにα線、β線による障害は極めて局所的な問題であり、γ線
  と比べ1億倍の障害を与えることとなります。
   またα線、β線の放出の速度は遅いため、緩徐に進行し、変異してしまった遺伝子
  は次世代、次次世代へと受け継がれる可能性も高くなります。
   内部被曝においてはセシウムよりも遥かにα線、β線核種が危険なのですが、
  ほとんど検査されていません。

   その検査をせずにがれき、土壌、食物を安全というのは極めて重大な問題です。
   確かに被曝の人体への影響について統計学的データが不足しています。
   現在の日本の状況も数十年後を待たねば統計学的に根拠が述べられないと思われま
  す。
   しかし我々医師がチェルノブイリ原発事故から得られる最大の教訓は、「統計学的
  データを待っていたら何百万人という犠牲者を出してしまう」ことです。

2)内部被曝の現状(Cs に関して)
(結論) 土壌汚染から東京もすでに危険域になっている。

(理由)
  では現在のところ分かっている範囲での体内被曝の現状はどうでしょうか。
  なかなか数値が公にされないため情報は限られてきますが(それこそが問題です
 が)、東京で6000Bq、南相馬市の酪農家で25万Bq という報告があります。
  単位が未表示ですが恐らく体全体と思われます。

  とすると東京の方で100Bq/kg 程度、南相馬の方で3500Bq/kg 程度となります。
  Cs134 も入っていますので3年後には半分になりますが、このデータは8月であり、
 Cs だけで他の核種が含まれておらず、実際の人体への蓄積はさらに増加が予想されま
 す。
  つまり、今から4ヶ月ほど前の時点でのCs だけでも、東京レベルで健康に害を及ぼ
 す数値に達しつつあるということになります。
  土壌汚染と内部被曝には相関があると考えることが妥当と思われます。
  データ数に制限もあり不足しているため、この点は早急に検査を行い、情報を開示し
 早急に検討する必要があります。

  土壌汚染と内部被曝には相関があると前提した上で、先日発表された文部科学省によ
 るセシウム137のみの放射線降下マップを参考にしますと、東京の17000Bq/km2
 は生活するには問題となる環境であるという結果に導かれます。

3) 二次被曝と内部被曝

(結論) がれきは、国の規制内の汚染濃度でも、莫大な汚染、二次被曝を招く。

(理由)
  焼却後の汚染濃度2000Bq/Kg を20万トン受入れると総量は1000GBq、8000Bq/Kg
 で8000GBq。
  例えばその内の30%が何らかの形で環境内へ流出するとすれば300GBq以上
 (前者の場合)が周囲住民の内部被曝につながる可能性があります。
  実に30億人に影響を与えることができる量です。

  このように濃度にだけ目を向けるのではなく、総量に目を向けて環境流出について考
 えねばなりません。
  可燃物を受入れ焼却した場合は焼却場のフィルター能力にも大きな問題があります。

  バグフィルターはかなり取り扱いが難しく、トラブルが多いと言われています。
  新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が99 年度からはじめた「都市ご
 み焼却施設におけるバグフィルターに関する調査」 をご参照ください。
  またそのフィルターの目の粗さにも問題あります。

  通常の焼却炉温度は1800℃、フィルターの目は100nm(ナノメートル)です。
  そして代表的な放射性物質の原子直径と沸点はセシウム:0.53nm・671℃、
  ストロンチウム:0.43nm・1382℃、ヨウ素0.28nm・184.3℃です。

  つまり1800℃の焼却炉においては、3 種類とも気化してしまいます。
  フィルターと原子直径を比べますと、熱膨張を考慮しても、ザルのような状態です。
  バグフィルターではガスは捕えられず、付近へ二次被曝をもたらすことになります。

  不可燃物の場合は容積がかさみ、環境流出を防ぐ手立ては相当困難なものとなりま
 す。
  毎日新聞での2011 年10 月16 日地方版における東京農工大の瀬戸名誉教授の報告で
 は、「ビニールシートで遮水した処理場は、これまで全国で例外なく破損、地下水を汚
 染しています。」
  何十年とかかる不可燃物の厳密な管理は極めて困難であり、環境流出は防げません。
  地下水への浸透、海への流出、生物濃縮による付近住民への影響は必至です。

  焼却後の汚染濃度2000Bq/Kg を20万トン受入れた場合は、人口886万人以上、
 面積1896km2の大阪に推定1000GBq以上の放射性セシウムの負担、すなわち1人
 (成人男子、体重65kgとして)あたり10万Bq/kg 前後となり、4500MBq/km2
 以上の土壌汚染の危険性があります。
  環境流出を0.01%にできたとしても住民への体内被曝10Bq/kg を下回らせること
 は困難です。
  小児は成人よりも10倍以上と感受性が高く、影響も30年40年以上と長期に及ぶ
 と考えると、被害は甚大です。

4)内部被曝の治療法、対策について

(結論) 現在、医療機関において、低線量の内部被曝による障害の診断、有効な治療の
   提供は不可能である。
    放射線防護においては、まずは極力吸入と経口摂取を防ぐことが大前提であり、
   汚染の無い食品と国土の確保が必須である。
    環境の汚染が高い場合は、特に乳幼児や妊産婦の疎開も勧めるべきである。
(理由)
    急性被曝については、専門医療期間において治療が行われていますが、現在多く
   の国民に起こりうる低線量の放射線被曝(外部、内部)については、被曝との因果
   関係を証明する有効な診断法がなく、個々に発症した症状に対して経過観察や対症
   療法を行うしかないのが現状です。

    戦中戦後、チェルノブイリ原発事故、東西冷戦下の度重なる核実験を受け、世界
   では様々な放射線防護剤の研究が行われていますが、現在日本の医療機関で広く
   一般に応用できる段階にはありません。
    そもそも、放射線防護においては、吸入と経口摂取を防ぐことが最善策であるの
   は疑いの余地がありません。
    ベラルーシ共和国では一定期間の疎開を定期的に行っています。

    汚染がない食料の提供、汚染のない(軽度)な国土の確保が、福島の方々を含め
   東日本全体にとって、いえ日本全国民にとって極めて重要になってくることがご理
   解いただけると思います。

5)その他の危険な核種の存在

(結論) セシウム以外の危険な核種もがれきを汚染している。特にプルトニウム、
   テルル129m、ストロンチウムはセシウムを凌ぐ危険性を持っている。
   がれき受入れはそれらの核種の拡散をも招く。
(理由)
    争点がCs(セシウム)に集中していますが、その他の核種はどうでしょうか。
   今年の6月6日に出された保安院による「東京電力株式会社福島第一原子力発電所
   の事故に係る1号機、2号機及び3号機の炉心の状態に関する評価について」
   (図3)では、主に31種類の核種が放出していることを報告されております。
    以下に特に半減期の長いものを列挙します。

 プルトニウム238 が190 億ベクレル。半減期87年。
 プルトニウム240 が32 億ベクレル。半減期6537年。
 プルトニウム239 が32 億ベクレル。半減期2万4000年。
 プルトニウム241 が1.2 兆ベクレル。半減期14.4年。
 テルル129m が3300 兆ベクレル。半減期は約1ヶ月だが崩壊した後に放射性ヨウ素129
になる。この半減期は1600万年。
 ストロンチウム89 が2000 兆ベクレル。半減期50日。
 ストロンチウム90 が140 兆ベクレル。半減期29年。
  (参考までにセシウム137 は1.5 京ベクレル。)

  特にプルトニウムはアルファ線を出し、ウランと比較しても放射性毒性は数万倍と
 極めて高いと言われています。
  政府による計測情報の公表はどういうわけかされていませんが、米国エネルギー省
 (DOE)と国家核安全保障局(NNSA)では事故当初のモニタリングデータが公開されていま
 す。http://energy.gov/situation-japan-updated-102111
   具体的な数値の信憑性については審議すべきとは思いますが、この発表では東京首
 都圏でも相当量のプルトニウム、ストロンチウムが確認できたと報告しています。

  当然ですが、がれきにも汚染は及んでいると考えなければなりません。
  文部科学省、テルル129mの土壌マップでは福島県を含め宮城県に及んでテルルの
 汚染は広がっています。
  先に述べたセシウムの管理よりもはるかに厳格に管理すべきものです。
  上述の核種は関西圏には及んでいません。

  プルトニウムは経口摂取の場合、不溶解性のため消化管からの吸収は非常に少なく、
 ほとんどが排泄されます。
  しかし、吸入摂取された場合には、長時間肺にとどまり、その微粒子がリンパ節や血
 管に移行し、最終的には骨や肝臓などに数十年間沈着するため、肺がんや骨がん、肝臓
 がん、白血病などの要因となります。また分子量はタバコの煙よりも軽く、粉塵として
 容易に吸入されると考えねばなりません。

  ストロンチウムはβ 線を放出し、カルシウムと極めて類似するために、骨代謝によ
 って骨に沈着して何十年と長期に渡って内部被曝を引き起こすと言われています。
  いったん骨に沈着したストロンチウムはなかなか排泄されず、除去することは非常に
 難しいとされています。(放射線医学総合研究所・人体内放射能の除去技術より)

  テルル129mはかなり問題があります。
  テルル129mはβ 崩壊後に放射性ヨウ素129に変わります。この半減期は驚く
 べきことに1600万年です。
  放射性ヨウ素の一番の問題は小児を中心とした甲状腺癌の発生です。
  そのテルルが放出された量は3300兆ベクレルでセシウム137の5分の1に達す
 る莫大な量です。
                       (続く)
引用なし
<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 8.0; Windows NT 5.1; Trident/4.0; GTB7.2; .NET C...@i222-150-200-200.s04.a027.ap.plala.or.jp>

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