画一判断のために有権者に

  投票整理券が配達されない場合の問題

(03/11/07書き込みより)

 今回の選挙は国会選挙だから日本国中どこに引っ越ししても投票権はあるので問題ないが、以下に言うのは市議選とか市長選とかの自治体選挙の場合のこと。


 近所の住民から、「入院のため、自宅あて郵便物を病院に転送してもらうよう手続を取って転送してもらっていたところ、4月の市議選の時に投票整理券が送られてこなかった。選挙には必ず行ってきたが今回投票整理券がないので困ったと思ったが、運転免許を身分証として持って行って投票をしてきた。役所や郵便局に聞いたら『市外への転送手続が出ているものは転送せずに役所に送り返している。そういう決まりになっている』と言われたが納得できない」、という話を聞きました。

 確かにおかしいことなので、市の選管に聞いたところ、

1;投票整理券は世帯ごとに送っている。世帯の一部の人だけが転送手続を取っている
  場合でも個々人あての転送はできない。

2;市議選・市長選の場合、転送先が門真市外の世帯には転送せずに選管に送り返して
  もらっている。

3;返送された整理券は住所ごとに各投票所に置くので、整理券が配達されなかった人
  が来たらそれで対応できるから問題ない。

ということでしたが、これにはいくつか問題があります。

A;市外の一般住居ならいざ知らず、転送先が病院などの施設になっている場合でも一
  律に「市外への転送は選挙権を失っているものと見て投票整理券を送らない」という
  のは特定有権者だけに選挙の通知をしないことであってとんでもない。「常識で考え
  たら分かるやろう」と言いたくなる。
    こういう不通知は特定有権者への不利益であるだけでなく、選管の啓発と投票率
  アップの責務に反した行為である。

B;世帯主が入院などのために「自分個人宛の郵便物は病院に転送してもらう」ために
  郵便局に転送手続をしている場合でも、投票整理券送付の場合、その世帯主個人
  の転送先が門真市外であれば、家族丸ごと投票整理券が「転送配達せず」とされて
  選管に返送されて当人一家全員に届かないことになる。
    単身世帯の場合ももちろん届かない。

C;これは「入院中の人は病院でも投票ができます」というのとは全然別の問題である。
  それらの人達(市外への転送手続をした世帯主以外)は、自宅に投票整理券が届い
  て家族から知らされているのだから。

D;「返送された整理券は投票所に置くから問題ない」という選管の感覚自体が、全有権
  者にキチンと選挙を通知するべき責務への自覚が足りないし、有権者が投票整理券に
  対して抱いている重み感覚(それは選管が啓発し続けた結果でもある)と「投票所で
  あれこれ言われたくない」という感覚への無理解である。

 以上のようなことを選管に指摘し、「せめて転送先が病院等の場合は市外であっても転送するように郵便局に求めるべきだ」と提言しました。選管としては今後検討してみるとのことでした。
 もともと、選挙整理券は個々人に対して発行すべきものなのに、世帯主への一括配送(あの住基ネット番号通知と同じ!)となっていることが選挙権本来の趣旨からすれば問題なのですが、個々人への送付となると経費と手間が今の数倍になってしまうのも悩ましいところです。