■朝鮮中級学校生徒の作文1

中3女子:

 チョゴリを着れなくなってもう二週間以上過ぎた。今ではジャージを着て授業を受けるのがあたりまえのように感じられる。
 在日朝鮮学生に対する嫌がらせや暴言、暴行などが起きていると先生から告げられて女子生徒はチョゴリを脱がざるをえなくなり登下校も集団でするようになった。
 最初は少し大げさだなと思っていた。
 でも、新聞の記事を読んでびっくりした。 「全国」の朝鮮学校でそんな事態が二百件以上も起きているという記事だった。
 私は悲しくなった。

 「拉致問題」の事実が明らかになって、正直、ショックを受けたのは私達在日同胞も同じである。でもショックを受けた反面、ピョンヤン宣言に対する期待も大きい。だって長い間、閉ざされていた朝日間の中がぐんと近づき、これからいろんな交流など深めていけるだろうし、私達在日朝鮮学生や在日同胞などの生活も良い方向へと変わっていくだろうから。なのに、どうして学校にチョゴリではなくジャージを着て行かなければならないのか。
 とても悲しい。

 私は、電車通学をしている。毎日一人で電車に乗るので、帰りが遅くなったりしたときは注意したり、ジャージに刺繍してある名前を隠したりしているが、そんなことはしたくない。チョゴリを着て学校に行きたい。
 私達朝鮮学校のこととかよく知らない人がたくさんいるけれど、一度、私達の学校に来てみればいい。「百聞は一見にしかず」というように私たちがチョゴリを着て母国語を習い、民族楽器や民族舞踊、歌などを習う姿をぜひ一目見てほしい。


■朝鮮中級学校生徒の作文1

中1女子:

 先日、日朝会談が行なわれました。
 拉致問題が深刻になってる一方で、私達在日朝鮮人に対する嫌がらせは絶えません。
 学校では、それを少しでも阻止しようといろんな対策を立てました。
 チョゴリでかよう女子生徒は体操着での登校となり、下校は地域別に五十人くら いの人放で集団下校しました。
 私は最初、事の重さをよく理解していませんでした。そんなある日、私はどう して力も無い学生に嫌がらせをするのかとても理解できなかったのです。

 ある日のことでした。
 その日は、学級委員会があったので集団下校ができず一人で帰ることになりま した。
 まだ空も明るかったし不安もありましたが、いつものように自転車で家に向かいました。
 その途中、信号を待っていました。
 そした後ろから何か投げてきたと感じた私はふと後ろを振り向きました。すると中学生ぐらいの二人の人が、私にめがけて石を投げてきたのでした。
 私はその時びっくりしました。
 これは夢じゃない、本当に私がやられていると気づきました。
 私は怖くなり急いで家に向かいました。
 その時、こんな言葉が聞こえてきました。
 「朝鮮人、帰れ!出て行け !」 この言葉を聞いた私は傷つきました。
 どうして何もしてない私たちに、どうしてそんなことをするのかわかりません。
 とにかく悔しくて悔しくて・・・。
 私はその人達が許せません。本当に腹が立ちます。しかし、拉致をした朝鮮人も悪いです。でもそれを理由としても罪もない私たちに嫌がらせをしたりすることは間違っていると思います。

 日本の皆さんはどう思いますか?
 この拉致問題に対してどう思いますか?
 私たちは今、制服であるチマチョゴリも着れません。とても悲しいことです。早く着たいです。お婆さんたちが守ってきた民族衣装のチマチョゴリを・・・一日も早く平和なときが来ることを待ち望んでいます。