7/5 大阪日日新聞;

■ストップ民族暴力 朝鮮学校生に相次ぐ被害

 北朝鮮による拉致事件が明らかになって以降続いている、朝鮮学校に通う子どもたちへの嫌がらせや暴力を阻止しようと、大阪府内の市民らが四日、「ストップ!子ども達への民族暴力。行動する日本人−大阪」(代表・戸田久和門真市議)を設立した。

 同会は、地方議員や市民団体の関係者ら五十人が結成の準備を進めてきた。計画によると、地域ごとに八つのグループを作り、世話人と連絡先を公開。子どもたちを激励したり、相談を受けたりするほか、民族学校の保護者、学校関係者と交流し、「顔の見える関係」を構築する。

 また、子どもたちへの嫌がらせは許されない犯罪であることや、そうした行為を目撃すれば民間人でも取り押さえられることを啓発する。

 大阪市生野区の東大阪朝鮮中級学校では、北朝鮮が拉致を認めた昨年九月から今年五月までに、女子生徒の52.3%に当たる百十四人が暴言を浴びせられたり、物を投げられたりする被害に遭った。加害者は十代とみられる年齢層が76.3%を占め、四十代が中心だった過去の事例とは大きく異なっている。男子は12%に当たる二十六人が被害を受けた。

 戸田代表は「過去の朝鮮学校に通う子どもたちに対する嫌がらせは一カ月程度で収まっていたが、今回は依然として続いている。社会の目が犯罪として厳しく見れば、嫌がらせは大きく減る」と話している。