門企情報第73号
平成17年5月6日

門真市市議会議員  
  戸田 ひさよし様

情報政策課
 課長 東田 保夫

2005年4月27日付質問について(回答)

 2005年4月27日付、市当局・情報政策課長への緊急質問については、下記のとお りです。

質問1項:議会答弁原稿について

  A:一般論として、議会の常任委員会での所管事項質問に対する答弁原稿は「公文書」ではないのか?
  【回答】
  一般論として、答弁原稿は「公文書」に当たらないと考えられる。

 B:もしも「公文書」にあたらないとすれば、その根拠規程はなにか、当たらない理由はなにか、示されたい。
 【回答】
 根拠規程については、条例第2条第2号によれば、「公文書」とは、「実施機関の職 員が職務上作成し、又は取得した文書、図画、写真、フイルム及び電磁的記録であっ て、当該実施機関の職員が組織的に用いるものとして、実施機関が保有しているもの」 であり、この規定により条例に基づく公開請求の対象となる範囲が明らかになっている。
 一般論として「公文書」にあたらない理由は、答弁原稿の性質は、議会の委員会に おける質問に対し、答弁者が口答で回答する際の個人的な備忘録であって、以下の理由により、組織で共用する文書ではないと思われる。  
  @議会の答弁は口頭でおこなうものであり、必ずしも、文書を作成する必要はないものである。  
  Aたとえ、答弁者が答弁原稿を用意することがあっても、口頭での回答を手助けする個人の備忘録に過ぎない。
  B答弁原稿は、委員会でそのとおりに読み上げるわけではなく、修正して回答することも、あるいは全く異なることを回答する場合もあるので、内容が確定しているとはいえない。  
  Cこのような答弁原稿は、通常、業務上必要なものとして利用・保存されている状態にある「組織としての共用文書」とは考えにくい。

C:「答弁原稿」が「職務として作成され」、「当該機関の意志や公的見解を示すもの」 であることは自明であり、その原稿を内部で供覧したかしないか、それについて職員がどう言っているかは関係ないことであるはずだが、どうか。
【回答】
  上記回答のとおり、一般論として「組織としての共用文事」とは考えにくいものの、答弁者の所属部署において、答弁内容に関する記録を組織として利用、保存している事実があれば公文書となる。
 しかし、議会の常任委員会における担当職員の答弁内容については、議会事務局 において、答弁の記録を作成及び保存することとなっており、記録を組織として利用、保存する場合には、公式に答弁を行った議会事務局作成の記録の写しを用いるのが 一般的である。文書管理に係る規程からも予想答弁原稿を保存管理することは要求されていないと解釈される。

質問2項:職務上の聞き取り調査記録について

 A:職務上行なった「聞き取り調査」(事情聴取)の記録は、「公文書」ではないのか?
  【回答】
  一般論として、職務上行なった「聞き取り調査」(事情聴取)の記録は、「公文書」であると考えられる。

  B:聞き取り調査の記録が「公文書ではない」場合とはどういう場合か?
  【回答】
  公務として聞き取り調査はおこなったものの、特に記録に残すほどの事案ではなく、 口頭での報告などで処理された場合などが想定される。

  C:議員から抗議と要求が出され、大阪府からも調査指示がなされた事案での聞き取 り調査の結果について「公文書としての記録を残さない」ことが、公務員の職務として許されることか?一般論として答えられよ。
  【回答】
  一般論として、個人の記憶や口頭により事務処理をすることは、意思や情報の伝達に正確性を欠き、また人の交替によって処理の経過も不明確になり、統一的な組織活動が阻害されることになる。したがって、市の事務処理は、文書によることが最も適切であるといえる。
 そのため、重要な案件に関する聞き取り調査の結果については「公文書としての記 録を残さない」で処理されるべきではないと思われる。

質問3項:文書を誠実に探さない場合の当該機関職員責任につい

 A:常識的に考えて当然存在するはずの文書で、しかも開示請求者から強く指摘を受 けてもなお、当然行なう関係者への再調査や再捜索もせずに「不存在だった」、「既に廃棄されている」などと称して、現に存在する文書を探し出さないのは、職務の「懈怠」ではないか?また情報公開条例違反ではないか? 一般論として答えられよ。
 【回答】 
  条例第1条によれば、「市民が市の保有する公文書の開示を請求する権利を保障することにより、市民の市政への参加と開かれた市政の一層の推進を図り、もっ て市の諸活動を市民に説明する責務が全うされるようにし、地方自治の本旨に即 した市政の発展に寄与すること」が条例の目的とされている。 「公文書開示を請求する権利」とは、市民が知りたいと思う公文書を、いつでも知ることができる権利を市民に付与することであり、同時に市に対しては、市民 の請求に応じて公文書の開示を義務付けることである。 公文書の開示が義務付けられているため、開示請求には慎重かつ誠実に対応する 必要がある。 一般論として、職員個人の段階のものでなく、組織としての共用文書の実質を備えた状態の公文書については、文書ファイルに存在するか否かにかかわらずに、その存在 を十分に検索する必要があると思われる。
 また、公文書の管理については、文書管理事務に関する諸規定にのっとり、適正に実施されなければならない。