〜2回目の懲罰動議に対する 「戸田の弁明」〜 2001年3月26日 本会議

 議場の外で鳥谷議員の「ご高説」をうかがっておりました。その原稿が手元になく、 メモによるものでありますけども大意は理解しているつもりであります。私は、秋田県からこちらに来まして、秋田の言葉で、まあ秋田の郷里の人たちが見たら、「なんとはんかくさいことしてる人だべ。しょしぐねべが」と嘆くことだと思います。今の懲罰動議に対して「弁明」をします。「弁明」というのは「弁じて明らかにする」こういう意味で考えます。

 さて、懲罰という手続きにおいては、「悪いことをしたものを懲らしめる」と、こういう本来の意味です。議会における懲罰とは、例えば、汚職でつかまったとか、議会の外で逮捕されて起訴されたとか、 あるいは議場の中で暴れて人を殴ったとか、そういうふうな、誰が見てもわかる、事実においては争いがないようなもの、について特に慎重にこれを懲罰する、従って、事実調べ、あるいは弁護人を立てたり、本人がきちっと反論したり、という機会がほとんど保障されておらない。また本人の反論についても「一身上の弁明」という言い方でのみ行われています。

 普通の意味で「弁明」というのは、「悪い事をした」ということを認めたうえで、その事情について「情状酌量をお願いする」というのが「弁明」という普通の意味ですけれども、しかしながら門真市議会のように、何ら悪い事もしていない正当な議員活動している者に、全くの誹謗中傷の攻撃をかけ、まさに冤罪的な攻撃をかけられた場合、極めて、現在の懲罰の制度について、不合理であると言わなければなりません。まさに、「被告人抜き、弁護人抜き、事実調べなし」、「独裁国家の人事法廷よりさらに悪い」、こういう状況にある、ということを、遺憾に思うことをふまえながら、私の「弁明」、「弁じて明らかにする」ということをしておきたい。

 鳥谷議員の言われていること、およそこの日本において、誰かを罪である、誰かを非難し、何らかの処分を加える、という場合において、これを告発する側がその事実を証明する、突きつける、これが義務であります。そしてその行為に対して、思想ではなくて行為に対して処分を下す、罪刑法定主義と、これは社会の常識です。ただ今言われた鳥谷議員の懲罰において、具体的事実が何かあったでしょうか?

 この議会において、あの助役の税金怠納事件で何らの審議も何もしなかった公明党はじめ23人4会派のみなさん、日頃は「財政難」を言って、いろんな請願をはねつけておきながら、自分たちの報酬値上げについては何の質疑も賛成討論も一切せず、ダンマリして通してしまった4会派のみなさん、昨年また「カバン持ち込み禁止」などという誰が見ても恥ずかしくて、門真市民としておもてを歩けないようなことを 決定されたみなさん、こういうことこそが「議会の権威を失墜させている」と言うのであります。私の行なってきたことは、あなたがたの「議会の権威の失墜」、「民主主義の破壊行為」に対する正当な抵抗に他なりません。

 懲罰のことについて、今ひとつ言っておきますけれども、選挙で選ばれた議員に対して、これは様々な議案審議をし、行政のチェックをしてくれ、ということで、市民の付託を受けて参加しているわけです。しかしながら、どの議員であっても「私は議会へ行ったら新人の生意気な議員がおったら懲罰しまっせ」と、こういうことをかかげて当選した人は誰もいません。白紙委任を受けているわけではないのです。議会制民主主義の中でキチッとした良識にもとづいて行動しなければならない。しかるに、今の鳥谷議員らの言っていることは、まさに選挙で選ばれた議員に対して、この議会の中での多数であることをよいことに、様々なことにイチャモンをつけ、しかも人を「誹謗中傷」と言っておきながら、どの事実がどう誹謗中傷なのか、具体的な事は何ら上げずに、単なる決めつけだけで、私を攻撃する、これこそ「誹謗中傷」でなくて何でありましょうか?まず言うんだったら、事実をあげてみて下さい。

 例えば、他の市であれば電話一本で教えてくれるような、「来年(度)の4月に保育園の入園予定者は何人ですか?」そういうことすら、ずっと隠しておること、このことを議員としてどう思われますか? まさに門真市において、議会の議員に対する侮蔑であると思いますが、こういう問題を何ら正すことなく、逆にこの問題を指摘した側を、しかも具体的事実を上げることなく、「誹謗中傷」と決めつける。全く逆転しておると言わなければなりません。

 今の「議会制民主主義」ウンヌンのことで言いますと、全くの取り違いである。あなたがたが今まで行ったことこそが「議会の信用を失墜させ」、市民の参政権を踏みにじり、たまたま議会で多数であることを良いことに、特定の議員の口封じ、議会からの追放を図る、こういう悪らつ極まりない策謀であり、議会制民主主義を破壊するものであります。私は「悪い事」をしていないことを、「自分が悪い」という立場に立ってモノが言いようがありません。「1から10まで不当なことである」、これはあくまでも真実であります。そうでないとするならば、具体的事実を上げて、例えば役所のくだんの部長、課長が行なったことについて、あなた方はどう思うのか、これを「職務怠慢」と言わずしてどうなのか?少なくとも「私はそういう意見を持つ」ということを、なぜこれを「誹謗中傷」であるとして、議会言論を封ずるのか。このことをまずキチンと言っていただかなければなりません。

 まあ、こういうことを言いまして、私の、「弁じて明らかにする」と言う意味におきましては、あっ、最後にもう一つ。例えば、国会においても、いろんな意味で良くも悪くも「予算審議があるのに混乱をさせるのはどうか」ということがよく言われますが、まさに、今、この門真市において、1年を決する予算ふくめて様々な重要な案件が審議されて、その最終日にあたって、その直前、朝になって、突然このような懲罰動議を持ち出してくる。これはまさに戸田攻撃のためにするものであり、議会の審議をオモチャにしてる、私物化してるものとして、きびしく批判しなければなりません。自らの党派的な思わくによって、特定の議員の口を封じ、審議からハミ出してしまう、そういうやり方をいつまでも続けることは、まさに議会に対する市民の不信をかき立てるものでしかありません。そしてそのことはやがてみなさんの所に、キチッと市民の批判としてふりかかってくるでしょう。

 そのことを訴えて、私の「弁じて明らかにする」弁明を終わります。みなさんのキチッとした対応、歴史に残っていきますからキチッと考えておこなって下さい。以上です。