■結論「市町村への提言と県の役割」全文
「長野県本人確認情報保護審議会報告」の「5.結論−市町村への提言と県の役割」全文を以下に紹介します。(読みやすいように一部改行)
なお、この審議会の「議事録」は以下の部分に掲載されています。相当突っ込んだ話が成されていて興味深いものであり、同時に大変勉強になります。併せてご覧下さい。http://www.pref.nagano.jp/soumu/shichoson/jyukisys/singikai/gijiroku6.pdf
5.結論−市町村への提言と県の役割− (担当:不破委員)
本審議会は,長野県(以下「県」という.)における本人確認情報の保護について審議を行うものである.
住民基本台帳ネットワークシステムの構造上,県のサーバーは県庁建物内及び県出張所等建物内だけで独立完結しておらず,県内すべての市町村に接続している.
そのような関係から,県として県民の本人確認情報の保護を実効的に行うには,県の住基ネット管理の実情調査を行うだけでは不十分であり,県のサーバーと接続している県内の全市町村における住基ネット管理の実情を調査する必要があった.
これまで行ってきた県内市町村アンケート調査や市町村現地調査などの結果については,本報告書ですでに述べた通りである.上記調査の結果,現段階における長野県内の市町村の住基ネット管理の実情は,個人情報保護が十分になされる体制になっておらず,かつ,これを直ちに解決することが極めて困難であることが明らかとなった.
本審議会では今後も,更に詳細な調査を行う予定であるが,現段階における長野県内の市町村の住基ネット管理の実情の深刻さと緊急性に鑑みたとき,現時点で報告できる事項について報告することが本審議会の責務であるということを確認し,県が速やかに行うべき「必要な措置」として下記の結論を報告することにした.(1)県は,県民の個人情報保護の観点から,当面,住基ネットから離脱すべきである.
(2)県は,市町村が独自の判断で緊急の「必要な措置」として住基ネットから離脱しようとする場合には,これに協力すべきである.
(3)県は,(1)の実行に先立って,県内市町村長及び各市町村の住基ネット担当職員と,本審議会で調査した県内の住基ネットの実情について意見交換の機会を設け,実情に関する理解を共通にする努力をすべきである.
(4)県は,(1)の実行に先立って,県民に対して本審議会で調査した県内の住基ネットの実情を知らせる機会を設け,県内の住基ネットの実情に関する理解を共通にするよう努力すべきである.
(5)県は,上記(1)乃至(4)と並行して,他の都道府県に対して,長野県内の住基ネットの運用の実情を説明して,住基ネットの問題点について共通理解を広め,他の都道府県とともに国に対して,住民基本台帳法の改正を含めて,今後の住基ネットの運用について根本的な見直しをするよう働きかけるべきである.
(以上)