■「住基ネットはいらないねっと!枚方」の松田さんの報告


《 「住基ネット」はいらないねっと!枚方 》 松田です。

 本日8/15、枚方市役所に行ってきました。市民課長と情報推進課長(兼IT推進課)に会って話を聞いてきました。 市民課長は異動で新課長になっていました。
 とりあえず、朝日と毎日の新聞を見せながら、いくつかの質問をしてきました。22日の大阪府との交渉も踏まえて、後日、質問と申し入れを行いたいと思います。
 以下、わかって事柄について簡単に報告します。
 質問に対する返答に対して、こちらから「住基ネット」の問題点についてあるていど言及しましたが、例によって、「のれんに腕押し」状態です。

【予備知識】

 枚方では昨年2月より、「市民ICカード」というものを発行して、市内に3カ所ある自動交付機より住民票の自動交付を受けることができます。
 同様のICカードは、羽曳野市、池田市にもあります。
 これは大阪電子自治体推進協議会なるICカードの普及をはかるための研究・推進協議会があって進めてきたものです。
 いずれ住基カードに吸収統合されて消滅するものと考えられますが、住基カードの利用拡大のための下準備としての役割を果たしてきたと思われます。
 中司宏(なかつかひろし)枚方市長は6月議会の施政方針演説で「電子市役所」を目指すと公言しており、戸籍の電算化もすすめる方針を明らかにしています。
 しかし、その意気込みとは裏腹に、以下のようなお粗末な人為的ミスがありました。今後「住基ネット」の複雑・多岐に渡る用途拡大が進められれば、トラブルと人権侵害は後を断たないだろうと予想されます。
 けれども、そのことを担当課長は認めませんでした。「将来のことはわからない。決まってもいないことについて話はできない」との返答でした。 やれやれ・・・。

(1)新聞記事にもあるように、昨年8月5日以降、43人、184通の自動交付され
 た住民票の、「謄写省略」という文字にぴったり重なって、住基コードが二重印刷さ
 れた。
  この43人、184通というのは、枚方市への転入と市内転居による住所変更の場
 合に限って二重印刷されたもので、それ以外の住民票交付では住基コードは印字され
 ていない。

(2)昨年の8月5日以来、この状態が続いていたが、市民からの指摘や問い合わせも
 なく、まったく気づかなかった。
  これは市内3カ所にある、自動交付機全部が同じ状態にあって、43人、184通
 というのは、それの合計数である。
  先日、8月12日に市役所本館、市民課にある自動交付機がたまたま紙詰まりを起
 こして、情報推進課に連絡。そのときに、交付された住民票を職員が見て、初めてわ
 かった。
  大阪府にも連絡した。

(3)現在、市民課と情報推進課の職員がペアで43人の市民を尋ねて謝罪し、「希望
 があれば、住基コードの変更ができる」ことを説明している。交付された住民票をど
 こに提出したかということも一応尋ねているが、だいたいは公的機関だ。
  二重印刷なので、目視ではほとんどわからないが、住基コードの読みとりは可能と
 の認識で市民に謝罪と説明をしている。

(4)昨日、8月14日、午前9時半より1時間足らずのセキュリティ会議を行った。
 市長、助役も委員なので出席。市民への対策としては、「住基コードの変更ができ
 る」ことの説明のみ。あと、再発防止。チェックしていく体制づくり。

(5)ミスの原因は、(新聞に書かれているような)プログラムミスやプログラム変更
 ミスというよりも、そもそも、昨年8月2日、住基ネット稼働前にプログラムしてテ
 ストをしたのみで、住基ネット稼働後(付番後)にチェックも何もしていなかったと
 いう事情がある。
  住基ネット稼働前のテストでは、「謄写省略」という文字がプログラム通り印字さ
 れたので、安心していた。付番後に転入、市内住所変更した場合の交付を想定してプ
 ログラムしていなかった。仮想テストすべきだったが、その認識が完全に欠落してい
 た。(情報推進課長)
  そのうえ、それについて、1年間気づくこともなく、チェックもしていなかった。
 今後、点検していく。今、点検のリストを作っている。

(6)ちなみに、「枚方市民ICカード」を持っている人は8400人(枚方市の人口
 は40万7745人)で、このカードを使った住民票の自動交付は住民票交付全体か
 ら見た利用率では0.27%だそうです。
 8月15日付「広報ひらかた」では派手に「住基カード」の宣伝をしています。
http://www.city.hirakata.osaka.jp/
(右側のWeb版広報ひらかたをクリック 2面です)

(7)ウィルスについては、枚方市ではインターネットに接続していないので問題ない。
 セキュリティ対策を行うかどうかは検討中だか、行政というのはお金がかかるので、
 それを考えてやっていく。

 要約すれば以上です。こちらから言ったことは・・・

(1)ミスや欠落は誰にでもあることで、それじたいが問題というよりも、それに気づ
 かず、1年間もチェックもせず、市民の個人情報保護という点にまったく意識が行っ
 ておらず、ゆえに、気付きも確認もしないということ。その人権意識と責任の欠落こ
 そが、ほんとうの問題なのである。
  だから、今も問題は解決していない。昨日のセキュリティ会議でそういったことは
 話し合われたのか?(してないそうです)後日、市長に質問状を提出する。

(2)市民に謝罪と説明に行ったときに、住基コードの変更をしても、変更履歴は削除
 されないのだから、何の意味もないということは説明しているのか。
  今日、長野県が離脱ということが報道されているが、「住基ネット」の問題点につ
 いての市の認識を説明しているのか。
  また、市民としての権利について説明しているのか。
  今日、新聞報道された以上、二重印刷の部分に住基コードが記載されているという
 ことが世間に伝わったわけだが、住民票を提出した先で、その人の住基コード情報を
 保有しているということが半永久的に問題として残ることになる。
  住基コードという統一、共通番号にこれから大量の個人情報が集積されていくこと
 になるが、そのことを説明したのか。
  ちょっとした技術的ミスに過ぎないかのような問題のすり替えと事実と異なる説明
 をしてはいけない。

 あと、ほかにもいろいろ言ったのですが、市民課長は新任なので、まだピンと来てない感じでした。情報推進課長はお決まりの「役人答弁」です。

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《 「住基ネット」はいらないねっと!枚方 》
   http://www.kcat.zaq.ne.jp/iranet-hirakata
 松田浩二 kiraku@kcat.zaq.ne.jp
     Fax 020-4665-9697(受信専用)

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(反住基ネット連絡会ホームページ)
   http://www1.jca.apc.org/juki85/index0.html

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