住基ネット;8/13の大阪府の回答


市第1908号
平成15年8月13日
大阪府知事

質問書等に対する大阪府の見解について

反住基ネット関西事務局 御中

 平成15年7月28日付けで本府に提拙のありました質問書並びに申し入れ書に対する見解について、以下のとおりお示しします。

○質問書に対する見解

(1)長野県本人確認情報保護審議会の第1次報告についての見解

  長野県本人確認情報保護審議会では、特に、インターネットへの接続によって生じ
 る外部からの不正侵入・攻撃による住基ネットの本人確認情報の漏えいの危険性など
 を指摘していますが、府内においては、住基ネットの端末からインターネットに接続
 できる市町村はなく、それぞれの市町村において、適切に運用されていると考えます。
  大阪府としましては、今後とも、各市町村においてより一層セキュリティの確保に
 努められるよう要請していきます。

(2)大阪府の人権施策に与える住基ネットの影響についての見解また、府内自治体独
 自の人権施策と住基ネットについての見解

  住基ネットは、住民の大切な個人情報を取扱うことから、個人情報の保護を極めて
 重要な課題ととらえており、これに対応するために、個人情報保護に関する国際基準
 (OECD8原則)を踏まえた、制度面(法令)、技術面の個人情報保護措置を講じてお
 り、さらに、実際の運用において、それらの措置が確実に図られることが重要である
 と考えます。
  大阪府としましては、今後とも各市町村において、住基ネットの適切な運用が図ら
 れるよう要請していきます。

(3)法的な個人情報保護制度が未整備の中で、住基ネットが本格稼動することについ
 ての見解

  住基ネットの運用にあたっては、住民基本台帳法により安全確保措置義務や職員の
 秘密保持義務、住民票コードの告知要求の禁止等の個人情報保護措置が規定されてい
 るところであり、さらに、職員の秘密保持義務違反に対しては、罰則が適用されるな
 ど、厳格な個人情報保護措置がとられています。

○申し入れに対する見解

大阪府総務部市町村課長

1 長野県が行ったように、各自治体の実態をできるだけ正確に把握できるような手法
 で、市町村に対し、早急にアンケート調査を行うこと。

  阪府では、住民基本台帳法の改正に伴う住基ネットの構築の準備作業が始まった
 平成11年以来、市町村連絡会を設置し、府と市町村との連絡や意見交換を密に行って
 いるほか、府内ブロック単位での勉強会にも参加するなど、市町村の実情を十分把握
 するよう努めてきております。今後とも、市町村との意見交換を密接に行っていくこ
 とで、市町村の状況の把握に努めてまいりたいと考えています。

2 大阪府として、住基ネット稼働によって起こりうる人権侵害の可能性について徹底
 的に独自調査を行うこと。

  基ネットの稼働により、住民票コードを含んだ個人情報が流出し、プライバシー
 侵害につながる危険性が指摘されていますが、住基ネットでは、法制面、技術面、運
 用面で住民票コードが流出しないように厳格な措置が講じられているところです。
  大阪府では、住民票コードに関する民間事業者等の利用の防止や啓発等について、
 府独自の措置を図ってきたところであり、今後も引き続き、そうした措置を実施して
 いきます。

3 府民に対し、これらの結果を公表し、多額の税金をこのシステムに投入して住基ネ
 ットを稼働させていることについての説明責任を果たすこと。

  基ネットは、行政手続のオンライン化を進める電子政府・電子自治体の基盤とし
 て欠かすことのできないシステムであるとともに、様々な行政手続において添付が求
 められていた住民票の写しを省略することによる住民負担の軽減にも資するものとし
 て、すでに一部の行政手続において、住民票の写しの添付を省略したり、手続きの見
 直し等が行われています。こうした住基ネットの趣旨について、府民に理解いただく
 よう今後とも広報に努めるとともに、府民からいただいたご意見やご相談に対して、
 十分に説明を尽くして行きたいと考えています。

4 調査結果によって安全性が確保されるまでは、地方自治情報センターに市町村のデ
 ータを送らないなどの措置をとること。

  住民基本台帳法の規定により、市町村長及び都道府県知事には住基ネットを運用す
 る義務があります。また、府が指定情報処理機関に接続しないこととした場合は、法
 律に基づき、住基ネットを使って住民の利便の向上を進めていこうとする市町村の自
 治権を侵害することになるものと考えております。