ゴミ焼却場の労働者ダイオキシン暴露問題の経過

 とりあえず今回のNHK報道に関わる問題の経過をまとめてみました。


1998年(平成10年)
  4月  大阪府「豊能郡美化センター」からの高濃度汚染発覚!!
       大阪府は、府下の「準連続炉」の焼却施設の周辺土壌の調査を指示
  7月  府下4カ所(島本町・岬町・熊取町・忠岡町)の結果が出る。
  9月  「豊能郡美化センター」の汚染の原因判明!=開放型冷却からの飛散。
       労働省、美化センターの全労働者の血中ダイオキシン濃度を調査。
  10月  大阪府、「美化センター」と同型の開放型冷却塔を有する13施設に対して
       冷却水と周辺土壌の調査を指示→門真市環境センターも測定。

1999年(平成11年) 
  2月  門真ほか府下13カ所の結果が出る。
  3月  労働省、美化センター労働者ダイオキシン血中濃度を発表。
       最高800pgの高濃度の実態が明らかになる。
  6月  美化センターの解体工事始まり、翌年3月に終了
       解体工事労働者のダイオキシン血中濃度を解体前後で測定。

2000年(平成12年)
  7月  美化センター解体従事の労働者の高濃度暴露がわかる。
       最高5000pg、再測定で1600pg
      ●労働省、検討委員会作って対策を協議。以後半年間、焼却炉の改修や解
      体が自粛される。
  12月 ●厚労省が全国8カ所のゴミ焼却施設の労働者145名に対し、ダイオキ
       シンの血中濃度も含めた健康調査実施。
      (門真環境センターから20人が調査に応じる。なお大阪労働局の1名も同
       じ健康調査を受け、なぜか環境センター労働者と同じ枠の中でデータ処理
       された。従って門真からは「21人」とされた)

2001年(平成13年)
  1月   労働省、対策まとめて「労働安全法」の政省令を改正―6月施行へ。
  11月  上記の8カ所145名の健康調査の結果を厚労省がHPで発表
       (東京では記者会見も)
      ◆100pg以上の高濃度者6名のうち、最高の132pg含めて5名は門真から。
       (通常人は20〜30pg)

  厚労省の発表では施設名や個人データやその所属は出されていないが、21名調査した「施設F」で最高数値者132.9pgを出し、平均値でも他施設の2倍前後の高い数値52.8を出していることは、突出していた。
 ・・・しかし厚労省は、調査協力した門真市には何ら連絡をしていなかったとのこと

  施設A・・20名 平均17.6 最高 29.9
  施設B・・ 8名 平均19.4 最高 34.7
  施設C・・19名 平均38.8 最高110.2
  施設D・・19名 平均20.3 最高 34.6
  施設E・・20名 平均25.7 最高 56.1
● 施設F・・21名 平均52.8 最高132.9
  施設G・・20名 平均28.8 最高 49.7
  施設H・・18名 平均18.0 最高 41.6
      全国平均 145名 平均28.4 最高132.9

●全国145名のうち、100pg越えていた6名の中の5名は門真市環境センター
  (ただし、うち1名はユニチカ労働者で門真市と島本町の焼却炉で従事)
 最高濃度者も門真市(市職員)
●平均値も他の倍前後ということは、100pg未満だがそれに近い労働者もかなり門真市環境センターの場合存在したということ。
◆100pg以上、と数値をどう見るか。健康に害を及ぼすレベルでは全くないという評価もある。