戸田の7/3消防議会質問と答弁 15/7/20UP

☆戸田質問・答弁の詳細原稿。高度な対処能力、連続放火は過去10年で1回、検挙率等

 本番での質問・答弁の原稿を紹介する。ほぼこの通りにしゃべっているが、戸田の方ではこの原稿にないアドリブ発言も若干ある。

 この「本番原稿」は、戸田からの最初の「質問準備メモ」〜それに対する消防の回答〜その当初回答に対する戸田の突っ込み(もっと詳しい回答の要求等)を2回ほど経て出来上がったものである。
 こういう協議過程を経て、事実や課題がより深く明らかになってく。
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 戸田:6月29日(月)未明の、守口市と門真市にかけての連続5件の放火事件について聞いていく。
 
Q1:6月29日(月)未明に、守口市と門真市にかけて連続5件もの放火事件があった。
   発生順に、守口市の八雲町、向日町、門真市の殿島町、本町で2件であり、殿島町の現場はこの消防本部のすぐ裏手という、極めて悪質な事件だ。
   放火現場それぞれについて、
  1)住所と現場の様子(マンション裏とか、密集住宅街とか、いろいろ)
  2)発見通報の時刻と消防の到着時刻や所要時間、および離脱時刻
  3)被害状況と消防の出動した車両や人数、消火状況(鎮火に要した時間など)

  などの諸点を回答されたい。

A1:
 (1)守口市八雲西町3丁目1番 阪神高速高架下の火災につきましては、3時07分に通行人から「高架下の公園でダンボールが燃えています。」
  との通報があり、守口本署と消防本部から消防車両2台、8人が出場し、3時11分に現場到着しており、所要時間は4分です。

 現場到着後、消防車両1台で消火活動し、3時15分鎮火し、3時29分に引き揚げております。
 焼損状況につきましては、高架下の排水管が若干焼損したものです。

 (2)守口市日向町3番6号の5階建マンションの火災につきましては、
  3時25分に警察から「1階駐車場でブルーシートが燃えています。付近住人が消火中です。」との通報があり、守口本署等から消防車両2台、8人が出場し、
  3時30分に現場到着し、所要時間は5分です。

   現場到着時、既に初期消火者により消火されておりましたので、調査活動のみ実施し、3時50分に引き揚げております。
   焼損状況につきましては、新聞紙、壁等が若干焼損したものです。

 (3)門真市殿島町8番1号の9階建マンションの火災につきましては、
   3時55分に付近居住者から「自転車置き場で自転車が燃えている。」との通報があり、
   各署所から消防車両11台、39人が出場し、3時58分に現場到着し、所要時間は3分です。

   現場到着後、消防車両1台で消火活動し、4時02分に鎮火しており、
  最後の車両が5時18分に引き揚げております。
   焼損状況につきましては、自転車8台、原動付自転車2台、天井等が若干焼損したものです。
   直接の火種は不明です。

 (4)門真市本町43番14号の11階建マンションの火災につきましては、
   4時04分に通行人から「マンションのゴミ集積場でゴミが燃えています。」との通報があり、
   守口本署等から消防車両2台、8人が出場し、4時10分に現場到着し、所要時間は6分です。

   現場到着後、消防車両1台で消火し、4時16分に鎮火しており、4時46分に引き揚げております。
   焼損状況につきましては、ゴミ集積場のブロック塀等が焼損したものです。
  
 (5)門真市本町25番15号の3階建アパートの火災につきましては、
   4時42分に付近の人から「アパート前の手押し車の中の座布団が燃えました。
  新聞屋さんが消火済みです。」との通報があり、門真本署等から消防車両2台、9人が出場し、4時46分に現場到着しており、所要時間は4分です。

   現場到着後、消防車両1台で消火し、4時55分に鎮火し、5時24分に引き揚げております。
   焼損状況につきましては、座布団が若干焼損したものです。

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Q2:それほど立て続けに火災通報があると、それぞれに対応して次々に出動させるのは大変だったのではないか? 混乱や困難はなかったか?
   約1時間半の間に次々5件も入ってくる火災通報をどのように捌いていったのか?
   システム的な面も含めて回答されたい。 
 

A2:火災通報の対応につきましては、高機能消防指令センターシステム導入により、複数事案にも対応可能であります。
   自動隊編成機能により、災害の種類や規模に応じて自動的に出場隊を編成するとともに、GPS機能により、災害地点から直近の出場隊を編成し、
   地図上で車両位置情報を把握することができます。
   今回の件につきましては、特に混乱するようなことはありませんでした。


Q2−2:次々に入る「火災発生の通報」を受けて車両と人員を出動させていったわけだが、車両や人員が足りなくなるとかいう事はなかったか?
     もしも「7件連続発生」とか「10件連続発生」とかだった場合は車両や人員が足りなくなるとかいう事があり得たか?
     各現場で短時間で鎮火させれば、消防署にいったん戻らずともすぐに別の現場に直行させるから大丈夫ということか?

A2−2:今回の連続火災では、5件のうち4件は消防隊を1台出場させる限定的な出場であったため、車両や人員が不足することはございませんでした。
     消防隊が不足する場合は、非常召集によって特設隊を編成し、対処する計画であります。
     これを上回る消防隊が必要となった場合は、近隣市町村との消防相互応援協定や大阪府下広域消防相互応援協定によって、
    応援を要請する計画になっております。
     消防隊の活動が完了し、転進可能となった時点で、出場先から別現場に出場させることもございます。

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Q3:犯人らしき者についての情報は、どのようなものがあるか?
  また、この事件後の放火パトロールや市民啓発はどのように行なわれているか?警察との連携はどのように行なわれているか?
 

A3:犯人らしき者についての情報は、新聞各社によりますと、
     黒いキャップ帽をかぶった黒っぽい服装に、迷彩柄のズボンをはいた不審な男が、
    自転車を押しながらうろついている姿をマンションの防犯カメラが映しており、門真警察で関連を調べていると報道されております。
  
   守口、門真両署管内においては、発生当日より夜間に巡回警戒を継続して実施しております。
   広報については、消防組合のホームページに「放火による火災にご注意ください」
  との注意喚起を掲載し、両構成市ホームページにも同内容の注意喚起を掲載していただいております。
   また、FMハナコの定時放送及び定時以外で1日2回の放火による火災の注意喚起を実施しております。
   また、警察とは火災原因調査について連携しております。

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Q4:守門消防管内で、「連続放火事件」はあまり起こっていないように思うが、過去20年くらいの間においてはどうか?
   特に「約1時間半で5件もの放火」という例は今まで無かったように思うが、どうか?

   ここ10年間のデータでいいが、「放火と認定される事件」というのは、年に何件くらい起こっているものなのか?
   またその「犯人検挙率」はどれくらいか?
    (「だいたい80%」とか「だいたい30%」とか)
   犯人検挙があれば、必ず消防に連絡があって捜査や裁判に関係を持つと思うが、どうか?

A4:過去20年における連続で発生した不審火につきましては9回でございます。
   このうち短時間で発生したものは7回であります。
   ここ10年間で放火と断定されたものは1回であり、この犯人が検挙されたと聞いております。

Q4−2:「ここ10年間で放火と断定されたものは1回だけ、犯人は検挙された」とのことで、「検挙率100%」になるが、
    「ここ10年間」のデータでよいが、「発生当初は『不審火』と分類されたが、後に『放火』と認定された事例」はあるか?

     それとも「発生当初に『不審火』と分類されたものはずっと『不審火』のまま」で、つまり「火災発生原因が不明」のままで現在に至っているのか?

A4−2:過去10年に該当事案はございません。
     火災発生当初は不明又は調査中であり、継続して原因究明を行った結果、最終的には放火や放火の疑いなどの判定をいたしております。

     放火全体では、過去10年の放火件数のうち、最大が平成21年の45件、最小が平成23年の14件、
    平均が約25件となっておりますが、ほとんどは小規模な火災でございます。

     検挙実態につきましては、警察から連絡はございませんので把握できませんが、
    犯罪白書によりますと、全国における平成25年の検挙率は約70%となっております。

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<原稿に無い発言>(戸田の記憶による概要紹介)

Q4−3:放火の犯人が検挙されても、それについて警察からの連絡は無いという事ですか?
     また、私はてっきり放火の現場調査においては警察と消防が共同してやって、
    それぞれに報告書を作るとしても、「火災のプロ」たる消防の報告書は警察にも提出されるのだろうと思っていましたが、そういう事もないというわけですか?

    
A4−3:犯人検挙について、警察からの特段の連絡はありません。
     消防が作った報告書が警察に提出される事もありません。

戸田の要望発言:

  一般に、「犯罪検挙率の公表」は犯罪の抑止に効果があると思いますが、放火事件については、
  「全国的な検挙率は約70%」という事は公表されているけれども、守門消防の管内での検挙率は公表されていない。
  「過去10年間での連続放火の検挙率は100%である」事は分かっていますが。

  えてして警察は事件ごとの検挙状況を公表したがらない。
  しかしそれでは、守門消防管内で放火事件の検挙率がどうなっているのか、消防当局ですら分からないという事になり、
  放火の抑制や市民啓発のためにも極めて不適切だと思う。 

  消防当局はぜひ、警察に対して放火事件の検挙状況について回答してくれるよう、求めていって欲しい。
  それを要望として述べて、私の質問を終わります。

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※「放火事件の検挙実態の警察への問い合わせ」については、「問い合わせすべきと思うが、どうか?」、という「質問」の形式にしようと思ったが、
  答弁作成担当者が「警察に○○について回答してくれ、問い合わせするなんて、とても出来ない」、
   「そういう質問には否定的回答をするしかなくて、とてもつらい」、
 
 というような感触を示すので、戸田としては「とりあえず今回は『要望』という形に留めておこう」、と「譲歩」しました。

 「森山さん事件」にしろ、放火事件にしろ、警察という組織は「事業の達成状況の公表を平気で拒む」という、
  非常に特異て不適切な体質を持っている事が浮かび上がってきました。
  「犯罪の検挙」は「警察の重要な事業」なのですが・・・・・。