<項目2:民生委員を苦労させた犬屋敷問題について >
「門真市民生児童委員協議会」発行の機関誌<民児協だより「かどま」>という冊子がありまして、発行の都度、
議員にも配布されるので、私はかねがね興味深く読んできました。
民生児童委員の人達の活動や苦労の様子がいろいろ書かれていて、勉強になるし、考えさせられる事も多いのですが、今年「10月号」での「活動事例報告」の古川橋地区担当の方の<30匹の犬>という報告には非常に驚き、
これほどのご苦労を、これほど長期に渡ってさせてしまっていたのか、と大変申し訳ない気持ちになりました。
それは、「8年間にもわたる30匹もの犬との苦悩」の物語で、
・B老婦人が飼う大型犬を含む30匹の犬が、朝4時頃に一斉に放され、吠えながら四方八方にオシッコや糞をして走り回り、近くの公園は、犬の糞だらけ。
・帰ってこない犬の名前を1匹ずつ大声で呼ぶBさんの声が早朝から響き渡る。
・Bさんの家の中は犬の排泄物でひどい悪臭で、畳がジュクジュク、その中でBさんは犬と一緒に丸まって寝ている。近隣は犬の餌に湧く害虫被害も受ける。
・予防接種もしてない大型犬が幼稚園児を噛む事件も起こる。
・犬たちの脱走も度々起こり、その度に警察が出動。
・あまりの酷さに「被害者の会」まで結成され、自治会会長・市役所職員・民生委員と共に大阪府庁に相談に行ったり、署名運動も行なった。
・市が何度指導しても、Bさんはガンとして犬を手放そうとしない。
・このまま被害を我慢するしかないのかと考える毎日が続いたが、ある日突然、Bさんが引っ越しをして、問題が解消した。
という、壮絶な話でした。
それで、今後はこのような長期のご苦労をかけないようにするために、今回、一般質問に取り上げる次第です。
では聞いていきます。
Q1:「民生委員さんの報告文書」を読んで、市に事実経過のとりまとめを依頼したが、その結果を詳しく回答されたい。
Bさん転出のいきさつについては、家主の破格の配慮によって引っ越し実現したようだが、{民生委員さんの報告}での記述と「市の11/12メール説明」とでは、内容が少し違っている。
実際にはどうだったのか?
Q2:「犬屋敷問題」「ゴミ屋敷問題」では、「迷惑変人扱いするばかりでは解決しない」、「当人の精神的ケアをしながら対処する事が必要」という事が、各地の行政で認識されてきているが、本件では、市はそういう方面に疎い「環境対策課」にのみ責任を負わせてしまったように思えてならない。
精神医療に関係する健康福祉部・保護課は、ある時点からの「生活保護廃止」で無関係となったようだし、
保護を受けている間でも、精神医療的ケアは全くされていなかったようだ。
私に対する「市の12/11回答」では、「精神医療的ケアについては、度々の面談の際においてて、不審不明な言動や行動がなかった・・」と書いているが、
1)Bさんの犬への異様な執着や他人への迷惑の無視、犬の糞尿まみれの部屋での居住、等々を見れば、「精神医療的に問題は無かった」とは言えないではないか?
2)そもそも、環境対策課は「精神医療的な対策」を全く取らなかった、と私に説明しているが、専門家への相談等、何か対策を取ったのか?
Q3:「幼稚園児への噛みつき事件」が起こっ事たのはいつか? 裁判も起こされたようだが、どうなったのか?
本来は、少なくとも「幼稚園児への噛みつき事件」が起こった時点で、強硬な対策を取るべきだったと思うが、どうか?
Q4:犬屋敷問題で、
「民生児童委員の方々にこれほど長い年月に渡って苦労をかけたこと」も、
「近隣住民が『被害者の会』まで作って立ち向かわねばならなかったこと」も、
「幼稚園児への噛みつき事件を起こして裁判で30万円もの罰金刑が出て、しかも最高裁まで争われたこと」も、
いずれも門真市では、少なくともここ20年ほどなかった「大事件」ではないか?
Q5:本件は、近隣住民や民生児童委員の方々に「余りに長い年月に渡って、本来なら不要な苦痛と迷惑を与えた」
ものとして反省的に捉えるべきものと思うが、どうか?
議会答弁においてだけでなく、近隣住民や民生児童委員の方々に対しても、その旨を直接伝えるべきと思うが、どうか?
Q6:今から思えば、少なくとも2004年に噛みつき事件3件を起こしたあたりで「重点解決問題」に指定して、
精神医療的ケアも含め、市外機関も含めた全庁的な「対策会議」を設置して、「解決期限目標」を定め、
総合的に対策すべきだったのではないか?
Q7:現在、他に「多頭飼い」、いわゆる「犬屋敷」で問題になっているのは、何件あって、それぞれどういう状況か?
Q8:「犬屋敷問題」について、先進的対策を講じている自治体というのはあるか?
もしあれば、どういうものか?
その例の視察・研究をすべきと思うが、どうか?
Q9:今後、犬屋敷問題では、頭数や迷惑苦情、被害の度合い判定で、「重点解決問題に指定する基準」を決め、
「犬問題だから環境対策課」という単純思考ではなく、「全庁的体制の具体」を決めて、「解決期限目標を決めて対策を取る」ことを旨とするようにすべきと思うが、どうか?
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