2014年9月議会

3:投票所ごとの投票率の実態について
14/11/03更新

質問準備メモ
・過去20年の投票所ごとの投票率の実態と改善方策について
 門真市の投票率の低さには心を痛めてきた。
 同時に、選挙の時毎回行なわれる「投票率向上の啓発宣伝」のマンネリさ、工夫の無さ、
「形だけやっておけばいい。結果を分析することも総括する事もしないでいい」、という選管の姿勢も問題だと思ってきた。

 そこで、この9月議会で、「今提起して改善策を採らせないと、
半年後に控えた2015年4月の府議選・市議選で投票率を少しでも上げる事に間に合わない!」、
という危機感を持って、この質問を出すことにした。

 質問に先立つ準備として、選管に対して「この20年間の全ての選挙(住民投票も含む)での、
各投票所ごとの投票率の一覧表やグラフ」作ってもらい、いくつかの集約もしてもらった。

 その結果を下敷きにして、以下の質問をする。

Q1:「議会制民主主義と地方自治の土台である選挙」について、門真市では投票率が低く、
それの改善が必要である事は、市全体の総意であり、その総意に基づいて、
選挙のたびに「投票率向上キャンペーン」(啓発宣伝)が選管を主軸として行なわれて来た。

 しかしそれは、門真の投票率についての実態を継続的に集約する事も、分析する事もせず、
従って「実状を調査把握しない」で、画一的な啓発宣伝をするばかりで、「具体的で効果的な改善策を計画立案せず」、
かつ「啓発宣伝の結果、効果があったのか無かったのか、効果が無かったとすればそれはなぜか」という「結果の集約や総括」もせず、
漫然と慣例的に行なわれて来ただけのものだった。

 考えてみれば、行政が税金を使って行なう事業なのに、こういう低レベルな実態ではいけないのではないか?
   「実状を継続的に調査して把握する」、
   「その事実把握に基づいて、改善策を具体的に立てて実施する」
   「実施した結果を調査し、そこで把握した事実に基づいて、施策の妥当性
     を検証し、総括をする」
   「その総括に基づいて、今後の対策を考える」

  という事をしっかり行なうべきではないか?

 ー2)選管が行なってきた「投票率向上キャンペーン」の実態が、こういう低レベルであったのは、
選管のみの責任ではなく、市行政全体の認識に問題があったのではないか?   
    これについて、市はどう捉え直すか?

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Q2:1995年4月の府議選以降2013年7月の参院選挙に至る33回の選挙(住民投票条を含む)での投票率一覧を見ると、
  ★「堂山町自治会館」、「横地公会堂」、「常称寺公会堂」、の投票区は、ほとんど常にベスト5に入っている。
  ★「上野口小学校体育館」の投票区は2004年2月の知事選挙以降は、18回の投票の全てでベスト5に入っている。
  ◎「朝日町自治会館」投票区は、2007年7月の参院選で初めてベスト5に入り、それ以降11回の投票で8回ベスト5に入っている。

  この要因としては、どういう事が考えられるか?

 ー2)一方、
  ●「東小体育館」投票区は、2000年2月の知事選で初めてワースト5に入いって以降、
  25回の投票で19回ワースト5で、特に2010年7月の参院選挙以降は7回の投票全てがワースト5に入いっている。 
  ●「四宮小体育館」投票区は、2003年11月の衆院選で3度目のワースト5に入って以降、
  19回の投票で12回ワースト5で、特に2009年8月の衆院選挙以降は8回の投票うち7回がワースト5、
  2011年11月の知事選以降の4回は全てワースト5に入いっている。 
 
   この要因としては、どういう事が考えられるか?

 ー3)また、
  ▲「砂子小体育館」投票区は、1995年4月の府議選から2007年4月の府議選までは、ほぼ毎回ベスト5だったのに、
  2007年7月の参院選で初めてワースト5に入り、それ以降は、11回の投票で6回がワースト5になっている。
  ▲2007年4月の府議選から新設された「門真住宅集会所」投票区では、2回連続でベスト5入り、
  その後2回とんでまたベスト5入りしたのに、次の2009年8月衆院選以降は、その後2回連続してワースト5入りし、
  2012年12月の衆院選と、1回飛んで2013年7月の参院選でもワースト5に入いっている。 

   逆に、
  ◆2004年9月の住民投票でワースト4で過去3度目のワースト5だった「本町自治会館」投票区は、
  それ以降は一度もワースト5入りせず、逆に2011年4月の府議選以降は6回の投票で3回ベスト5に入っている。

  ◆2004年9月の住民投票でワースト1の29.23%で過去18回中11度目のワースト5だった「栄町自治会館」投票区は、
  その後も2回連続でワースト5入りしたものの、2007年4月府議選からはワースト5からはずれ、
  それ以降は13回の投票でワースト5入りは3回だけと、かなり持ち直している。

  ◆「門真小体育館」投票区は、2007年4月市議選までは22回の投票中ワースト5が7回あったが、
  それ以降は持ち直し、11回の投票でワースト5入りは2011年4月の市議選のみ、2008年1月の知事選ではこれ1回だけだがベスト5にも入った。

  この要因としては、どういう事が考えられるか?
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Q3:投票率向上のためには、「投票率ワースト5に入る事が多い」投票区や「近年ワースト5入りが増えた投票区」に重点を置いた対策を取るべきではないか? 
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Q4:投票率をちゃんと向上させるためには、これらのデータを基にして、外部の専門家に分析を依頼して、改善策を作っていくべきと思うがどうか?

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Q5:とりあえず、市民に周知して考えてもらったり、知恵や情報を出してもらうためにも、この情報を市HPで早急に公表すべきだが、どうか?
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本会議の質問と答弁
<項目3:投票所ごとの投票率の実態について> 【答弁:渡辺勤 選挙管理委員会事務局長】
 9/25本会議の報告は後回しにし、まずは9/26本会議の、それも戸田の一般質問の質問と答弁を「双方がその通りにしゃべった原稿」で紹介する事を優先して報告していく。

★これはたぶん全国初の画期的質問と答弁だ! 

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質問に先立ち、選管に対して「2004年の合併問題住民投票も含む、この20年間の全ての選挙での、各投票所ごとの投票率の一覧表やグラフ」を作ってもらいました。
それに基づいて、質問します。

Q1:選挙のたびに「投票率向上キャンペーン」が選管を主軸として行なわれて来たが、
 それは、「実状を調査・分析しない、結果の総括もしない」という、惰性的で画一的な啓発宣伝に過ぎない。
  行政が税金を使って行なう事業なのに、これではいけないはずだ。

  「投票率向上キャンペーン」の実態が、こういう低レベルであったのは、選管のみの責任ではなく、市行政全体の認識に問題があったからではないか?  

Q2:この20年間・33回の投票率を見ると、

 ★「堂山町自治会館」、「横地公会堂」、「常称寺公会堂」、の3投票区は、ほぼ常にベスト5。
★「上野口小学校体育館」の投票区は、2004年2月知事選以降は、18回の投票の全てでベスト5。
◎「朝日町自治会館」投票区は、2007年7月参院選で初めてベスト5に入り、それ以降11回の投票で8回ベスト5。

  一方、
●「東小学校体育館」投票区は、2000年に初めてワースト5に入り、それ以降25回の投票で19回もワースト5。
特に2010年参院選以降は7回の投票全てがワースト5。

 ●「四宮小体育館」投票区は、2003年に過去3度目のワースト5に入いって以降は、19回の投票で12回ワースト5。
特に2009年8月衆院選以降は8回の投票うち7回がワースト5。

  また、
▲「砂子小体育館」投票区は、ほぼ毎回ベスト5だったのに、2007年7月参院選で初めてワースト5に入り、
それ以降は、11回の投票で6回がワースト5。

 ▲「門真住宅集会所」投票区は2007年4月府議選から新設されたが、2回連続でベスト5入りするなど順調だったのに、
2009年8月衆院選以降はワースト5入りする事が多い。 

   逆に、
◆「本町自治会館」投票区は、2004年9月の住民投票で過去3度目のワースト5だったが、それ以降は一度もワースト5入りせず、ベスト5入りが3回。

 ◆住民投票でワースト1の29%台だった「栄町自治会館」投票区も、ワースト5の常連だったが、2007年以降は13回の投票でワースト5入りは3回だけと、かなり持ち直している。

 ◆「門真小体育館」投票区は、2008年以降は持ち直し、11回の投票でワースト5入りは1回のみで、1度はベスト5にも入った。

 こういった事の要因としては、どういう事が考えられるか?

 「生活に余裕が無い人は投票率が低い」と考えられたりもするが、投票区ごとの就学援助率や生活保護世帯の分布などをある程度かみ合わせて分析した場合、どうだったか?  

Q3:投票率向上のためには、
「ワースト5が多い」投票区や、「近年ワースト5入りが増えた投票区」の対策に重点を置くべきではないか? 

Q4:外部の専門家に分析を依頼して、改善策を作っていくべきと思うが、どうか?

Q5:市民に周知して考えてもらったり、知恵や情報を出してもらうために、
この情報を市HPで早急に公表すべきだが、どうか?

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【答弁:渡辺勤 選挙管理委員会事務局長】

選挙啓発活動につきましては、
常時啓発活動といたしまして、明るい選挙啓発ポスターコンクールの実施、啓発標語の募集、白バラ講座の開催などを行っており、

 選挙時には、
明るい選挙推進協議会と近隣大学が協力しての啓発ティッシュの配布、
公用車にマグネット式の選挙啓発パネルを貼るとともにスピーカーによる投票の呼び掛け、
選挙啓発ポスター等の掲示、選挙啓発ノボリの設置、
防災無線による選挙啓発放送など様々な取組を実施しております。

 今後につきましては、議員ご指摘のとおり、
実情を継続的に調査して把握し、事業成果を検証した上で、改善を行い、次の計画を立てるといったPDCAサイクルに沿って実施していくことにより、投票率向上に繋げてまいりたいと考えております。

 次に、「投票率向上への市行政全体の認識」についてでありますが、

 今後は職員に対し、選挙に関する情報提供に努め、選挙啓発の課題の共有化を図り、
各職場において今一度、投票率向上に向けた認識を深めてもらえるようにしてまいりたいと考えております。

 次に、「平成7年(1995年)の府議選以降、平成25年(2013年)の参議院議員選挙に至る33回の選挙での投票区別の投票率ベスト5及びワースト5の要因」についてであります。

投票率の高い「堂山町自治会館」、「横地公会堂」、「常称寺公会堂」、「上野口小学校体育館」などの投票区は、
旧の集落が多く含まれた投票区で、旧集落に居住している人々は、政治や選挙に関心が高いと思われ、
「選挙には行かなくてはならない」という意識の強い人の割合が高いのではないかと推測しております。

投票率の低い「東小学校体育館」、「四宮小学校体育館」などの投票区は、
新興の住宅が多く含まれた投票区という傾向にあり、比較的年齢層の若い人が住まれていることから、
旧集落とは反対に、政治や選挙に対しての関心が低いのではないかと推測しております。

「砂子小学校体育館」、「門真住宅集会所」投票区は、
過去に投票率ベスト5入りしたものの、最近の選挙では、ワースト5に入る傾向が高い投票区でありますが、

  これらの投票区では、過去に投票区等を変更したことがあり、そのことが投票率の変化の原因になっているのではないかと推測されます。

一方で「本町自治会館」投票区は、
過去に投票率ワースト5入りしたものの、最近の選挙では、ベスト5に入る傾向が高い投票区であり、

  過去に投票所を若干変更しておりますが投票区は変更しておらず、投票率の変化の要因としては推測しかねております。

「栄町自治会館」投票区につきましては、
平成16年(2004年)住民投票でワースト1位で、それまでの17回の選挙で10回がワースト5ですが、
平成19年(2007年)府議選からはワースト5からはずれ、それ以降は13回の選挙でワースト5入りは3回だけと、
持ち直してはいるものの、 ワースト5から外れた選挙10回中8回がワースト10以内であることから、投票率は継続して低迷している投票区であると推測できます。

「門真小学校体育館」投票区につきましては、
平成19年(2007年)市議選までは22回の投票中ワースト5が7回ですが、
平成20年(2008年)知事選でベスト5に入り少し持ち直したものの、
平成23年(2011年)市議選で再びワースト5に入り、
平成20年(2008年)知事選以降の選挙では、9回中8回がワースト15以内
ということで、
平均投票率より低い投票区であると推測できます。

 次に、議員ご質問の「投票区ごとの投票率と就学援助率や生活保護率の関連性」についてでありますが、

 投票区と校区等は完全にリンクしておりませんので、大まかに重ね合わせて比較しますと、
投票率の低い所と就学援助率や生活保護率が高い所とは必ずしも一致しているとは言い難く、
因果関係はあまり認められないと推測できますので、
今後もあらゆる角度から検討していく必要があるものと考えております。

 次に、「投票率向上のために、投票率の低い投票区に重点を置いた対策を取るべきではないか」につきましては、

  市全体を対象とした選挙啓発活動を行う中で
投票率の低い投票区につきましては原因等を検証し、投票率向上に向け、さらなる対策を考えてまいりたいと考えております。

 次に、「この情報を市民に周知して考えてもらったり、知恵や情報を出してもらうためにも、市HPで早急に公表すべき」についてでありますが、

 投票率の向上につきましては、公民協働で取り組むべき問題であると認識しておりますことから、
市HPに投票率等に関するデータを掲載し、
市民等への情報提供を引き続き行ってまいりますとともに、
現在も選挙啓発活動等にご協力いただいております各自治会等や、今後設立を予定されている地域会議に対しましても、本市の投票状況をご理解いただき、選挙啓発活動への更なるご協力をお願いしてまいりたいと考えております。

 次に、「投票率を向上させるためには、これらのデータを基にして、外部の専門家に分析を依頼して、改善策を作っていくべき」についてでありますが、

 市民の皆様方からのご意見等を踏まえつつ先進事例等を参考にして、今後、調査研究に努めてまいりたいと考えておりますので、よろしく御理解賜りますようお願い申し上げます。
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 ※答弁原稿には、戸田の側で行整理や「 」追加をしている部分がある。