●共産党のギマンと緑風クラブを痛烈批判!
「議員政治倫理条例」に対する戸田の討論
2013年3/22本会議を締めくくった20分間の大演説! 13/3/29up
議会棟が4月から取り壊しに移転になるので、50年間続いた現議場最後の弁論でもありました。
14番、無所属・革命21の戸田です。
自民党など3会派から出されたこの議員政治倫理条例案にまずは賛成する立場から討論を行ないます。
話の前提として、私は文言としては至極もっともに思える事を並べた決まりであっても、時の権力や多数派に悪用される危険性が常にある事を、まず指摘しておきます。
「凶器準備集合罪」という法律は、「ヤクザの出入りのような暴力犯罪以外は対象としない」との趣旨の付帯事項付きでやっと成立したにも拘わらず、出来上がってしまうと、危惧されていた通り、政治運動デモに易々と適用されて、権力による不当弾圧の手段になってしまいました。
この門真市議会でも2005年12月に連帯労組弾圧の一環として私が不当逮捕されるや、事の本質を考えようともせずに、共産党も含めた全議員が私に対して辞職勧告決議をする、という事件が起こっています。
ついでに言えば、この時私に対して「疑惑に対して説明責任を果たしていない」と称して辞職勧告していながら、私が弾圧の真相を明らかにして、獄中から苦労して全議員に公開質問状を出したにも拘わらず、与党議員も共産党議員も、当時の共産党議員で今も在職の人で言えば亀井議員も福田議員も、井上議員も、誰一人獄中からの政治生命をかけた公開質問状に対して何も答えず、説明責任を果たさなかった事を糾弾しておきます。
話を元に戻して、一方でまた、汚職議員が逮捕されて議会への欠席が続くという事態を口実にして、「逮捕で議会欠席した議員には議員報酬を出さない」、という「推定無罪の原則」を無視して、不当逮捕されて抵抗している場合でも生活の糧も弁護士費用も奪ってしまい、抵抗できなくしてしまう、という暴挙が、神戸市議会や大阪府議会で可決されてしまいました。
いろんな政治的背景があって、少数派議員に対して「政治倫理に反している」という口実で攻撃する事案はいつでも起こり得るわけで、この議員政治倫理条例についても、そういう危惧が無いとは言えません。
提案3会派は、門真市ではそういう悪用は起こらないし起こさない、と明言しておりますが、今の議員が新人に入れ替わっても、その約束が破られることの無いよう、強く求めておきます。さて、今議会では、門真市議会の活性化が本格的に始まっている事が如実に示されました。
建設文教常任委員会や本日の本会議で、補正予算案が一部の与党議員も加わった反対で否決された事が典型ですが、本日の本会議での議員政治倫理条例審議においても、与党の自民・公明・市民クラブ3会派と与党の緑風クラブが真っ向対立し、緑風クラブが3会派に質疑をして反対討論も行ない、それに共産党や私も独自の立場で論戦を行なうなど、
門真市議会50年の歴史の中でかつてなかった大論戦議会となりました。
もちろんその背景には6月市長選をにらんで、緑風クラブが園部市政批判を打ち出したい、という思惑があっての事でしょうが、それは承知の上で、議会論議の活性化を喜びをもって確認した上で、本論に入っていきます。条例の文言規定で言えば、共産党案の方が市民参画が規定されている分、進歩的なものであり、3会派案は少し遅れたものになっています。
この問題は、秋田議員は私の主張に耳を傾けてくれたのか、やがて2007年市議選不出馬で消防団長に専念して議員引退し、大本議員は2011年市議選不出馬で議員引退して商工会議所会頭に昇る事で自然解消しました。
もし共産党案が先に採決に付されていれば、私はこれに賛成し、賛成少数で否決された後に、3会派案に賛成したことでしょう。
しかし物事は表面の文言規定だけでなく、事のよって来るゆえんを歴史的・社会状況的に捉えて考えないといけません。倫理条例制定の動機であり主眼でもある「公金支出団体役員への議員の就任禁止規定」に焦点を当てて、論じていきます。
東市長時代以前から、門真市議会には「議員は自治会などの役員にならない」という申し合わせがありました。これは与党議員相互の牽制作用によるものでしょう。
ところが、力の強い特定の保守系議だけは特権的に、自治会などよりもっと大規模で公金支出も多い団体の役員を兼ねる事が認められ、共産党を含めて、外の議員は誰も文句を言えませんでした。
それが、表面だけでも年300万円近い公金支出を受ける守口門真商工会議所の副会頭を兼任する大本議員であり、年3000万円超の公金支出を受ける消防団長を兼任する秋田議員です。
公金支出の少ない、極く一部地域の団体である自治会の役員兼任はだめで、なぜ巨大規模の商工会議所や消防団の役員は許されるのか? 全くおかしな話です。
大本氏の引退は2008年頃には明らかになっていましたので、私は政治弾圧によって、2009年3月末から2年間の議員失職をしていましたが、「これでようやく門真市議会では公金支出団体の役員に就く議員はいなくなった」、「門真市の議員意識も変わった」、と喜んでいました。
これは私以外の2008年2009年当時の全ての議員にとっても同じ安堵感だったでしょう。ところが、実際には2010年3月末に、体育協会という大規模な公金支出団体の会長に現職府議で、門真市議時代は大本氏と同じ志政会に属していた宮本一孝氏が就任し、副会長には東市長が市議時代に作って以来続いている緑風クラブの吉水議員が、それぞれ2年任期で就任する、という驚くべき事が行なわれていました。
現職議員が体育協会の役員に就く事自体、前代未聞の事であり、しかも会長に現職府議、副会長に現職市議が就くとは、それに輪をかけた異常人事です。
これは「公然の秘密」として、東市長時代に辻本会長支配下の体育協会が「東市長の集票マシーン」となっていたものが、2005年の市長選で東市長を倒して園部市政が始まって、旧来の癒着特権構造にメスが入れられていった事に対する、体育協会側の反動的防衛作戦に他ならない、と判断すべきものです。
緑風クラブの吉水議員の体育協会副会長就任については、緑風クラブ以外の全ての会派議員が反発を持ったものと推測します。東市長型の旧いムラ政治への逆戻りだからです。
しかし、共産党を含めたどの議員も、表だってこれに異を唱ず、、吉永議員の副会長辞任を求める事はしませんでした。
与党3会派は苦々しく思ったけれども、園部市長与党内に波風を起こしたくなかったのでしょう。
共産党は「緑風クラブと仲がいい」という体質があるとしか思えませんが、これまた何も批判しませんでした。
私はこのことを2011年1月に市民からの通報で知って、公開的に猛烈批判をして2011年4月に市議復活当選以降も、現在まで批判を続けています。門真市議会内の1人の議員から、公然たる批判が起こったわけです。
しかしそれでも、共産党を含めたどの議員も、表だって異を唱え吉永議員の副会長辞任を求める事はしませんでした。
ただ、いろんな協議の場で、吉永議員の名前は出さずに一般論として「公金支出団体役員への議員の就任はやめるようにしよう」という話が出されるだけでした。
3会派としては、吉水議員や緑風クラブに「察してくれよ」とコールを送り続けたのでしょう。
しかし緑風クラブは「蛙のツラにションベン」の如く平気の平左で、「そういうことは議員の自主性に任すべきで、規定を作って縛るべきじゃない」と言い続けました。ここで不可思議なのは、共産党もまた緑風クラブと同様に、「議員の自主性に任すべきだ」と言い続けてきた事です。
ところが実態は、つい最近まで共産党は「公金支出団体役員への議員の就任規定」を作る事自体に消極的だったわけで、3会派が緑風クラブと対決して条例提出すると決まったとたんに、「公金支出団体役員への議員の就任規定」のうえに、「市民参画規定」を上乗せして、
宮本一孝府議が2010年9月に自民党を離党して「門真市消滅の大阪都構想」をぶち上げる強権的全体主義者=橋下の「大阪維新の会」の府議となり、体育協会会長の地位を利用して数多くの市民達に顔と名前を売り込んで2011年府議選で公明党よりも上位で当選し、2年任期が過ぎた2012年3月末からも会長職を継続し、緑風クラブの吉水議員が体育協会副会長をこれまた継続する、また元議員の大本氏が宮本府議の後援会長を務める、という構図を見れば、体育協会の役員配置は、宮本クンら維新一派と門真の自民党の一派でもある大本元議員勢力、旧東市長勢力の結託であり、強権全体主義の橋下維新と真剣に闘う気があるのなら、門真市消滅の大阪都構想を阻止しようとする気持ちが本当にあるのなら、絶対に公開批判しやめさせるべき課題であります。
それを全然しないし、そういう分析すら考えないという、門真の共産党は実に情けない話です。
しかし、さしも穏便主義できた3会派も、2月に宮本クンが市長選出馬表明をするに至って、「もういい加減にせえよ」と堪忍袋の緒が切れたのでしょう。
宮本府議には手を出せないにしろ、それの追しょう者として吉水議員が体育協会副会長の名で市民に影響を与える事はもうやめさせよう、というのが、議員倫理条例が急遽提出された本質だと私は分析していますし、私もそういう判断には大賛成です。
ここでも不可思議なのが共産党の態度です。
私は冒頭に、「文言としては共産党案がより進歩的で賛成だ」、と言いました。
「共産党がかねてからこの文言の倫理条例制定を求めてきたのに、与党会派が無視してきた」、と言うのであれば、共産党が3会派案への対抗としてこの案を出すのは、まだ理解できます。
しかしそれでも、通常は、「3会派案の不足点を批判しながら賛成する」ものでしょう。
与党3会派が、それも既得権益護持にこだわる緑風クラブとあえて対決して、何十年と続いてきた仲良し4会派結託体制を解体して、議員倫理条例制定に踏み切るという画期的飛躍をしたわけですから、その文言規定に不十分点があったとしても、それは今後の改善課題と位置づけて「批判的に賛成」するのが、「建設的野党」のすべき事でしょうから。
「共産党が進歩的案を出したのに、3会派は市民参画否定の案を強行している!」
「だから3会派案には反対だ!」
という現象を作り出そうとしたのは、まったくもってつじつまが合わない話です。
「共産党こそ議会改革の先進者」という、戸田によってとっくに暴かれた虚像を維持するためなのか、緑風クラブに「我々は3会派案に反対したよ」という姿を見せたいためなのか、いずれにしても不健全な対応だと批判せざるを得ません。緑風クラブの質疑や反対討論について言えば、笑止千万と言うほかありません。
先ほどの質疑で明らかにしたように、私が調べた範囲だけでも、
吉水議員は、体育協会副会長のほかに、ソフトボール連盟会長、軟式野球連盟顧問、
少年軟式野球連盟顧問、子ども育成会顧問、
今田議員は、軟式野球連盟顧問、少年軟式野球連盟顧問、
五味議員は、軟式野球連盟顧問、空手道連盟副会長、
大倉議員は、軟式野球連盟顧問、少年軟式野球連盟顧問、門真市ミュージカル実行委員
にそれぞれ就任していて、
会派議員全員が公金支出や減免対象団体の役員をやっている、という他の会派にはない異様な状態です。
なるほどそれで、緑風クラブは「公金支出団体役員への議員就任禁止規定」に強く反対するのでしょう。
これはまさに「利益当事者が利益を失うことへの反対」にほかならず、考慮するに値しないものです。
終わりに近づきました。 共産党の批判する市民参画規定の問題に触れます。
門真市の約11万人有権者の1/50と言えば、約2200人です。
この数字で思い出すのは、2001年3月議会で私を重大懲罰に追い込むために、当時の公明党勢力と5人の自治会長が主導して進めた「戸田議員への厳重処罰を求める市民署名」の数です。
密かに進めために人数が少なかったのか、ちょうど2200人くらいの署名数でした。
今ならザイトク勢力が戸田を「反日左翼の犯罪者だ!」と目の敵にして煽り立てたら、2200人くらいは集まるかもしれません。
まもともな内容の議員批判でなくとも、それが集まれば「市民の声」としての地位を得て、議会がそれに対応しないといけなくなる、という事も起こり得ます。
名古屋の河村市長の議会不信扇動による住民投票などにも、その要素が見受けられます。
議員が「自分では手を汚さずに、市民扇動して特定議員を攻撃する」事も可能です。
たしかにどんな事であれ、市民の良識を前提として市民参画を規定づける、と言うことは私も賛成ですが、現段階の3会派議員の抱く危惧を受け止めてあげて、「まずは条例施行をさせ、徐々に意識変革を図っていく」手法を取るのが、妥当であろうと私は考えます。3会派条例には市民参画規定がないとは言っても、多数の市民がある議員の行動を倫理条例違反と考えるのならば、その訴えは必ず議員の誰かが受け止めて審査請求するはずです。
そういった圧迫被害者であるが故に、私は誰よりも「誰がどの程度本当に議会活性化、議会の見える化を考えているか」を見抜く判断力を持っていると自負しています。
審査会のことで言えば、もしも具体事案で議員だけの審査会で不具合が見えて、市民が納得出来ないとなったら、審査会規定を変えろ、という要求が大きく出てきて議会を動かすでしょう。
今門真市で、倫理条例違反で大問題になる事件が起こっていて、それを与党議員が倫理条例規定を盾に取って真相究明を阻んでいる、という状況にはないし、全議員が事例制定を契機にして公金支出団体役員を辞任すれば、それ以外には何か問題が起こりそうにもない状態です。
それでもなお、「市民参画規定がなければ、絶対にダメだ」として、3会派案を否定すべきことでしょうか?
共産党の反対論は、動機が不純で「タメにする反対」としか思えず、私は同調できません。
最後に、今の3会派の議会改革姿勢について私の分析評価を述べて、討論を締めくくります。
まず私は、1999年当選以来、市民的常識に則った「市民に開かれた、民主的運営の議会」を誰よりも強烈に求め、実践してきた議員です。
それ故に、誰よりも激しく嫌がらせ圧迫を受けてきた議員です。
懲罰、問責決議、辞職勧告決議を何度も受け、2005年に至っては共産党も含めた全議員から辞職勧告決議を出されたほどです。
数々の圧迫行為に対しては、「決して忘れないが、もう許そう」と考えるに至っております。そして2011市議選以降の、現在の市議会において、特に2012年頃からは、最大会派で私の天敵みたいだった公明党議員達の「議会活性化、議会の見える化」改善の熱意は本物である、と認識するに至りました。
自民党や市民クラブも同様でありますが、特に鳥谷議長を筆頭とした公明党議員の意識変化が顕著です。
議会改革先進地に会派視察を行なった見識を熱心に語る公明党議員の目の色は、昔とは全然違っています。
公明党は公明党なりに議員として苦労が多いのに、一般市民だけでなく支持者からも「高給もらって楽な仕事をしている」と思われて、議員の仕事を理解してもらえていない、という悩みがあるのではないか、と推測します。
今まで議会改革と言えば、公明党比率が高まる「定数削減」しか言わないに等しかった公明党でも、いろんな方面での真の議会改革に積極姿勢を示してきたが故に、議会だよりに全議員の議案賛否行動や質問内容と議員写真が載るようになったし、傍聴者配布貸し出し資料が、この本会議終了後に希望市民10名に無償提供されるようになりました。こういった「良き変化」と、一方で、看板不正を平気でやって説明責任を果たさず、ザイトク凶悪犯と懇意で、維新の会として門真市長の座を奪おうとする宮本府議と仲良しコンビで、体育協会副会長初め、数々の公金支出・減免団体の役員を重ねる緑風クラブが悪しき守旧勢力として浮かび上がってきた、という政治状況の中で、私は、不十分点はあっても、それは今後の改善課題とすればよい、という考えで、まずは3会派案の制定に賛同するものです。
長時間になって恐縮ですが、これで私の討論を終わります。
傍聴者の方は、配布資料の無償提供を受けられますので、議会事務局に申し出て、本日の記念にお持ち帰り下さい。
ご静聴ありがとうございました。
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※ 戸田に先立って、緑風クラブ・五味聖二議員が「『公金支出団体役員への議員の就任禁止』を決める事自体が、時期
尚早で反対」、共産党・福田英彦議員が「3会派案に反対・共産党案に賛成」の討論を行ない、この戸田討論を最後
に採決に3会派案の採決に移り、3会派+戸田の賛成多数で、3会派案が可決された。
(共産党案は上程説明され、質疑も行なわれたが、3会派案可決のため、採決にかけられることなく終わった。)※ 議会棟や市長室を含む「市役所本館」が4月から取り壊されて、隣接する旧6中校舎に「臨時庁舎」として移転す
る(おそらく10年前後続くだろう)ため、2013年3/22本会議は50年間続いた現議場での最後の議会となった。
その日に、3会派・緑風クラブ・共産党・戸田、の4者が入り乱れて質疑・答弁・討論を行なう、という門真市50
年で初めての「大論戦議会」となったということは、非常に感慨深いものがある。
(もちろん、「本当に侃々諤々・丁々発止の大論議」には程遠いが、従来と較べれば画期的進歩である。合掌。)