【答弁書】 平成17年門真市議会第3回定例会

質問者  田 伏  幹 夫  議員
件名 1 政策の軸について
(1)今後の具体的な取り組みについて
2 地域主導ボトムアップ型政策形成について
(1)実現に向けての取り組みについて            

 田伏議員のご質問に対しまして、御答弁申し上げます。
政策の軸についてであります。 まず、地域主権についてでありますが、この概念につきましては非常に広いものと考えております。
地域を構成する市民、そして自治体が自らの権限と責任に基づいて自立し、アイデンティティに富んだ地域を形成していくことと考えております。
  このような中で、市民にとってより良い門真市を実現する為には何が必要なのかをしっかり見極めて新たな取り組みを進めていかなければなりません。その為には自立した地域イコール市民が主役となり地域主権を確立することが求められます。
そのような意味におきまして、今後における事業の一つとして、子育て家庭への支援の需要が高まっている中で、 子育て中の親たちが気軽に集まることのできる施設・環境を提供し、その方々が主体となって、自主運営を行うような取り組みなどもその趣旨にかなうものではないかと考えております。
  次に、生活者の視点についてでありますが、高度で多様な市民ニーズに対応していくためには、生活者の視点に立った取り組みが必要なことは言を待たないところであります。 従来、モニター方式やアンケート調査などの手法により市民ニーズを把握してまいりましたが、今後は、電子媒体による市民意見の聴取や市民意見を政策形成等に反映するパブリックコメント制度の導入など、さまざまに検討を進めてまいりたく存じます。
  次に、民間との協働でありますが、議員ご指摘のとおり、費用負担の軽減やサービスの向上に繋がることが期待されているところであります。 その一例として、福祉の分野においては地域に密着したきめ細かなサービスが求められることから、NPO等による高齢者の街かどデイハウスなどの施策が有効であろうかと考えており、このような視点により民間協働になじむ事業については、 積極的に検討してまいりたいと考えております。
  次に、地域主導ボトムアップ型政策形成についてでありますが、 地域づくりの主役である市民の皆さんと行政の新しい関係づくりを進めていかなければなりません。地域ニーズを地域住民の手によって政策形成の実現まで持っていけるしくみづくりが求められています。 現在、交通バリアフリー基本構想の策定に向けた取り組みの中で、タウンウオッチング等により市民の皆さんに直接参画してもらい、その意見を反映しようとしております。これをひとつの例として、今後、行政各般において新たな政策形成 スタイルを模索していきたいと考えております。

【答弁書】

件名 3 財政再建と門真再生について  
 歳入の確保、具体的な推進について

 次に、財政再建と門真再生について、歳入の確保、具体的な推進についてであります。
 現在、私たちを取り巻く社会的・経済的環境は誠に厳しい状況にあり、加えて、議員ご指摘のように、三位一体改革により国庫補助金の削減とともに、地方交付税も減収となり、さらに、税収入の減収等財政的に厳しい現状にあります。
地方分権の時代において本市が再生し、今後とも持続して発展していくためには、市民ニーズや価値観の多様化、少子高齢化の進行への対応等々、これら諸課題に対して迅速、柔軟に取り組んでいくことが求められております。
このためには的確な財政運営を行いつつ、市民ニーズに即した対応が図られるよう、継続して着実に財政の健全化を進め、財政再建を図らなければならないと存じております。
 このような状況のもとに、本市におきましてはこれまでさまざまな視点から改革を推し進めてまいったところでありますが、 ご質問の組織や職員数等のスリム化につきましては、現在、策定中の行財政改革推進計画において、定員の適正化、業務量に応じた職員の適正配置、組織・機構の簡素・効率化等を改革項目案として検討いたしているところであります。
今後、これら各項目の検討を通じて簡素で効率的な組織、また可能な範囲での職員数の削減目標値をお示ししていきたく考えております。
 また、最適なサービスの提供につきましては、現在、行政が行っている施策・事業でありましても、他の方法で公益が確保される場合には、企業や団体、市民等が行政サービスの担い手となるなど多様な選択肢が考えられます。
今後、市民サービスの維持、向上を図りつつ、行政サービスの質、市民への影響等を考慮し、民間にできるもの、民間で行うことが望ましい業務等につきましては、委託化、指定管理者制度の活用等、行政との役割分担を見極め、推進計画を策定していきたく存じております。
  次に、財政危機の克服と負の遺産の整理についてであります。 年々悪化する歳入環境の中で、毎年増大する扶助費や職員の退職金問題などによりまして、本市財政状況は、深刻の度合いを深めているところであります。
これまで進めてまいりました行財政改善を踏まえ、新たに、財政再建、市政再生に向けた行財政改革推進計画を策定しこの危機を、議員の皆様並びに市民の皆様のご理解とご協力をいただきながら、また全庁あげて改革に取り組むことにより、乗り切ってまいる覚悟でございます。
  次に、負の遺産の整理でありますが、企業会計を含めた地方債残高及び開発公社の債務残高をあわせまして、全市ベースで、平成15年度末973億円の債務となっております。
これらの債務の整理でありますが、策定されます行財政改革推進計画の達成目標に沿って、普通会計にありましては、地方債の年度毎の償還、また開発公社にありましては、公社健全化計画を積極的に推進してまいりたいと存じます。
また、公営企業及び準公営企業の地方債の残高につきましては、行財政改革推進計画を踏まえながら、独立採算という主旨を重視し、償還に務めてまいります。
  次に、予算、編成のプロセス改革をはじめ、成果指標の設定と職員の意識改革の進め方についてであります。  予算、編成のプロセスにつきましては、今日の自治体を取り巻く社会経済情勢及び行財政構造の変化に対応しながら、よりふさわしい内容とすべきことは、論をまたないところであります。
本市の組織・予算規模にあった内容に調整を行ったうえで、部単位での予算編成による、裁量の拡充や権限・責任と成果の明確化への手法、また各部局の事業毎の予算を横断的に表すことのできるマトリックス予算など他市のシステムを研究し、導入を図ってまいりたいと存じます。
また、予算編成にあたりましては行財政改革推進計画の策定により、 できるだけ早い時期に歳入規模にあわせた歳出予算となるよう努めてまいります。
  次に、成果指標の設定についてでありますが、 行政評価システムにおいては、判断の根拠を明確化し、評価の客観性を確保するため、指標を設定し、定性的な評価に加えて定量的な評価を行うことによって達成度を判断していくことになります。 成果指標は、行政が提供したサービスの量ではなく、「事業の目的は何か」、「受益者は誰か」という認識の上にたって、サービスを受けた住民の満足度を判断していくためのものであり、適切な指標と目標値を設定し、執行していくことにより、事務事業及び施策そして政策が達成されていくものと考えております。
  次に、職員の意識改革の進め方についてでありますが、 行政評価システム導入の目的のひとつに職員の意識改革があり、システムの導入により、 成果指標が設定され、業務の目標が明らかになることから、担当業務の評価を通じ、改めて職員自身の業務への取組みを見直すことにつながるものであります。
また、成果の向上を目指す過程で、創意工夫を凝らし、努力を重ねた結果が評価され、そのことが職員の仕事への意欲の向上につながり、意識改革が図られるものと考えております。
  次に、今後の市所有の公用車についてでありますが、行政のスリム化を図っていくうえで、公用車につきましても、様々な検討を行い、適正台数の実現を図って参らなくてはと考えております。
 特に、本庁の各課で分散管理しております公用車につきましては、その稼動状況などの実態調査を踏まえ、集中管理を行うなど、より公用車の効率的な利用を図り、将来的には一定の公用車の削減をして参りたいと考えております。
  次に、市税徴収率の向上対策についてでありますが、 年間徴収計画を策定し、前年度徴収実績を上回るべく、徴収に努めております。徴収対策の一貫といたしましては、大阪府から専任スタッフの派遣により滞納整理の方策等の支援を受け、税知識の向上を図っております。
また、現年収納につきましては、文書による催告のみならず、臨戸訪問の回数を増やすなどし、新規滞納者を出さないよう納付指導に努めております。  
これまでにも、催告に応じない滞納者に対し、不動産等の滞納処分を行い税収確保に努めてまいったところですが、特に悪質な滞納者につきましては、不動産のみならず、預貯金・売掛金・給与・生命保険等の債権を中心とした財産の滞納処分を行うなど、徴収強化に努めているところであります。
 今後も、府税事務所等の関係機関と連携を蜜にし、市税債権確保に向け、あらゆる方策を講じ、早期徴収を図り徴収率向上に努めてまいりますので、よろしくご理解賜りますようお願い申し上げます。

【答弁書】
件名 4 行政評価システムについて
 (1) 外部評価の導入とグループ制導入について

 次に、行政評価システムについてであります。 行政評価の目的の一つとして、行政活動の現状を分析、評価し、その達成度を管理して、翌年度以降の活動について軌道修正していくことがあげられます。
事業を担当する職員自らが事務事業について評価を行い、それを翌年度の計画立案にあたって活用し、工夫を凝らして改善につなげていくということに内部評価の意義があり、成果志向の行政運営では、自治体自らが行政活動を評価することが大切であると認識しております。
  しかしながら、評価が甘くなる可能性について危惧されるところでもあり、行政評価のシステム構築にあたっては、内部評価と併せて、より客観的かつ住民視点で評価を行うことが求められていることから、政策段階の評価などには第三者的な視点からの外部評価の導入に向けて、取り組みを進めたいと考えております。
 次に、グループ制導入についてでありますが、 議員ご指摘のようにグループ制のメリットは職員一人ひとりがこの制度について十分理解し、意識改革がなされてこそ生きてくるものであり、それなくしては十分に機能しないものと考えております。
長年、慣れ親しんだ制度から新しい制度に移行するには、何事によらず職員の理解と意識改革が不可欠であり、制度の定着にむけて、今後、十分な取り組みを進めてまいりたいと存じます。
また、グループ長等のそれぞれの業務責任の明確化についてでありますが、グループ制導入に伴ない、権限の下位移譲も考えられ、当然それに伴なう責任も生じてまいります。そのことを制度的にも明確にしておくことが必要であると認識しております。
また、人事評価制度の導入についてでありますが、  ご承知のように、本年度の人事院勧告において給与構造改革の考え方が示され、俸給表の引下げ、地域手当の新設とともに、勤務実績の給与への 反映が盛り込まれ、勤務実績が適切に反映される昇給制度の導入が勧告されております。
また、 この勤務実績の判定についての改善も示されており、国において平成18年度以降段階的に実施されることとなっております。  本市においても、国公準拠の基準の下、新たな給料表・昇給制度について研究していく考えでありますが、その基とも言うべき勤務実績の判定、すなわち人事評価システムの導入についても検討を深めて参りたいと考えております。
 この人事評価システムの導入により、困難な課題に取り組み、努力を厭わず頑張ってきた者に対し、正当な評価が与えられ、給与面などでのより適切な処遇への反映が、職員の資質向上につながるものと認識いたしておりますので、よろしくご理解賜りますようお願いいたします。

【答弁書】
件名 5 パブリックコメント制度導入について
(1)市民の参画計画について

次に、パブリックコメント制度導入についてであります。
 パブリックコメント制度につきましては、国や地方公共団体が計画や条例などを策定、制定する場合に、立案過程においてその案の趣旨、内容を市民の皆様にお示しし、案に対する意見、要望などを考慮しながら最終の意思決定を行うとともに、寄せられた意見、要望などに対する考え方についても、あわせて公表していく一連の制度とされております。
 また、案の公表につきましては、ホームページ上や広報紙への掲載、情報コーナーへの掲出、所管課及び必要と思われる施設での閲覧や配布などが考えられるところであります。
本市におきましても、従来からこの制度につきましては、市民の市政への参画、また市が政策決定するに当たり、公正の確保と透明性の向上が図れる有効な手段の一つと考えられることから、 手続の方法や意見の反映方法などのマニュアル化を含め、制度導入に向けての検討を深めてまいりたいと考えております。   

【答弁書】
件名 6 子供の安全確保について  
 警察官OBの派遣等体制整備について

 次に、子どもの安全確保についてのうちの、警察官OBの派遣等体制整備についてであります。
本年度より各小学校におきまして、下校時の児童の安全を見まもるため、地域の人々に「キッズサポーター」としてボランティア活動にご協力をいただいているところであります。
現在、キッズサポーターにご登録いただき、ご活躍いただいております市民は800名を超える人数となっております。
子どもの安全は学校や警察のみで実現できるものではなく、加えて家庭や地域住民等が一体となった活動が行われて実現できるものと考えております。 このことから、現在、大阪府警本部で実施されております警察官OB、2人1組9班体制による「子どもの安全見まもり隊」支援事業から派遣をいただいております。
ご協力を得ております キッズサポーターの皆様方に活動を行ううえでのノウハウや活動の要領、ポイントポイントでの対処方法等について、現場において指導、助言を仰ぐことにより、子どもの安全見まもり活動をより充実させるとともに、地域ボランティア活動の定着を図ってまいりたいと考えております。
  次に「こども110番」ステッカーについてでありますが、この度、「うごくこども110番」の マグネットステッカーを作成いたしました。このステッカーを公用車に貼り付けることにより、子どもを狙う犯罪の抑止に働いてくれるものと期待しているところであります。
このステッカーを市内に営業所のあるバス会社やタクシー会社をはじめ、地域の皆様にも貼り付けていただき、あるいは希望者を登録していただいてはどうかとのご提案でありますが、地域ぐるみで児童の安全対策に取り組むことは必要かつ重要であると考えております。
バスやタクシーには無線設備があることから、不測の事態が発生した場合には、速やかな対応が可能であると考えられます。
今後、各関係機関等と協議を行いながら、体制作りについて研究してまいりたいと考えておりますので、ご理解を賜りますようお願いを申し上げ、田伏議員に対する私の答弁とさせていただきます。