(注)実際には一括質問、一括答弁ですが、わかり易い様に質問項目ごとに答弁を配置しました。

戸田の一般質問と市の答弁

2005年10月4日本会議
市長所信表明への一般質問 原稿全文 2005年10月4日    戸田ひさよし  

 6番、無所属、鮮烈市民派の戸田です。

 この度私にとっては、質問通告を出した後で、所信表明の冒頭部分大半の盗用問題が明らかになり、 その後質問原稿を作りかけた段階で、残りの本論部分も実は大半が太田知事演説からの盗用であったこ とが明らかになるという、およそ誰もが想像だにできなかった事実が次々に発覚するという事態の中で、 質問の重点の置き方や組み立て方を当初予定のものから大幅に変更せざるを得なくなって、今回の質問 となっております。  

          35秒・・・・35秒・・・残り19分25秒

 私などはどうしても門真市政に取り組むだけで精一杯の所があり、大阪府議会でのあれこれの演説ま では目を通せていないのが実状でありました。
 そのため所信表明本論で、「21世紀を優しさの時代と考えております」という言葉を見た時に、いわ ゆる「テロ」と侵略戦争が吹き荒れ、やたらと自助努力とか自己責任という言葉が叫ばれる昨今にあえ てこういう時代規定をするとは、なかなかのものだと素朴に感心したり、「自助、共助、公助の適切な組 み合わせ」という言葉を見た時には、これは私の盟友である社民党の辻元清美さんが今回の衆院選挙戦 の中でよく言っていた社会論と同じだな、と素朴に感心したりしていたのであります。
 で、その部分は肯定的に評価する立場から質問を作成していたところ、実はこれは太田知事の2000年初当選の年の演説のパクリであった。
 園部市長は「太田知事の政策に心酔・共鳴しているからそのまま使った」と言うわけです。

            1分10秒・・・1分45秒・・・残り18分15秒                           

 しからば、2000年に始まった太田府政はその掲げた言葉が実践された良い府政であったのか?
 全くそうではない。財界大企業にだけ目を向けた庶民に冷たい府政でしかなかったことは、無駄な大 型開発事業で税金浪費をする一方での福祉教育部門の切り捨て、その一例としての夜間定時制高校の冷 血な廃止政策などを思い起こすだけでも明らかです。
 であるならば、「優しさの時代」とか「自助、共助、公助の組み合わせ」という一見美しい言葉も、太 田府政の冷血政治をカムフラージュするものでしかなく、それを信奉しての園部市長の言葉も、素朴に 額面通りに受け取って評価することはできない、従って質問の仕方も変更しなければいけない、とこの ようにならざるを得なくなりました。
 質問原稿は既に全文を市長に渡してありますから、しっかりと市長自身が答弁願います。

              58秒・・・2分43秒・・・残り17分17秒            

 市長はこれを「引用」と呼んでおりますが、私は盗用、盗んで用いる問題だと思っておりますから、 「盗用」と呼ばせていただきます。
 これへの批判は、およそ言論言説に重きを置くべき政治家たる者が、己の所信を語るのに大量に他の人の見解を流用して語ることは、その政治家自身の所信と思って聞いている側を裏切るもので許されな い、ということに尽きます。
 これについては、私が9月28日に市長あてに抗議文を出した上で29日に抗議面談した折りに、市長 はあくまでも「引用と明示しなかったのが悪かった」として、「知事の言葉を言い換えて自分の発案のよ うに見せて使う方が、自分としては耐え難いことだ」と述べ、私が提起した自分自身への減給処分など も一切考えていない、と断言しました。

                52秒・・・3分35秒・・・残り16分25秒

 私も門真の一部の人からは「変わっている」と言われることがありますが、園部市長はそれどころで はない特異な考えに立っており、少なくともこういう部分では常軌を逸していると思わざるを得ません。
 例えばもし、太田知事がその演説の8割もをよその知事や政治家の演説からの引用で埋めたとしたら、 それが引用明示であっても、園部氏を含む府議会の自民党は容認できたでしょうか? そういう知事を 知事として信頼できたでしょうか?  市長の言い分のおかしさは、こんなことをちょっと考えるだけでも明らかです。

                 37秒・・・4分12秒・・・残り15分48秒

 ちなみに、私がここに持ってきた2002年4月1日発行の園部市長の著書「時は止まらない」では、 太田知事のことは、「これといった成果が表に現れていない。」、「官僚組織に守られて自分の地位を築い てきた人」、などと評価し、今後のこととして「西に太田知事あり、と言われるように大成して欲しい」 と期待を述べているだけです。
 その後現在にいたる3年半の間に、太田知事が「西に太田知事あり」と言われるほどに大成して見事 な府政を始めたとは、とうてい思えません。
 また、本年市長選の時の園部氏のビラ・HP・新聞談話・公約・演説のどこを見ても聞いても、園部 市長が太田知事の心酔者であるとか、太田知事をお手本に門真市政を行なうなどの話は全く出されてい ません。実に不思議な話です。

              55秒・・5分11秒・・・残り14分49秒

 さて、29日の面談を前後して、私は市長に対する問責決議案を作成して各派にお配りして、議会とし ての市長問責を提起しています。
 連日のようにこの問題がマスコミ報道され、市民の怒りの声は高まる一方だという状況も受けて、文 案の変更はあるかもしれませんが、後日の本会議に市長問責決議案が上程されることはほぼ確実です。
 市長はその重みを真剣に考えるべきだと思います。

             33秒・・・5分44秒・・・残り14分16秒

 以上、指摘と批判をした上で、ひとつ質問します。
 市長は、来年の市政方針説明など今後の市長演説では、引用明示さえすれば他人の言葉の大量借用を行なってもよい、と考えているのかどうか、答えて下さい。

               16秒・・・6分00秒・・・残り14分00秒

【答弁】 
 戸田議員のご質問に対しまして、ご答弁申し上げます。
 まず、所信表明につきましては、30日の本会議冒頭でお詫び申し上げましたとおり、今後、全力で市政運営に努めるとともに、皆様の信頼が高まりますよう、努力を傾注してまいりますので、よろしくお願いを申し上げます。

  ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 それでは、本来の
質問通告の第1、(市長の)社会認識や自治体運営の基本認識について です。

1:私は、自治体首長というのは住民の自治参加の援助者たると同時に、住民の「護民官」たらんとする強い責任意識を持つべきだと思っています。   政府に悪政や不適切があった場合には、住民を守る立場からこれにモノ申し、押し返していく姿勢や、問題の構造を明らかにして苦労を分かち合う姿勢が、「地域主権」を掲げる市長には、まず必要ではないでしょうか?  
 この基本姿勢に関し、著書で大塩平八郎の乱を「『民を救い、公を糾す』という政治変革を達成さ  せようとした高い志を示すもの」として高く評価している園部市長の今の見解をまずお答え下さい。

               45秒・・・6分45秒・・・残り13分15秒


【答弁】 
 次に、基本姿勢についてであります。 地方分権という大きな波が、いま、日本全国の自治体に押し寄せており、税源の移譲や既存の交付金や補助金も含めて、今こそ私たち自治体の力量が問われておるところであります。地域主権を実現するためには、国と自治体との間の権限・財源のことだけでなく、地域づくりの主役である住民と行政の新しい関係づくりを含めた改革が必要であると考えております。
 こういったことは、国と自治体との問題であるばかりではなく、市民生活に大きく影響するものであります。国の制度であっても、市民の皆様に直接接し、直結した形で携っているのは自治体であります。 こういったことをふまえ、今後市行政といたしまして、可能な限り国や府に対し、本市の現状を訴え、市民福祉が後退することのないよう、またより一層の向上のため、地域主権の確立を目指してまいります。

2:具体例として、例えば国保料未納問題が門真市に大きくのしかかっていますが、問題の根本は国の制度設計の不備の上に国が負担割合を大幅に下げてしまったため、被保険者の負担を過大に増加させてきたことにあります。  
 園部市長は著書の18項・19項で、こういった構造的問題には触れることなく、「頭から払う気もなく、ウソ偽りを言い続けている人も少なくない」と一面的に述べていますが、市長としては、構造的  問題を押さえて市民全体に適切に説明し、苛酷な負担からは救ってあげる護民官の立場で対処すべき  ではないでしょうか?

                43秒・・・7分28秒・・・残り12分32秒  

【答弁】
 次に、国保の構造的問題についてであります。 国民健康保険制度は、国民皆保険の根幹をなすものでありますが、近年の経済不況の影響が大きく反映し、被保険者の増加や、高齢者、低所得者、無職者を多数抱合する構造的な問題があり、財政基盤が極めて脆弱であります。 こういった構造上の諸問題については、本市単独で解決することは非常に困難であり、大阪府及び国に対して、 「医療保険制度の一本化及び保険者の再編統合」、 「国庫負担割合の引き上げ」、 「失業者に対する保険料減免の財政補填」等強く要望しているところであり、今後も引き続き要望してまいりたく考えております。
 また、制度改正に伴う財政負担増につきましても、その都度国・府に対し財政補助を要望してきたところでもあります。
 今後は、被保険者の方々に制度を十分理解していただくよううに努め、適正な保険料を賦課していきたく考えております。

 また、市民の間では生活保護費支出が財政を傾ける元凶だと思ってしまっていたり、不正受給が膨大に存在するかのような風評が抜きがたく存在しています。それらは一般市民の黒い渦を巻いている感すらあって、私は市民の間にできているミゾの深さを感じさせられます。  
 しかし、そもそも生活保護は憲法で保障された「健康で文化的な最低限度の生活」のためのセーフティネットとして全額国費でまかなわれるのが原則で、保護費の4分の3が国庫負担金で、残り4分の1が普通交付税で補填されるとされています。  
 現実にはこれに納まらない市独自の種々の負担がありますが、基本は今述べたことです。

               50秒・・・8分18秒・・・残り11分42秒  

 また、不正受給の問題も国の調査結果報道によれば全国平均1%となっており、仮に門真市で水面  下の不正受給も含めてその数倍あるという大胆な仮説を立てたとしても、受給者が1000人いれば950  人ほどは、やむにやまれず保護を受けて慎ましく暮らしている人々です。受給者の圧倒的多数のまも  とな人々が、誤解に基づく生活保護迷惑論・不正論の嵐の中で心を傷つけられて生活を送っているこ  とを思うと、私は胸が痛む思いです。

               36秒・・・8分54秒・・・残り11分06秒  

 市長がなすべきは、国に憲法理念に合致した正しい対策を求めていくこと、市としてはケースワー  カー数を最低限の国基準以上に満たすしてきめ細かい対処をしつつ、市民に正しい認識を持ってもら  えるよう、適切な説明をしていくことであるはずです。

               20秒・・・9分14秒・・・残り10分46秒  

【答弁】
 次に、生活保護費についてでありますが、市財政に対して影響があるものにつきましては、歳入・歳出それぞれ様々な項目に及んでおります。生活保護費の支出につきましても、その中の一項目であります。
 平成16年度決算で生活保護費の扶助費としましては、約80億1,500万円であり、人件費・事務費等を含めますと約83億3,900万円となります。  平成16年度支出に対します、4分の3負担率の国庫負担金等の実質上の特定財源を除いた一般財源ベースでは、約21億7,800万円であります。
 それに対します普通交付税算入額は、生活保護費として約25億4,100万円であり、算入額が3億6,300万円上回っております。また基準財政需要額193億7,900万円に対しまして、生活保護費の算入額は13.1%の割合となります。  
 平成16年度普通交付税額は50億7,900万円であり、基準財政需要額と基準財政収入額との差であります。 また基準財政需要額につきましては、種々の算定数値の合計でありますので、実際の生活保護費に対する交付税額につきましては、ひとつの考え方として、生活保護費の基準財政需要額に対する算入割合13.1%で普通交付税額を按分すれば、約6億6,600万円となるもので、生活保護費の一般財源21億7,800万円の内69.4%、約15億1,200万円が市の負担とも考えられます。
 市財政への影響につきましては、生活保護費の直接的な影響、及び議員ご指摘の通り歳入面での市民税や使用料等、また歳出面での別途支出金によるものなどが生じております。
 生活保護は「健康で文化的な最低限度の生活」を保障する憲法の理念に基づく制度でありますので、市に財政的負担がかからないように、今後も国に働きかけてまいりたいと考えております。 また、ケースワーカーの増員を含む実施体制の整備により、保護行政の適正執行に努めて、議員ご指摘の市民の間の不信感を払拭するようにつとめて参りたいと考えております。

 もうひとつは、自治体への戦争協力強要で、最近では国民保護法という名称で自治体ぐるみで戦争  動員・戦争協力をさせられる問題です。  
 小泉自公政権がやっていることは、アメリカの得手勝手な侵略戦争への加担という根本問題を隠ぺ  いして、テロや戦争の危機や排外主義を煽って国民をまとめ上げようとするものです。                                         
 しかし、この門真市は「非核平和都市宣言」を全会一致で議決した街であり、しかも平和運動では園部市長もその著書で門真の4大偉人のうちの2人として紹介しているように、日本国憲法制定で「歴  史的な大仕事を成し遂げた」幣原喜重郎と、「原水爆禁止署名運動を提唱し、世界で7億人の大署名運  動を繰り広げ」た安井郁(かおる)博士を産み出したまちではありませんか。  
 市長もご存じでしょうが、幣原氏は「世界は我々が実際に則さない夢想家であると言って嘲り笑  うでしょうが、100年後に我々は預言者と言われるようになるでしょう」と憲法第9条、戦争放棄条  項について語った情熱家でありました。

            1分13秒・・・10分27秒・・・残り9分33秒  

 このような背景を持つ門真市で、しかも園部市長自身が平和運動の先人を深く尊敬しているのであればなおのこと、幣原氏や安井氏に倣って、少なくともせめて故後藤田正晴氏に倣った見識は持って、今の政府の米軍の戦争加担追随政策には護憲反戦平和の立場からモノ申すのが、園部市長の務めでは  ないでしょうか。  

 以上、市と政府との関係に関わる、3つの具体例における市長の見解を求めます。

           33秒・・・11分01秒・・・残り8分59秒   

【答弁】
 次に、平和に関してのご質問でありますが、言うまでもなく恒久の世界平和は誰しもの強い願いであります。 しかしながら、世界の現状はこの理想とは遠くかけ離れており、今のこの瞬間においても、その悲惨な事実が多くの人の幸せを奪っていることは、我々が急務として解決しなければならないものであります。
 戦争やテロの危機から市民生活を守るべく、様々な努力がなされています。幣原喜重郎・安井かおるの両氏といった偉人にゆかりのある本市において、平和問題は身近なものとして、市民とともに考えてまいり、平和構築に向け、市民の生命と財産を守るべく施策を講じてまいらねばと考えております。 今後、国・府に対し、機会あるごとに訴え、平和な社会の構築に向け、努力を重ねてまいります。

3:次に「市自身が民間のモデルとなるよう努める」ことについて、私は営利追求の民間企業では隅に追いやられがちな法律遵守の意識と制度作りや、コストダウン至上主義からは絶対に出てこない、地域の労働条件相場向上の牽引役、公共工事の品質や労働環境の向上、などを考えます。  
 また、全国で需要が爆発的に増加して劣悪業者の参入や下請け丸投げなどが予測されるアスベスト対策工事に関して、現場作業者の安全や処分先までもしっかり管理チェックする契約と工事の体制を敷くこともあります。  
 市役所で職員が遵法意識や正義感を発揮しやすい仕組みをどう作るのか、職員倫理規定やコンプライアンス条例、議員も含めた特別職の政治倫理条例はどうするのか等のこともあります。  
 要するに、民間や他の自治体からお手本とされる「門真モデル」を積極的に作っていくことです。   
 この点に関しての市長の見解を示して下さい。

                     1分13秒・・・12分14秒・・・残り7分46秒                     

4:「門真市民としての誇り」を育成していくことについて私自身の様々な見聞から、市民が「門真市民としての誇り」をちゃんと持ち得ていない面が大きい  ことを痛感します。  
 たしかに自然的条件や都市環境は良いとは言えず、所得水準の低さから来る多くの問題があり、子育て世代の定着が悪く、自治意識の希薄さがあります。  
 低投票率による合併問題住民投票の不成立や、市長の所信表明盗用事件のように「門真市民である  ことが恥ずかしくなる」事件の発生がそれに輪をかけています。  

 しかしこのままではいけないわけで、今後は「小さくてもキラリと光る門真」をポリシーとして行  政づくり、まちづくり、人づくりを行なっていかなければいけないと、私は思います。  
 そのために、「門真モデル」の発展のように、行政を良くし、良い部分を啓発宣伝し、市民参画を深化させることや、門真が輩出した偉人の業績を市民に分かり易く伝える種々の企画を発案継続し、市民の誇り意識を喚起していくことを提起しますが、市長の見解を聞かせて下さい。

                1分12秒・・・13分26秒・・・残り6分34秒  

 さて、まちづくりにおいて市長は著書では、「気楽な庶民の町がいい」として、「高級感はなくてもいい。」、「ちょっと足を伸ばせば大阪の繁華街に出かけられるのだから、わざわざ門真にオペラハウスを作ったりする必要はない。下水道の完備と、古い住宅が立て込んでいる地域を再開発し、せめて消  防車や救急車が走り抜けられる道路に改良し、町並みを整備することである。・・人情があふれ、笑い  が絶えないような、快活な町を待望している。」、「今さら近代的な町に作り替えることなど望んでいない。」、「単科大学でもいいから大学誘致を実現し、近隣から若者が大勢集まり、元気溢れる街にしたい」、と書いています。  
 市長のこの考えは今でも変わっていませんか?  
 また、これは所信表明での「市民が生き甲斐の持てる優しさのまち"門真"」と整合するものですか?     

 市長の見解を聞かせて下さい。

                   57秒・・・14分23秒・・・残り5分37秒

【答弁】
 次に、市自身が民間のモデルとなるよう努めることについてでありますが、 門真再生に向け、市自ら経営感覚に支えられた行財政システムを確立し、たゆまざる自己改革を進めることが肝要であります。 このような中で、労働関連行政や入札制度等の幅広い分野で先進的な「門真モデル」となる事例を構築していくこと。
  また、公共工事での使用材質の品質向上への取り組みや、現在、問題となっておりますアスベスト対策への庁内体制の整備など、迅速な取り組みも「門真モデル」につながり、市民・事業者・地域をもリードするほか、結果として、経費節減、行政のスリム化などともリンクし、市のイメージアップにつながっていくものと考えております。 このようなことから、職員はもとより、市民の皆さんも積極的に市政運営に参画していただき、種々の提案や知恵を出すことができるよう努めてまいりたいと考えております。

 次に、職員が遵法意識や正義感を発揮しやすい仕組みをどう作るのか、職員倫理規定やコンプライアンス条例等はどうするのか、とのお尋ねでありますが、職員倫理規定やコンプライアンス条例については、一部の自治体において条例化等が見られるところであります。
 本市においても、市民の信頼に応えるため、不当な要求への適切な対応や、職員の倫理意識の高揚を図るなど、法令等に基づく公正かつ適法な行政執行に努めてきたところですが、今後も厳正な対応を図るとともに、倫理規定等についても研究してまいる考えであります。  

 次に、「誇れる門真市を作っていく」ことについてであります。 昨今、都市のランク、いわゆる都市格という言葉が盛んに使われております。本市においても 今日まで、大阪都市圏として大阪市と深い関連を保ちながら、都市化の過程におけるさまざまな困難や試練にも耐え、比較的個性をもった都市として発展してきております。
  しかしながら、急激な都市化はひずみを生むことになり、疲弊した現象が多々取り上げられることがあります。そのような中にあって、門真は先人の貴重な伝統・文化を引き継ぐとともに、文化遺産や高名な人物も輩出し、誇るべき歴史があります。議員よりご提案いただきましたように、これらの啓発に努めることが「門真市民としての誇り」を醸成し、市民一人ひとりが自信をもつことにより「誇れる門真市」になると、私も同様に思っております。
  また、私はこの門真で育った人間であります。当然、郷土に大きな愛着を持っております。私の著作にあります「気楽な庶民の町」は、私が目指そうとしているまちでもあります。 私が所信で述べました「市民が生き甲斐の持てる優しさのまち」の市政への取り組みを推し進めることによって、本市で暮らす人たちの人情にあふれた、笑いの絶えない、快活なまちづくりが実現するものと考えております。
   

質問項目の2;市の構造改革や行財政改革について

 以下の4つの事項について、市長の考えを述べて下さい。
1:市の収入増加を集中的に考える部署を設置することが不可欠と思うが、どうか?

2:市長は民間委託を非常に強調しているようですが、「民間=全て善」ではありません。営利主義、やがては値上げされる、議会や行政のチェックが及ばなくなる、個人情報漏洩等々、各方面から指摘さ  れているマイナス面・不安点・問題点をどのように認識していますか?
 また失策に陥らない対策をどう考えているか、地元雇用の拡大との関係をどう考えているか、経営変  更の検討に際しては公聴会を開くなど広く意見を求めるようにすべきではないか?

             1分・・・15分23秒・・・残り4分37秒

【答弁】
 次に、市の収入増加を集中的に考える部署の設置についてであります。
  平成17年1月1日付けで、行財政改革の推進を図るため、行財政改革推進部が設置されたところであります。 市の収入増加につきましては、推進本部において計画を策定する中で、市税の収納率の向上を図るための方策や、各種手数料の見直しなどについても改革項目とし、検討を加えているところであります。
  次に、民間活用が全て善ではないについてであります。 行政が行う活動においては、行政が自ら行うことが、住民福祉の向上を図っていく上で望ましいとされるものと、民営化、民間委託、指定管理者制度を活用し、目的を達成していくことが望ましいとされるものがあります。各々の問題点等を クリアしながら、それぞれの特性に応じて最も好ましい手法を導入し、適正にコントロールしていくことが、行政に課せられた使命であると認識しております。
  また、地元雇用の拡大との関係につきましては、地元雇用優先が望ましいかと考えております。 しかしながら、民間を活用していくためには、公平性、透明性を確保しつつ、厳正に事業者を選定していくことが必要であります。 とりわけ、市民サービスの低下にはならないよう、今後とも、議員ご指摘のことを踏まえ、研究してまいりたいと存じます。
  なお、公聴会については、現在のところ考えておりません。 次に、助成金・補助金の考え方についてでありますが、 助成金等については事業補助的な補助金にするなど、そのあり方を推進計画の改革項目として検討してまいるところであり、抜本的な見直しを行ってまいりたいと考えております。

3;役所の機構改革に関して、特別職に絞って聞きます。  
 水道事業管理者は、以前に私が提起したように、置かなくても不都合がないし経費削減効果の面からもそうすべきではないか?  
 収入役は実務的には置かなくてもやっていけるのではないか?  
 助役は理事補充と組み合わせるなどすれば、1人制でも良いのではないか?

4:助成金等については、交付先団体の実態が交付基準に合致しなくなった場合や、繰越金が助成金の倍以上発生しているような場合は、交付打ち切りをしたり交付金返却を求めるのが適切ではないか?

                 40秒・・・16分03秒・・・残り3分57秒

【答弁】
 次に特別職の配置についてであります。 特別職につきましては、複雑多岐にわたる行政課題に的確にかつ迅速に対応するために、その必要性は高いものであるという認識をいたしております。この認識のもと、行財政課題という喫緊の課題を現状として考え、研究を進めております。  
 水道事業は、水質の管理や安定した供給など、安全な給水を図り、市民福祉の向上に資するものであります。水道事業管理者の設置につきましては、地方公営企業法に管理者の設置に関する規程があり、先ほど申し上げました本市の現状から、管理者の設置に関しましては、今後、その必要性や組織管理の点から、より研究を進めてまいる考えであります。
  次に、収入役の制度は、収入支出の実行に関し、支出の命令権限とその命令に従って支出を行う権限を厳格に分離した考えに基づいております。その収入役の設置につきましては、地方自治法により設置の義務がございますので、その法令どおりの設置といたしております。
  次に、助役についてでありますが、議員もご承知のとおり、複雑多岐にわたる現在の状況を鑑みた場合、これまでどおり、2人の助役により私の両腕として働いていただくことが、最も適正であり、引いては、市民の皆様に対して、迅速な業務の運営が出来るものであると考えております。

質問項目の3;職員および職員労組との関係について  

 以下の3項目をお聞きします 。
1:労使交渉の双方の主張を公開するなど、公開性を高めるべきではないですか?。

2:職員の職場条件変化にあたって対立がある時は公聴会なども開くべきではないですか

3:市税収入の増加、通勤費の削減、職員の住民当事者意識の向上等の面から言って、職員の市内居住  率を現在の3:7(管理職は2:8)からせめて6;4に暫時向上させていく方策を取るべきではないですか?  
 この点では、前の東市長は全く方策を考えようとしませんでしたが、園部市長はどうですか?

                45秒・・・16分48秒・・・残り3分12秒

【答弁】
 次に、職員および職員労組との関係についてであります。
 まず、労使交渉の双方の主張の公開等についてでありますが、組合との交渉については、地方公務員法等に規定があり、職員給与等の勤務条件について、労使双方が意見を交え、一定の合意を図っていくものであります。
 交渉は自由な意見交換が基本であり、これを公聴会などで公開することについては、論議の制約につながることも考えられ、慎重な対応が必要ではないかと考えており、現時点では公聴会の開催は困難と考えております。
 しかし、労使合意の下、双方の主張や交渉経緯について公表されている自治体もあり、労使間の問題とはいえ、交渉経緯等の公表が、その結果についての市民理解につながる面も考えられることから、交渉経緯等の公表については、組合とも協議しながら検討していきたいと考えております。
 次に、職員の市内居住率の向上についてでありますが、職員がどの市町村に居住するかは、職員それぞれの生活事情や住宅事情の中で、職員自身が決定すべきものであると考えております。 しかしながら、職員が市内に居住する事により税収が増加するということにつきましては、計算上成り立つものと認識いたしております。
  このことを踏まえ、職員を門真市内に定着させる方策として、職員向けに何らかの優遇措置を講じることも考えられますが、このことが市民並びに議会の理解と納得が得られるものかどうか、また、真に職員の市内定着につながるかどうか、不確定な要素が多すぎるものと考えております。
 このような短期的な方策のみならず、住環境の整備など様々な方策を検討し、職員はもとより市民の皆様が末永く住み続けたいと思うような門真のまちづくりを、一歩一歩確実に進めることが、職員の市内定住化につながるものと考えます。

質問項目4:市民参画と市民への説明責任についてお聞きします。

1:「市政をわかりやすく迅速に伝え、市民とのコミュニケーションを深める」ために、紙の広報とHP  を積極活用すべきと思います。特にHPでは編集権限・体制の抜本的強化し、十分に「気の利いた」  報道をすべきです。市長のおわび文の存在がHPの表紙からは全く分からないような載せ方をするな  どは論外です。  
 どう考えますか?

2:守口市HPのような市HPでの「Q&A」を当然実施すべきと思いますが、どうですか?
              42秒・・・17分30秒・・・残り2分30秒

【答弁】
 次に、「市政をわかりやすく迅速に伝え、市民とのコミュニケーションを深めることについて」及び「市の広報とホームページの積極活用について」であります。
  行政が市民の皆様と共に考え、まちづくりを進める、「市民と行政の協働によるまちづくり」は、今や地方行政においてキーワードになっております。
  そのためには、市民に対する迅速かつ正確な情報発信と、市民のニーズを的確に把握する公聴体制の充実が何より大切であると考えており、議員ご質問の重要性を認識するところでございます。
  さて、情報ネットワークが発達した現在においてもなお、広報紙はあまねく市民と行政をつなぐ唯一の広報媒体であると認識しております。また、IT化の進展によりインターネットなどの世帯普及率は55.4%に達し、ホームページは情報伝達だけではなく情報収集の手段としても重要な位置を占めるにいたっております。
  今後は、広報紙及びホームページのそのような特性を活かし、市民に対する積極的な情報提供と市民のニーズの把握に努めることにより、市民と行政が共通の目的意識を持つために有効な方策を検討してまいりたいと考えております。
 
次に、現在本市のホームページへのアクセス数は今日まで、開設以来5年3ヶ月で76万4千件を超え、最近では月に約2万4千件のアクセスがあり、市民の関心度の高さをうかがうことができます。ホームページの内容も常に新しい情報の提供を心がけ、順次アップいたしております。
  議員ご質問の守口市ホームページのような 「Q&A」の本市ホームページでの実施についてでありますが、市民の意見を聞くという手段としては、直接的であり、市民の生の声をいち早く聞くということでは、大変有意義なことであると存じます。
  今後守口市の形式など、すでに実施している他市との状況も合わせ、さらに庁内体制等の条件整備面も含め、その実現に向けて検討を深めてまいりたいと考えております。

最後に:人づくり・教育・子育て政策について お聞きします。

1;門真を良くしていくには、「人づくり」というものを重要視し、深く積極的に捉えた施策が必要と思いますが、そのための方策をどのように考えていますか?

【答弁】
 次に、人づくり・教育、子育て政策についてのうち、まず、人づくりについてであります。
 学校教育では、人権を尊重し、社会の形成者として、先人の築いた文化を継承・発展させ、心身ともに健全な人格者を育むため、現状を認識し、子どもたちが自主的にさまざまな課題を克服できるような基礎的教育を行ってまいります。
  暮らしやすく、子どもを育てやすく、ゆとりがもて潤いのある地域を創造することにより、人づくりがなされるものであり、本市社会教育施設でも、幼児から高齢者まで、種々の事業展開を行い文化レベルの向上を図ってまいります。 中卒・高卒等の若年層への無職者対策等については、「地域就労支援センター」を平成15年10月に設置して、「相談事業」を中心に「講習会」「セミナー」を実施し、就職阻害要因の克服並びに就労意識及び意欲の助長を図っております。 
また、平成16年7月に大阪府が若年者就職支援として設置した「JOBカフェOSAKA」、厚生労働省が今年9月から実施した「若者自立塾」などの労働施策への誘導をするなど、国・府との連携を図りながら「若年者対策」を行ってまいりたいと考えております。

2:門真の教育についての現状認識と改革の方向について  
 学習しやすい環境作りとして、市長が早々に全中学へのエアコン設置を決めた事は評価します。  
 種々の指標が示す門真市の社会状況からして、門真の教育状況を良くするのにはかなり重点的に予算や人員をかけるべきと思いますが、市長の認識どうですか?

               42秒・・・18分12秒・・・残り1分48秒  

 また、「問題教員」という事ばかり言われていますが、私の見聞では門真の管理職や教育委員会の資  質の方にずっと大きな問題があります。
 昨年は、教委の指導主事が児童買春で逮捕されましたが、この逮捕がなければやがて教頭になっていたはずです。こういう問題人物が見抜かれずに出世していくような組織風土、上司への取り入りば かり気にする「ヒラメ主義」の蔓延、多数派教組の幹部になることと出世ルートが同一になっている  不健全さ、情報隠し体質、法律や条例にうとく不勉強、一部の親には迎合しすぎる一方でまともな親にはつっけんどんに対応する、等々です。

              43秒・・・18分55秒・・・残り1分05秒  

 例えば、大阪市内に事務所を持ち、いじめ・体罰・不登校など学校問題全般の調査や相談助言を行なって、全国および府内各教委の実状に精通している「子どものための民間教育委員会」という非営利活動法人のスタッフは、「門真市教委はレベルが低すぎて、府教委内でも門真はお話にならないと評価されている」と断言しており、私が改めて驚かされたほどです。  
 府議も経験してきた市長は、門真市教委のレベルや問題点をどう認識しているでしょうか?

              32秒・・・19分27秒・・・残り0分33秒

【答弁】
 次に、門真市の教育状況を良くすることについてであります。
  学校教育に関してさまざまな課題があることは認識しております。 これからの教育におきましては、児童生徒一人ひとりの個に応じた学習指導及び生徒指導の推進が肝要であると考えております。 現在「学力の育成」につきましては、少人数指導などにおいて府の加配教員を活用し指導改善に努めるとともに、朝の学習や放課後の学習にも取組んでおります。
  また、「不登校問題」につきましても、府の「不登校支援協力員、不登校相談員」や「門真市不登校学生フレンド」などの外部人材を活用し、教育相談体制の充実に努めております。 今後も引き続き学校教育の現状把握に努めてまいりたいと考えております。
次に、門真市の教育委員会や管理職の資質についてであります。 先にも述べましたように学校教育にはさまざまな課題があり、課題解決に向け教育改革を推進しているところであります。各校において学校改革を進めるには、校長の高い識見が不可欠であると考えており、今後も引き続き必要に応じて指導・支援してまいります。
  私といたしましては、教育委員会の現状と課題の把握にさらに努め、課題のあるところにつきましては指導主事の資質向上も含め、市民の信託に応えるべく、努力をすべきものと考えております。

3;「放課後児童クラブへの早期集約と充実」および「放課後保育に欠ける児童」への行政責務について、具体的にはどう考えてるか、聞かせて下さい。

              11秒・・・19分38秒・・・残り0分22秒

【答弁】
 次に、「放課後児童クラブへの早期集約と充実」についてであります。 放課後児童クラブは、授業終了後において保育に欠ける児童及び健全育成上必要と認める児童を対象としており、適切な遊びと生活の場を与えるとともに、異なった学年による児童の集団活動を推進することにより放課後における児童の健全育成を図るものであります。
 
本市の放課後児童対策といたしまして、現在、放課後児童クラブ、ふれあい活動及び留守家庭児童会の3事業を実施しているところでありますが、今後、条件整備を行いながら、でき得る限り早い時期に放課後児童クラブに集約できるよう最大限の努力を行ってまいりたいと考えております。

4:私は、集団の中での発育やスムーズな小学校への移行からして、希望する人全てに保育園を保障すべきだという考えですが、前の東市長は全く逆の昔ながらの考えを本質にして、法律の最低限の保育園保障しか果たそうとしませんでした。  
 では、園部市長は、幼児に対する保育園の保障についてどういう考えか、聞かせて下さい。

               22秒・・・20分00秒・・・残り0分00秒                                      了。      

【答弁】
 次に、幼児に対する保育園の保障についてであります。
 先ず、保育所は地域に身近な子育て支援施設として、保育ニーズに柔軟かつ迅速に対応していくことが必要と考えております。
 次に、入園希望児童数の増加への対応として、平成11年4月より、全保育園を対象として、入所定員の弾力化を行い、受け入れ児童数の拡充を図る一方、平成13年4月と15年4月に保育園を新設し、 さらには16年4月、17年4月には定員増を行って参りました。
  今後につきましては、『次世代育成支援行動計画』において、平成21年度までに保育所を一ヶ所増設し、待機児解消を図ることになっておりますが、この厳しい財政状況の中、より効果的な財源配分で、早期に待機児解消を図るためには、社会福祉法人の既存施設を利用した分園などによる定員増加の手法も、検討の必要があろうかと考えております。
  いずれにいたしましても、効率的な財政運営を行いまして、早期に保育園の待機児童解消を図って参りたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げ、戸田議員に対するご答弁といたします。