「横領職員事件・市長給与1ヶ月削減」についての戸田の質疑(1回目)

  横領職員事件に責任を取った市長の報酬減額提案についての質疑原稿

                        戸田ひさよし

 専決処分4号、市長の給与を本年5月の1ヶ月分だけ10%カットをするための特別措置条例について5点渡って質疑します。
 この措置は、門真市の職員が自治連合会の会計から5年3ヶ月に渡って約740万円を 横領していた事件で、当該職員を刑事告発して懲戒免職し関連上司も処分を与えたことに関連して、市長自らも市の最高責任者として責任と反省の意を示すために取られた措置だということですので、その市長の問題認識の中身と今後の改善方策を、この特別措置の実施と不可分のものとして以下に質疑致します。
 この質疑については事前に詳しい骨子を通告し、本日、原稿も渡していますから、しっかり答弁してもらいたいと思います。

1:今回の事件は、職員個人の問題や職務管理あり方の問題の他に、根底にある問題として門真市と民間団体とのもたれ合い体質、責任所在の不明確さなどがあるのではないでしょうか?

 具体的に言うと、職員の公務として民間団体の事務をすること自体問題があると思う のですが、それを横に置いたとして、犯行職員が自治連担当の市民生活部から全く別の環境整備部に異動したにも拘わらず、「通帳管理は自分に続けさせてくれと自治連会長が言っているから」という、犯行職員が自治連会長を利用して自分に都合のいいようにこね上げた筋違いの話が組織の中で何ら問題とされずに、スンナリと通って、通帳管理が1年近くも犯行職員に委ねられていたということは、そのような筋違いの話が通用する土台、すなわち有力者の要求であれば市としての職務や指揮系統に反することであってもこれを受け入れる、つまり外部からの無理押しが通用する体質が門真市にあったからではないのか?

 そういう無理押しを受け入れてしまう体質が全く無ければ、いくら自治連会長の名前を出そうが、所管外の部署に異動した職員が1年間も自治連の通帳を管理する、という異常事態は起こりえず、もっと早く摘発できたはずです。

 このことを市長はどう認識しているか、反省しているか、答えて下さい。

2:「民間ができることは民間で」とのうたい文句はよく聞きますが、門真市の実態は「民  間が自らすべきことまで市がやってあげる」体制に、既存民間団体との関係においてはなっていると言わざるを得ません。  
 それはこの事件をきっかけに市が関係を持っている44団体についての調査結果でも明らかになっています。  
 つまり、44団体中、実に21団体の事務執行を市が全面的にやっており、補助的にやっているのも12団体、団体独自でやっているのは11団体しかありません。
 また、市が通帳管理しているのが19団体、部分的に市が金銭管理をしているのが5団体もある、という状況です。
 こういうもたれあいが役所と民間有力者との癒着についての疑惑を招いたり、職員の不祥事を誘発したりする土台となるし、また民間団体の自立意識を妨げています。  

 また、役所からすれば役所が事務援助しないと民間はやっていけないという認識が固定化し、援助を受けている団体は団体で「自分らは市のためにやっているから市が事務援助するのが当然だ」というおごりと特権意識を固定化し、民間団体しての健全な自立 意識が育たなくなります。

 東市長の「反省」には、こういう認識は入っているのでしょうか?聞かせて下さい。

 そもそも自分で事務もできない団体に助成金を与えること自体が不当であります。
 民間団体の事務作業は団体の構成員がやることを基本にすべきです。  
 また、団体代表を市長や部長がやっているとか、学校給食会のように市の本来業務と直接の関係のあるものでない限り、市役所を民間団体の事務所や連絡先にすること自体やめるべきだ、と思うがどうでしょうか?   
 市長はその区分けはどのように考えているのか?聞かせて下さい。

3:今回の事件は担当職員の独断が幅を効かせて、上司がちゃんと把握していなかったことにも原因があるはずですが、それと関連するのが助成金・補助金を出している団体の住所や電話を市が正確に把握していない事例がある、ということです。
 「会則では門真市内」となっている、だけでは話になりません。
 現に、教育委員会の社会教育部の所管団体の一部に関して、課長や係長自体が団体所在地と市も連絡先になっていることを混合して正しい把握をしていない、という例が私の聞き取り調査で判明しました。これはつい先週の話です。
 こういう幹部職員の実態を市長はまだ認識していないようだが、給与減額を自らに科すに当たってどのように認識しているか、見解を述べて下さい。

4:横領の被害にあった自治連は、毎年の繰越金が300万円前後あることが分かっています。このような経済的ゆとりのある団体にあえて毎年35万円の助成金を出すのは、市の財政状況から考えてやめるべきではないでしょうか?
 また自治連側から、助成金辞退の動きはないのでしょうか?  
 また自治連の事務処理に市職員の労力を割くべきではないし、事務所所在地も(連絡先のひとつとして市役所を挙げるのはよいとしても)市におくべきではないのではないか?  
 自治連側の自主改革の動きと併せて、市長の考えを聞かせて下さい。

5;今回の減額措置は、市長の退職金算定には反映させない、とのことだが、以前の当職が本会議一般質問で特別職の退職金の意味理由について問い質したところ、市は「功労金の意味もある」と答弁したはずである。  
 それならば、不祥事の責任を取っての給与減額についてはそれを退職金にも反映させるのが筋ではないのか?  
 1999年の北野助役の税金怠納問題で市長が減給処分を受けた時には、退職金にそれを反映させなかったのか?