2003年6月議会 一般質問原稿

2003年6月25日

戸田ひさよし

6番の戸田です。会派名ではありませんが政治的立場として「無所属・鮮烈市民派」を名乗って当選していることを明らかにして一般質問に入ります。


1;市長らへの高額な退職金プレゼント制度について

・これは市長本人の見解を求めるものです。

 今回の市議選の結果は、門真市民、有権者の新しい意識の芽生えがはっきり示されたという点において、極めて画期的なものでした。
それが門真市に転居してわずか11年、何の地縁・血縁もなく、いわゆる地元団体や業界とのつながりもない私が、門真市議会選挙史上空前の6.5%の得票率でぶっちぎりトップの3106票を得られた、という事実に集約されています。

 この大きな支持を選挙戦において生み出した最大の原動力が、実は街頭演説で徹底的にこの「市長・助役らへの高額な退職金プレゼント制度」の廃止を訴えたことでした 。
 聴衆の反応はまさに「激烈」と言って良いものでありました。 聴衆のほとんどがこの制度の存在自体に驚き、廃止すべきだ、「4年ごとに2千万だの1400万だのの退職金などは許されない」、という反応でした。
 私と同様に合併反対や議会・行政改革を訴える候補者はいても、この問題を訴える候補者は私1人であったからこそ、2位候補に918票もの大差をつけてのトップ当選に結びついたわけです。

 さて、現行の市長ら特別職への退職金制度について、市は「門真市民の理解と納得が得られているものと思う」と昨年3月議会で答弁していますが、今回の市議選の結果を見れば、市民はこの制度に「理解や納得」していないのは明かではないでしょうか?

 市議選で3000票台での当選3回という門真市で空前絶後の経歴を持つ東市長であればこそ、門真史上ようやく3人目の3000票台当選者がよりによって「無所属市民派」から出たことの重み、現在の門真市民がこの特権的制度の廃止を求めている重みを、誰よりもよく理解できるはずであります。

 この問題は門真の私が言っているだけでなく、この制度の廃止を公約に掲げた候補が高石市の市長に当選したことにも示されるように、時代の流れとして開始されたことが明かではないでしょうか。
 横並び意識で改革に尻込みするのではなく、新たな改革に身を削ることが求められていると思います。
 市長はこの問題を、現在はどう考えているのか、「市民が理解も納得もしていない」という事実が出たに等しいこの市議選結果を踏まえて答えて下さい。

・この制度がなくなったら困るとか存続が必要とかの理由があるのでしょうか?
 もしあると言うのならそれは何なのか、具体的に答えて下さい。


2;反対・慎重意見が無視できない合併問題について

◎法定合併協議会設置後の4月の市議選が、合併問題に対する民意を問うものとして重要な位置を占めていたことは、誰しも異議のないところだと思います。
 この選挙では、今進められている門真守口合併の動きに明確に反対を訴えた私と共産党の計6議員に対して有効投票の実に22.02%(1万385票)が投票されました。
 また、選挙公報で合併問題に全く触れずに当選した議員が9人・1万3095票もありました。

  また、合併に触れながらも、「住民意識を重視」などの条件を提示した議員が2人・3565票でした。 一方、合併に対して「積極・早期推進」を表明していた議員は公明党8人のほか3人の計11人、1万9220票であり、相対的多数とはいえ28議席の40%を占めるだけです。

・これを見れば、合併推進が今の多数の民意であるかのように合併推進方策を進めることは許されず、合併するか否かの選択は、十分な情報提供と公開的論議を重ねた上で住民投票に問うべきであり、市長は法定合併協議会でそのような提言すべきではないでしょうか?
 そもそも今回の市議選の結果を合併問題との関係でどう見るのか、市長の見解を聞かせて下さい。

 さて、合併した場合の財政予測が10年先まででいいのか、20年は必要ではないかということが取りざたされていますが、これについて守口市で住民運動をしている人達からひとつの予測が公表されています。
 これによりますと、
 合併特例債を限度額いっぱいの422.5億円受け取り、元利均等払い・利率2.0%で合併後33年かけて完済するものとして、
 職員数は八尾市規模の職員数(2050人)に減少させると仮定して、10年間で850人、1年間で85人削減するとして、在職職員の定期昇給分も考えて、1年間で5億円の削減、10年間で50億円の削減とみなし、また、
 合併11年目からは八尾市規模の財政になると仮定し、従って激変緩和措置がなくなる合併16年後からは、普通交付税が現状の両市合計との比較で毎年25億円削減されると算定した場合、合併12年後から新市の歳出に毎年マイナス影響が出て、16年後から28年後までは毎年10数億円の赤字、29年後以降は毎年20億円を超える赤字になる、と見込まれています。
  財政の専門家による予測ではないものの、かなりいろいろな条件設定がされており、 合併移行経費の特別交付税は3か年にわたり合計14.1億円を算入、臨時経費としての普通交付税は15.5億円を5年間で、合併市町村補助金は3年合計で6.9億円、府支出金は5年合計で31億円、府貸付金は10年合計で31億円を算入し、合併3年目から10年間同額返済するなどととして計算されています。

 ただ、この予測には市長ら特別職と議員の人件費削減や、職員人件費削減の累積が組み込まれていません。そちらの予測を以下に紹介します。
  市長ら特別職と議員については、合併後すぐに市長選挙と同時に定数34人で新市の市議選をやるとすれば、市長ら特別職人件費の削減が8172万円、議員の人件費の削減が2億7274万円、合計年間3億5446万円、合併後33年後までの累積削減効果が約117億円になりますし、合併当初10年間で職員850人の削減効果は合併後33年後までの累積で約1189億円になるようなので、両者の合計累積は約1308億円になるようです。

 一旦削減した人件費は年数が経てば立つほど累積効果が大きな数字として示せるわけですが、しからばこういった人件費削減の累積計算によって、合併後の財政はプラスが大きいと単純に言えるのかどうか。激変緩和措置がなくなる合併16年後からの財政に何ら問題がないと言えるのかどうか。
 また、「合併当初10年間で職員850人の削減」という仮定自体、実際には妥当かつ可能なことなのかどうか、という問題もあり、この想定が違えば累積金額も大きく変わってきます。

●数字の上っ面だけ見ると、人件費削減の累積効果で、あたかも合併した方が得をするかのように見えますが、実際には、「合併したがために必要になる施設やシステムの建設費とその維持のために毎年支出しなければならない経費の累積」の問題や、「合併用途にしか使えないお金すなわち一般財政の助けにはならない収入」、の問題がまだ浮かんできていませんし、合併準備過程からの膨大な労力支出による弊害も算定されていません。

  また、例えば門真市民の立場から見た場合、合併によって新たに抱え込まなければならなくなる守口市の様々な負債や、守口市域で今後必要な水道管の取り替え工事費約150億円、下水道管取り替え工事費約200億円、などの負担予測は全く含まれていません。

 合併後の財政予測について、私が紹介したようないくつかの予測や問題提起についてどのように考えているのか、人件費削減の累積によって合併に大きな財政メリットがあると想定しているのか、市の見解を示して下さい。

◎「合併推進策による歳入増加」のうちで、合併事業以外の一般行政のために使えるカ ネは無いのではないかと思いますが、もし流用や転用できるものがあるとすれば、どういう用途に使えるというのか? 市の見解を示して下さい。


3;カード発行の「第二次稼働」で危険性を増す住基ネットについて 質問します。

・コンピューターに関して技術の進歩は著しく、100%の安全はないし、「不正読み とり不可能」ということがいつまでも維持できるわけがないと考えて、セキュリティ  が破られた場合の対処方針を考えておくのが当然であります。

 住基カードに入れられている「住民票コード」などの情報について、「不正読みとりが 技術的手段で可能になった」事を示す犯罪の実例や実験例などが明らかになったら、
 市はどう対処するのか?
 答えて下さい。

・住基カードの発行によって、行政の側に新たな用や労力負担が発生するはずだですが、
 それを具体的に列挙して下さい。

・従来からの公文書による本人照会の場合と、住基ネットによる本人照会との違いは何
 か?

・門真市の市民の本人情報確認について、昨年夏の稼働以来今までに住基ネットを通じ
 て延べ何人分、国のどの機関からどういう用件で、いつ本人情報確認がなされたのか、
 市は答えられるか?
 把握しているのか?
   そもそも住基ネットのシステムにおいて、そのような把握ができるようになっている
 のか? 

・今年8月25日の「第2次稼働」によって、今度は国の機関だけでなく、全国どこの
 自治体からでも門真市の市民の本人情報確認ができるようになるが、これについ
 てはどうなのか、
  答えて下さい。

・たとえ門真市のセキュリティがしっかりしていても、どこかの自治体で住基ネットに
 侵入されてファイアウォールなどもくぐり抜けられたら、個人情報の流出が起こるの
 が住基ネットの宿命ではないか? 

・総務省自身の発表によって、住基ネットとインターネットが接続していたとされた自
 治体の数はいくつで、またこれら自治体の全てが改善されたという事実は確認されて
 いるのか?

・これら自治体への不正侵入によって住基ネットの情報流出がされた、もしくはされる
 危険性はないと言えるのか? 「ない」というのならばその根拠は何か?

 幾重にも安全対策を施したアメリカ国防総省のコンピューターネットでさえ、イン
 ターネットからの侵入によって兵士の血液型データを書き換えられていた事件が発
 生している現実を踏まえて市の見解を聞かせて下さい。?


4;1年近くも結論を出さない「情報公開審査会」の弊害について

・2おお0年7月の情報公開制度施行以来、現在までの不服申立の件数総数13件のう
 ち、情報公開審査会の答申が出るまでに5ヶ月未満であったものは、わずかに2001
 年4月申立までの分の3件だけで、
  その後申立のものは、議会に対する2件が8ヶ月以上たっても答申が出されない状
 が続いているうちに、議会が突然開示したことによって答申無しのままに終結し、
 その後の2002年8月申立の2件は10ヶ月以上、11月申立のもの3件はもう
  すぐ7ヶ月たつのに何の答申もなしという状態で、他に申立後6ヶ月になる前に出さ
 れたものや「諮問取り下げ」とか、「中断中」もありますが、総体的に見て、非常に長
 期化しており、これでは「1年程度は審査会が結論を出さないから、その時々の政治
 判断で情報隠しがやり放題で責任も問われない」、というお墨付きを実施機関に与える
 のも同然で、情報公開制度の意味を無にするものではないか?
  不服審査の「長期化」の弊害と改善の方策を市はどう考えているのか?

・また、不服申してについて、「開示しない」と決めた実施機関の中にこれを1ヶ月も留
 め置いて審査会への諮問を遅らせている現在のありようは、いたずらに期間を長引か
 せるだけであり、せめて10日程度で諮問に回すよう短縮するべきではないか。
 市の見解を問います。


5;職員が服務規程に違反した場合の処罰について 質問します。

1; 公務員が市民や議員に対してウソをつくのは、地方公務員法30条(服務の根本基
 準)や33条(信用失墜行為の禁止)に違反し、門真市職員であれば門真市の宣誓や服
 務規程第2条(誠実公正な職務執行)に反するのではないですか?

2:「上司の指揮や命令」があれば公務員がウソをついてもいいのでしょうか?

3;裁判で職員が「偽計業務妨害」をしたと認定された場合、市はどうしますか?

以上3点について答えて下さい。


6:産廃ゴミの山周辺不法投棄へのタルんだ対応について 聞きます。

・スーパー「ライフ」そばの産廃ゴミの山の撤去の見通しと今年になってからの動きに
 ついて答えて下さい。?

・また、昨年夏の以来、周辺の不法投棄が片づけられてきれいに保たれてきたのに、新
 年度になって不法投棄が増大し車両放置まで増えたのは、担当部局が詳しい記録も付
 けず、正面部分以外は写真も撮らないなど、問題意識が薄れてタルんでいたせいでは
 ないでしょうか?

・6月に当方の指摘を受けて片づけは進んだようですが、市の認識や実務体制はどのよ
 うに改善されたのか、答えて下さい。


【 再質問 】

1;住基ネットの答弁が、総務省から出向してきた長野県の市町村課長の見解そのままで
   あることの抗議。同課長の言い分が審議会の中で徹底的に論破されていることの紹介。
 ・ネット接続自治体数は?
 ・接続市町村を出さなかった配慮

2;合併問題について、抽象的答弁への抗議、選挙結果に現れた合併への市民の意向の
  違いをどう認識しているか。

3;退職金問題(合併)について、市長本人の考えが聞けていないと抗議して再質問。
 ・市長本人の見解を聞かせて欲しい
 ・退職金なくすと何が困るのか、答えて欲しい
 ・市民の前に出て行って説明するとしたら、市長はどういうことを言うつもりか?