平成14年度

施 政 方 針 (概略)

 平成14年第1回定例会の開会に際して、新年度における市政運営の基本方針を述べる。
 わが国経済は、長期の低迷から脱しきれず、金融不安に加え、デフレスパイラルへの懸念が増すなど、苦境の底であえいでおり、経済再生と併せ、財政再建に向けた聖域なき構造改革に取り組んでいる。
 地方自治体においても、都市経営における様々な改革に取り組まなければなず、本市においても、ここ数年来、危機的な財政運営を余儀なくされており、一日も早い対策が求められている。
  また、本市の将来を考える上で広域行政を推進していくことはもとより、市町村合併の検討についても、避けて通ることのできない重要な課題となってきている。合併特例法に定められた特例期限も余すところ3年となり、できるだけ早い合併について、その検討を深めることも重要であると思う。
  合併について十分に議論していただきたく思うと同時に、この課題に間違いなく対処していくことが、現在の私に課せられた最も重要な責務との思いを強くしており、今後近隣市の意向を見極めながら、その可能性を探っていきたいと考える。
  新年度の事業概要は、保険・医療・福祉サービスの総合的な事業展開、リサイクルプラザ開設などによる生活環境の美化対策、教育環境や都市基盤施設の整備など、各種事業を推し進め市民の皆さんの要望に応えたい。

総合計画に定める4つのまちづくり基本目標に従う各施策

1 ゆとりとうるおいのある市民生活を創造する都市

(高齢者福祉)
 高齢化の進展にともない、寝たきりや痴呆などの介護を必要とする高齢者の増加が見込まれる。高齢者の方々が要介護の状態に陥ったり、状態の悪化がないよう、また自立した生活を確保できるよう、必要な支援を行うことが重要。
  要介護高齢者及び一人暮らし高齢者等の方々に対し、各種サービスの事業を積極的に進めていく。
  また、平成11年に策定した新門真市高齢者保健福祉計画は、見直しの時期となっており、介護保険事業計画と整合を図りつつ、新たな後継計画を策定する。

(障害者(児)福祉)
 門真市障害者計画に基づき、各種施策の推進に努め、さらにさらにノーマライゼーションや自己決定の理念の実現の図るため、障害を持つ方々の各種福祉サービスの利用について相談に応じる。
  また、精神保健福祉法の改正により、新年度より精神障害者の精神保健福祉手帳及び通院医療費公費負担の申請を市において受け付ける。

(児童・ひとり親家庭福祉)
 新たに策定する「門真市児童育成計画」に基づき各種施策に取り組む。
 保育園の待機児童については、深刻な問題となっており、新年度には、既設認可保育所の定員の弾力化とともに、民間保育所の定員増、あるいは平成15年度開設に向けての民間保育所の建設等、積極的に待機解消に努める。
  また、全額補助している乳児医療費の助成対象を2歳未満児から3歳未満児まで拡大する。

(健康増進)
 保険・医療・福祉の拠点となる保健福祉センターを中心として、市民の皆さんの健康増進・疾病予防・介護予防の観点から各種事業を推進。
  また、新年度より新たに肝炎ウィルス検査を実施するほか、日本脳炎予防接種や成人歯科検診の通年実施、障害者歯科診療の一層の充実にも取り組む。

(医療保険と介護保険)
まず、国民健康保険事業の運営については、高齢化の進展や医療の高度化にともなう医療費の増加や長引く社会経済情勢の低迷等により極めて困難な状況にある。とりわけ、保険料収納については厳しい現状にあり、今後、収納体制を含めた対策強化、医療費の適正価値策など、事業の健全化に務める。
 介護保険については、制度開始以来、内容やサービスの利用方法、情報の提供等の広報活動、説明会の開催、相談窓口の設置など積極的に取り組んできた。 今後も介護保険制度の定着に努力する。

(男女共同参画社会の実現)
  平成4年に策定した「門真市女性問題行動計画」の後継計画として本年3月に「かどま男女共同参画プラン」を策定する。この計画に基づき、男女が互いに尊重し認め合いながら、対等な立場であらゆる分野に参画するとともに、それぞれが自分の可能性を最大限に発揮できる男女共同参画社会の実現を目指す。

2 あたたかいふれあいのある生活文化を創造する都市

(文化)
  門真市民文化会館「ルミエールホール」文化活動の拠点として、また、門真市立市民交流会館「中塚荘」は市民の親しみのある交流の場として広く利用いただいている。
両施設の管理は財団法人門真市文化振興事業団に委託しているが、市民文化会館については、新年度から計画的に大・小ホールの舞台機構の保全工事を実施予定。
  歴史資料館は、歴史文化に関する生涯学習の場として市民の皆さんに親しまれ、積極的に活用されている。

(学校教育)
 学校週5日制の導入に伴う教育環境の変化の中で、児童・生徒の特性などを考慮し、基礎的・基本的な学力を身に付けさせるとともに、一人ひとりの個性を生かす教育の推進を目指す。
 課題の、私立小・中学校の学校規模及び配置の適正化については、今後とも検討を進める。
  また、各小・中学校での高度情報通信ネットワークのブロードバンド化やホームページの開設も計画的に実施。
 学校施設については、新年度より水島小学校において、耐震補強と併せ大規模改造事業を実施する。
 学校給食については、新年度から当面、中学校給食業務について段階的に民間に委託する。

(社会教育)
 ITの基礎技術と知識を習得する機会として、新年度も引き続きIT講習会を実施。市民のニーズの高いプログラムを提供するよう努める。
 図書館は施設のバリアフリー化に取り組んできたが、新年度には、リニューアルされた施設で利用者の更なるニーズに応えたい。

3 快適で便利な都市生活を創造する都市

(公共交通)
 第二京阪道路については、本事業に関しては全体スケジュールには変化がないと聞いているが、未だ説明会が開催されていない地域に対し、早期に説明会が開催できるよう努力する。
 自転車対策については新年度には、京阪大和田駅において、自転車等駐車場を改善整備し、有料化に基づく運営を行う。

(道路)
 都市計画道路大和田駅三ツ島線については、事業区間の間、国道163号以南市道舟田町外周線までを既に供用。新年度には、残り区間、第二京阪道路までの用地取得に努め事業を進める。

(地域整備)
  門真南駅前土地区画整理事業については、建物等の物件の移転も順次に進み、土地利用も部分的に使用可能。新年度は、残るライフライン等の地下埋設物を整備するとともに、仮換地の使用収益件が開始できる街区の整備を行う。
 四宮土地区画整理事業については、引き続き早期の事業収束に努める。

(公園・緑化)
 都市の緑化を積極的の推進。新年度には、元町や石原町地区において公園緑地整備を実施。

(住宅・住環境)
 市民生活の利便性を高めるため住居表示を実施。新年度は、府道八尾枚方線以東、市道岸和田島線以南の地域について住居表示を実施すべく提案する。
 北部市街地整備については、現在、密集住宅市街地整備計画に基づき、住環境の整備に努めている。
 市営住宅の建替えに関しては、前年度継続事業の本町住宅の第2期建替え事業とともに、第3期建替え事業にも積極的に取り組む。
 建築・開発指導行政については、特定行政庁として建築確認事務及び違反建築に対する早期の指導を行い成果をあげてきたが、今後は宅地開発に対する許可事務も本市で行えるよう検討する。

(生活環境)
 「美しいまちづくり条例」の趣旨をふまえ、門真市美しいまちづくり推進協議会を中心に、市民、事業者及び市が一体となった美化運動の推進。
 不法屋外広告物に対しては、大阪府の屋外広告物施行条例にもとづく簡易広告物の除去に関する事務委任を受け、警告撤去体制を整え、迅速な対応を図る。

(上水道)
 水需要の減少、料金収入の伸び悩みなど厳しい経営環境にある中、経営の健全化を図るべく、また財政基盤の確立のため、新年度より水道料金の改定をお願いする。
  また、第2次水道施設等整備事業の一環として、泉町浄水場2号排水池の耐震補強及び老朽管布設替等の工事を実施する。

(下水道)
 中部排水区域の整備について、第二京阪道路事業との整合性を図りつつ計画的に進めるとともに、市道大和田茨田線に幹線管渠の整備を行う。

(廃棄物処理)
 本年4月、資源の再生と有効利用のための門真市リサイクルプラザが開設される。現行の8種分別の一部見直しを行い、さらなら分別の徹底によるごみの減量化・再資源化に努める。 施設運営については、市民参画のもとに行うこととし、市民の皆さんが手軽に各種事業に参加できるように努めたい。
 次に、4号炉のダイオキシン類排出削減対策事業については、既に解体事業はすべて終了し、新年度は、新たな施設や機器などの設置を行い、ダイオキシン類の発生防止に努める。

(環境保全)
 本格的な循環型社会の構築に向け、門真市エコオフィス計画及び門真市地球温暖化対策実行計画を推進している。地球環境の保全に向け、全庁的な温室効果ガスの排出削減に取り組んでいく。
 また、窒素酸化物をはじめとする自動車排出ガスの低減を図るため、ごみ収集車等をディーゼル車から天然ガス自動車へと順次、切り替え導入する。

4 安全な市民生活と活力をはぐくむ産業を創造する都市

(防災・消防対策)
 まず、防災対策について。 新年度においては、先の阪神・淡路大震災のような大地震が発生した事態を想定して、大阪府及び北河内7市による合同防災訓練を実施し、北河内各市との相互応援の推進、防災関係機関との相互連携の強化、防災関係機関の職員などの技術向上を図るとともに、地域住民の防災意識の高揚に努める。
 また、災害時における混乱の軽減と防災意識の高揚を図るため、避難所に4か国語表示による避難所標識を設置する。

(既存産業の集積整備)
 商工行政については、市内商工業者の置かれている環境は非常に厳しいものがあるが、本市としても、関係機関と連携を図り、商業活性化基礎調査の結果をふまえた各種施策の推進など、商工業の振興,活性化に努めたい。
 また、農業については、環境と調和した生産性推進対策事業、さく井事業など一連の事業を実施し、地域特性を生かした都市近郊農業の振興を図る。

5 まちづくり基本目標の実現をめざす行財政運営

(広報公聴)
  広報活動については、広報紙や市ホームページにより情報提供の場、市民相互のふれあいの場として分かりやすく親しみやすい紙面・画面づくりに努める。
  新年度には、さらにFMコミュニティ放送に参画し、即時に、かつ、きめ細かな行政情報を提供するとともに、災害時における正確な情報伝達を行っていきたい。
 また、子供議会を開催し、模擬議会を通じて子供たちに、自分たちが住まうまちについてより一層の関心を持ってもらいたい。

(情報公開)
 情報公開制度並びに個人情報保護制度は、一昨年から実施しており、市民の皆さんの市政への参加と開かれた市政を一層推進するため、今後も両制度の適正な運用に努める。

(職員研修)
 職員は新たな課題や効率的な行財政運営に対応すべく、階層別研修、パソコン研修をはじめとする各種研修事業と併せ、派遣研修への積極的な参加を促すなど、研修の充実強化に努めたい。

(事務管理)
 まず、入札制度については、公募型指名競争入札の導入を図り、指名にあたっての透明性をより高めるよう努める。
 公金の管理については、今後は、預金者の自己責任原則に基づき、資金保管運用に係るほうしんをさくせいするなど、本市の資金を安全に管理していくよう努める。
 次に、住民基本台帳ネットワークシステムに関しては、本年8月からの一部稼動に続き、各種サービスが開始されるが、本市においても、個人情報の保護と併せて、本システムの構築に万全を期していく。

(行政管理)
 行財政の改善に終わりはなく、新年度においても、新しい時代に適合し、かつ多様な行政需要に対応するため、新たな組織・機構のもと更なる改善の推進に努める。

(行財政運営)
 歳入環境は真の厳しい局面を迎えている。難局を乗り切るべく徹底した事務事業の見直しを行うとともに、まちづくりや市民福祉の維持向上を図るべく限られた貴重な財源を重点的、かつ効率的な配分により予算措置を行った。
    各会計の予算規模
 一般会計予算              45,846,000千円
 国民健康保険事業特別会計予算   12,966,672千円
 四宮土地区画整理事業特別会計予算   45,700千円
 公共下水道事業特別会計予算     6,697,000千円
 都市開発資金特別会計予算           600千円
 公共用地先行取得事業特別会計予算  421,043千円
 老人保健事業特別会計予算       8,580533千円
 水道事業会計予算             4,714,341千円
  総額  79,271,889千円

以上