門真生コン問題請願に対する戸田の賛成討論

(約11分間にわたって、原稿無しで堂々の論陣) (テープ起こしによる全文再現。文責;戸田)
2001年6月6日本会議


 賛成の立場から討論申し上げます。まず、この問題を考えるにあたり、先の建設委員会の審議を見たときに、非常に残念な悲しい思いをいたしました。
 まずそれは、門真にもともと住んでおる百数十世帯の人達の目の前、ないしは家の真裏で巨大なものが建って、様々な不安や被害が起こっておると、こういう事態に対して共産党以外の議員の人が、こういった住民の驚きや憤り、痛みに対して気持ちを寄せたうえで、「法的にどうなのか」という風なことを考える姿勢が見られなかったこと、「行政指導できませんね」、「これは範囲外ですね」、そういう風な質問に終始した。極めて残念であると思います。

 それからこういう問題を審議するにあたって、委員長からは「慎重審議」と言われましたが、わざわざ人数分の資料を用意して、共産党の議員が配布をお願いしたのに、これを受け取りを拒否する、せっかくある資料に目を通さずに、それで審議をしてしまう。非常におかしなやり方であるというふうにまず思います。

 そしてこの問題を考えるときに、「適切である」とか、あるいは行政指導はしておっても「範囲外」であるとかいうことを言われますが、まず、「暑さに懲りてナマスを吹く」とう言葉がございますけれども、門真市の場合、今までかつて過去一度でも、行政指導のやりすぎであるというふうに業者から文句を言われるような、そういうことをしたことがあったのか!

 よその市で、私が聞いた寝屋川市の元職員では、かつては業者側から「行政暴力だ」と言われて、いろいろ裁判を起こされるぐらいのこともあったけれども、しかし、住民からの反対等々があった場合は、仮に法や条例、要綱等、クリアーしておっても、棚上げして、住民合意を求める、そうでなければ、議会からつき上げらていつまでも審議が終わらない。そういう風なことを聞かされておりますが、それに比べて、門真の行政、議会の姿勢は極めて残念であると言わなければなりません。

 まずみなさんに考えていただきたいのは、元々門真に住んでおって、平穏な生活をしておる百数十世帯の所に、ある日いきなり生コン工場がボンとでき、しかも建ち上がる直前までは、嘘をつかれておった。そういうふうなことが、いったい門真市の住民にとって、あるいは街づくりにとって、物流行政にとって、プラスであるのかどうであるのか!たった一軒のよその市から乗り込んで来ようとする業者のために、元々住んでおる住民が大きな不快感や被害を受けると言うことが、いいことであるのかどうか。このことをまず原点として考えていただきたいと思います。

 あわせて、「自治体は住民サービス機関である」という論も言われております。
「顧客満足度」ということで言えば、門真市でせっかく自分の一生に一度か二度しか買えない、おそらくほとんど一度しか買えない分譲の住宅・マンションを買ってここに住んで、こういう仕打ちを受けなければならない、この住民市民の悔しさや怒り、このことを門真市の街づくりやこれからの行政にとってどうなのか、ということを考えていただきたいと思うわけです。これから第四次計画等々が言われおりますけれども、いったいこういった姿勢で市民が、ヨシ分かったと、「みんなでいい街作ろう」という気持ちになれるかどうか、こういう基本的な問題がまずあります。

 それから法律、条例等々言いますが、これは役所の方が認めてます通り、いろんな矛盾や抜け穴や大き な、あまりに大きすぎて、現実のものにはこぼれてしまうことがいっぱいあります。例えば、マンション等であれば、10メートル以上の高さは周辺住民の合意を得なければならない。しかしながら、マンションというのは粉塵も高音も出さなければ、ミキサー車が出入りすることもございません。
 それなのに、27メートルの高さの巨大な生コンプラントは「工作物」であるから、近隣住民の合意は要らない。終日、夜中でも日曜平日でもやって構わない。これは大きな矛盾ではないでしょうか。

 従って、今ある法律や条例にある矛盾をどうやって現実の市民生活の中で、カバーしてよりよい市民生活を守っていくのか、これを工夫するのが、地元自治体の行政マンであります。法律がこうだからできませんでは、いったい、誰から給料もらっておるのか、何のために働いておるのか!まさに公僕としてその役割意識を問われる。
 これが門真市の場合、現実に現れておることは、極めて希薄、そして無為無策であったということであります。

 例えば、この開発申請にあたっては、門真市が開発協議の事前協議申請書を出されたのは、昨年の11月9日。そして市がそれを認可して、協定書を結んだのが12月の11日、わずか1か月です。わずか1か月の間に、あの163に面したところで、「あれは国道であって。市のモンではないから、道路管理等は関係ない」、道路の方には連絡しない、交通渋滞、交通対策等にも連絡しない、公害や環境の方にも連絡しない。ごくわずかな部署だけで、ほとんど下水道の接続がどうかとか、境界面がどうかとか、そういうことだけでたった1か月で審議を終えてしまっておる。

 いったいあの地域に、あの地に27メートルの物ができてどうなっていくのかという初歩的なことをまったく考えない審議だった。そして建築確認は12月の20日にもう出されております。役所の人が言っております。「建築確認等々は建築基準法という単なる技術法に基づいてやるだけなので、この建物の用途とかどうだとか、周辺の影響がどうやとか、そういうことを考えることを考える手続きではありません」、とするならば、開発の段階で慎重に、そしてどうなるか、住民にもちゃんと知らせながら考えていくというのが、街づくりをするためには絶対必要なことであったはずです。

 先ほど、報告の中で、行政側は環境、生活環境基本条例に基づいて、認可していると言っておりますけれども、開発の審議等々、開発の要綱では、「公害」だとか、そういうこと「開発行為」と書いています。建築工事の時の迷惑行為とか、周辺の道路状況がどうだとか、いうことは触れられておりません。

 したがって、そういうことは審議しないでいい、というふうな理由付けができます。
それが終わって建築確認に行ったら、「これは単なる技術法で、設計の図面を見てやるだけです」、じゃあ、どこでいったい地域環境をとってどうなのか、周辺住民にとってどうなのか、検討する時間があるのか余地があるのか、制度があるのか、言えば、実は今の門真市の考え方においては、どこにもないという重大な欠陥がここで明らかになったわけです。

 しかも、この建築確認が下りた12月20日、まさにその翌日に守口市の大久保町の住民が、この大久保建材を裁判に訴えております。門真市が大久保建材、そしてそれをそれを申請した幸福産業にとっては、まさに千載一遇、すれすれの許可であった。といわなければなりません。
 もしこの裁判の、門真市の開発の認可のいろんな審議がもうちょっとしっかり、慎重にやっておれば、この裁判のことが途中で入ってくる、従って、門真市も嫌でももう一度、考え直さざるを得なくなる、であったはずであります。

 しかしながらそうではなかった。このことの責任、そして現に工事をした。で門真市が言うには「軟弱な地盤である。しかし、まともに工事をすればよその家が傾くことはない」と言っておりますが、現実には家の床が傾いてヒビを入れられている。
 しかも何ら誠意ある対応をしていない。これを行なっている日本建設というところは、指名業者であり、大手のたいへん有名な会社であります。こういうところが、その現場監督は住民の13戸の方々の所に現れて、やれ「町工場ができる」、やれ「12メ ートルの高さだ」、やれ「6メートルの高さだ」、やれ「生コン製造ではなくてテストプラントだ」という、嘘の限りをつくして、それぞれに住民を安心させておいて、建ち上がったとたんに後は知らん顔。

 この前も話し合いでも一切現れない、こういうやり方について、★大本議員、ちゃんと聞いて下さい。★ どう思われるのか。

(注)大本議員があまりに行儀悪くて目に余るので名指しで注意した★―★部分
について、「名指し注意は良くない」と後で問題にされて、結局この部分は
議長職権で議事録から削除されることになった。

 このことはたいへん重要なことであります。あそこでせめてみなさんが、建設常任委員会の中で、いろんな不十分点、あるいは行政として十分でないと思われるのであったとしても、慎重審議、もしくは継続審議されるべきではなかったでしょうか。
 この、しかも、行政指導を求めるといってますが、この請願において、具体的に何をせい、これをせいというね、はっきしたことはことはこれからね、考えていけばいいわけであります。

 こういう方向で、こういう姿勢で、やってくださいということですから、後は現実的に行政の側が業者、そして住民を呼びながら、できることを一歩一歩やっていく。こういう姿勢をやるべきであって、頭から「行政指導はもうできない」、「もう充分しておる」、「範囲内である」、こういうふうな決めつけ的な否定を行うべきではないと、考えます。

 これから大きな問題が出てくることは、私は間違いないと思います。そしてまた、この門真市の街づくりにあたって、門真市においては、「たまたま住んでいた所が準工地帯であれば、後ろに何ができても文句は言えませんよ」と、こんなことでよい街づくりができるのか、新たな住民が喜んでやって来てくれるのか、このことをしっかり考える時に、私はこれは、この請願については賛成をして、そして行政側にしっかりと今までの不十分点を反省してそれから、臨むということを求めるべきであると思います。

 そして最後ひとつ言いますが、よその市においては、現実に生コン工場ができる場合に行政が仲介して、住民と業者側と協定結ばせている例が現実にあります。だから、行政指導等、これができないとかいうことでは全くありません。
 そのことを、「できること」をどうすればできるのか、どうすれば住民のためなるのか、それを研究して、住民のためにがんばっていただきたい。そういうふうに思いまして、私の賛成討論を終わります。

(●この後、共産党石橋議員も請願賛成討論。4会派側は全く何も発言しない
  で、採決の時だけ反対して、本会議でこの請願を葬り去った。)