道路財源確保の意見書の提出に対して  <戸田の反対討論原稿>

 このような道路財源の確保に関する意見書は、何度も出されてきたのではないかと思われま
すが、 国も地方も借金まみれとなって、わが国の先行きに多くの国民が不安を抱え、土木事業
関係の公共事業の見直しを求めている、今の段階で、同じような意見書は、果たして適切である
のか、まず疑問を抱きます。

 8月22日に各市町村議会議長様として、送られてきた要請文の中では、以下のように非常に
興味深い記述が見られます。

 先般公表された政府税制調査会の「中期答申」において、「道路特定財源については、一定の
合理性は持ちうるが、その妥当性については、常に吟味していく必要がある」と述べられ、「道路
特定財源の一般財源化」等について検討がなされていると述べております。

 つまり、政府でさえ財政難や土木事業を中心とした、大規模公共事業に対する社会の風当た
りの強さを踏まえて、公共事業の見直しを打ちださざるを得ない社会情勢となってきており、道路
特定財源の妥当性について、論議せざるを得なくなっているという、まともな見直し論議が起きて
いるわけであります。

 この際、国全体の道路行政のあるべき方向性について、徹底的に論議してもらった方がよい、
と私は考えるものであります。
 この要請文のなかでは、…昭和29年から46年間も、これだけ多額の公共事業費をつぎこん
で道路整備をやってきて、その整備水準が欧米諸国と比べて質量ともに大きな格差がある状態
なら 、なおのこと効果があがっていない、ということであり、事業の方向性が間違っていないか、
なぜ効果があがらないのか、徹底的に分析すべきではないでしょうか。

 私は道路公害が大きな環境問題を引き起こし、人の健康を脅かしている現状をきちんと直視
し、今こそ人口過密の日本の国情にあった道路政策の転換を図り、車だけに過度に頼りすぎな
い、バランスのとれた公共交通政策を、新たに提起すべきだと考えております。

 門真市においては、歩道の拡張などの道路整備が緊急に必要でありますが、それは決して、
これまでの経過へのとらえ直しの姿勢を欠いた、このような10年1日の如き「道路財源確保」の
要請運動に、右にならえ的に埋没することによって、達成できるものではない、と考えます。
 

                                         以上