戸田の一般質問&答弁          2000年9月28日

(*この原稿は市側に渡してあるものとほとんど同じです。不十分な答弁には1回だけ再質問できますが、20分の時間制限のためかなり難しいのが現実です)

質問項目の第1は、<住民基本台帳ネットワークシステムの疑問・問題点について>です。

 通信傍受法、いわゆる盗聴法と同じ時期の、99年8月に成立した改正住民基本台帳法により、全ての国民に個人管理番号を付けて国が一元管理する「住民基本台帳ネットワークシステム」(略称「住基ネット」)が、2002年8月稼働へむけて準備進行中ですが、たかだか「全国どこでも住民票の写しを入手でき、転入転出手続きが一度で出来る」程度の利点と引き替えに、自治省の見積もりだけでも、初期投資400億円、関連経費224億円、年間維持経費200億円という巨額の費用をかけて、自治体のもつ膨大な住民個人情報をコンピューターネットにつなげてしまう危険性について、疑問が広がっています。

 いったい普通の市民にとって、住民票を請求することが毎年何回もおこるような事でしょうか?郵便でも請求して送ってもらえるのであり、転出届なども同様であります。
まさに受益者負担・利用者負担の原則で今まで通りやっていて、何の問題もないのであります。
 翻って、個人情報が全国的なコンピューターネットに提供されることによるリスクはどうか、と言えば、宇治市の情報漏洩からアメリカ国防総省やCIAへのハッキングにいたる実例を見れば明らかなように、いつでも、どこでも、どんな想定外のことからも、大量かつ取り返しのつかない個人情報の漏洩・目的外利用・改竄が起こり得る、いやほとんど確実に起こる、と言ってよいのが現実でありましょう。
 これはいわば、1の利益のために1000の危険を引き受けるに等しいことと言わねばなりません。そこで以下の諸点をお聞きしますので、項目ごとにお答え下さい。

第1に;住民基本台帳事務は、市町村の事務であるにも関わらず、住基ネットの運営主体
    が都道府県によって構成される「住民基本台帳ネットワークシステム推進協議
    会」であるのはおかしくないでしょうか? お答え下さい。

答 弁   (瀬戸 部長)

 住民基本台帳ネットワークシステムについて

  ご承知のとおり、住民基本台帳ネットワークシステムを構築するために、住民基本
 台帳の一部を改正する法律が平成11年8月18日に公布されたことにより、全国的
 に取り組まれている事業でございます。
 このシステムは、従来の住民基本台帳制度の枠組を維持しつつ、市町村の区域を越え
 て、住民基本台帳に関する事務処理や国の機関等に対する本人確認情報を行うシステ
 ムを構築しようとするものであり、住民の各種給付手続き等の負担軽減、行政の効率
 化等により、21世紀の行政情報化にむけた社会的基盤の確立を目的にしているもの
 であります。


第2に
;多くの自治体では、個人情報保護条例によって、外部のコンピューターと接続し
    て個人情報を流すことを禁止しています。門真市においても個人情報保護条例の
    第8条の3において、「通信回線により結合されたコンピューターを用いて個人
    情報の提供をしてはならない」、とした上で、「ただし、実施機関が審議会の意
    見を聞いたうえで、公益上の必要があり、かつ個人の権利利益を侵害する おそ
    れがない場合」のみ、情報提供を認める、という慎重な制限を設けています。

 しかるに、国が何ら個人情報保護法を持たず、個人情報保護の何らの基準も持たないく
せに、「法は条例よりも上位であるから自治体は国に従え」という形式論で十分な意見聴
取も説明もしないままに、自治体のコンピューターによる個人情報の提供を求めるのは、
個人情報保護の実効を失わしめることであり、また地方分権の理念に逆行することではな
いでしょうか? 門真市の見解を求めます。

答 弁   (瀬戸 部長)

 住民基本台帳ネットワークシステムと個人情報保護条例との関係について

  ご指摘のとおり条例第8条第3項でオンライン結合による個人情報の提供を禁止し
 ておりますものの、個人情報保護審議会の意見を聴いたうえでの例外を認めておりま
 す。審議会は、オンライン結合による個人情報の提供について、2つの要件を満たし
 ていることが必要であるとの意見であります。

  1つ目の要件は公益上の必要性であり、具体例としては、法令上にオンライン利用
 の根拠があることとか、全国統一的に、大量の情報について、即時的に対応すること
 が必要な事務であって、他の方法によっては、事務事業の目的が達成されないこと等
 であります。また2つ目の要件は個人の権利利益を侵害するおそれがないことであり、
 オンライン提供に対応した個人情報保護体制が提供先において整備されていること、
 とりわけ不正アクセスの排除等、安全性の確保措置について配慮されていること等が
 必要であるとのことであります。

  いずれにいたしましても、本市がオンライン提供するに当たっては、改めて審議会
 のご意見をお伺いすることになるわけでありますが、平成13年度の通常国会への提
 供を目指して検討が行われております国の個人情報保護基本法に注目したいと考えて
 いるところであります。
  また今回の住民基本台帳法の一部改正においても、個人情報保護が最重要課題とし
 て位置付けられ、市町村、都道府県、国等に対して個人情報の保護と守秘義務を課し、
 罰則規定を含めて厳しい対策が取られているところであります。  


第3に
;この夏に同協議会全国担当者説明会において、市町村に対してネットワークの基
    本設計が示されたはずですが、市町村の意見反映についてはどのように保障され
    たのでしょうか?
     また門真市はこれにどのように対応したのでしょうか? お答え下さい。

答 弁   (瀬戸 部長)

 住民基本台帳ネットワークシステム推進協議会の運営主体について

  本システムは、市町村が住民基本台帳制度を運営するという制度の基本的枠組を変
 更することなく、市町村の区域を越えた本人確認のための制度であるため、市町村間
 の連絡調整を図りつつ、広域的にわたる事務、統一的な処理を必要とする事務などを
 担うとされている都道府県が、システムの運営主体とされたところであります。
  尚、市町村に対します推進協議会の検討状況の報告、意見の聴取の場といたしまし
 ては、大阪府住民基本台帳ネットワークシステム市町村連絡会が設置され、本年8月
 22日の基本設計を含めて今日まで4回の説明会が行われ、いずれも出席者の意見交
 換がなされたところであります。


第4に
;住基ネットへの参画反対を表明していることで有名な東京杉並の山田区長は、
    本年7月15日の朝日新聞朝刊の「論断」において、「自治省は当初、住基ネッ
    トには氏名・住所・生年月日・性別の基本4情報が流れるだけだと説明してい
    たが、実際には戸籍や年金の種別など13情報が載ることが明らかになった」、
    と述べていますが、13情報が載るというのは事実でしょうか? お答え下さい。

 答 弁     (瀬戸 部長)

 ネットワークシステム保有情報について

  住民基本台帳法の一部改正において、本人確認の保有情報は、氏名、生年月日、性
 別、住所の4情報と住民票コードとなっており、転入・転出時の特例として転出証明
 書の記載事項である13情報が転出市町村から電気通信回路を通じて転入地市町村に
 送信することとされております。


 この項目での質問の最後に;各自治体は「住基ネット」稼働へ向けて、今年度中に既
存システムへの影響を調査し、来年度には導入予算の計上を求められていると聞きます
が、門真市はこの問題についてどう考え、どう対応しようとしているのでしょうか。
お答え下さい。

 参考までに、前出の山田区長がこの「論断」で、「国家安全保障上の懸念はさらに強
い。住基ネットで集積された個人情報が万が一にも日本を敵視する外国に流出したらど
うなるのだろう。 ・・・・米国国防総省やCIAさえハッキングされているのに、我が
国の市町村ネットがそれらより強固なセキュリティを維持できるとは考えられない。
・・・地元自治体でしか住民票が取れない程度は、自由と民主主義を守り、国民の安全
を確保するためには最小限必要なコストとしてとらえるべきではないか。・・」と述べ
ていることも付け加えておきます。


 答 弁
   (瀬戸 部長)

 既存シムテムの影響度及び導入予算について

  既製のパッケージを利用して構築しているために、既存システムの影響度調査につ
 いては必要ないと考えております。予算につきましては、システム用機器の導入及び
 既存シムテム改修に必要な経費については現在検討しているところでございます。

 

2番目の質問項目は、<国勢調査でのプライバシー保護の具体策について>です。

まず第1に;今回の調査に要する費用と人員について詳しくお答え下さい。

 答 弁

  まず、今回の調査に要する費用と人員でありますが、支出予定額は6千815万
 4千円で、90%に当たる約6千万円が、調査員、指導員への報酬であり、調査員
 1,025人、指導員102人の人員で調査に当たっております。


第2に
;これまで門真市では国勢調査に関わって市民からどのような苦情が寄せられて
    いたでしょうか? また今回、調査員の人権研修や配置の仕方については、どの
    ような配慮がなされているでしょうか。お答え下さい。

 答 弁

  次に市民からの苦情でありますが、
  ・忙しいので、調査票を書いている暇がない。
  ・どうして、こんな調査をするのか。
  ・調査票を調査員に見られたくない。
  ・調査が税金の資料に使われるのではないか。
  ・氏名は書きたくない。
  等が主なところであります。

  また調査員の人権研修や配置の仕方でありますが、調査員説明会におきまして、
 プライバシー保護のパンフレットを配布するとともにプライバシー保護の重要性に
 ついて説明し、理解を求めており、人員配置については、でき得る限り調査員の住所
 地近辺を避けるよう配慮いたしております。


第3に
;全世帯に配布される「調査票の記入のしかた」の1ページめ右下の「連絡先」
    欄に総務庁および門真市の「苦情相談窓口」の電話番号を明記して周知すべき
    と思いますが、どうなっているでしょうか。また門真市の相談窓口の受付時間
    は何時から何時まででしょうか。

 答 弁

  次に「調査票の記入のしかた」の「連絡先」欄に総務庁及び門真市の「苦情相談
 窓口」の電話番号を明記して周知すべきとのご指摘でありますが、当欄には、本市
 情報課情報統計係の連絡先を明記し、苦情等についてもお聞きしているところであ
 ります。 なお、「窓口」の受付時間は、午前9時から午後5時15分までですが、
 9月23日から10月9日までの期間については、夜9時までといたしております。


第4に
;調査票を密封して調査員に渡すこと自体が目立ってしまって苦痛であると感じ
    る人も少なからずいるものと思われるので、「原則密封」、「郵送・持参方式
    推奨」をすべきと思いますが、いかがでしょうか。

 答 弁

  次に調査票を「原則密封」、「郵送・持参方式推奨」をすべきとのことでありま
 すが、「原則密封」としますと白紙回答であったり、記入漏れの箇所が多数見られ
 たり、また「郵送・持参方式」の場合は回収率が悪く、いずれにいたしましても調査
 に支障をきたすこととなります。
 


第5に
;全部あるいは一部未記入の調査票については、その未記入の意志を尊重して、
    役所から問い合わせをしない、とすることについてはいかがでしょうか。
     また問い合わせする場合の基準と注意点について、どのようにているのか。 

 答 弁

  次に全部あるいは一部未記入が調査拒否又は一部非協力によるものである場合につ
 いては、調査員がその旨を調査票に記入していますので、市からは問い合わせを一切
 しないこととなっております。
 
 問い合わせをする場合の基準と注意点でありますが、問い合わせをしますのは記入
 漏れがある場合と、記入された事柄に明らかに矛盾点がある場合であり、それが調査
 拒否あるいは一部非協力によるものか、注意を払いながら問い合わせを行うこととい
 たしております。


最後に
;調査終了後に、密封提出の割合や苦情相談の実態などを公表すべきと思います
    、門真市の見解と予定をお聞かせ下さい。

 答 弁

  調査終了後の密封提出の問い合わせがあれば公表できるものと考えております。
 よろしくご理解賜りますようお願い申し上げます。



3番目の質問項目は、<北巣本の土地不法占拠業者に対する市対応への疑問について>です。
        
  (*ごく一部、字句の修正を行ないました。(下線部))

第1に;北巣本の第2京阪道路用地約1000坪を10数年間も不法占拠していた建設業者
    に関して、3月議会終了後になって、ようやく事情聴取と書面での注意指導
    がなされたとのことですが、その事実経過と内容について、詳しくお聞かせ
    下さい。

第2に本件では、所有権を侵害された大阪府や道路子団側が、なぜか告発や損害賠
    償請求をしないという不可思議な対応があったとしても、これほど長期・大
    規模な土地占拠の違法性は客観的に明らかであるのに、なぜ書面注意程度で
    済まされるのでしょうか。
     違法行為を行った企業が謝罪や賠償もしないままに、なぜ門真市の公共工
    事指名業者としての地位を継続できるのか、市民的常識からして理解に苦し
    むところであります。この建設業者に対する市の処分についての見解を、お
    聞きしますので、ご回答下さい。

第3に;事件がこの1月22日に大々的に報道されたにも関わらず、門真市の大変ゆ
    ったりペースの事情聴取と、書面での注意だけという軽い処分は、要するに門
    真市では、業者の違法行為が客観的に明らかであっても、有り体に言えば警
    察沙汰にさえならなければ、公共工事の指名業者から外されることはない、
    というメッセージを社会に、そしてまた業界世界に送ってしまっていることにな
    っているのではないでしょうか?

 市が違法行為には毅然たる態度を取る、という姿勢を現実問題として示さない限り、
一部業者の違法脱法行為は後を絶たず、結果として行政の信用失墜や本来いらざる費用
と労力の支出という損失を生み出すことになりましょう。少なくとも公共工事に関わる
業者については質的な向上、遵法精神とモラルのアップを図っていく、という観点から
の市の見解をお聞かせ願いたい。

 答 弁

  北巣本の土地不法占拠業者に対する市対応への疑問についてでありますが、
 平成12年1月22日付の新聞報道に対してまして、3月30日に状況の確認を行い
 ました。その結果、日本道路公団用地の無断使用や、野焼き行為について一部事実で
 あることの確認を致しましたので、門真市建設工事等指名停止に関する要綱に基づき
 まして、当該行政機関により法令違反等の処分がなされた場合は、指名停止とする旨
 を付して文書注意したところであります。

  書面注意程度で許されるのかとのご指摘でありますが、市と致しましては新聞報道
 されたのち、当該行政機関の対応も含め、推移を見守ってまいりましたが、年度末が
 近づいた時点におきましても、関係機関よりの処分は無く、文書注意が妥当と判断し
 たものであります。
  その後日本道路公団におきまして、土壌汚染に関する地域住民の不安を解消する必
 要があるとの判断のもと、ダイオキシン類や重金属等の土壌検査が実施されました。
 市におきましてもこの検査を注目致しておりましたが、いずれも環境基準値や、国の
 調査指標値を下回っていたとの検査結果報告がありました。
  又、この件に関して産業廃棄物処理法違反などの行政処分は行われませんでしたの
 で、指名停止には至りません。

  被害者当事者からの告発や、警察の捜査がなければ、公共工事の指名業者から外さ
 れることはないのか、とのご質問につきましては、先の3月議会におきましてご答弁
 申し上げておりますとおり、業者が何らかの違反行為を起こし、行政機関に処分され
 た場合に指名停止を行うものと認識致しております。

  今後につきましては、行政機関からの違反に伴う処分等があった場合には、要綱に
 基づき厳しく対応するとともに、指名業者において、不誠実な行為が発覚した場合に
 は、事実関係を調査し、状況の把握に努め、必要に応じて業者に注意を促すなど、モ
 ラルの向上を図ってまいりたいと考えておりますのでよろしくお願い申し上げます。



質問項目の第4は<違法行為業者が、下請として市の公共工事に携わっていることについて>です。

 門真市の指名業者であるAという会社の下請として、現在八尾枚方線江畑南そばの下水道工事を行っている高槻の光安建設という業者は、管轄の茨木労基署の再三の指導にも関わらず、就業規則すら作らないという前近代的な法律違反を平気で続け、労組との団体交渉拒否という労組法違反も継続して来ました。

 これは、全日建運輸連帯労組(通称連帯ユニオン)に加盟している同社の社員への解雇事件が起こる中で明らかになったことでありますが、同社は2年前の門真市殿島での下水道工事にやはりA社の下請として参入した時に、この社員への時間外手当を支払わないという問題も起こして未だに支払っておらず、先頃、この労働者の訴えを茨木労基署が受けて具体的な調査を始めているところであります。

 そもそも、会社が就業規則を備えるというのは、労働基準法の基礎の基礎というべきものであり、その会社が経営者の自由気ままに運営されているのではなく、一定のルールに基づいて運営されていることを示す土台であります。これが存在しない会社というのは、労働者が「ルールなき支配」によって奴隷的な状況に置かれてしまうといっても過言ではないからこそ、労基署も問題にするのであります。

 言い換えますと、就業規則すら設置しない会社というのは、およそまともな会社とは見なされないし、それ自体が違法存在であるわけです。こんな違法な企業が、実は何年も前から高槻市の公共工事指名業者としての地位を得て、高槻市の公共工事を手がけてきたという所に、違法脱法ヤリ放題という一部業者の跋扈とそれを野放しにする行政のダラシなさ、という不健全な構図が見られるわけであります。

 さて、この光安建設という会社は、連帯ユニオンからの門真・高槻両市や茨木労基署への調査や働きかけに脅威を感じて、9月21日になってようやく就業規則を作成して労基署に提出したのでありますが、これは違法行為のごく一部をうわべだけ改善したにすぎません。
 違法企業のままに高槻市の指名業者にもぐり込んでいた上に、問題発覚の本年7月以来の茨木労基署からの、就業規則を作るよう、という指導や期限指定の改善命令を受けてもなお、つい先頃までそれを無視して守ろうとしないで来た事実は消せませんし、さらに時間外手当の未払い問題があり、しかも労働組合を否認し、団体交渉を拒否し続けているという労組法違反行為は重大問題であります。

 ちなみに1973年、昭和48年の黒田了一大阪府知事の「不当労働行為企業を公共工事の指名から排除する旨の大阪府知事の回答」の1;には「公共工事を発注するに際して、指名競争入札に参加させる業者につきましては、その業者が労働関係法令に違反しておれば、一定期間指名から排除するようにいたします。」とはっきりうたわれており、光安建設の場合、これに該当することは明白であります。

そこで質問小項目の第1です。 元請けならダメだが下請なら違法業者であっても良い、ということはないはずでありまして、こういう前近代的な体質の違法行為業者を、下請とはいえ、門真市の公共工事に参入させ続けてよいのかどうか、市の見解と具体的対応をお聞かせ下さい。

次に小項目の第2です。 さて、茨木労基署は、光安建設の違法行為の実態について連帯ユニオンや議員の戸田には明らかにしながら、門真市からの問い合わせには「第3者には回答できない」というおかしな理由を付けて、かたくなに回答拒否するという対応を遺憾ながら続けております。

 先に挙げた府知事の回答の1;の後段には「この場合には労働関係法令を所管しております行政機関等からの法令違反についての告発、処分通知等に基づき行ないます。」とありますから、茨木労基署の行為は自治体にとって、公的機関からの証明によって業者の違法行為を事実認定する途を妨害されているに等しく、自治体に対する不当な情報隠蔽と自律的処分権の侵害であり、「不当労働行為企業を公共工事の指名から排除する旨の大阪府知事の回答」の内容を有名無実化してしまう、誤った行為であり、改善されなければなりません。

 そこで、門真市は形式論に陥ることなく、「知事回答」の目的と趣旨にそって、違法行為行業者野放しを根絶するために、創意工夫と毅然たる姿勢を持って対処すべきと思いますがいかがでしょうか。市の見解をお聞かせ下さい。

 答 弁

  違法行為業者が下請として市の公共工事に携わっていることについてでありますが、
 公共工事の契約におきましては、発注者である市と、受注者である元請業者との請負
 契約であると認識致しております。同様に元請業者と下請業者との間には、下請契約が
 結ばれておるものと考えております。

  ご質問の下請業者への対応につきましては、元請業者は、下請業者などが建設業法等
 の法令に違反したときは、違反の是正を求めるよう努めなければならないものと理解致
 しております。
  したがいまして、下請業者に関しましては、元請業者がその責任において対応すべき
 ものと判断致しております。
 
 元請業者の違反行為への対応につきましては、当該行政機関からの法令違反について
 の告発、処分通知等に基づきまして、門真市建設工事等指名停止に関する要綱により、
 厳正に対応してまいりたいと考えております。

  いずれに致しましてもご指摘の様な行為に関しましては、監督官庁よりの指導等に基
 づき、企業自らが是正に努めなければならないものと、考えておりますのでよろしくお
 願い致します。



質問項目の第5は、<自衛隊は災害救助に適した能力と装備を有するか、について>です。

 昨年10月、私は初めて門真市の防災訓練に議員として参席させてもらい大変勉強になりましたが、非常に違和感を感じたことがありました。訓練は大阪市とその周辺一帯で大地震が起こり、都市災害が大規模に発生した、という想定で行なわれたのですが、こういう場合、地元の役所・消防・警察・諸企業・諸団体が総力を挙げて災害救助に当たるのは当然としても、訓練の場に派手に登場したように自衛隊が実際に門真までやって来れるのか、門真にまで手を伸ばしてもらえるのか、というのが大きな疑問でありました。

  大阪市及びその周辺に大地震が起こった、というならば門真とは比べものにならないほどの人口と巨大建築物と政治経済の諸センターが集中する大阪市の救済に、限りある力が投入されのは必然であり、門真まで手が回らないのは致し方ないことと言わねばなりません。そしてこういう大地震状況の時に、訓練にあったように、堺や伊丹の駐屯地から陸路はるばる自衛隊が投入されるのか、ということであります。距離的に近い八尾のヘリ部隊でさえも、門真にまで救援に回る余裕はないと考えるべきでしょう。

 合理的に考えれば考えるほど、防災訓練の時のように自衛隊の各部隊が門真に登場して、新鋭設備をふるって救援活動の早い段階から重要な役割を担う、というのはおよそあり得ないことであることが容易に分かるはずであります。現実的には自衛隊はせいぜい、大阪市などの重要地域の救済に重点を置きつつ、余力の範囲でガレキの撤去などの人海戦術にあたったり、周辺にヘリを飛ばして情報収集したりできる程度、と見ておくのが妥当でありましょう。

そこで質問小項目の第1です。 先に述べたようなことからして、門真市の防災訓練においては、自衛隊が初期段階から何か重要な役割を果たしてくれるかのような非現実的な想定はやめて、自衛隊は来てくれたらめっけもの程度の位置づけにとどめ、あくまで地元の役所・消防・警察・諸企業・諸団体が総力を挙げて災害救助に当たる、という自助努力の根本に立った防災訓練に練り直す必要があるのではないでしょうか?

 自衛隊にはこういう装備があるという展示的意味以上に自衛隊の能力・力量への幻想を住民に持たせるのは大災害発生時にはどうなるのか、どうしなければならないのか、というリアルな想定をして大災害に備えることへの妨害にしかならないと思いますが、市はいかがお考えでしょうか。見解をお聞かせ下さい。

 答 弁

  自衛隊が投入されるかのような防災訓練の想定は、非現実的ではないかとのことで
 ありますが、先の阪神淡路大震災を教訓として、地域防災計画の見直しの中で、本市
 といたしましても、陸上自衛隊第3師団第36普通科連隊を防災関係機関として位置
 づけ、その業務として、地域防災計画に係る訓練の参加協力及び、府・市及びその他
 の関係機関が実施する災害応急対策の支援、協力に関することとして規定しており、
 災害時に自衛隊の迅速な救助活動を要請するには、平素から密接な連携や調整が必要
 であり、他の防災関係機関同様、防災訓練を行っているものであります。


第2に
;大量の人員を有するとはいえ軍事戦闘組織である自衛隊が、大都市部での災害における人命救助活動に適する訓練と装備をどれほど備えているのでしょうか?

 制服ひとつ取ってみても、災害時の救援に適した、明るい色の目立つ服ではなくて、目立たないことを目的とした戦闘服しか備えておりませんし、「災害救助車両」と銘打っていて防災訓練に登場した新鋭車両にしても、あんな10トントラック並みの大型車両が道路狭隘・人口密集の門真市で役に立つものかどうなのか。
 隊員と指揮官が人命救助の実際について、どの程度の素養と装備を有しているのか、市はご存じでしょうか?
 大阪市とその周辺への救援に初期に駆けつけると想定されている部隊についてで結構ですから、人命救助と被災地救援に役立つ装備の中身と量、指揮官及び隊員の、この分野で身につけている素養について、市が把握しているところを述べて下さい。

 答 弁

  自衛隊の訓練・装備等の情報の掌握についてでありますが、市といたしましては、
 それらの情報についての詳細は把握致しておりませんが、自衛隊は、阪神淡路大震災
 を契機として、大規模震災対処計画、災害対処訓練の充実等各種施策により、即応性
 や実効性の向上を目指して取り組んでいるものと、認識致しております。

  いずれにいたしましも、大災害発生時には、市としてあらゆる手段を尽くす事が求
 められており、自衛隊への出動要請は必要なものと考えておりますので、よろしくご
 了承下さいますようお願い申し上げます。



最後に質問項目の6番目は、<合併問題に対する市長の認識について>です。

質問小項目の第1に、昨今、国や府から合併推進の方向での宣伝や情報提供が盛んに行われておりますが、これに浮き足立つべきではないと、私は思います。合併にはメリットだけでなく、費用や労力の新たな支出・市民と行政との距離の増大や不便さの増大、長期自立的な行政計画との矛盾などのデメリットも存在することを含めた、市民に対する総合的な情報提供を基礎に、市民論議の活性化を図っていくことが行政としては必要ではないでしょうか。東市長は合併推進が望ましいと思っているのかどうか、現段階での認識と見解をお聞かせ下さい。

2点目に、門真市議会のいわゆる与党4会派23議員で、「合併促進議員連盟」という任意団体が結成されたことが、本年2月28日の議会運営委員会の場で当時の早川議長より明らかにされて、今日に至っております。さて、この「合併促進議員連盟」なる団体は、どことの合併を促進しようとするものなのか、この間、主に何をしてきた団体なのか、市長のご存じの所をお聞かせ下さい。

 また、「議員連盟」というからには、当然代表者や連絡先、監事などの役員体制があってしかるべきものと思いますが、この議員連盟の代表者、連絡先、役員体制について、市長のご存じの所をお聞かせ下さい。
 最後に、市は同議員連盟と何か協議や意見交換を行ってきたのかどうか、今後そのようなことを行なっていく予定や見込みはあるのか、お聞かせ下さい。

 以上で私の質問を終了いたします。理事者側の誠意ある回答をお願いいたします。
 ご静聴ありがとうございました。

 答 弁

 合併問題に対する市長の認識について
  まず、合併問題に対する認識についてでありますが、今日、基礎的な自治体である
 市町村におきましては、地方分権の推進や多様化・高度化する行政課題への対応、ま
 た厳しい財政状況の中で、これまで以上に効率的・効率的な行財政運営が求められて
 おります。これらへの対応として市町村の連携による広域行政の展開と並び、市町村
 合併も有効な方策とされております。

  しかしながら、市町村合併は地域のあり方に関することであり、地域の将来や住民
 の生活に重大な影響を及ぼすものであります。
  従いまして、この合併問題につきましては、市民の中から生まれてくる機運の盛り
 上がりが何にも増して大切であり、また当然のことながら近隣各市の意向とも相まっ
 てそれぞれの市において自主的に判断されるべきものと認識いたしております。

  このため、本市といたしましては、行政の置かれております現状あるいは地域の将
 来を見据えながら、引き続き調査・研究を進めてまいらねばならないものと考えてい
 るところであります。

  また合併促進議員連盟につきましては、それぞれの立場において自主的に調査・研
 究活動をされておられるものと認識いたしておりますが、意見交換等につきましては、
 今後そのような場面が出てきました場合には、当然必要な範囲で行うものと考えてお
 りますので、ご理解賜りますようお願い申し上げます。