北野助役への辞職勧告決議案に対する賛成討論・原稿

                                99年9月17日

 

 5番・無所属の戸田ひさよしであります。ただいま提出された「北野助役への辞職勧告決議案」に賛成する立場から討論を行います。

 もとより、この決議案は28名の議員を擁するこの議会において、採決されるものでありますから、決議案提出の共産党議員4名と賛同の無所属の私以外に、まだこの決議案への賛同をなさっていない23名の議員の方々から多くの賛同を得なければなりません。

 従って私は、その23名の議員の方々に向かって、北野助役に辞職を勧告すべき理由を解き明かしていく所存です。

 さて、北野助役が3期め助役に就任することを議会で承認されたのは、2年前の1997年、平成9年の時あたかも同じ、9月議会の本会議においてであります。その時反対された議員が5名、賛成された議員が23名でありまして、そのうち19名の方々は今も議員としてこの議場におられます。

 この2年前の9月議会において、もし北野氏が2期め助役時代に市税を滞納し、前代未聞の親族係争を理由とした猶予を受けており、なおかつ2期め退職金1400万円支払いがあるのに猶予解除もせず、1400万円の退職金をもって怠納市税の解消を図るつもりもないことが分かっておれば、果たして、3期め助役の就任が承認されたでありましょうか?

 いわゆる「オール与党」とはいえ、決してそのようなことはなかったはずです。そのことは当時から引き続いて残っておられる、北野助役就任に賛同した19名の議員の全ての方が同意されるでありましょう。

 市税の不当な怠納を承知で、北野氏の助役3期め就任を承認した、という議員がひとりでもおりましたらどうぞ名乗りを上げて下さい。そういう議員は一人もいないはずです。

 

 97年当時の市長選挙にからんだ怪文書において、北野助役の問題も書かれていたやに聞いておりますが、あくまで怪文書に過ぎず、議会で取り上げられることもなかったのですから、当時賛成した23議員、現在の19議員は北野氏に関して正しい情報が与えられずに、賢明にも反対した5名の議員以外は北野氏にたばかられたわけであります。

 角度を変えて言いますと、当時の議会の大勢(大きな勢いと書く大勢です)は、行政に対する適切なチェック能力を有せず、年俸1700万円を支払う市長の片腕になろうとする人物の吟味ができなかった、吟味しようとも考えつかなかった、ということであります。

 

 そしてそれがために、今日新聞テレビに大きく報道され、天下に恥をさらす不祥事を招いてしまったことを、門真市議会28議員としては、深刻に反省して教訓としなければなりません。

 そして今、門真市議会が2年前の不明ぶりを反省して立ち直っているかどうか、が問われております。

 2年前は詳しいことは分からなかった、と言うこともできましょう。しかし、今は違います。

 事件発覚以来、つい先ほどの質疑と答弁にいたるまでの間に、実に多くのことが明らかになりました。

 北野助役が、2年前も今も、1400万の退職金を受けながら市税滞納を続けたことを、違法とも不当とも認識していないことは明白です。

 ここで重要なのは2年前のみならず、今現在もそういう認識を続け、助役として当然備えるべき責任意識を有していないことが、判明している、ということであります。

 

 さらに、事件発覚であわてて市税の方は払ったものの、国税の滞納1千数百万円を抱え、その支払いメドや裏付けも明らかでないこと、その他に多額の借金を抱えていること、そしてそれらを含めた財政状況の公開をするつもりもなく、不透明なままに助役の地位に止まろうとしていること、も明らかになりました。

 いったい、このような方をあと2年、あえて助役の地位に留めることが賢明と言えるでしょうか? 市長与党であれ何であれ、市政にとっていわば時限爆弾を抱えるに等しい危険を冒す必要があるでしょうか?

 常識的に見て、結論は明らかなはずです。

 ただでさえ、決して高いとは言えない、門真市行政に対する内外の信頼度を今回の事件は大いに低める結果をもたらしました。

 門真市ではあんなことがまかり通っているのか、あれで助役が退職にならないのか、とちまたでは驚き、あきれられております。

 

 21世紀を控え、市民の信頼を得ながら、行政職員・議会ともども難しい舵取りをしていかねばならないこの時に、大きな重荷を背負わされたも同然であります。

 この上、議会に於いて、不祥事助役の辞職勧告を否決して、留任を決する如きことがあっては、市民からの信頼は地に落ちてしまうでありましょう。

 議場内の議員のみなさん、まだ辞職勧告に賛同を表明されていない23議員のみなさん、

この決議案は、「北野助役に対して、自発的な退職をお勧めする」という、ある意味でかなり穏便・穏健な決議案であります。

 みなさんの中で少なくない方々が、「個人的には北野助役は身を引くべきだ」と考えておられるはずであります。

 「議員個人としても、会派としても見解は言わない。議会などしかるべき場でのみ見解を明らかにする」とおっしゃた一部会派も含めて、今だかつて、「北野氏は助役として適格である、辞職させるべきでない」という見解は聞いたことがありません。

 もし、辞職勧告が正しくない、北野氏は助役留任がふさわしい、というご意見があればぜひこの、議会の場で堂々と論じていただきたい。

 それができないようであれば、従来のいきさつや会派に捉われず、粛々と辞職勧告決議案に賛同されるべきである、と訴え申し上げます。

 議会は言論の府なのであって、決して頭数の府ではありません。

論議もできないで、正論を頭数の力で葬り去ってしまうことがあるとするならば、議会としての自殺行為であり、市民に対する背信行為に他なりません。

 今まさに、大勢の市民と報道機関が、門真市議会の良心のありように熱いまなざしを注いでいます。

健全なる市民感覚を裏切ることのない行動を、残り23名の議員各位にお願いして、私の賛成討論を終了いたします。

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