12月議会、一般質問の最終原稿 99年12月21日作成

5番、無所属の戸田ひさよしであります。

質問項目の第1は、

<9月29日本会議の時、刑事2名が庁舎内に来ていたことについて>、であります。

★ 私に対して懲罰や問責が決定されることになった本会議が行われたこの日、門真署の刑事が少なくとも2名、庁舎内に来ていて、議場近くの通路にも1部現れていたことが確認されております。これは市側から出動を要請したのでしょうか?

これが質問の第1。

# この日の議会は、門真市民はもとより滋賀県や兵庫県の議員も含めて40名前後もの来訪者・ 傍聴者があったかと思います。その中の多くの方々は、私に対する懲罰・問責について、「門真市議会多数派の4会派によるとんでもない暴挙である」とお考えになって、強い憤りを持って傍聴に臨み、「これではまさに言論の府ならぬ頭数の府そのものではないか」、とか「こういう懲罰強行は門真市議会の恥さらしである」などという怒りの声を私も何人もの方からお聞きしましたが、

★ だからといって議場近くにまで刑事に姿を見せてもらうべき必要性があったと考えているのか、市側の見解を お聞かせ下さい。 これが質問の第2。

# さて、一般的に言いまして、議会審議に関心を持って傍聴に来られる市民にとって、議場近く に刑事が立ち寄っている、ということを知った場合、無言の威圧を感じたり、警察や市当局に対 して不快感や不信感を抱いたりすることが充分に考えられますし、「なぜ警察がここにいるんだ?」 ということで、いらざるトラブルに発展する可能性すらあるでしょう。

★ 従って、刑事が議場近くに顔を出すことについては、よほどの事がない限り、警察側に自粛し てもらう、ということが必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか? これが質問の第3。

議会と市民の健全な関係を維持するという観点からの、市の見解をお聞かせ下さい。

 

次の質問項目は、

<テレビで市長が記者会見した大事件を2ヶ月も報じない市広報の異様さについて>

今般10月14/15日の、警察からの事情聴取と北野前助役の自殺という、大事件、ヘリコプターまで飛び交ってテレビで市長が記者会見するまでになった大事件について、なんと2ヶ月も広報「かどま」では全く取り上げずに、12月15日発行分でやっと報道するという、普通の市民感覚からすれば、考えられないような遅れでありました。

この件について、私は市長公室長の東谷さんに対して、「少なくとも市長の記者会見内容は早急に広報「かどま」で発表すべきであること」、「捜査の行方とか、内部調査の途中だとかは、市民への広報をしない理由にはなり得ないこと」、「いつの段階の判明事実によるものかをはっきりさせた上で、途中発表として行うべきであること」、「こんな大事件で何も広報しなければ、<ほとぼりが醒めるまで、臭い物にふたをするのか>というような市民の不信を買ってしまい、市政に大きなマイナスであること」などを強く進言しましたが、取り入れていただけず、2ヶ月もたってしまったわけです。

# そこで東谷室長に5点に渡ってお伺いいたします。
1; 現に市長が記者会見をしているにも関わらず、汚職疑惑と前助役自殺問題について、広報「か どま」であえて、2ヶ月も、一言も触れなかった合理的な理由があるのかどうか。

2; こういう、市長がテレビで記者会見しなければならなかったような、大事件を2ヶ月も報じな いような、あり方が正常であるとお考えですか?

3; またこういう広報の仕方で、市民から、門真市の広報姿勢に対する信頼を得られるとお考えで しょうか?

4 今後、もし門真市行政に関わって不祥事が起きた時にも、やはり1ヶ月、2ヶ月立ってからでない と広報「かどま」で報道しないおつもりなのでしょうか。

5 広報「かどま」に市政に対する苦情や質問の投書コーナーを設けるべきだと思いますが、いか がお考えでしょうか?

 

続いて、3項目め、

<汚職疑惑を受けた前助役を任用し続けた市長の政治責任について。>であります。

#この項目は東市長本人にお伺いします。

市長は、97年段階で市税滞納の問題がありながら、それを厳しく捉えることなく北野氏を助役3期めに登用しました。
次に、本年8月に猶予期限超過にも関わらず依然として市税滞納を続けていたという不祥事が発覚して市民の厳しい指弾を受けたにも関わらず、同氏を解任せずに、減給処分のみで留めてしまいました。

さらに、9月議会で辞職勧告の声が5名の議員から起こり、不透明な多額の借金、千数百万円に上る国税の滞納なども合わせて、助役として不適格であることを強く指摘されたにも関わらず、「必ずや回復してくれる、このように今でも信じておる」、とか「助役に限っては、今後一切このようなことはないと思っております。」、「助役は今後これを肝に銘じて頑張ってくれるものと」、考えているなどと、答弁して、あくまで解任を拒否されました。

その後の事実はどうでありましょうか?

「今後これを肝に銘じて頑張ってくれるもの」と市長がかばい、ご本人も「より一層行政に 邁進していきたい、こういう決意をしております」とおっしゃった、まさに「舌の根も乾か ないうち」の5日後の9月22日、北野氏は突然辞職を表明してしまい、最後はあのような事態になってしまいました。

市長の信任や見通しは全く外れた、と言わざるを得ません。

★ そこで質問です。助役という重責を担う人の登用の仕方、任用のしかたにおいて、「市長の不明」と言われても仕方ないのではないでしょうか? 東市長ご自身の政治責任について、いかがお考えなのか、見解をお聞かせ下さい。

 

続いて4項目めの質問、

<「市に不審な点なし」という「本市公共工事に係わる内部調査について」と題する調査報告書への疑問であります。
★質問の1。; なぜ、弁護士など外部人材を登用した調査委員会を設置しなかったのか。その理由をお聞かせ下さい。

★質問の2;今回の内部調査の結論では、「何ら問題点は見あたらなかった」とされ、高枝助役も私に対する事情説明の中で、「市の職員の中に、業者から接待・付け届けを受けたり、業者に 特別な便宜を図ったり、入札情報を流したり、流すよう求められた者は調査した限りでは誰もい なかった」と述べておられましたが、

もし今後、それに反する事実が発見された場合、今回の調査の手法自体への信頼性が崩れることになると思いますが、この点、いかがお考えでしょうか?

★質問の3;その場合の責任と、違った手法での再調査への考えをお聞かせ下さい。

 

次に質問の5項目め、

<市長がこの期に及んでも政治倫理条例の制定を拒む理由について>であります。

★質問の1;門真市でも政治倫理条例制定に向けて、そろそろ市長のご決断の時期ではありませんか。見解をお聞かせ下さい。

★質問の2;政治倫理条例制定について説いている、次の文章に対する市長の見解をお聞かせ下さい。


「資産に関する情報は仮にプライバシーに含まれるとしても、その核心をなすものとはいえず、法的保護の必要性もさほど高くないと解されます。

加えて、プライバシーが重要な公職にある者の地位・権限にかかわる場合には、 @ 当人の公的地位と、A事柄の公共性のゆえに、その保護範囲がきわめて狭くなることは、法律家の一致した見解です。

一般の私人ならともかく、首長等・議員に関する限り、思想・信条や政見、人柄や資質はもちろん、経歴や交友関係、資産とその形成過程、職務遂行能力にかかわる病歴や健康状態なども、公職者の適格性を判断するために不可欠な情報となります。

このことは、公選による首長等・議員と、任命による助役、収入役等で何ら異なるところはありません。
これらの公職者は、いずれも自らの意志で公職の候補者となり、あるいは請われて公職に就任することにより、プライバシー権を明示的に放棄したものと考えられるからです。
それが嫌なら、好んでそのような公職に就かなければよいのです。」

以上の文章は、九州大学名誉教授の斉藤文男先生の書かれていることから概略引用したものですが、実に説得力のある学説ではないでしょうか?
これに対して東市長が、反論や異論がありましたら、お聞かせ下さい。

 

次に6項目めの質問、

行政職員が行う「先進地視察」に関わっていくつかの点をお聞かせ下さい。

1;公務たる「先進地視察」に当たっては、「最小限の支出で最大限の効果を上げるようにしなければならない」、という地方自治法の規定を初め、種々の規定や社会的モラルに則って厳正に行われていると考えてよろしいでしょうか?

2;視察参加者各人が、視察終了後に「報告書」を提出するのが当然と思いますし、視 察団としての報告書に於いては、何らかの用件があって滞在した場所について、全て明らか にしておくことが当然であると思いますが、門真市に於いてはどうなっているでしょうか?

3;いわゆる観光地を「見学」と称して、確たる視察目的も明らかでないままに 、視察計画書にその目的も記載しないままに、視察日程に組み込むことが許されているでしょうか?


例えばの例として、北九州市の先進施設を視察したついでに、同市内の小倉城や松本清張 記念館を「見学」する計画を組むとか、同じく北九州の春日市に「先進地視察」したついで に、隣の太宰府市の太宰府天満宮を「見学」するような「視察計画」が、承認されるということが、門真市行政においてはありえるで しょうか?
市の現状をお聞かせ下さい。

 

続いて7項目め、

<違法建築の実効ある抑制と取り締まりについて>であります。

周知の事実として、違法建築がまかり通っているという現実は、健全な街づくりを疎外すると同時に、市民の行政に対する信頼感を損なうという点でも、これを改めてゆく必要があると思いますが、現状からの脱却の具体的道筋についての考えをお聞かせ下さい。 また、指導成果を上げた例などあればお聞かせ下さい。

 

8項目め、

<「緊急雇用対策特別事業交付金」の利用方途と雇用見積もりについて>です。

首相官邸のホームページで調べたところ、本年6月11日の「産業構造転換・雇用対策本部決定」の、「緊急雇用対策及び産業競争力強化対策について」、という文書の中で、「緊急雇用対策特別事業交付金」が位置づけられております。

同決定文書の第1章の2,の「国、地方公共団体による臨時応急の雇用、就業機会の創出」の中で、「国、地方公共団体においても積極的に雇用・就業機会を創出することが重要である」との認識の下で、

「各地域の実状に応じて、各地方公共団体の創意工夫に基づき、緊急に対応すべき事業を実施し、雇用・就業機会の創出を図る」ために、この交付金が設けられ、「民間企業・NPO等に委託する事業を中心に」、「1両年で終了する事業」や、「新規雇用・就業を生ずる効果が大きいこと」などの条件の下で、交付されることになったことが説明されております。

市側から聞いた所、門真市ではこの交付金予定総額、1億802万円、が2001年(平成13年)度末までに終わる新しい事業に使用できる、との事でした。

申すまでもなく、ただでさえ財政難・個人税収の不足に悩まされ、とりわけ昨今は不況・失業に苦しむ市民が多いこの門真市で、まさに願ってもないありがたい交付金と言わなければなりません。
もし、こういう状況の門真市で、この交付金を門真市民の雇用のために使わないとしたら、また門真市民雇用のための条件づけを真剣に考えないとしたら、市行政の「怠慢」であると非難されてしまうでありましょうし、門真市外の人の雇用になるだけであったら、「交付金の目的外使用」との批判も免れないでしょう。

そのようなことが決してないことを信じつつ、具体的に質問させていただきます。
★質問の1;この交付金を使用する事業として、現在どういう事業が予定されているのか、お 答え下さい。

★質問の2;それら事業の遂行にあたっては、今述べましたように、門真市民の雇用創出に直 結するよう、厳格に条件づけて審査・入札し、事業開始後の検証もできるような契約にして おくべきだと考えますが、市側においては、どういう条件付けを考えておられるのかお聞か せ下さい。

★質問の3;現在予定している各事業に於いて、それぞれの門真市民の雇用人数の見積も りと、事業費用との対比(いくらの事業で雇用何人か)をお聞かせ下さい。

本項目に於ける質問は以上ですが、門真市民に対する雇用効果について、引き続き注目してまいります。

また、行政側に対してはなんでも自分たちで抱え込まず、市民雇用の具体策については受注希望の業者に責任を持たせたり、広く市民から企画を募ったり、NPO育成とも関連づけた構想を持たれること、を提言しておくものであります。

 

最後に9項目め、

★ 門真市がアルバイトを雇う場合の決まりや手順。また、公募をせずにアルバイトを雇うこ とはあるかについて、お聞かせ下さい。


 以上が私の一般質問であります。

 理事者側に対しては、議場内へのスピーカー設置がなされずにいる、という遺憾な現実もありますので、答弁に際して、2階傍聴席の耳の弱い方にもよく聞き取れるように、大きな声でゆっくりハキハキとお願いいたします。

そしてまた、答弁抜けや不誠実答弁のないように、強くお願いしておきます。

そのようなことのために、当方が再質問を余儀なくされた場合の責任は、挙げて理事者側にあることは言うまでもありません。

 かかる場合、議長に於かれましても理事者側を適切に指導されるはずでありまして、よもや議員の質問の方をさえぎるようなことはなさらないものと、信じて疑いません。
議会の権能を充分に活用するために、関係各位の格段のご配慮をお願いしまして、私の質問を終わります。

ただ今までで、  分が経過しました。どうかよろしくお願いします。

            以上。