議案第43号

門真市情報公開条例の制定について

 門真市情報公開条例を次のように制定するにつき、議会の議決を求める。

 

平成11年12月10日 提出

門真市長 東   潤

 

提案理由

 市民の市政への参加と開かれた市政の一層の推進を図るため、情報公開制度を実施
 するにつき、本条例案を提出するものである。

 

門真市情報公開条例(案)


目次

 第1章 総則(第1条―第4条)

 第2章 公文書の開示(第5条―第15条)

 第3章 救済手続(第16条・第17条)

 第4章 雑則(第18条―第23条)

 附則

 

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、市民が市の保有する公文書の開示を請求する権利を保障すること
     により、市民の市政への参加と開かれた市政の一層の推進を図り、もって市の
     諸活動を市民に説明する責務が全うされるようにし、地方自治の本旨に即した
     市政の発展に寄与することを目的とする。


(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところ
     による。

 (1)実施機関 市長、教育委員会、選挙管理委員会、公平委員会、監査委員、農業委
   員会、固定資産評価審査委員会、水道事業管理者及び議会をいう。

 (2)公文書 実施機関の職員が職務上作成し、又は取得した文書、図画、写真、フィル
   ム及び電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識する
   ことができない方式で作られた記録をいう。以下同じ。)であって、当該実施機関の
   職員が組織的に用いるものとして、実施機関が保有しているものをいう。

 (3)開示 閲覧(マイクロフィルム及び電磁的記録についての開示は、紙に採録された
   ものの閲覧とする。)に供し、又は写しを交付することをいう。


(実施機関の責務)

第3条 実施機関は、公文書の開示を請求する権利が十分に保障されるようにこの条例を
     解釈し、運用しなければならない。この場合において、実施機関は、通常他人に知
     られたくない個人に関する情報がみだりに公にされることのないよう最大限の配慮
     をしなければならない。

 2 実施機関は、公文書の適正な管理を図るとともに、公文書の開示の請求(以下「開示
   請求」という。)の手続その他この条例に基づく事務の適切かつ円滑な遂行に努めな
   ければならない。


(利用者の責務)

第4条 この条例の定めるところにより公文書の開示を求めるものは、この条例の目的に
     則してその権利を正当に行使するとともに、公文書の開示により知り得た情報を
     適正に使用しなければならない。

 

第2章 公文書の開示


(開示請求権者等)

第5条 次に掲げるものは、実施機関に対して公文書(第5号に掲げるものにあっては、
     そのものの有する利害関係に係る公文書に限る。)の開示を請求することがで
     きる。

  (1)市の区域内に住所を有する者

  (2)市の区域内に存する事務所又は事業所に勤務する者

  (3)市の区域内に存する学校に在学する者

  (4)市の区域内に事務所又は事業所を有する個人及び法人その他の団体

  (5)前各号に掲げるもののほか、実施機関が行う事務事業に利害関係を有するもの

2 実施機関は、前項各号に掲げるもの以外のものから公文書の開示の申出があった場
  合においても次条から第14条までの規定に準じて公文書の開示に努めるものとする。


(不開示情報)

第6条 実施機関は、次の各号のいずれかに該当する情報(以下「不開示情報」という。)
     については、開示しないことができる。

 (1)個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)であって、
   当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別す
   ることができるもの(他の情報と照合することにより、特定の個人を識別することが
   できることとなるものを含む。)又は特定の個人を識別することはできないが、公に
   することにより、なお個人の権利利益を害するおそれがあるもの。
   ただし、次に掲げる情報を除く。

  ア 法令若しくは条例(以下「法令等」という。)の規定により又は慣行として公にされ、
     又は公にすることが予定されている情報

  イ 公務員の職務の遂行に係る情報に含まれる当該公務員の職に関する情報

  ウ 人の生命、身体、健康、財産又は生活を保護するため、開示することがより必要で
     あると認められる情報

 (2)法人その他の団体(国及び地方公共団体を除く。以下「法人等」という。)に関する
   情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報であって、次に掲げるもの。
   ただし、人の生命、身体、健康、財産又は生活を保護するため開示することがより
   必要であると認められるものを除く。

  ア 開示することにより、当該法人等又は当該個人の競争上の地位、財産権その他
    正当な利益を害するおそれがあるもの

  イ 実施機関からの要請を受けて、公にしないとの約束の下に任意に提供されたもの
    で、法人等又は個人における通例として公にしないこととされているものその他の
    当該約束の締結が状況に照らし合理的であると認められるもの

 (3)開示することにより、犯罪の予防又は捜査、警備その他の公共の安全と秩序の維持
   に支障を及ぼすおそれがある情報

 (4)実施機関と国及び他の地方公共団体(以下「国等」という。)との間における協議、
   依頼等に基づいて作成し、又は取得した情報であって、開示することによりその協
   力関係又は信頼関係を損なうおそれのあるもの

 (5)実施機関内部若しくは実施機関相互又は実施機関と国等との間における審議、検討
   又は協議に関する情報であって、開示することにより、率直な意見の交換若しくは意
   思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ、不当に市民の間に混乱を生じさせるお
   それ又は特定の者に不当に利益を与え、若しくは不利益を及ぼすおそれがあるもの

 (6)実施機関又は国等が行う事務又は事業に関する情報であって、開示することにより、
   次に掲げるおそれその他当該事務又は事業の性質上、当該事務又は事業の適正な
   遂行に支障を及ぼすおそれがあるもの

  ア 監査、検査、取締り又は試験に係る事務に関し、正確な事実の把握を困難にする
     おそれ又は違法若しくは不当な行為を容易にし、若しくはその発見を困難にする
     おそれ

  イ 契約、交渉又は争訟に係る事務に関し、実施機関又は国等の財産上の利益又は
    当事者としての地位を不当に害するおそれ

  ウ 調査研究に係る事務に関し、その公正かつ能率的な遂行を不当に阻害するおそれ

  エ 人事管理に係る事務に関し、公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれ

  オ 市が経営する企業に係る事業に関しその企業経営上の正当な利害を害するおそれ

 (7)法令等の規定により明らかに開示することができないとされている情報


(部分開示)

第7条 実施機関は、開示請求に係る公文書に不開示情報とそれ以外の情報とが併せて
     記録されている場合において、これらの情報を容易に分離できるときは、当該不開
     示情報の部分を除いて開示するものとする。


(公益上の理由による裁量的開示)

第8条 実施機関は、開示請求に係る公文書に不開示情報が記録されている場合であって
     も、公益上特に必要があると認めるときは、開示請求をしたもの(以下「開示請求
     者」という。)に対し、当該公文書を開示することができる。


(公文書の存否に関する情報)

第9条 実施機関は、開示請求に対し、当該開示請求に係る公文書が存在しているか否か
     を答えるだけで、不開示情報を開示することとなるときは、当該公文書の存否を明
     らかにしないで、当該開示請求を拒否することができる。


(開示請求の方法)

第10条 公文書の開示請求をしようとするものは、実施機関に対し、次に掲げる事項を
      記載した開示請求書を提出しなければならない。

  (1)氏名及び住所(法人その他の団体にあっては名称、事務所又は事業所の所在地
    及び代表者の氏名)

  (2)開示請求しようとする公文書を特定するために必要な事項

  (3)その他規則で定める事項

 2 実施機関は、開示請求書に形式上の不備があると認めるときは、開示請求者に対し、
   その補正を求めることができる。この場合において、実施機関は、開示請求者に対
   し、補正の参考となる情報を提供するように努めなければならない。


(開示請求に対する決定等)

第11条 実施機関は、開示請求があったときは、当該開示請求書を受理した日から15日
      以内に開示をするかどうかの決定をしなければならない。

 2 実施機関は、事務処理上の困難その他正当な理由により前項に規定する期間内に
   同項に規定する決定をすることができない場合においては、30日を限度としてその期
   間を延長することができる。この場合において、実施機関は、速やかに当該延長の理
   由及び期間を開示請求者に書面により通知しなければならない。

 3 実施機関は、第1項に規定する決定をしたときは、速やかに当該決定の内容を開示
   請求者に書面により通知しなければならない。

 4 実施機関は、開示しない旨の決定(公文書の一部を開示しない旨の決定及び公文書
   が不存在であることにより開示請求を拒否する決定を含む。)をしたときは、その理由
   を前項の規定による通知書に付記しなければならない。この場合において、当該決定
   に係る開示を拒む理由がなくなる期日をあらかじめ明示することができるときは、その
   期日を当該通知書に併記しなければならない。


(著しく大量な公文書の開示請求に係る決定等の期限の特例)

第12条 実施機関は、開示請求に係る公文書が著しく大量であるため、当該開示請求書
      を受理した日から45日以内にそのすべてについて開示するかどうかの決定をす
      ることにより事務の遂行に著しい支障が生ずるおそれがある場合には、前条第1
      項及び第2項の規定にかかわらず、開示請求に係る公文書の相当の部分につ
      き、当該期間内に開示するかどうかの決定をし、残りの部分については相当の
      期間内に開示するかどうかの決定をすれば足りるものとする。この場合におい
      ては、同条第1項の期間内に、開示請求者に対し、次に掲げる事項を書面によ
      り通知しなければならない。

  (1)この条を適用する旨及びその理由

  (2)残りの公文書について開示するかどうかの決定をする期限


(第三者保護に関する手続)

第13条 実施機関は、開示請求に係る公文書に他の実施機関、国等及び開示請求者以
      外のもの(以下「第三者」という。)に関する情報が記録されている場合において
      は、第11条第1項の決定をするに当たり、次項に規定する場合を除き、必要と認
      めるときは、当該第三者の意見を聴くことができる。

 2 実施機関は、開示請求に係る公文書に第三者に関する情報が記録されている場合
   において、第6条第1号ウ若しくは第2号ただし書又は第8条の規定により当該公文
   書を開示しようとするときは、開示の決定に先立ち、当該第三者に対し、規則で定
   める事項を通知して、意見を述べる機会を与えなければならない。

 3 実施機関は、前2項に規定する手続をとり、当該第三者が当該公文書の開示に反対
   の意思表示をした場合において、当該公文書の開示を決定したときは、当該第三者
   に対し、開示の決定をした旨その他規則で定める事項を書面により通知しなければ
   ならない。この場合において、実施機関は、当該第三者に通知した日から30日を経
   過した日以後でなければ開示することができない。


(開示の実施)

第14条 実施機関は、開示請求に係る公文書の開示の決定をしたときは、前条第3項後
      段に規定する場合を除き、速やかに開示請求者に対し、当該公文書を開示しな
      ければならない。

 2 実施機関は、当該公文書を直接開示することにより公文書が汚損し、若しくは破損す
   るおそれがあるとき又は部分開示をするときその他合理的な理由があるときは、当
   該公文書を複写したものを閲覧に供し、又はその写しを交付することができる。

 3 公文書の開示は、実施機関が指定する日時及び場所において行うものとする。


(費用負担)

第15条 開示請求又は第5条第2項に規定する公文書の開示の申出に基づく開示に関す
      る手数料は、無料とする。
      ただし、公文書の写しの交付を受けるものは、当該写しの作成及び送付に要す
      る実費として規則で定める費用を負担しなければならない。

 

第3章 救済手続


(救済手続)

第16条 実施機関は、開示請求に対する決定について、行政不服審査法(昭和37年法律
      第160号)の規定に基づく不服申立てがあった場合は、当該不服申立てを容認す
      るとき又は当該不服申立てが不適法であるとして却下するときを除き、次条に規
      定する門真市情報公開審査会に諮問しなければならない。

 2 実施機関は、前項の諮問に対する答申があったときは、これを尊重して、当該不服
   申立てに対する裁決又は決定をするものとする。


(門真市情報公開審査会)

第17条 実施機関の諮問に応じ、不服申立て等について審査及び審議するため、門真市
      情報公開審査会(以下「審査会」という。)を置く。

 2 審査会は、情報公開制度に関する重要事項について審議し、実施機関に対して意見
   を述べることができる。

 3 審査会は、委員5人以内をもって組織する。

 4 審査会の委員は情報公開制度について識見を有する者のうちから市長が委嘱する。

 5 審査会の委員の任期は2年とし、再任を妨げない。
   ただし、補欠委員の任期は前任者の残任期間とする。

 6 審査会は、必要があると認めるときは、諮問をした実施機関(以下「諮問庁」という。)
   に対し、不服申立てに係る公文書の提出を求めることができる。
   この場合において、諮問庁は、当該公文書の提出を拒むことができない。

 7 前項に定めるもののほか、審査会は、第1項の規定による審査その他その所掌事務
   を遂行するために必要があると認めるときは、不服申立人、諮問庁の職員その他関
   係人に対し、出席を求め、意見若しくは説明を聴き、又は必要な資料の提出を求め、
   その他必要な調査をすることができる。

 8 審査会の審査は、非公開とする。ただし、答申は、公表するものとする。

 9 審査会の委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。
   その職を退いた後も同様とする。

 10 前各項に定めるもののほか、審査会の組織及び運営について必要な事項は、
    規則で定める。

 


第4章 雑則


(公文書の検索資料の作成)

第18条 実施機関は、公文書の検索に必要な資料を作成しておかなければならない。


(運用状況の公表)

第19条 市長は、毎年1回この条例の運用状況について公表するものとする。


(情報公開の総合的な推進)

第20条 実施機関は、この条例に定める公文書の開示のほか、情報の提供その他の情報
      公開に関する施策の充実を図り、市民に対する情報公開の総合的な推進に努め
      るものとする。


(出資法人の責務)

第21条 市が出資する法人は、情報公開に関する市の施策に留意しつつ、情報の提供
      その他の情報公開のために必要な措置を講ずるよう努めるものとする。


(他の制度との調整)

第22条 この条例は、他の法令等の規定により公文書の閲覧若しくは縦覧又はその写し
      の交付を受けることができる場合については、適用しない。

 2 この条例は、門真市立図書館その他の市の施設において、市民の利用に供すること
   を目的として管理している図書、資料、刊行物等については、適用しない。


(委任)

第23条 この条例の施行について必要な事項は、規則で定める。

附則


(施行期日)

 1 この条例は、平成12年7月1日から施行する。

(経過措置)

 2 この条例の規定は、平成12年7月1日以後に作成し、又は取得した公文書について
   適用し、同日前に作成し、又は取得した公文書については、整理の完了したものか
   ら適用する。

   (特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正)

 3 特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例(昭和32年条例
   第6号)の一部を次のように改正する。

    別表中「青少年相談員  月 102,000円」を「青少年相談員  月 102,000円

    情報公開審査会委員  日 8,400円」に改める。