6/18政務調査費に関する市長への意見と要求の書  
  
                       
                      (添付資料も一体で)

       門真市長 園部一成 殿               

                         2007年6月18日                         

                                           市議会議員
  戸田ひさよし

   初めに  
  
議員の政務調査費については、近年問題点が様々に指摘され監査請求や訴訟も起こされてきたが、特に今年冒頭からマスコミ報道が格段に増えて市民の耳目を捉え、ついには去る6月15日に大阪府の府監査委員 が3億4117万円もの金額を「目的外使用」と認定し、府議会全8会派と府議ら112人(この中には前府議だった園部市長その人も含まれている!)に返還させるよう太田知事に勧告するに至り、世に巨大とも言える 衝撃がもたらされたところである。    

  また、既に札幌市議会政務調査費の住民訴訟についての昨年9/21最高裁判決で、領収書など支出自体の裏付け資料が無いと、それだけで「政務調査費の不正使用」と断定される事が確定している事も重大な事態であり、政務調査費に関して領収書添付・公開の義務化と使途基準の精密化は、自治体にとって待った無しの必須事項となっている。  

  当職はこうした動向を早くから的確に把握していたがゆえに、全議員に対して領収書添付義務づけへの移行やそれへの賛同、率先自発的な領収書添付の実行などを呼びかけ、公開質問状も出し、さらには「06年度政務調査費報告書」と「07年度4月分の政務調査費報告書」について自発的に詳細な内分け説明と共に領収書を添付して議長に提出するなどして、啓発と市民からの信頼醸造にも務めてきたが、誠に情けないことに、 門真市議会の議員達の反応は極めて鈍く、前向きな論議も行動も起こっていないのが今の実情である。  

  なお当職の場合、議員事務所たる賃貸マンションに自宅を同居させていたり、門真市の議員としての活動の他に連帯ユニオン近畿地本委員長としての活動や、さらに幅広い社会運動家としての活動もあったりして、 各種支出と政務調査費との按分をどうするか苦慮してきたところだが、現行使途基準内で考察を重ねた結果、   

  ◎資料作成費で:コピーFAX機リース代はその1/2、トナー・メンテナンス代はその1/2、           
プロバイダ料金はその1/4   

  ◎広報費で  :各種用紙代はその1/2、各種インク・カートリッジ代はその1/2、サーバー契約料はその1/2、   

  ◎人件費で  :事務員人件費はその1/2、   

  ◎事務所費で :事務所家賃・水道代・電気代はその1/4、事務所固定電話代はその1/2、事務所備品購入費はその1/2、

ほか、政務調査費に一部関わるものとして携帯電話料金・自転車やバイク・宣伝カーに関する経費(燃料費・整備費等)も考えられるが、区分が煩雑になるので算入しない。

  という按分処方を考案したところである。  

  ちなみに当職の政務調査費算定は、実際の使用よりも少なく算定しているが、こうした計算の結果、          

  06年度政務調査費で、支出総計が170万2151円。交付金72万円に対し赤字98万2151円      
                 07年度4月分の政務調査費で、支出総計が14万0068円。交付金 6万円に対し赤字 8万0068円  

となっている。   

  以上を明らかにした上で、次に当職の意見と要求を述べるので、園部市長はこれに誠実に耳を傾け、然るべき対応をされたい。


  意 見

 1:昨今の報道と世論の厳しさに身構える余り、「領収書添付を義務づけされるのは面倒臭いから、いっそ政務調査費自体を廃止してしまえ」、と一部の有力議員らが動いて全体を引きずってしまうことを当職は危惧している。口実としては「議会経費削減による議会改革、議員も痛みを引き受ける」などで。   
  そういう発想は、まさに「臭いモノにフタする」歪んだ発想であり、今までの政務調査費が不正に使用されていたとするに等しく、また当職のように赤字を出しながらも政務調査活動の奮闘してきた議員の活動を経済面から抑圧し、議員による行政チェック機能を減衰させ、市民の「知る権利」を阻害するものに  他ならない。   
  もしもそのような動きが起こるのならば、当職は議員業務と市民利益への妨害行動と捉えて、監査請求や損害賠償訴訟などあらゆる手段で闘うことを表明しておくものである。

  2:政務調査費の必要性と存在意義を確固として認識しつつ、その公正で透明なあり方を追求していかなければいけない。   
  現在の門真市の条例・施行規則は、「領収書添付義務づけ」や収支報告書の「調査」、「閲覧」の規定が全く無く、公的なチェックの制度が無いところが致命的欠陥だが、「使途基準」の方は、大阪府のものよりは少し具体性があってややマシだと思う。    
  今後の改善としては欠損部分を補うとともに、使途基準のより詳細な具体化を図るべきと思う。

  3:使途基準の具体化に当たっては、大阪府の今後の動向には大いに注意を払うべきだが、今回の府監査委  員の意見が絶対に正しいものと限ったものでもないと当職は考えている。   
  その意見の中のいくつかの部分には当職が全ては同意できない部分もあるし、園部市長は合計735万円を目的外支出と認定され事について承服していないようだし、共産党府議団は政務調査費に関する人件費について明確に不同意を表明している。   
  当職が今回新たに行なった按分方式は、今後の論議の叩き台のひとつとして活用されるべきと思う。   
  そういった様々な状況を踏まえつつ、市長も自らの体験を踏まえた意見を出していくべき1人と思う。


   要 求

  1:本日資料として提出した、06年度分および07年度4月分の戸田の「領収書添付の政務調査費報告書」の写しを点検し、その内容を市長として了承するかどうか表明されたい。   
  また、疑問や修正や改善の意見があれば述べられたい。

  2:速やかに「政務調査費報告書への領収書添付義務づけと点検・公開の規定整備が必要である」、との意見表明をなされたい。

  3:政務調査費の交付決定・交付・収支報告の点検認定に関わる行政責任は市長が負うものであるとの法理認識に立った上で、議会側との協議もしながら、市長が行政責任を果たし得るよう市側の体制整備を進められたい。


   添付資料:★当職の「06年度政務調査費報告書」(領収書添付)一式のコピー          

            ★当職の「07年度4月分の政務調査費報告書」(領収書添付)一式のコピー