志政会の提言書

平成16年12月10日

門真市議会議長
大 本 郁 夫 殿

門真市議会志政会議員団
幹事長 宮 本 一 考

門真市行財政改革に対する提言

 

 この度、門真市行財政改革に対して門真市議会志政会議員団として意見を取りまとめ、 以下の通り、ご提言申し上げます。

 つきましては、よろしくご検討の上、今後の市政運営に是非とも活かせていただきたく お願い申し上げます。

行革!門真市行財政システム改革に向けて
 仕事のやり方・考え方・流れを変える

合併が不調に終わり、行財政改革に取り組む、今!  

 これまで約2年間にわたり、貴重な時間と経費、人材を費やし、守口市との合併協議が 行われてきたが、残念ながら結果は不調に終わった。決して全てが無駄になったとは考え たくはないが、それは今後の行財政運営次第である。そもそも、合併問題の発端は本市の 財政状況に起因している。財政が成り行かないから、将来を考え合併を!というスタート であった以上、この間題の反省なしに行財政改革に取り組んでも些か説得力に欠けてしま うのは致し方ないところである。

 しかし、市長自らがリーダーシップを発揮し、この危機を絶好のチャンスと捉え、市政 全般にわたり改革に取り組んで頂きたいと考える。その姿勢を市内外に示すためにも、市 長・特別職の報酬・退職金の見直しなどにより、不退転の決意を明らかにして頂きたい0 まずは、如何に皆で危機感を共有できるかが始めの第一歩になるのではないか。

行財政改革に取り組む前に・‥  

 これまで門真市で行われてきた行財政改善計画では単なる事業単位の見直しにしかすぎ ず、もっと庁内全体にわたり市政の大枠からの議論を進めることが必要である。つまり、 これまでと発想を1800変換して、仕事のやり方・考え方・流れを根本から見つめ直さな ければならない。これまでの常識・慣例に拘らず、縛られず、囚われず、ゼロベースから のスタートが大切である。

 そこで、まず職員の意識改革から始めることが肝要である。どんなに優れた評価制度を 導入しようが、どんなにコンサルにカネを費やそうが、どんなに素晴らしい政策ツールを 取り入れようが、結局仕事に対するモチベーションが低ければ、全てが無駄に終わる。何 よりも職員のやる気・情熱こそが本当の行財政改革を推進する原動力になることを忘れて はならない。

 そのため、組織の風通しを良くすること、・すなわち、目的・意識・情報、そして、危機 感の共有することを第一義とする。情報公開・説明責任は市民に対するパフォーマンスに 止まらず、真の狙いは庁内に向けてのメッセージでなくてはならない。問題意識を共に持 ち、正確に一つ一つの政策・施策・事業の意図するところを把握・実践することが改革の 本質である。理事者・一般職員・議会・市民の相互理解と切瑳琢磨こそが全てのベースと なり得る。

 また、他市・他の自治体で試行錯誤されて釆た改革メニューは総当たりする必要がある が、決して安易に猿まねなんかをすることは望まない。門真市には本市独自の風土があり、 良いも悪いもそれは本市の持ち味である。しっかりと本市の地域性・歴史(生業・歩み)・ 住民性を分析し、改革メニューの取捨選択を行い、本市の特性に応じた独自のビジョン・ プランを策定・構築することが何よりも大切なことだと考える。

議会として、行財政改革を支えるためにも  

 議会としても行財政改革の道筋をしっかりと支えていく必要がある。そのためにも、本 議会は改めて襟を正し、議会改革に努めることは至極当然である。自らも議員定数・報酬 の見直しを始め、新たに予算委員会の設置など、新たな取り組みを考えなければならない。 市政運営にあたり良きパートナーシップを構築し、議会としての威厳・存在感を存分に市 内外に示し、常に心地よい緊張感をもった関係づくりに努めなければならないと考える。

門真市行財政システム改革 提言

○ 行財政システム改革    

 総合計画の見つめ直し(基本計画・実施計画→事務事業の整理と連動)    
  組織機構の改革(政策・目的に応じた組織機構・ラインとスタッフの精査)     
  各種評価制度の導入(事務事業評価から政策評価へ)    
  政策推進システムの構築(plan・do・Seeサイクル)

○ 財政の健全化     
  第三者評価を加えた財政分析と財政自書の策定   
  中長期の収支見通しの策定(総合計画と財政計画のリンク)     
  各種基金の内容精査(財政調整基金の適正化)    
  総枠配分型 予算編成手法の導入(発生主義会計へのアプローチ)

○ 人事制度の構築    
  定員適正化計画の策定/新しい採用のあり方を模索     
  人事考課 人事評価と昇任制度のあり方    
  総人件費(給与表等)の見直し(交付税改革に伴う現業職員の給与見直し)

○ 職員の意識改革     
  行政の透明性を図り、情報公開から情報開示、説明責任へ
  意志決定のプロセスを明確にし、責任の所在をはっきりさせる
  風土改革(情報の共有化・職員意識の向上)…議論の出来る土壌づくり
  研修制度の充実 政策形成能力の開発(スキルアップ・人事交流)

緊急対応項目

行財政改革の中でも直ちに実施すべき緊急対応項目を次のように提案する。

1. 民間委託の調査研究と実施    
  @ 現業部門の民間委託化    
  A 公立保育所・幼稚園の売却または公設民営化    
  B ルミエールホールを始めとする全施設の管理の民間委託化    
  C 以上3項目の実施後の余剰人員の配置転換の実施    
  以上4項の実施にあたり、項目毎に    
  @実施責任者 A実施プロセス B実施にかかる経費     
  C実施後のメリット、デメリットの予測 D成果の利用方法    
 以上5点を包含した計画案の早期決定及びその実施を求める。

2. 生活保護費の増嵩対策及び国保の滞納対策    

  年々肥大化する生活保護費や悪化する国保の収納率に歯止めをかけ、制度の適正化を図る。既に給農事で済む状況になく、早急な対応が求められている。また、税滞納対策も含め、歳入・歳出環境の一番の悪化要因にも挙げられているこの課題に対して、適切な対応を求める。

3. 団塊の世代の大量退職者対策     

 膨大な退職手当の対応 退職手当基金の見直し、退職手当債の検討    
  団塊の世代の退職後、課長・部長級の管理職の人材不足が予想される。そのため、職員の年齢構成を踏まえ、管理職の年齢の適正化(低年齢化)、人材育成を求める。

4. 小中学校の統廃合    

 平成14年3月に門真市学校適正配置審議会より答申が出され、現在、統廃合が実施されるのはこの度、新設される砂子小学校のみである。今後、より一層計画推進が望まれる。また、校区編成は地域コミュニティーの根幹となるため、よりスムーズな計画進行を求める。

5. 市域基盤整備の充実    

 市民サービスは決してソフト面だけではなくハード面でも同じである。とりわけ、門真のまちづくりは高度成長期の乱開発もあり、大変遅れており、市民の要望としても非常に関心が高い。一朝一夕にできることではないにしろ、今すぐにでも進めない限り、永遠に良くなることはない。
加えて、良好な住宅環境の整備は市の価値を高め、引いては市の増収増益に結びつくことは間違いない。積極的な都市投資を求める。