9/20文教委員会;学校給食民間委託反対請願についての教委説明
(記録テープを起こしたもの。一部話し方を簡略化したが内容は全くそのまま。文責;戸田)
金子学校教育部長;
請願第2号、「安全で豊かな学校給食の充実、強化、民間委託化の反対を求める請願」に対する教育委員会の見解についてご説明します。去る平成13年門真市議会第1回定例会におきまして、給食業務の委託化についてのご質問があり、中谷教育長から、「調理業務の委託を視野に入れ、平成14年度からの段階的に実施に向けて、現在総合的に検討しているところであります」、と答弁しています。その後、委託した場合の衛生面や安全面はもとより、栄養バランスの取れた給食を児童生徒に提供できるのかどうか、経費面はどうかということ、さらに、大阪府下の委託している市や町へ出向き、情報収集や現場視察を行いました。
教育委員会としてこれらのことを総合的に検討致した結果、「給食調理員の退職者数に応じて、平成14年4月1日から、当面の間は中学校を対象として、諸条件を整えながら段階的に学校給食調理業務
を民間委託したい」、と考えまして、現在、契約に関することなどの研究を進めているところです。小学校の委託については、中学校の民間委託を実施する中で今後の検討課題としたいと考えています。民間に委託しようと考えている業務は、学校給食調理業務のみです。市の職員が行なっていた給食調理業務を、民間の調理員に移行するものであります。
これまでに教育委員会が行なってきました献立作成や、給食材料の一括購入は業者に委ねずに、従来どおり教育委員会の責任で行なっていきます。調理する人は公務員であっても民間の人であっても、子供たちに安全でおいしいものを食べさせたい、と思う心は同じだと思います。今まで通り、人が作る手作り給食を基本に、子供たちによりよい給食を提供していきたいと考えており ます。ではなぜ民間委託を推し進めようとするのか。その背景や根拠について、ひとつは国の臨調の答申や、当時の文部省の指導がその背景にあります。昭和58年の臨時行政調査会第5次答申の中で、「学校給食業務については、共同調理場方式への転換や民間委託等運営の合理的を積極的に推進し、人件費等コストを縮減する」、としております。また、臨時行政改革推進審議会、総務庁からも、学校給食業務運営の合理化の必要性が指摘されております。
これらを受けた当時の文部省が、昭和60年1月20日付で、「学校給食業務の運営の合理化について」、という見出しの通知文を各都道府県教育長宛てに発出しております。
その通知文の中で、「民間委託等の方法により、人件費等の経常経費の適正化をはかる必要がある」として、民間委託を実施する場合の具体的な留意点が4項目示されています。このように、国の臨調の答申や、当時の文部省の指導がその背景にあります。
2点目は、本市の行財政改善計画に基づくものである、ということです。委員ご承知の通り、平成9年
3月に「大綱」が、平成10年9月に「推進計画」が策定されまして、その具体的な実施計画として、平成11年3月に「実施計画」が、平成10年度から平成13年度までの期間を限定して示され、今年度が最終年度となっており、「実施計画」の中で「給食調理業務の委託については、平成14年度から段階的実施に向けて検討」、となっており、これまで検討してきた結果、民間委託を進めようと考えております。
3点目は、門真市議会における理事者答弁のとおり推進したい、ということです。民間委託への取り組みについてのご質問に対しまして、東市長の答弁を引用させていただきますと、現在すでに民間に委託している業務を数点挙げられた後、「市民サービスの拡充を念頭に適切な選択を行ない、コスト削減につなげるなど、十分な効果を生み出している。この後も、学校給食の調理業務委託など十分な効果が期待できる民間活力の導入を進めていく考えであります」、との答弁がございます。このように市議会での答弁のとおり推し進める考えに立っております。
4点目は、全国的に見ましても、また、大阪府下におきましても、民間に委託する市町村が増加して
いる点があげられます。全国では平成10年度2606校、平成11年度2874校で実施されています。
大阪府においては、現在単独調理場方式で実施していますのは、守口市、大東市を含む4市2町で
段階的に実施されています。また、共同調理場方式・給食センターとして民間委託しておりますのは、
大和川から南部地域の6市1町1村の全小学校であります。以上の4点が民間委託の背景、根拠であります。
次に学校給食の意義について、学校給食は教育の一環であり、子供たちの健康の増進や食事のマナー、栄養の知識を学ぶ他、先生や生徒たち、あるいは子供たち同士のふれあいを深め、豊かな人間
性を育む場でもあると考えておりまして、今後とも教育施策として小中学校の完全給食を継続実施して
いく方針であります。次に請願の2点についてですが、1点めの「自己直営方式を守り、学校給食の民間委託は実施しな
いで下さい」、ということについてですが、学校給食の調理方式は、その学校で調理する自校調理場方式と、給食センターとしての共同調理場方式の二つの方式がありますが、委託する学校もこれまでどおり、自校調理場方式を堅持したいと考えております。民間委託につきましては、先程からご説明させていただいているとおり、実施する方向で考えております。2点めの、「安全で豊かな学校給食の充実をはかるために、施設設備や食器の改善を行なってくだ
さい」、については、これまでも学校給食の安全性の確保、衛生管理の徹底を基本に、安価で栄養が
あり、できたての手作り給食を実施してきましたし、今後とも継続していきたいと考えています。
施設設備や食器の改善につきましては、民間委託することにより生じた差益分を、可能な限り施設設
備の改善や備品の整備費等に充て、よりよい学校給食を目指していきたいと考えております。以上で請願についてのご説明を終わらせていただきたいと思います。