2000年9月議会 文教常任委員会での戸田の質問&市側答弁


  戸田委員; 学校給食の当然の備品として箸を備えるべきことについてお聞きします。
          まず最初に、私は先日北学校の学校給食を見学させてもらって、現場の方のお話も聞いたり、
         現状を見たりして、大変勉強になりました。門真市の学校給食というのは、全国的にも非常に
         高いレベルにあるのではないかということを非常に実感致しました。

       まず、制度としては、中学校まであるということ。自校直営方式であるがために、まさにでき
      たらすぐに食べられる、ばい菌が繁殖する時間もない。そして、アトピーやアレルギーにも対
      応でき、地場の野菜等の供給もでき、子供たちにとっては、すぐ作るところを見て食べ物に
      対する関心も非常に高まるということで、大変高いレベルだと思います。

       内容的にも、極力加工品を使わない。栄養士の方が選択でなくて創造である、あれこれ加
      工食品、冷凍食品から選ぶのではないということで、非常に手作り主義で頑張っておられる。
       北小学校の例ですけども、例えば削り節一つにしても、今は窒素封入式等便利なものがあ
      りますけれども、削ってから3日以内に届けてもらって、それをため置きせずにどんどん使っ
      ていく。こういうことで業者さんにとっても大変手間がかかる訳なんですけれども、それでもお
      願いしてやっている。また、こういうことが出来るのも、現場の調理師さんの熱意、工夫、技術
      はもちろんのこと、教育委員会の担当者の方の理解、熱意ということも欠かせませんし、同
      時に学校の先生たち、校長先生たち、そういう人たちの熱意、情熱があってこそだというふう
      に思いました。 大変感心致しました。

       さて、このように非常に高いレベルにある学校給食なんですが、このこと自身、門真教育委
      員会はどのように認識されておられるのかということを、まずお聞きしたい。
       次に、こういうよい給食でありながら、残念なことに年間170回、9年間のこの給食におい
      て、箸を備えずに先割れスプーンで食べさせる。今、週に2回は米飯給食があるわけですけ
      れどもこういうのは日本の食文化、日本の文化の破壊ではないか。スプーンを使っている文
      化圏ならいざ知らず、箸を使って食べるというこの日本におきまして、9年間もの間、子供た
      ちにこういう状況は大変よろしくないと思います。

       次に、教育委員会にお聞きしたいのは、もし教育委員会の方自身が大人として、年間の半
      分を先割れスプーンで食べなさいと言われて黙っておられるか、自分自身のお子さんが9年
      間、こういう状況で先割れスプーンだけでご飯を食べるということをどう思われるのか、一人
      の大人としての認識をお聞きしたい。

      以上、とりあえず、まず門真の学校給食のレベルについての認識と、年間の半分以上箸なし
      で給食を食べるということを一人の大人としてどう思われるのか。
      この2点について見解をお聞かせ下さい。

 

保健給食課長; 今の質問でございますが、日本の食文化の箸については必要だと私は認識しております。
          現在の給食もPTA等いろいろな関係から非常に好評を頂いておるところでございます。
          さて、箸の件でございますが、学校給食における箸の導入につきましては、過去10数年前
          から各議員さんより継続的に要望を受けてまいりました。教育委員会としても努力してまいり
          ましたが、その結果、ハードルも緩くなり、現時点では2校においてハードルをクリアして、また
          数校の数学級におきまして、箸の使用を実施しておるのが実態でございます。

            しかし、北河内では四條畷、交野では、現在も持参を打ち出しております。その理由と致
           しましては、自分の意思による好みのものが持てる、箸の使用の指導を通じて家庭と学校
           の連携が図られる等が挙げられます。
            箸の導入に関しましては、さらに学校と協議を重ね、幾つかのハードルをクリアするように
           努力するとともに、持参形式も含んだ中で今後も検討してまいりたいと思いますので、よろし
          くお願いしたいと思います。

 

戸田委員; 質問以上のことにも踏み込んでお答え頂いて、どうもありがとうございました。
        さきの箸の問題ですが、選択制をとっておられるところもあるということですが、現場の方
       にもいろいろお聞きしたところ、食品衛生の問題について、子供がどういうばい菌等々をつ
       けて来ているか判らない。1万人からの小・中学生のどこかで何かがあった場合に、これが
       食中毒等々につながりかねないという不安を常に抱えるので大変しんどいことであるという
      こと。また、子供たちにとって―大人でもそうですけれども、職員食堂で箸をなくして持ってき
      たらいいじゃないかと言えば、持ってくる人は大分少なくなると思いますが、安易に流れがち
      な部分はどうしてもある。

         したがって、食文化の教育ということで考えていくならば、箸は備え付けて置くことが、
        安全面からいっても文化教育からいっても、そしてもう一つは学校の設備、備品として当
        然である。この点からいっても備え付けて置くべきだと思います。
         例えば経費が安いからといって、黒板のチョークを50円ずつ負担しなさいという話があ
        るか。義務教育における教育については、基本的に無償とするというのが基本方針であ
        ります。

         ちなみに北小の実例では、1セット60円程度の費用で鉄木とかいう非常に長持ちする
        、非常にしっかりした、毎日熱湯消毒して洗ってそれに耐えられて、長さも3種類あって子
        供の手に合う。箸一つにしても、これだけの工夫をして選ばれて導入しております。

         また、労組の給食部会もこの箸について、確かに洗う手間はふえるわけですけれども、
        それは全く何でもない、是非早く推進してほしいという労働現場の側からのオーケーとい
        うか、積極推進の声も出ております。財政難もこういう当然の備品、たかだか1万人の生
        徒で60万円程度のもの、しかも食文化に密接にかかわりあるものを入れないという理由
        は、どこにも成り立たないはずであります。

         今回の御回答で導入に努力すると言われましたが、今年度ないしは来年4月早々から
        の導入を目指して、現場の学校関係者との協議も含めてやって頂きたいと思うのですけ
        れども、その手順、見込みについてはいかがでしょうか、お答え下さい。

 

 保健給食課長; 先ほども述べましたように、過去10数年前から各議員さんより箸の導入について要請
           を受けておるところでございますが、今後も協議と、幾つかのハードルがございますので、
           ハードルを越えたらそれに向かって前向きに考えていきたいと思いますので、よろしくお願
           い致します。

 

 戸田委員; 今おっしゃられた幾つかのハードルというのを具体的に挙げて頂けませんか。

 

  保健給食課長; 私、前任者より組織決定でまだ箸を使うということは聞いておりません。それと業務量
             の問題、指導の問題等がございます。それと、もう1点は予算の問題もございますので、
             ひとつよろしくお願い致します。