第四話 高値談合落札価格の2〜3割はボロ儲け、という仕組み


大間;宝塚で談合事件の裁判の中で、業者に普通の適切な利潤を含んでいくらやねん本当は、
    と言ったら、7200万から7300万で出来る、とどこの業者も証言した、という新聞記事があり
    ました。談合利益の割合が具体的に裁判証拠になった初めての例らしいですが、つまり
    高値安定の談合というのは、2〜3割は水増し価格やと。

小早;いや、水増し価格、というか、そういう価格ではないわけですね、この設計というやつは。
    結局、積み上げですね。
    例えば、電柱一本からの積み上げ、ということです。だから、一工事をするのに、みんな
    新しく物品を購入でき るような金額で積算、というやつは出来ているわけです。

大間;そこで、例えば、談合で落とそうと思った価格が9000万だったら、 9000万円に帳尻
    会わすように積んでいく訳でしょ。

小早;いやいや。そういう9000万円、という金額は、役所の設計したやつやから。
    役所の設計したのは、今は、ちょっとまともなまじめな会社やったら、直接工事費でね、
    直接工事費、というのは、現場に出ていって、実際現場で仕事をする時の、金額が直接
    工事費なんですね。それに対して、共通カセツというのが、会社を経営するために必要な
    お金とか、健康保険とかもろもろのやつをかけないとアカンでしょ。
     そういうもの経費率、というのがあるんですよ。それを経費率をかけていって最後に設計
    金額というのがでてくる。だから、直接工事費で工事を請け負ったら、だいたい、利潤が
    あるんですね。直接工事費でも、はっきり言って、民間工事と違って、あの、まともな金額
    というか、スコップ一本1000円やったら、1000円の金額でいれてあるから。
     民間の場合やったら、たたけば、スコップ一本700円ぐらいになるから、最初から700円
    で決めてあるから、グッと下がるでしょ。

小早;役所で出す、工事の見積もり価格自体が、かなり高めで積み上げて設定してあると。
    正価というか、定価というか、実際はもう少しやすく買えたり、昔の価格だったり、する
    んだけれども、高め高めで積み上げた単価、というのが出てきてる、というわけですね。

小早;だから、70パーセントぐらいで、工事をしたとしても、宝塚で問題になった金額のように、
    実際三割ぐらいダウンしても、工事はできますよ、とというのは、そこなんですよ。

大間;利益は大きければいいんだから、談合によって上限価格ギリギリで落札できたら、
    1億円のうちごそっと 2、 3千万円は過剰な利益やと。よその会社に「今回ありがと
    うサン」、と少々渡しても、うちの利益は大きいと。こういう風になってる訳ですね。

                                               (第四話了)