生活保護の不正受給?

生活保護の不正受給? 大阪・中山 03/07/10


ある団地の「実例」を出して、門真の生保の「実態」を書かれているので、この問題で少し論議ができればと思い、再度の書き込みです。 生保の受給率(行政用語で保護率というそうです)で断トツは、大阪市です。全国平均の3倍以上あります。「平成7年度」から「平成13年度」の増加率は大阪で1・5倍ですが、北九州市は0・8倍です。全国平均は1・3倍で全国的に急激な増加傾向です。

 

私は九州の出身で、以前炭鉱街で「外車に乗った生保受給者」という新聞記事が盛んに書かれました。マスコミが炭鉱離職者が多い地区での生保問題を取り上げた時に「見出し」として使われたのです。こういう「噂」が広まり、窓口では厳しい対応が続いたことが予想されます。そこで上の保護率ですが、北九州市がこの不況の時期に減少していることは信じられない現状です。生保をほんとうに必要としている世帯が認定されているのかはなはだ疑問です。不正受給者の問題ですが、不正はどの制度でもある事です。奨励はしませんが。問題は「外車に乗った生保受給者」という宣伝が先行する怖さにあります。当時、外車に乗った生保受給者がいたかもしれません。しかし、真に生保を必要とした何十万という世帯が、この制度で生きることができたのも事実です。

 

そこで団地のシングルマザーの女性の問題です。この女性が当初、申請し、「時期が遅い」と言われて、認定できなかった事は、詳しい事情は分かりませんが、この女性の世帯の収入が最低生活費以下で、財産もなければ、この担当窓口の職員の間違いです。この職員が「無意識」か「故意」か分かりませんが、こういう対応であれば門真市の行政責任です。 戸田さんの登場となる訳です。この女性が今でも生保の申請の意志があれば、書き込まれた方、是非一緒に申請に行って下さい。こういう問題を放置することは、誤った「常識」が横行する原因ともなります。

 

このシングルマザーが「誰にも頼らず、自立する」という考えであれば、それはそれですばらしいことで、私も支持します。ただ、誤った理解・知識でこういう態度を取られているのであれば、話しは別です。私も、「お上には頼らない」と国民年金4万円、5万円で頑張ってられる高齢者をたくさん知っています。さきほどのシングルマザーの女性と同じくすばらしい人たちです。しかし、高齢者の医療費の自己負担も上がり、5万円ほどで生活していくには厳しい世の中になっています。これまで社会に貢献された人が当然の"権利"として生保の制度を利用するのは何の恥じでもないと思います。

 

生活保護法では、認定にあたり生活が困窮した原因を問わない、という条項があるらしいのです。日本政府としては粋な対応です。行政や法律には評価すべきことはほとんどないと思ってきましたが、この条項には驚きました。極端な話し、酒やギャンブルで身を滅ぼしても、その人が、最低限の生活を求めて行政に生保を申請すれば、条件さえ整えていれば(最低生活費以上の収入がない、財産がない)、受給できます。ここで市民の側が「なんであの人が」という意識が芽生えること自体が、問題なのです。長年の運動の成果で、政府の受給資格のハードルも低くなり、運用の幅が広がりました。生保の家庭は高校にも行けませんでしたが、認めさせてきましたし、大学にも「世帯分離」すれば行けます。そういう運動が重要であり、先ほどのシングルマザーの女性の様な例がないように、具体的に行政にも要請に行くことが大事だと思います。

 

長くなり、申し訳ありません。