第1:自らの違法性・異常性を一層突き出した1審被告の「控訴理由」
1:1審判決で暴論を完全粉砕された1審被告のおかしな「控訴」 4月22日に下された本件1審判決は、1審被告=門真市の違法で非常識な主張を完全に粉砕するものだった。すなわち、「公益法人の役員の氏名及び住所は全て『個人情報』だから開示できない」だとか、「閣議決定で開示が決まっていようが、当該法人自ら開示していようが、大阪府など他の自治体で公開していようが、門真市の裁量で自由に不開示にできる」だとか、「門真市自体には公益法人役員情報を開示する慣行がないから『ただし書きア』に当たらない」とか、「1審原告の請求目的や行政批判の言動が不当だから開示できない」とか、「1審原告が行政・団体・個人を誹謗中傷しているから、そういう人物による開示請求は『権利の濫用』だから開示できない」とかの、1審被告の愚論暴論は厳密な考察の上でことごとく厳しく退けられたのである。
2:「特定の開示請求者への差別的不開示」という違法を居直る1審被告 この1審被告の控訴理由主張は、要するに「一般の人には公益法人役員情報を公開するが、1審原告の戸田にだけは不開示にする」という驚くべき違法な差別処置を居直るものに他ならない。 A:1審原告独自の見解により、1審被告の行政執行が違法になされていることを暴き、一般市民等に悪しき予断を与えようとの意図を持ったものであるから、不開示にすべきである。 B:1審原告は、かつてその得た情報をもって第三者の権利を不当に侵害した事実があった(それは控訴人が原審でも詳細に主張し、立証した。1審判決でも認定している。)から、不開示にすべきである。 C:「錯乱・暗闇」なる形容は単に行政のみならず、その調査対象となっている13団体の役員にも及ぶこと必然であり、そのような「錯乱・暗闇」行政に協力しているから、これら役員も「錯乱・暗闇」の渦中にある等と1審原告のホームページ上に掲載されること必至であるから、不開示にすべきである。 D:1審判決で判示されている権利の濫用に当る場合の用件は厳格に過ぎると考えるが、仮にこれらの要件を充たす場合に権利濫用が認められるとしても、本件はこれらの要件を充たしているから、不開示にすべきである。 ということになるが、これらは1審被告門真市行政の違法・非常識を棚に上げ、市民という立場のみならず行政チェックを責務とする議員たる1審原告がそれに対して正当な批判活動をすることを抑圧するための、誹謗中傷攻撃に他ならない。 この1審被告の主張は、憲法・情報公開法・門真市情報公開条例の規定と趣旨に全く違反するものであること、および数々のウソも含まれており、当方の具体的事実に基づく指摘や主張に対して1審被告が全く反論できない有様であることは、既に当方の1審準備書面で詳細に明らかにされてきたところである。 その上で1審判決は、1審原告の言動と開示請求に関して、「本件開示請求が本件条例の趣旨に明らかに反するとはいえない。また本件開示請求書の請求の目的欄の記載、ホームページの掲載管理責任の問題及び別件の公文書開示請求に関する事情を考慮しても、原告の本件開示請求が個人攻撃を目的としているとは認めることができず、他に当該公文書の開示により知り得た情報を不正に利用する目的があることを認めるに足りる証拠はない。」、「本件開示請求をしたことが権利の濫用であると解することはできない。」(判決文11項下段)として、「以上のとおり、本件開示請求は本件条例の趣旨に明らかに反するとはいえず、公文書の開示により知り得た情報を専ら不正に利用することのみを目的とした開示請求ともいえないから、前記のような、権利の乱用であると解される例外的な場合に当たると認めることはできない。」(判決文12項上段)と明快な判断を下した。 1審被告の主張は、@・Aにおいては、「行政への批判意図を持ったり、行政の違法行為の暴露や宣伝意図を持つ者による開示請求は許されない」という恐るべきものである。門真市行政による本件違法行為は、「1審原告の独自の見解により」どころか、誰が見ても違法・非常識なことは明白であり、現に03年7/14大阪地裁判決と今回の4/22大阪地裁判決でわずか9ヶ月間で立て続けに2回も違法行為と認定されている事実であるのに、なんと厚顔無恥であることか! 本件公益法人役員情報隠しのみならず、その先鞭を切った2002年6月以来の「公金支出団体役員情報隠し事件」の実状を見れば、それを「暗黒錯乱行政」と呼ぶのはまさに正当な批判である。 また、Bの主張においては、「かつて第三者の権利を不当に侵害した、と行政機関が(勝手に)判断すれば、その者にはいつまでも情報開示をしない」ということであり、 Cの主張においては、「必然」だとか「必至」だとかという言葉で、「特定人物の将来の行動について行政の(勝手な)推測によって、その人物に情報開示をしない」ということである。 いずれにしても行政にとって気に食わない特定人物については、その過去の行動や将来の行動予測を勝手に挙げつらって、行政の恣意的判断によって、その人物を「情報開示の禁治産者」扱いにして情報開示請求を拒否し続けるという、恐るべき処置を平然と正当化しているのであって、1審被告門真市行政の違法性・異常性が尋常ではないことがここに如実に示されている。
3;1審被告の破廉恥な虚偽主張 上記のBの、「1審原告は、かつてその得た情報をもって第三者の権利を不当に侵害した事実があっ」て、それは「控訴人が原審でも詳細に主張し、立証した。」とか「1審判決でも認定している。」いう主張は全くの虚偽である。
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