平成15年 (ネ) 第2569号    損害賠償控訴事件

控 訴 人(第1審原告)    戸  田  久  和

被 控 訴 人(第1審被告)  門    真   市
  上 代 表 者           市  長 ; 東 潤

   

門真市の公金支出団体役員氏名情報隠し事件:国賠訴訟

大阪高裁   証拠説明書1

本日提出証拠の2本のテープ説明と立証趣旨などについて

2004(平成16)年4月27日

大阪高等裁判所  第13民事部 御中

控 訴 人(第1審原告)     戸 田 久 和  ◯印

********************************************************************

 

はじめに;

 本日、1審原告は裁判所に対して本件事件当時の録音テープを、その反訳も添えて2本提出させていただきます。

 うち一本の甲第123号証;<6/18(7/15)録音テープ>は、先の「4月20日法廷」において証拠提出を告げて裁判官の提出指示を受けたものであり、もう一本の甲第125号証;<6/11録音テープ>は4/20法廷の後にさらにテープ探しを行なう中で発見できたものであります。

 いずれも事件当時の様子を生々しく伝える非常に重要かつ貴重な記録であり、1審被告・門真市が何ら正当な根拠無く逆転不開示を強行したが故に、その直接の担当者たる辻情報政策課長や中本企画部長が1審原告からの問題指摘に何ら答えることができず、逆に諄々と教え諭されている様子がクッキリと浮かび上がっているものです。

 さて、このような重要な録音テープを、なぜ1審被告が今まで紛失してしまっていたのかについては、裁判官諸氏の疑問と不満とするところであろうと推測するに十分でありますし、実は何よりも1審原告自身が、なぜもっと早く熱心に捜索して発見し、テープ起こしをして証拠として活用し得なかったのか、慚愧に耐えないところであります。
 この点を、以下に釈明させていただき、裁判官へのお詫びとしつつ、証拠としての採用 へのご理解を賜りたくお願いいたすものであります。

 2002年6月の本件事件当時、私は非常に数多くの緊急的課題を抱えておりました。急速に浮上した「合併推進策動」への調査や対応、各種報道物の作成があり、また6月議会での数々の課題の調査や質問文書作成、議会報告文作成があり、議会における不当懲罰取り消しを求める控訴審文書を1人で作成して裁判を闘う課題をも背負っておりました。

 そういった状況下で、本件のような予想だにできない不条理な、そして侮辱的な逆転不開示決定を受け、まさに怒髪天を突くほどの憤怒に駆られて反撃を進めて行くことになりました。

 次々と起こってくる「常識外の行政と議会多数派が起こしてくる出来事」への対応に追われながら、録音テープやノート記録などで事実を克明に記録しつつ、裁判提訴も含めて 反撃を進めましたが、その中では事件が生々しい分、ノート記録やHP書き込みと自分の 記憶によって十分に事実経過をまとめることができる一方、あえてテープを聞き返したり 反訳を作ったりするには時間的余裕を失っておりました。
 裁判的には、こちらの突き出す事実経過に対して相手方が虚偽主張をして来た時に、確 実な反論証拠として手元に置いておく、という意識もあったように思います。

 しかしながら、1審においては事実経過を巡る論議が実質的には回避されたまま時間が 経過し、2003年4月の選挙を前後する物品移動などにも影響され、モノ自体も紛失してしまう状態になってしまった次第であり、昨年末ころから、ときおり探していたところ、や っと今年の4月になってこの2本のテープを連続して見つけ出した次第であります。
 裁判官におかれましては、どうかこの間の事情を温かく斟酌され、この2本のテープ記録の証拠価値へのご高察をなさって下さいますよう、平にお願いいたします。

 なお、原テープはこれを他の機械で再生すると、ほとんどの場合再生スピードが少し速 くて聞きづらいので、裁判所と被告に提出するテープは、裁判所書記官の指示に従って、スピード調整をしてダビングしたものを提出しました。原テープは1審原告が保有していますので、必要とあらばいつでも裁判所に提出したします。

 

1;<6/18(7/15)録音テープ>について

(甲第123号証)

(1) 録音の場所、日時、相手、録音の同意について

 1:2002年6月18日(火)朝の戸田と門真市役所との電話

   @ 戸田事務所の電話接続の録音機にて
          *市役所(代表)に電話して企画部につないでもらったもの

   A 2002年6月18日(火)朝18日朝9時半

   B 門真市役所・企画部の妹尾企画部次長

   C 録音していることは特には告げていないし、同意も取っていないが、このよう
      な役所の電話対応を録音することは、格段特異なことではなく、録音されてい
      ても困らない対応を常日頃心がけることが役所には求められているので、社会
      的な許容範囲のことだと考えられる

 2:2002年6月18日(火)昼の戸田と門真市役所との電話

   @ 戸田事務所の電話接続の録音機にて
       *市役所に電話して企画部情報政策課につないでもらったもの

   A 2002年6月18日(火)朝18日午前11時54分〜

   B 門真市役所の電話受付嬢おおび企画部の萩原情報統計係長

   C 録音していることは特には告げていないし、同意も取っていないが、このよう
      な役所の電話対応を録音することは、格段特異なことではなく、録音されてい
      ても困らない対応を常日頃心がけることが役所には求められているので、社会
      的な許容範囲のことだと考えられる

 3:2002年6月18日(火)夕方6時前後の戸田事務所での、戸田と中本企画部長・辻情
   報政策課長との協議の録音

   @ 戸田事務所内で、戸田の小型録音機にて

   A 2002年6月18日(火)夕方5時40分頃から6時過ぎまで

   B 中本企画部長と辻情報政策課長

   C 1審原告の記憶では、録音していることは特には告げていないし、ことさらに
      同意も取っていないが、このような公務としての協議を録音することは社会
      的な許容範囲のことだと考えられる。
      また、1審原告はこの当時、公務員でありながら両名が数々のウソをつくこと
      に疲弊させられており、自衛措置としても、このような録音は許容されるべき
      と考える。  

 4:2002年7月15日(月)午後3時頃の市民生活部商工政策課との電話

   @ 戸田事務所の電話接続の録音機にて
       *市役所に電話して市民生活部商工政策課につないでもらったもの

   A 2002年7月15日(月)午後3時前後

   B 門真市の市民生活部商工政策課職員(氏名不詳)

   C 録音していることは特には告げていないし、同意も取っていないが、このよう
      な役所の電話対応を録音することは、格段特異なことではなく、録音されてい
      ても困らない対応を常日頃心がけることが役所には求められているので、社会
      的な許容範囲のことだと考えられる

(2) 立証趣旨について

 @ 1:2002年6月18日(火)朝の戸田と門真市役所との電話、および2:2002年6月
    18日(火)昼の戸田と門真市役所との電話、については、
    1審被告が役所ぐるみで、1審原告に「6/11不開示決定の現物」を渡さないように、
    「渡す、渡す」とウソをつき続けて意図的に先延ばしを図っていたことと、中本企画
    部長や辻情報政策課長の所在を隠して、「出張に出た」などという破廉恥なウソを
    他に職員に言わせるなどしていたことを立証する。

 A 3:2002年6月18日(火)夕方6時前後の戸田事務所での、戸田と中本企画部長・
    辻情報政策課長との協議の録音、では

   1;中本企画部長や辻情報政策課長が6/18夕方段階でもまだ、「6/11逆転不開
    示決定」の本当の日付を隠し続け、またそれを翌19日に廃棄処分する段取りを
    進めてきた ことも隠し続けて1審原告に対応していたことを立証する。

   2:中本企画部長が情報公開についての見識がゼロに等しく、手引も読まずに対応
    していたことを自分で認めていること、辻情報政策課長もまた手引の活用を何らし
    なかったと認めていることを立証する。

   3;両名が1審原告からの指摘に対して何ら反論できず、不開示に法的根拠を有し
    ておらず、条例にも手引にも違反していることを自覚していたことを立証する。

   4;1審原告が広い心を持って、事態の打開策を具体的に提起していたことを立証す
    る。   

   5;中本企画部長と辻情報政策課長の間で、6月10日(月)には逆転不開示の合意が
    できず、11日にそれを押し付け決定したことを状況的に立証する。

   6;中本企画部長は、6/20本会議質問の答弁原稿作成を進めるために、戸田事務
    所に来たが、一方で戸田には質問に関わる重大な情報を意図的に伏せて質問業
    務を妨害したことを立証する。

   7;逆転不開示から1週間も経った6/18においてもなお、1審被告は「開示請求者が
    知っているはずのことは公開請求の対象ではない」とか、「本件請求は権利の濫
    用」だとか、「開示請求者が責務に反している」などとは一言も言っていない、すな
    わち、1審被告の訴訟後の主張は虚偽であることを立証する。

 B 4:2002年7月15日(月)午後3時頃の市民生活部商工政策課との電話では、情報
   公開に関して、団体役員の氏名隠しのみならず、「役員名簿」という言葉や役員の
   名称や人数まで一緒くたに不開示にして恥じないほどの、門真市職員の無知無理
   解ぶりを立証する。   

 

2;<6/11録音テープ>について

(甲第125号証)

(1) 録音の場所、日時、相手、録音の同意について

   @ 門真市役所「情報コーナー」にて
      *1審原告が持参した小型録音機を机の上に置いて録音

   A 2002年6月11日(火)午後2;18〜3;34

   B 辻情報政策課長

   C 反訳にある通り、辻情報政策課長は当初だけは「録音するならしゃべらない」
      としていたが、当方より「公的な説明責任」があることを説明されて、それ以
      上は特段異議を唱えることなく、録音機を横に見ながら話を続けたので、事実
      上の録音の合意があったと見なすことができる。
        もともとこのような市職員の公務としての説明を録音することは何ら問題が
      ないばかりでなく、市民として当然認められるべきことである。

(2) 立証趣旨

 1;辻情報政策課長が「6/11逆転不開示決定」の本当の日付を隠していたことを立証
   する。

 2;逆転不開示の不当性について、辻情報政策課長が1審原告からの指摘に対して
  何ら反論できず、不開示に法的根拠を有しておらず、また、「開示請求者が知ってい
  るはずのことは公開請求の対象ではない」とか、「本件請求は権利の濫用」だとか、
  「開示請求者が責務に反している」などとは一言も言っていないことを立証する。

 3;従って、不開示を正当化する「市の見解」をまともに書くことができなかったことを
  立証する。 

 4;6/11の前日まで、逆転不開示の動きはなく、「6/7開示決定」を持ってくる部署が
  あったほどで、それが一転して、何らまともな深い検討もないままに11日朝になって
  本当に急遽強行されたことを立証する。

 5:1審原告が広い心を持って、事態の打開策を「検討のし直し」という形で具体的に
  提起していたことを立証する。   

 6;辻情報政策課長は逆転不開示には、本当は賛同できないもののようであり、それ
  故に、「不服申立て」によって情報公開審査会が開示の答申を出し、それで事態を
  正常化させる途を考えていた節があることを状況的に立証する。

 

3;甲第127号証について

 立証趣旨;甲第127号証(中本企画部長が6月20日本会議で答弁に立った記録 )
     は、同部長が4人もの議員を相手に答弁に立つ6/20本会議を目前に控えて、
     課長から上がってくる質問の聞き取り内容や答弁原案の調整を行なう任務を
     持ってい る以上、この時期に「所在不明」になどなるわけがないこと、従って
     1審原告に役所ぐるみの「居留守ウソ」がつかれていたこと、従って、正しい事
     実に基づい た質問を組み立てるべき1審原告の業務への「偽計業務妨害」が
     役所ぐるみで行 なわれていたことを立証する。

 

 証拠資料リスト(テープ反訳)へ