国賠訴訟;地裁 第3準備書面(6)

6:不開示動機の本質的悪質さと暗黒錯乱行政拡大の現実

(1)被告がなぜこれほどまでに行政にあるまじき錯乱的な違法行為に突如として踏み
   込んでしまったのか?
   それは開示請求したのが原告=戸田であったからであり、開示請求対象が
   合併推進要望を出 した団体の役員氏名であり、戸田がそれら団体の多くが一部
   役員のみで勝手に合併要望の「団   体決定」をしていることをホームページや
   通信で調査報道していたこと、を嫌悪する勢力が役 所の当初の適正な判断をね
   じ曲げてしまったからである、とこれまでの状況証拠から原告は確信している。
   その何よりも雄弁な証拠が被告の「10/2答弁書」であり、まさに「問うに落ちずに
   語るに落 ちる」という言葉ピッタリに被告の本音=本当の動機がアケスケに語ら
   れているのである。
   その実態と批判は「11/2第2準備書面 3;違法な判断を自白した被告の「10/2
   答弁書」主張」の中の、
    (1)原告の開示請求動機を勝手に推測して不開示判断に加味
    (2)原告に対する(悪意を持った)個人評価を堂々と表明する被告の異常さ
    (3)「政治的な状況判断」によって開示判断を左右したことを自己バクロ
    に詳細かつ充分に展開しているが、同時に
    (4)特定の個人・状況を理由とした不開示が違法な無差別無制限な不開示に
      直結する!
    として、こういうような「『特定の個人・特定の状況への判断による不開示』を一度
   やってしまえば、それはたちまち『誰に対しても・いつでも不開示にしなければ収ま
   りがつかない』という『無差別無制限な違法な不開示』に直結する。」、と警鐘を鳴
   らしておいたが、まさに今その危険性が現実のものとなってしまった。

    すなわち、本件不開示が発生するまでは門真市において「市が補助金、助成金
   を出している団体の役員氏名が一般市民に対して秘密にされる」などということは
   考えられもしなかったの に、本件不開示事件によって、直接的には(訴訟対象28
   団体のうち補助金交付金を受けている)20団体・7696万円分について(甲第22
   号証の団体一覧表より計算)となり、それが無差別無制限で不当な不開示が進
   むことによって、3月議会の原告質問で明らかになったところによれば、2003年度
   予算において、市が補助金、助成金を出している団体数229、支出金額総計約
   4億200万円のうち、公益法人15,それ以外の団体199、の実に合計214
   団体、 支出金額約3億700万円に関して、それらの団体の代表者や会計、
   監査などの役員氏名が隠蔽されたまま、公金支出が続けられる(!)という、
   驚くべき事態にまで進んだのである。
(甲第69号証および甲第70号証)
    これを「暗黒行政の深まり」と言わずして何と言えばよいだろうか! 税金の使
   い道に対する「説明責任」などどこにもあったものではない。公金をそそぎ込んでい
   る団体の責任者が誰であるのか市民に秘密にしたまま億単位のカネが支払われ
   ていくドロ沼が、腐敗を呼び寄せてしまうことは論を待たない。一刻も早くこの違法
   な情報隠しを処断して門真市行政を正常化しなければならない所以である。

(2)さらに、第2準備書面と甲第55号証で示した「被告自身が定義した不開示情報を
   被告自らばらまいている支離滅裂さ」も進行している。
    その実例が、甲第71号証に示す「保育園入園案内」である。これは市役所別館
   1階の保育園 担当窓口(保育児童課)に置かれて、希望者には誰にでも配布さ
   れているもので、この3枚め裏の「簡易保育施設・家庭保育施設の一覧表」には
   「家庭保育施設」として当該家庭の代表者の氏名と住所・電話番号が記載され
   ている。保育に要望や関心のある市民がその家庭に連絡を取ったり場所や様子
   を知るために不可欠な情報だから、このように誰にでも自由に配布されているの
   だが、なんとこれを門真市の情報公開制度で開示請求すると、甲第49号証のA
   にあるように「氏名、個人の住所は個人情報のため開示できない」とされてしまう
   のである。
   「役所の窓口で誰でも希望すればすぐもらえる資料が、情報公開で請求すると肝
   心の情報を 出してもらえない!」、言い方を変えると「門真市では情報公開条例を
   使うと本来見られるものも見られなくなってしまう!」。こんな不条理なことが大手を
   振ってまかり通っているからこそ、原告はこれを「錯乱行政」と呼ぶのである。

  最後に、「汚職と腐敗のタネは尽きまじ」のこの社会にあって、行政の公明正大化、とりわけ公金支出先の明朗化と責任所在の明確化、議員や市民からのチェック機能の強化は愁眉の課題となっている。
  政策決定過程の公開や発案過程の公開まで情報公開の捉え方や制度が進んできているこのご時世にあって、本件事件のような悪質低劣で違法な情報隠しを市行政が平然と行なっていることは誠に恥ずべきことであり、公益実現のためにも門真市民の名誉のためにも、断固たる処断がなされて法的正義が回復されなければならない、と私は信じる。
 また門真市行政が、原告に対して議員としても一個の人間としても著しい侮辱と恥辱を与えたことは絶対に忘れないし、断じて厳しい処罰を追及するものである。

 どうか裁判所におかれましては、この門真市の暗黒錯乱行政の現実を踏まえて、早急に厳正適切な判決を下していただきますよう、お願い申し上げます。

以上。

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