2002年(平成14年)8月12日

「6.11公文書不開示決定」なるものと、それを引き継いだ「6.19公文書不 開示決定」なるものに対する不服(異議)申立書

門真市教育委員会 様

申立人住所 門真市北巣本町17-7

氏 名  戸 田 久 和

 次の通り不服(異議)申し立てをする。

1;不服申立に関わる処分

  教育委員会の2002年(平成14年)6月11日になされた異議申立人に対する「公文書不開示決定」処分なるもの、およびそれを引き継いだ「6.19公文書不開示決定」処分なるもの、

  (1)公文書の件名または内容;今年5月8日に市長、議長あてに「合併推進要望書」を
                     出した38団体について、2001年度及び2002年度の

       @代表者の連絡先(住所)
       A定款
       B役員(理事)リスト
       C総会・役員会(理事会)資料、議事録
       D市から補助金や人員派遣の実態がわかる資料(又はその現物)

      のうち、代表者の氏名、住所、役員の氏名

  (2)開示できない理由;門真市情報公開条例第6条第1号(個人情報)に該当

2;不服申立に関わる処分があったことを知った年月日

 2002年(平成14年)6月11日(午後2時)および6月19日(午後9時過ぎ)

3;不服申立の趣旨

  第1項記載の処分はそもそも無効であることを確認し、6月7日に行なった正常な開示決定のとおりに開示するとの決定を求める。
  この処分の内容もさることながら、この処分を出すこと自体が情報公開条例違反であるから、教育委員会は私に対して、真摯に謝罪し、2度とこのような錯乱行政を行わないことを約束せよ!

  もしくは、最低限、第1項記載の処分を取り消して6月7日に行なった正常な開示決定のとおりに代表者の氏名、住所、役員の氏名を開示せよ!

4;不服申立の理由説明

 (1)申立人は、本年5月23日に情報公開条例に基づき、教育委員会に対して「5月8
  日に市長、議長あてに「合併推進要望書」を出した38団体について、代表者の氏名
  住所、役員リストなどの公開請求を行なった。
   これに対して教育委員会は、所管の団体について「代表は氏名住所の開示、役員は
  氏名のみ開示」との決定を6月7日に行ない、その決定以前に申立人との協議で6月
  11日(火)の午後2時に開示することが決められていた。
   この決定は変妥当と評価できる開示決定だった。

  (2)この6.7開示決定は、所管部局が多岐に渡ることから、企画部情報政策課が原課を
  束ねて統一的対応を取ったものだが、既に申立人に決定通知が渡り、本条例で定めら
  れた「15日以内の決定期限」が6.7で切れているのに、企画部長;中本正秀は、6
  月10日になって「代表・役員の開示は個人情報に触れるのではないか」と企画部情
  報政策課長;辻光治に強く持ちかけ、所管の助役;土井祥道とも計って、ついに11
  日午前にあらゆる団体の代表・役員氏名の全面不開示という異様な決定を行ない(議
  員が兼任している消防団長の氏名だけ開示)、それに沿った開示作業のやり直しを各原
  課に指示したのだった。
   そして原課はこれに従って開示・部分開示・不開示の事務作業を行なった。
  (以上の経過は中本部長・辻課長が申立人に語ったことに依る)

  (3)これを便宜上「6.11不開示決定」と呼ぶことにするが、この日作成された決定通
  知は全て申立人に渡していた「6.7開示決定」の日付で作成されたのだった。
   即ち、日付を偽造したものであった。

  (4)この重大で申立人にとって著しく不利益な決定変更は、何ら申立人に通知されるこ
  とはなかった。6.11当日は午前10時から11:03まで6月議会本会議が開催されて
  申立人がこれに出席、終了して、開示の2時までの間ずっと市役所内にいたことを承
  知しながら、中本部長に至っては申立人と議場内外で顔を合わせていながら、申立人
  に全く通知することなく、不開示の決定・指示・作業が急ピッチで進められたのであ
  った。

  (5)そして午後2時、情報コーナーに赴いた申立人は、辻課長より出し抜けに「団体役
  員氏名は不開示と決定された」と通知された。市と議会に合併推進という重大事を要
  望した団体で、市から補助金を受けている団体の代表や役員が全て不開示になるなど 、
  想像だにできない不条理であり、なおかつだまし討ち的通告であったことから、申立
  人はこれに繰り返し猛然と抗議と反発を行ない、辻情報政策課長に謝罪と説明の文書
  を証拠として書かせた次第である。
   そして申立人はその場で市長あての抗議文を提出し、団体の役員リストの提供をこ
  の文書においても要求した。

  (6)しかしながら辻課長の謝罪は形式的なものであって、あくまでも「個人情報だから
  不開示だ」と言い張るのみなので、申立人としてはせっかく足を運んだのに手ぶらで
  帰るわけにもいかず、後日争うための証拠収集としても、悲憤慷慨の涙を飲んで、各
  課を追求しつつ部分開示を受けるほかなかったのである。

  (7)辻課長は当初申立人に「新たな不開示決定通知と申立人所有の通知とを差し替
   えてくれ」と要望したが、申立人は大事な証拠文書を差し出すことを拒否し、6.11不開
  示決定がそもそも不当で無効であることを主張し続けた。この際、辻課長は6.11不
  開示決定の現物を一度も申立人に示すことがなく、従って申立人はよもやその日付が
  「6月7日」になっているとは考えもしなかった。
   もしそれを申立人が見たならば、さらに「日付偽造文書だ!」と大騒ぎになったこ
  とは疑い得ないことである。そして辻課長は6月19日夜9時まで、その日付のこと
  を尾首にも出さず、申立人との間では一貫して「6.11不開示決定」と調子を合わせ
  続けたのであった。
   中本部長初め全ての関係職員もまた、議会答弁も含めて事実を告げようとしなかっ
  たのである。

  (8)申立人はあくまで「文書の差し替え」を拒否したのであって、6.11不開示決定通
  知の受け取り自体を拒否したのではない。申立人にとって「ふたつの公文書」を手に
  入ることは、しかもそのひとつが「日付偽造文書」であることは、今後争っていくた
  めの証拠として、歓迎することこそあれ拒否すべきことではない。
   ところが、これを市は「申立人が受け取り拒否したので渡せなかった」と歪曲して、
  不開示決定通知を申立人に渡さなかったことを正当化していくのである。

  (9)その後、情報公開施策の専門家である辻情報政策課長も、その上司の中本
   企画部長も、申立人が手引書の記載を示しても、公益法人役員の公開義務を定め
   た閣議決定を示しても一切取り合わず「個人情報だから不開示」と繰り返すのみで、
   しかも「決定変更の検討に際しては手引書を全く検討しなかった」と申立人に明言
   する始末であった。(6月18日、中本企画部長、辻情報政策課長が申立人に語る)

  (10)中本企画部長、辻情報政策課長らは、前日の19日夜9時になってようやく申立
  人の事務所を訪れ、「6.11不開示決定は日付に誤りがあったので6.19付けで決定し
  直した」と種明かしをして「6.19不開示決定」を置いていった。
   この時初めて申立人は、11日以来引き渡しを求め続けていた「6.11不開示決定」
  が19日に廃棄処分されたことを知らされたのである。これも全く考えもしないこと
  であり、もしこの間にこれの開示請求をしていれば、廃棄はできなかったはずである。

  (11)情報公開条例では、第11条(開示請求に対する決定等)で「実施機関は、開示
  請求があったときは、当該開示請求書を受理した日から15日以内に開示をするかど
  うかの決定をしなければならない。」、と定められており、それ以上に時間がかかるこ
  とが認めらるのは、その2項、「実施機関は、事務処理上の困難その他正当な理由に
  より前項に規定する期間内に同項に規定する決定をすることができない場合において
  は、30日を限度としてその期間を延長することができる。」、だけであって、その「正当
  な理由」とは、「第三者情報を含むなどして期限内の「決定が困難」とか「請求情報が
  膨大」、「天災等不測の災害」、「年末年始休暇時」などに限定されている(手引書24、
  25ページ)。
   本件がそのどれにも該当しないことは明白である。

 (12)そもそも一度行なった開示決定を、請求者に不利益になる方向に、実施機関が
  勝手に変更してよいということは、条例でも、手引書でも、施行規則や事務取扱要領の
  どこにも書かれていないことである。従って当然、そうした場合の手続きも、それら
  のどこにも書かれていないことである。
   故に、本件「6.11不開示決定」は、その決定自体も請求者への通告の仕方も、請
  求者が想像もできない不利益なことを、市が全く恣意的に請求者に科したものであっ
  て、法治主義と行政手続きの根本に違反した行為であり、通知された決定内容を信じ
  て開示日に足を運んだ請求者に、耐え難い打撃を与えて侮辱する行為である。
   このようなことが「行政の裁量」で成立しうるのならば、もはやそれは法治主義で
  はなく、「人治主義」に堕した憲法違反行政と言わなければならない。

  (13)このような恣意的な不利益決定は、条例第1条(目的)、第3条(実施機関の責
  務)、第11条(開示請求に対する決定等)、第14条(開示の実施)、に明白に違反し
  ており無効である。

  (14)6.11に決定変更を行なうこと自体が条例違反だから、本来それ以上の検討は不
  要であるが、あえて千歩譲ってその内容に踏み込んだ場合でも、以下に挙げる諸点に
  於いて、「団体の代表・役員氏名は条例第6条(不開示情報)の(1) 個人に関する情報
  に該当するから不開示」という市の主張は、条例違反が明白である。

 (15)条例第6条(不開示情報)においては、不開示情報として「(1) 個人に関する情
  報」を挙げたあとで、「ただし、次に掲げる情報を除く」として、
  ア  法令若しくは条例(以下「法令等」という。)の規定により又は慣行として公に
    され、又は公にすることが予定されている情報
  と述べている。

 (16)そしてその具体例として「適用除外事項基準(不開示情報の判断指標)」を手引
  書39〜49ページに述べている。
   その中の「第6条第1号 個人情報(ただし書き)《開示できるもの》」の表の中に
  は、「(1)公表することを前提として本人から任意に提供された情報の、(ウ) 議会
  に対する請願」、と言う項目がある。
   本件で問題となっているのは「市・議会に対する要望」であるが、これは「門真市
  がよそと合併して欲しい」という自治体に対して自らが消滅変化する「究極の重大決
  断」を求めるものであり、全住民に甚大な変化を与えるものであり、それを各種団体
  の意志と称して、団体名と代表者名を市・議会に表明したものであるから、その代表
  者氏名は最低限この(ウ)に沿って開示されるのが当然である。

  (17)また、「第6条第2号 法人等事業情報《開示できるもの》」の中に、「法人等か
  ら提供され、不開示の条件がついていない情報」が挙げられている。
   「法人等」の「等」とは、手引書13ページの「その他の団体」を指し、法人格を
  持たない各種市民団体などであり、本件要望団体のうち、法人をのぞく全ての団体が
  これに該当する。そしてそれら団体が市に代表者名やリストを提供する時に、従来の
  慣行からして「不開示の条件を付けずに」提供していることは明かであるから(もし
  そうでないというのならば、それは教育委員会に立証責任がある)、これも開示情報に
  該当する。

  (18)さらに、市が補助金、助成金を出している団体に関してその代表者氏名住所や役
  員氏名、最低限でも市に提出する申請書や決算報告に氏名を出す会計や監査が開示さ
  れなければ、議員のみならず市民一般に対する説明責任を果たさないことになるから、
  この点でもこれらは開示されるべき情報である。

  (19)以上検討したように、本件諸団体、すなわち「門真市婦人団体協議会」・「門真市
  体育協会」・「門真市スポーツ少年団本部」、「門真ボーイスカウト協議会」・「門真少年
  女合唱団」の、代表者氏名住所、役員氏名は2重3重に開示されるべきものであり、
  絶対に「不開示とされるべき個人情報」にはあたらない。

5:処分庁の教示の有無及び内容

  「この処分に不服がある場合には、この決定があったことを知った日の翌日から起算して60日以内に、不服(異議)申し立てすることができます」との教示があった。

最後に;

  申し立て人は、今回の不開示事件が「情報公開条例違反」「虚偽公文書作成」「偽計業務妨害」に該当すると判断して、8月9日(金)に東市長を相手取って国家賠償請求訴訟を大阪地裁に起こしたところである。
  この訴状と「疎明資料リスト1」を参考資料として提出するので、教育委員会はよく読んで真摯に反省し、申立人に謝罪した上で情報公開されたい。

以上。