●最大のポイントは「会長名を絶対出すな」という横車●

 この情報隠し事件の最大のポイントは、「どんなにムチャであろうが、違法であろうが、裁判敗北必至であろうが、とにかく会長の名前を出されるのは絶対イヤや!」という強烈な横車が働いているとしか思えない、ということである。
 「不服申し立てや裁判のことは無視して」、「あとはどうなろうともとにかく今隠せ!」なのである。

 役員情報の公開の幅を狭くしようと思うのなら、会長以外の役員について、「その団体の性格に応じて審査する」、として任意性の強い団体や補助金の少ない団体をはずすのが常道だが、「会長氏名すら非公開」としている自治体は、大阪府下33市で6/11以降の門真市以外にはどこにもない。(府は最も情報公開が進んでいる)
 しかも、門真市がやったことは、「閣議決定で役員名簿公開が義務づけられている公益法人」、門真市ならば社協やシルバー人材センターの会長までも全て非公開にしてしま ったのだ。

 団体の間に公開の格差を付けるとしたら、「法人とそれ以外。それ以外の中で公的性格の強いものと弱いもの」ということになるのに、法人の会長・役員まで非公開という のはもはや理解を絶する措置である。
 これは当然、「保護すべき個人情報の例外」たる、

ア  法令若しくは条例(以下「法令等」という。)の規定により又は慣行として公にされ、又は公にすることが予定されている情報

に違反して不当に非公開の幅を無制限に拡大したものに他ならない。
 およそ役人であれば、誰もできない違法な無制限非開示措置である。

★だとすれば、こういうことをゴリ押ししたのはどういう人々か?
 「会長も無制限非公開」の恩恵を最も求めるのはどういう人々か?
 ここに、事件を考える最大のポイントがある。

★法規範を破壊しようとも、情報公開を破壊しようとも、税金交付先の責任者不明の暗黒行政をもたらそうとも、諸団体の人々にかえって失礼であろうとも、門真市の名前を辱めようとも、あとで裁判で負けようとも、広報や議会資料記載の氏名まで非公開という不条理が起きようとも、・・・・・「自分達の非公開欲求が満たされればそれで  いい」、と考えて権勢をふるうような連中が本当の犯人である。

 ただ、この横車に屈して「最低限の職業倫理」を放棄した行政マンの責任もまた大きいことは同時に指摘しておかなければならない。彼らはドロ沼に転落し、門真市行政全体をドロ沼に引きずり込んだのだ。