合併協事務局編集発行の全戸配布パンフ見ました。

日時: 2004/08/24 13:37:36
名前: 橋本

  守口市・門真市の全戸に配布されるという合併協議会の協議事項をまとめたパンフ(カラー14
ページ、事務局によれば制作・配送委託料は約450万円)が、昨日我が家の郵便受けに入っていまし
た。まだ、合併協議会のHPには掲載されていません。
  表紙タイトルは「豊かな未来に向けて 守口・門真の合併を考える」。内容構成は「なぜ合併?!
」(1〜2ページ)「新しいまちってどんなまち?」(3〜4ページ)「わたしたちの暮らしはどうなる
の?」(5〜12ページ)市民生活、保健・医療、福祉・介護、教育・子育てに分けて各2ページづつ。
「合併するための基本的な項目」(13ページ)、タイトルなしのマップ(14ページ)裏表紙には「も
ともと守口市と門真市は似たまち同士」のタイトルで今回の合併協議内容とはあまり関係がないイラ
ストが載っています。

 さて、中身を見てみた感想ですが・・まず「なぜ合併?!」に書かれている表現が適切でないと思
いました。市は「これまでから経費の削減に努力しているが、市税収入は減る一方で生活保護など扶
助費は増える一方」と書いていますが、第5回協議会参考資料の「守口市及び門真市の決算の推移」
の「守口市の決算の推移(普通会計)」によれば平成4年から14年まで扶助費は確かに上昇の一途で
すが、市税はこの間上昇・下降の両面があり、平成12年度以降は下降していますが、守口市議会の特
別委員会資料「守口市の収支推計(市税)」によれば、平成16年度が底という感じで、以降はやや回
復して安定しています。「市税収入は減る一方」という表現は正確ではないように思います。また
「経費の削減に努力している」とはどんな努力をしたかを書いておかないと市民の理解は得られない
のでは?
 下のほうに「合併しない場合、両市とも平成19年度には財政再建団体に転落?」「合併した場合、
その効果で赤字額が大幅に縮小します。」として「合併協議会だより」でもおなじみの「累積収支額
の推移」(「推定される累積収支額」とするべきと思うが)には「両市が合併すると、その効果によ
って行財政の健全化がより早く、確実に進むこととなります。効果額は10年間で365億2400万円にの
ぼります。」と書かれていますが、効果額の根拠というか内訳も示さず、行財政の健全化が確実に進
むとはどうしていえるのか? と思いますね。この「累積収支額」のグラフの、単独でいった場合は
両市とも再建団体に陥るという推計については、第6回協議会で西岡・事務局長が「実際には、この
ような大きな赤字を出すということはありえないわけでございます。現実にはこのような状況に陥ら
ないようにするために、いずれの団体においても必死の努力をいたすわけでございまして・・・」と
説明しており、比較のためとはいえそのような非現実的なデータを出すことは不適切でしょう。
 一方で、合併した場合のデータには職員200人の早期勧奨退職者が組み込まれており、こちらはい
わば目一杯努力した理想を表しています。もし、200人の勧奨退職者が生まれなかったら、実際は100
人に留まっていたらどうでしょう。第6回協議会参考資料「合併に伴う影響額」によれば、100人分
の勧奨退職に対し30億円の退職手当債を発行した場合、平成18〜20年で計約35億のプラス効果を見込
んでいましたが、この効果額が飛んでしまえば、合併しても赤字再建団体転落の恐れ大です。分庁方
式なら、なおのこと職員の削減は難しいでしょうし。なにしろ、目一杯努力しても合併後赤字基調が
続き、累積赤字額が最大になる平成21年には赤字再建団体転落までわずか32億円しか余裕がありませ
ん。
 合併したほうがあかんのんちゃうか。なのに「なぜ合併?!」パンフを見て改めて感じたことです。
 
 なぜ合併かについては、「今の市民サービスを水準を守りさらに少子高齢化などに対応していく」
ことが書かれていますが、5ページ以下、「わたしたちの暮らしはどうなるの?」で目立つのは「当
面今までどおり、合併後に調整」というもの。これでは今の市民サービス水準が維持される保障はあ
りません。しばらくは赤字基調ですから、市民サービス縮小、廃止の可能性が大きいでしょう。すで
に「福祉電話の通話料」のように合併時までに廃止の方向で調整と書かれているものもあります。協
議会で廃止とされたのに、「就学援助費」のなかの門真市だけで実施されていた就学奨励金のことが
なぜかパンフに載っていませんでしたね。給付対象者にとってはサービス低下です。
 
 それから上下水道料金ですが、料金統一は合併3年後、金額は合併しなかった場合守口市で平成18
年に値上げが想定される額を限度とする、として平成20年度〜上限額は4305円としています。この43
05円というのは平成14年度決算ベースを基に算定したもので、平成15年度決算ベースでいくと値上げ
はしなくてすむ、と8月3日の守口市議会合併特委で結論付けられました。平成14年度ベースでいくと
合併3年後守口市は値上げになるが、平成15年度ベースなら値上げはなし、というか合併しなかった
ら当分値上げはなしでいけるでしょう。

 
 ザッとパンフを読んでみましたが、合併する理由も市民サービス水準が維持できるかどうかも赤字
再建団体に陥らないでいけるかどうかも不透明です。これ!という「合併の目玉」も私にはわかりま
せん。学校の耐震化と大規模改造、これも学校の統廃合の決定をまたねば
進まないでしょう。
 
 裏表紙の絵を見ながら、これは大阪市に近い地域の市民にはほとんど意味のないメッセージだと思
いました。京阪商店街のある商店主がこんなことを言っていました。「中央環状から向こうは門真に
くれてやって、こっちは大阪市に編入がいい。合併の目玉? 門真と合併しても3年後にまとめて大
阪市に編入されるんだったら、そんな目玉があるんだったら合併に賛成するよ。」「じゃ、住民投票
は反対に○ですね。」法定合併協議会設置前に合併のワク組みを問う住民投票を求めたらよかったで
すね。合併協議会が作成したパンフを見ても、結局合併は「バラ色」にはほど遠いという感じですか
ら。(守口市・橋本)