【関連参照】党派のヘゲモニー握りたがり病を批判する【キツネ目組2001年3月】

日時: 2004/08/12 12:22:50
名前: 三河屋

http://www.zorro-me.com/2001-3/010320-2.html

党派のヘゲモニー握りたがり病を批判する

 まず、千葉同様、勝てば日本の政治の流れを変えうるチャンスのある、というかあった、というか
あまりしられてない名古屋市長選や。 これは名古屋の古参組員のサケちゃんからレポートがとどい
てておもろいんや。しょうかいしとく。 

★名古屋市長選情勢報告1

 名古屋のサケです。 4月に行われる名古屋市長選に関して、2月26日(月)、市民派の集会に
親分が来 るというので行きました。その報告&感想を送ります。

まず、市長選をめぐる状況はこうです。(市民の私もよく知らんかった) 

●共産党以外のオール与党が現職・松原市長を推している。
●前回の市長選で、共産党候補者と市民派候補者(梅村忠直)の票を合わせるとオー ル与党候補に
勝っていた。
●で、共産党と市民派候補を1本化して、栃木、長野、東京21区の結果を受けて、 政党色のない
無党派市民候補をぶつけることになった。 
●が、その候補者が決まらないので予備選なるものが行われている。
●予備選は、前回候補・梅村忠直と牧野剛の2人の争い。
●共産党と一部市民派は梅村を推し、牧野には乗れない。 
●別の市民派は牧野を推している。 
●が、500円を払って投票する予備選では、共産党の組織票で梅村が勝ちそう。 さあ、牧野よど
うする?!というところで、 牧野剛氏を推す一派による、牧野を応援するための集会だったわけで
す。

全体の感想としては、 集会の参加者自体が、20年、30年と市民運動をしてきたおじさんたちば
かりで、 若い人は一部の牧野応援団以外いないし、 会の進め方を見ても、内輪の会だなあという感
じでした。 

牧野氏は、名古屋では数少ない全国的に名を知られた人ですが、 地元での評判は必ずしもよくあり
ません。 (中略)

★名古屋市長選情勢報告2

名古屋のサケです。 名古屋市長選をめぐる情勢が少し変わってきたので続報です。

●市民派の予備選が2派に決裂し、共産系を含むグループの予備選では梅村氏がトッ プとなり、 別
の派では意外にも鷲田豊明氏(神戸大大学院教授)がトップとなった。
●鷲田氏は、両派のトップ票である梅村氏が立つべきだといい、降りた。
●梅村氏は一旦その気になったが、7日、共産党が非公開のメモで今まで保守系の県 議だった彼の
政治信条(憲法9条のこととか)が間違っていたことを文書にしろ、で ないと応援できないという
ようなムチャな要求を突きつけたので怒って降りてしまっ た。(メモの内容が笑えます。共産党に
敬意を表することとかあったりして。)
●現職市長側は余裕で「その2つの市民グループは選挙に参加してほしくない」と バカにし始め、
完全に油断している。 というわけで、市民派候補の候補は誰もいなくなり、予備選で3位に甘んじ
た牧野さんに チャンス到来です。

★名古屋市長選情勢報告3

名古屋市長選、いよいよ牧野剛氏が出馬表明しました。 
でも、共産系市民団体が推す、うのていを氏が既に出馬表明をしています。牧野さんは、うの氏に出
馬を取りやめるように言っていると、 新聞には書いてありました。 
うの氏が何者かよくわからないのですが、67歳と高齢です。 
(中略)

★名古屋市長選情勢報告4

名古屋のサケです。 市長選関連のニュースから報告です。 
共産党愛知県委員会吉村吉夫委員長が17日に辞任しました。 
立候補に意欲を燃やしていた元県議梅村氏に、 文書で保守系時代の政治姿勢の反省を迫ったことに
関し 「非礼きわまりない態度をとってしまい、市民団体に対して責任を深く反省」し、 新しい委員
長のもと、共産系市民団体の推す、うのていを氏の勝利を目指すんだそう です。 

 共産党もいろいろで、人間がやっているから いろいろよろめきがあるんですね。 一方、正式に立
候補を表明した牧野氏は、うの氏と対面し、 「自分に話を通さず立候補を決めたのはけしからん」
と うの氏に立候補とりやめを迫ったけど、その場では決まらず 今後話し合いで候補者の一本化を検
討するとのこと。 でも、なぜかその場に、決裂した予備選の一方の団体に選ばれていたけど辞退し
た 鷲田氏が同席していて、 「牧野氏も、うの氏も立候補をやめて、第4の候補を選ぶ時間をくれ」
 と割って入っていました。 ニュースでは市民派はもうグチャグチャという感じを受けます。 では
また。 サケ

 名古屋の共産党の責任者が、擁立しかけていた候補の過去の言動に憲法改正に言及したコトバがあ
ってそれを追求して、ケンカになって候補がおりてまいよった。そのあとひっちゃかめっちゃかにな
っとる、ちゅう話である。

 この話の一番情けないところは、ひっちゃかめっちゃかになってる状態、でも共産党の委員長がや
めたことでもない。

 「なぜ、そういうことをやるのか?」ということについての、根底的な総括が何十年もでけてない、
あいつらにわからんという事実である。

 すなわち、大衆運動、市民運動に対してつねにヘゲモニーを握ろうとする「ヘゲモニー握りたがり
病」である。

 ゆうとくけど、党派はヘゲモニーを握ろう、と思ったその瞬間に負けているのである。

その思想そのものが敗北の思想なのである。

ここに気がつかない。

なぜか?

まず、握れるわけがないのだ。実際、70年、「一度もまちがったことをやってない」でやってきて
握れなかった。

つぎに、現情勢では、政治的に反発を買って自滅する、ということだ。

そして、みっともない、カッコわるいことだ、と気がつかない。

それなのに、いつもヘゲモニーをとろうとして、とってつけたようなリクツ、「自らの合理化」にす
ぎないものをさも思想のように強弁しよる。

 つまりアホなんや。

 党派ができることは、お手づだいさん、なのだ。触媒、といってもいい。それでこそ、多少は党派
というもののパワーが人々のお役にたつこともある、かなあ、というぐらいのもんでしかない。

 名古屋の市長選挙では、こうして共産党は、みっともなく、はずかしく、役に立たない、とういう
いつもの役割をなんらハンセイすることができぬまま、またわけのわからんおっさんを出してきてし
もた。それこそが、内閣の首相だけとりかえてすませよう、という自民党のやりかたとなんら違わな
い。ひとりよがりの芝居の主役で観客がみな帰ってしまう。

 いま、名古屋の共産党がやれる、一番カッコいいことちゅうなら、無条件で、文句いわずに牧野を
応援することなんやけど、できない。これができれば、これまでの不信感、嫌悪感を消せる、少なく
とも、一般大衆に少しは見直してもらえる。それが政治的財産、であって、自分らだけがタダシイ、
という甲羅の下にもぐりこんで「正義」を唱えることはむしろ破産への道である。

 まあ、70年間、政治目標を達成できないまま「一度も間違ったことがない」とかいうてるんやか
らな。これが民間会社ならとっくに倒産だ。わしに言わしたら7分間も正しいことがあったんか、と
いいたい。

 そんな党派と承知して、1票を投じる人々の気持ちがわからないなら、企業やったら社長以下全員
クビで、こら株主代表訴訟ものや。

 かくして、カクシンは「現市長をひきづりおろす」という最大の政治目標実現へのチャンスをみず
から破棄してしまうわけだ。総会屋よりタチが悪いといわねばならん。総会屋は混乱させるようなこ
といいながら、まとめるシゴトのプロやけど、カクシンのプロはまったく逆のことをやって恥じない。

 なに、これは共産党を例にだしたが、別にどこの政党、大組織もいっしょや。

 党派というのは必ず、ヘゲモニーを握りたがるビョーキにかかっとる。

 この癖が抜けないかぎり、彼らは負け続けるであろう。

 なぜなら彼らの脳味噌の論理構造がその一点で、権力側の野中などと同じなんやからな。野中がヘ
ゲモニーを握るならホンマに握りよるから、それなりにカッコええけど、ゼッタイにぎれんやつがそ
んなことをしようとおもうだけで、カッコ悪いし、カッコわるいことをなんねんやってもようはなら
ん。大衆はカッコええもんをのぞんでおる。望んでいるものを製造できない企業はつぶれるのが当然
だろう。

 いい加減に気がつけ。大衆が欲しがらないクルマを売ろうとしたメーカーは外資傘下に入るしかな
かったやろが?

 我が国の党派はお助け団体でええんじゃ。ヘゲモニーなんか大衆にまかせておけ。そのあとヘゲモ
ニーを握り続けよう、利権、自分らが太ろうとかそういうみっともない考えは捨てや。やるだけのこ
とをやったら、自らは「人知れずほほえまん」でえええんじゃ、それのほうがよっぽどカッコええ。
(中略)この「ヘゲモニー握り金タマ主義」あるかぎり、党派はなんの積極的な役割も果たし得ない
だろう。わしは、あいつらホンマは政権なんかとらんで、現状のままが居心地がええ、と内心はおも
とるんやないか、と疑っている。

 さて、では、党派、徒党がアカンとなったらあとは個人しかない。

  滋賀県のタタカイにジロー砂川町会議員が風穴をあけよったな。門真のアホな市議会キャンキャ
ンいわしとるコマンダンテ・戸田の活躍とともに、個人が何をやれるか、という見本である戦う意志、
楽しむ意志があればあとはなんとでもなる。組員、党員はしやから、男を、あるいは女を,自らの任
侠道を磨いとけ。それしかないでえ。
(後略)